最終更新:2026年9月/東京都教育委員会が公表した令和9年度(2027年春)入試の情報をもとにしています。最新の情報は必ず東京都教育委員会の公式発表でご確認ください。
2027年春の都立高校入試は、推薦が令和9年1月26日・27日、一般(学力検査)が2月21日です。一般入試は、当日の5教科の点数と内申(調査書点)を7:3で合わせた1000点に、スピーキングテスト(ESAT-J)の20点を足して合否を決めます。
内申は中3の成績だけが使われ、音楽・美術・保健体育・技術家庭の4教科は2倍で計算されます。この記事は全体の地図です。気になるところは、それぞれの詳しい記事へ進んでください。
- 令和9年度(2027年春)の推薦・一般・二次募集の日程
- 7:3と1020点満点の計算のしかた(計算例つき)
- 調査書点で実技4教科が2倍になるしくみ
- 推薦入試で何を見られるか
- 自校作成問題を使う10校と、令和9年度の変更点
- 中3の9月から3月までの月別やることと、保護者のNG
都立高校入試2027の全体像:受けるチャンスは主に2回
都立高校(全日制)を目指すとき、受けるチャンスは主に「推薦」と「一般(第一次募集)」の2回です。定員が埋まらなかった学校では、3月に第二次募集も行われます。
大事なのは、推薦と一般で見られるものがまったく違うことです。推薦は学力検査がなく、内申と面接・作文などで決まります。一般は当日の5教科のテストが合否の7割をしめます。
| ルート | 見られるもの | 学力検査 |
|---|---|---|
| 推薦に基づく選抜 | 調査書(内申)、個人面接、小論文・作文・実技などのうち1つ以上 | なし |
| 第一次募集(一般) | 当日の5教科+調査書点+ESAT-Jの結果 | あり(国・数・英・社・理) |
| 第二次募集 | 定員に空きがある学校で実施 | 学校の実施方法による |
※出典:東京都教育委員会「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱」。第二次募集の実施校・実施方法は、第一次募集の結果をふまえて公表されます。
都立を第一志望にする場合も、ほとんどの人は私立高校を「併願」で受けます。内申で約束をもらう「併願優遇」のしくみは、東京の私立の併願優遇の記事で詳しく説明しています。
令和9年度(2027年)の入試日程
日程はすでに公表されています。推薦は1月26日(火)・27日(水)、一般の学力検査は2月21日(日)です。出願はWebサイトへの情報入力と、書類の郵送で行います。
| 区分 | 出願(情報入力・書類提出) | 検査日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| ESAT-J(中3) | 申込は令和8年9月16日で締切 | 令和8年11月22日(追・再試験 12月13日) | - |
| 推薦 | 情報入力 12月18日〜1月18日午後5時/書類 1月8日〜1月18日 | 1月26日(火)・27日(水) | 2月2日(火) |
| 第一次募集・分割前期(一般) | 情報入力 12月18日〜2月4日午後5時/書類 1月29日〜2月4日 | 2月21日(日) | 3月1日(月) |
| 第二次募集など | 3月4日(木) | 3月9日(火) | 3月12日(金) |
※出典:東京都教育委員会「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜日程」(2026年5月28日公表)、同「実施要綱」(2026年9月17日公表)、同「中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)」案内ページ。情報入力の開始は令和8年(2026年)12月18日(金)、それ以外は令和9年(2027年)の日付です。全日制の分割後期募集は令和8年度に廃止されています(塾選ジャーナルの解説による)。
推薦の合格発表(2月2日)から、一般の書類提出の締め切り(2月4日)まではわずか2日です。推薦を受ける人は、不合格だったときの一般の出願先を、1月中に家族で決めておいてください。
一般入試は1020点満点:7:3とESAT-Jの計算
一般入試の合否は「総合得点」1020点満点で決まります。内訳は、学力検査700点、調査書点300点、ESAT-J 20点です。全日制の普通科は、学力検査と調査書点の比率が原則7:3です(芸術・体育に関する学科は6:4)。
| 項目 | 満点 | 計算のしかた |
|---|---|---|
| 学力検査 | 700点 | 5教科の合計(500点満点)÷500×700 |
| 調査書点 | 300点 | 換算内申(65点満点)÷65×300 |
| ESAT-J | 20点 | A=20点、B=16点、C=12点、D=8点、E=4点、F=0点 |
| 総合得点 | 1020点 | 上の3つの合計 |
※出典:東京都教育委員会「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱」(1000点満点+ESAT-J 20点=1020点、7:3の比率、ESAT-Jの点数化)。700点・300点への換算式は河合塾Wingsの解説による。学力検査は5教科・各50分です。
計算してみましょう(例)
たとえば、次のような生徒の場合です。
当日のテストは500点を700点に直すので、1点が1.4点の重さになります。調査書点は65を300に直すので、換算内申1つで約4.6点です。実技教科の評定が1上がると換算内申は2増えるので、約9.2点分になります。当日のテストに直すと、約7点分です。
この数字から、作戦が見えてきます。内申がすでに決まりかけている12月以降は、当日点を1点でも多く取ることが一番の近道です。一方で、2学期の評定はまだ動きます。9月〜12月は、定期テストと提出物で内申を守りながら、当日の5教科を底上げする時期です。ESAT-JのA判定とC判定の差は8点で、当日点に直すと約6点分にあたります。小さく見えても、合格ライン付近では大きな差になります。
ESAT-Jを受けていない人は、都立の英語の学力検査で自分と点数が近い受検者(上下5名以上ずつ、合わせて10名以上)のESAT-Jの結果から「仮の結果」が出されます。0点になるわけではありませんが、英語の当日点しだいになります。
「内申と当日点、どちらでどれだけ取ればいいか」を志望校のレベル別に知りたい場合は、進学指導重点校の内申と当日点で詳しく解説しています。
調査書点(内申):実技4教科は2倍、中3の成績だけ
都立の内申は、中3の成績だけが使われます。そして、学力検査がない教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)は2倍で計算されます。ここが東京の一番大きな特徴です。
| 教科 | 評定 | 倍率 | 最大 |
|---|---|---|---|
| 国・数・英・社・理 | 5段階×5教科 | 1倍 | 25 |
| 音・美・保体・技家 | 5段階×4教科 | 2倍 | 40 |
| 換算内申 | - | - | 65 |
※出典:東京都教育委員会「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱」(学力検査を実施しない教科は2倍)、同「調査書の作成について」(第3学年の評定を記入)。調査書の作成要領は令和8年度版で確認。令和9年度でのしくみの変更は公表されていません。
調査書には、12月31日現在の中3の評定が書かれます。つまり、2学期(2期制の学校は後期の途中)までの成績がほぼ勝負です。9月の今からでも、提出物・小テスト・授業での発言は評定に反映されます。
計算の練習や「自分は今いくつか」を出す方法は都立高校の内申点の計算、実技4教科の上げ方は実技4教科で差をつけるにまとめています。
推薦入試:学力検査なし、全員が個人面接
都立の推薦は、学力検査を行いません。一般推薦の志願者は全員が個人面接を受けます。さらに、小論文・作文、実技検査、学校が決めた検査のうち1つ以上が行われます。集団討論は、必要と判断した学校で行われます。
東京都教育委員会は、推薦で見る力を「基礎的な学力を前提に、課題を解決するための思考力・判断力・表現力など」と説明しています。内申が高いだけでは決まらず、作文や面接で自分の考えを言葉にできるかが問われます。
推薦の人数の上限は、普通科で募集人員の20%以内、総合成績にしめる調査書点は50%まで、という解説があります。ただしこれは2023年度入試時点の解説で、令和9年度の公式文書では確認できていません(目安)。学校ごとの配点(調査書点・面接・作文など)は「実施方法一覧」で公表されているので、志望校の欄を原本で確認してください。
推薦は倍率が高くなりやすく、合格者は限られます。推薦に向けた準備が一般入試の勉強をけずらないか、という判断が大切です。くわしくは難関都立の推薦は受けるべき?と推薦入試の面接対策をご覧ください。
自校作成問題の10校と、令和9年度の変更点
都立の一般入試は、多くの学校が都の共通問題を使います。ただし、次の全日制10校は国語・数学・英語を学校が自分で作る「自校作成問題」です。社会と理科は共通問題です。
| 区分 | 学校 | 自校作成の教科 |
|---|---|---|
| 3教科自校作成(10校) | 日比谷、戸山、青山、西、八王子東、立川、国立、新宿、墨田川、国分寺 | 国語・数学・英語(社会・理科は共通問題) |
| 1教科のみ | 国際 | 英語のみ(他の4教科は共通問題) |
※出典:東京都教育委員会「令和9年度 自校作成問題を使用する学校」(令和9年度入学者選抜 第一次募集)。
自校作成問題は、共通問題より記述や思考の比重が高く、共通問題の過去問だけでは練習が足りません。学校ごとの傾向と対策は都立の自校作成問題、日比谷・西など8校の偏差値や倍率、教材は難関都立高校8校の対策で解説しています。
令和9年度(2027年春)の主な変更点
一般入試で、ふつうの「7:3」に加えて、当日点だけで決める「10:0」でも計算し、高い方の点数を使う方式が、新たに全日制普通科の2校で始まります。報道によると対象は北園高校と武蔵野北高校です。令和8年度から導入している深沢高校と合わせて、3校に広がると報じられています。内申に自信がなくても当日点で逆転しやすい方式です。
国際高校の国際バカロレアコースは、9月入学の生徒の選抜がなくなり、4月入学だけになります。
※出典:東京都教育委員会「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱」報道発表(2026年9月17日)。10:0併用の対象2校の校名はリセマム(2026年9月18日)の報道による(公式要綱の別表4は原本未確認)。深沢高校の導入は塾選ジャーナル、「3校へ拡大」は教育新聞の見出しによる。
中3の月別やること(9月〜3月)
入試まで、残りは約5か月です。12月までは「内申」と「基礎の穴うめ」、1月からは「過去問」と考えると、やることがはっきりします。
| 時期 | 入試の予定 | 勉強でやること(目安) |
|---|---|---|
| 9月 | ESAT-J申込は締切済み(9月16日) | 模試を1回受け、5教科の弱い単元を3つ書き出す。平日2〜3時間、休日5時間を目安に |
| 10月 | 令和9年度の募集人員の発表(未公表・前年どおりなら10月下旬ごろの見込み) | 定期テストで内申を取りに行く。実技4教科の提出物を落とさない。英語は音読を毎日10分 |
| 11月 | 11月22日 ESAT-J本番 | ESAT-Jまでの2週間は、声に出して答える練習を1日15分。社会・理科の苦手単元を1周 |
| 12月 | 三者面談で受験校を決める/18日から出願の情報入力開始 | 共通問題の過去問を1年分、時間を計って通す。冬休みは1日8時間を目安に |
| 1月 | 推薦 1月26日・27日 | 過去問を週2年分。間違えた問題だけをノートにまとめる。私立の併願校の対策も並行 |
| 2月 | 推薦発表 2日/一般書類提出 4日まで/学力検査 21日 | 新しい問題集は増やさない。本番と同じ時間割(各50分)で過去問を解き直す |
| 3月 | 合格発表 1日/第二次募集 4日出願・9日検査・12日発表 | 結果にかかわらず、高校の準備へ |
※出典:入試の予定は東京都教育委員会の令和9年度入学者選抜日程・ESAT-J案内による。募集人員の公表時期は令和8年度(2025年10月23日公表)の実績からの推測です。勉強時間はエスペランサアカデミーの指導経験にもとづく目安で、生徒によって調整します。
中3秋の勉強の進め方は中3秋の学習計画、冬休みは中3の冬休みの使い方、過去問の始め方は過去問はいつからでくわしく解説しています。
帰宅後〜夕食前(60分):数学の計算と、その日の授業の復習。夕食後(60分):英語の長文1題と音読。寝る前(30分):社会・理科の一問一答。合計2時間半を、毎日同じ順番で続けます。順番を決めておくと「何からやろう」で迷う時間がなくなります。
午前(2時間):模試や過去問を2教科、時間を計って解く。昼食後(1時間):午前の答え合わせと直し。夕方(1時間):苦手単元の教科書レベルの問題。夜(1時間):英語の音読と社会・理科の暗記。「解く→直す→穴をうめる」を1日の中で完結させるのがコツです。直しをしない演習は、点につながりません。
保護者がやってはいけないNG
都立入試は、しくみを知っているかどうかで、保護者の声かけが大きく変わります。次の4つは、秋以降に逆効果になりやすい行動です。
- 「実技は受験に関係ない」と言う。東京では実技4教科が2倍です。評定が1上がると、当日のテスト約7点分に相当します。
- 中1・中2の成績を持ち出して責める。都立の調査書に使うのは中3の成績だけです。過去より「今学期」に目を向けてください。
- 推薦の結果が出るまで、一般の出願先を決めない。推薦発表から一般の書類締切までは2日しかありません。
- 模試の合計点だけで一喜一憂する。見るべきは、どの教科のどの単元で落としたかです。結果の見方は模試の結果が悪かった子への声かけも参考にしてください。
(1)出願の日程を家族のカレンダーに書きこむ。(2)12月の三者面談の前に、第一志望・併願の候補を家で話しておく(秋の三者面談)。(3)実技教科の提出物の期限を、子どもと一緒に確認する。どれも、子ども一人では抜けやすいところです。
よくある質問
Q1. 推薦と一般の両方を受けられますか?
はい。推薦で不合格だった場合は、一般(第一次募集)にあらためて出願できます。推薦の準備と一般の勉強を、同時に進めておくことが大切です。
Q2. ESAT-Jの申し込みを忘れていました。
令和9年度入試で使うESAT-Jの申込は、令和8年9月16日で締め切られています。まずは在籍中学校の先生に状況を確認してください。受けていない場合は、英語の当日点が近い受検者の結果から「仮の結果」が出されます。英語の当日点を1点でも上げることが、そのまま対策になります。
Q3. 内申がまだ低いのですが、都立はあきらめるべきですか?
あきらめる必要はありません。当日のテストは合否の7割をしめます。1点が1.4点になるので、当日点を伸ばせば内申の差を取り返すことも可能です。さらに令和9年度は、「10:0」でも計算する学校が新たに2校加わります。
Q4. 自校作成の学校を受けるとき、社会・理科の対策は?
自校作成の10校でも、社会・理科はほかの都立と同じ共通問題です。都立共通問題の過去問を、各50分で年度ごとに通して解いてください。
都立入試は、内申・当日点・ESAT-Jの3つをバランスよく取る試験です。どこで点を取り、どこを守るかは、一人ひとり違います。模試の結果と通知表があれば、残り5か月の配分をかなり具体的に決められます。
エスペランサアカデミーは、完全オンラインのプロ家庭教師による1対1指導です。都立を目指すお子さまの内申と模試の結果から、当日何点必要かを計算し、月ごとの学習計画を一緒に作ります。
通知表と直近の模試を見せていただければ、内申と当日点の目標をその場でお伝えします。無理な勧誘は一切ありません。
まとめ
- 2027年春の都立入試は、推薦が1月26日・27日、一般が2月21日。一般の発表は3月1日
- 一般入試は、学力検査700点+調査書点300点+ESAT-J 20点=1020点満点
- 内申は中3の成績だけ。実技4教科は2倍で、換算内申は65点満点
- 推薦は学力検査なし。全員が個人面接を受け、作文・小論文などもある
- 国・数・英が自校作成の学校は全日制10校。社会・理科は共通問題
- 令和9年度は「10:0」併用の学校が新たに2校、国際高校IBの9月入学は廃止
- 推薦発表から一般の書類締切まで2日。出願先は1月中に決めておく


