プロ家庭教師が作成・監修 エスペランサアカデミー
秋の模試でD判定・E判定が返ってきた。子どもは黙って部屋にこもっている。親として、何と声をかければいいのか、それとも何も言わないほうがいいのか。受験生を見てきたプロ家庭教師の立場から、判断の基準と具体的な言葉をまとめました。
結論:判定には触れず、「成績表を一緒に見る時間」を1回だけつくってください
秋の判定は、本番の合否をそのまま示すものではありません。親が判定に反応すると、子どもは成績表を見せなくなります。
声をかけるのは返却当日ではなく、1〜2日あけてから。見るのは判定ではなく「科目別」と「設問別」です。
なぜ「判定」に触れないほうがいいのか
理由1:秋の判定は、まだ動く
秋の時点では、学校の授業が入試範囲を終えていないことが多く、特に数学・理科・社会は後半の単元が模試に入っていません。判定の基準は模試を行う会社ごとに違いますが、秋の判定だけで志望校を決めるのは早すぎるというのが、多くの受験指導者の共通した見方です。詳しくは 模試でE判定・D判定…志望校は下げるべき? をご覧ください。
理由2:いちばんショックを受けているのは本人
判定の文字は、子どもがすでに何度も見ています。そこに親の反応が重なると、「次の模試の結果は見せたくない」という気持ちが生まれます。成績表が親の目に届かなくなることが、いちばんの損失です。
言い換え表|その一言を、こう変える
| つい言ってしまう言葉 | 子どもに伝わること | 言い換え |
|---|---|---|
| 「E判定じゃない、大丈夫なの?」 | 親も不安なんだ | 「返ってきたね。落ち着いたら一緒に見せてくれる?」 |
| 「志望校、変えたほうがいいんじゃない?」 | 自分は期待されていない | 「志望校を決めるのは、あと何回か模試を見てからにしよう」 |
| 「〇〇ちゃんはA判定だって」 | 比べられている | (比較の話はしない) |
| 「スマホばかり見てるからでしょ」 | 結局それが言いたかった | 「勉強時間のことで、何か困っていることある?」 |
| 「塾代払ってるのに」 | お金の話で責められた | (お金の話は子どもの前でしない) |
成績表を一緒に見るときの手順
STEP11〜2日あけてから声をかける
返却当日は本人も気持ちの整理がついていません。「落ち着いたら見せてね」とだけ伝えます。
STEP2判定欄ではなく「科目別の偏差値」を見る
全体の判定が悪くても、1科目だけ大きく下げていることがよくあります。下げている科目が1つなら、対策ははっきりしています。
STEP3「設問別の正答率」で、みんなが解けた問題を探す
多くの模試の成績表には、設問ごとの正答率が載っています。正答率が高いのに落とした問題が、次に取るべき点です。
STEP4次の模試までに「やること」を本人に1つ決めてもらう
親が決めるのではなく、本人に言ってもらいます。親の役割は、それを紙に書いて見えるところに貼るところまでです。
ポイント
親が成績表を読めなくても大丈夫です。「どこが一番くやしかった?」と聞くだけで、子どもは自分で成績表を読み始めます。
学年別:気をつけたいこと
| 学年 | この時期の模試の意味 | 親が気をつけること |
|---|---|---|
| 中3(高校受験) | 志望校を決める材料の1つ。内申と合わせて判断する | 判定より、私立の個別相談や三者面談に向けた準備を優先 |
| 高3(大学受験) | 共通テスト・二次試験の範囲が出そろっていない科目がある | 併願校の話は本人から出るまで待つ |
| 中1・中2・高1・高2 | 受験の判定ではなく、苦手単元の発見が目的 | 点数より「どの単元が弱いか」だけを確認 |
三者面談の前に準備しておきたいことは 秋の三者面談、親は何を聞くべき? にまとめています。
よくあるご質問
Q. 何も言わないのは、放っておくことになりませんか?
A. 何も言わないのではなく、言うタイミングと内容を選ぶということです。成績表を一緒に見る時間を1回つくるだけで、「見てくれている」は十分に伝わります。
Q. 子どもが成績表を見せてくれません。
A. 「見せなさい」と言うほど見せなくなります。「判定のことは何も言わないから、科目別だけ一緒に見たい」と先に伝えてみてください。
Q. 志望校を下げるべきか、いつ決めればいいですか?
A. 高校受験なら私立の個別相談や三者面談、大学受験なら出願校を決める時期が判断の目安です。それまでの模試の推移で判断してください。
まとめ
この記事のまとめ
秋の判定は、本番の合否をそのまま示すものではない。親は判定に触れない。
1〜2日あけて、科目別の偏差値と設問別の正答率を一緒に見る。
次の模試までにやることは、本人に1つ決めてもらう。

