「過去問はいつから始めるべきですか」。9月に必ず受ける質問です。答えは「9月ではない」。早すぎる過去問は、点が出ないことで自信を失うだけで、得られるものがほとんどありません。この記事では、いつ始めるか・何年分やるか・どう直すかを、早慶附属を第一志望にする前提でまとめます。
この記事でわかること
過去問を始めるべき時期と、その理由
9月に過去問を解いてはいけない場合の見分け方
何年分・何周やるか
点数ではなく「落とし方」を見る方法
解き直しの正しい手順
過去問は11月から。ただし条件があります
結論から言います。本格的な過去問演習は11月からです。ただし、これは「9月・10月に土台を仕上げている」ことが前提です。
| 時期 | 状態 | やること |
|---|---|---|
| 9月 | 中1・中2の抜けが残っている | 過去問はまだ。抜けを潰すことに全部の時間を使う |
| 10月 | 標準問題は解ける | 1年分だけ「見る」。解かずに、量と形式を体感するだけでよい |
| 11月 | 土台ができた | 本格開始。時間を計って1年分ずつ |
| 12月 | 傾向がつかめた | 落とし方の分析に軸足を移す |
| 1月 | 弱点が明確 | 2周目。1周目で落とした問題を中心に |
✕ 9月に過去問を解いてはいけない場合
中1・中2の内容に抜けがある状態で過去問を解くと、「難しくて手も足も出ない」という体験だけが残ります。これは対策の役に立たないどころか、自信を削ります。まず土台です。
◎ 例外:10月に1年分「見る」のは有効
解く必要はありません。ページをめくって、問題の量・長文の長さ・記述の分量を目で確認する。これだけで「9月・10月に何を仕上げるべきか」の実感が変わります。所要10分です。
何年分やるか
多ければいいわけではありません。回すより、1年分を深く直すほうが効きます。
| 目安 | 考え方 | |
|---|---|---|
| 第一志望 | 5年分×2周 | 1周目は傾向をつかむため。2周目は落とした問題の確認 |
| 併願校 | 2〜3年分×1周 | 形式に慣れるため。深追いしない |
| 他校の過去問 | 必要なら1〜2年分 | 同レベル帯の問題演習として。ただし第一志望が優先 |
✕ やってはいけない:10年分を1周ずつ
数をこなした満足感は残りますが、直しが浅くなるので実力になりません。5年分を2周するほうが確実に伸びます。
点数ではなく「落とし方」を見る
過去問を解いたあと、点数だけ記録して次に進む生徒が非常に多い。点数は何も教えてくれません。見るべきは落とし方です。
落とした問題を、必ず次の3つに分けてください。
1知らなかった(知識・解法の不足)
対策:その単元に戻る。これは「勉強すれば埋まる」ので、実は一番簡単な失点です。
2時間が足りなかった
対策:解く順番と、捨てる判断を変える。知識を増やしても解決しません。処理の問題です。
3ケアレスミス・読み違い
対策:ミスの種類を記録する。符号なのか、条件の読み落としなのか。人によって癖があるので、癖が分かれば検算のポイントが決まります。
◎ この3つは、対策がまったく違います
分けずに「復習」とだけ書いて解き直すのが、最もよくある失敗です。②を①の方法で直そうとしても、絶対に直りません。
解き直しの手順
1年分を解いたら、この順番で
☑ 採点する。ただし点数はメモするだけで、一喜一憂しない
☑ 落とした問題に、①②③のどれかの印をつける
☑ ①(知らなかった)だけ、その場で解説を読んで解き直す
☑ ②(時間切れ)は、時間無制限でもう一度解いてみる。解けるなら知識の問題ではない
☑ ③(ミス)は、何を間違えたかを1行で記録する
☑ 知らなかった語・公式・解法を、専用のノートに1ページずつ書き出す
☑ 1週間後に、落とした問題だけをもう一度解く
最後の「1週間後」が抜けている生徒がほとんどです。解き直した直後にできるのは当たり前で、1週間後にできて初めて身についたと言えます。
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よくあるご質問
Q. 11月に解いて、合格点にまったく届きません。焦るべきですか。
A. 焦らなくて大丈夫です。1周目で合格点に届く生徒はほとんどいません。多くの生徒が届き始めるのは1月に入ってからです。11月の目的は点を取ることではなく、時間配分と出題の癖をつかむことです。
Q. 併願校の過去問はいつからやればいいですか。
A. 第一志望を優先してください。併願校は12月〜1月に2〜3年分で足ります。形式に慣れることが目的なので、深追いする必要はありません。
Q. 解説を読んでも分からない問題はどうすればいいですか。
A. 印をつけて飛ばして構いません。合否を分けるのは、そこではなく標準問題の取りこぼしです。ただし同じ単元で何度も詰まるなら、その単元自体に穴があります。
Q. 過去問は市販のものと、学校が公表しているもの、どちらがいいですか。
A. 解説の充実度から市販の過去問集をおすすめします。ただし配点・試験時間・出題範囲は必ず各校の最新の募集要項でご確認ください。年度によって変わることがあります。
Q. コピーして使うべきですか。
A. はい。2周目のために、書き込む前にコピーを取ってください。特に数学と国語は、答案を書くスペースごと再現したほうが本番に近くなります。
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