早慶附属の英語は、「読めるかどうか」ではなく「時間内に処理し切れるか」で差がつきます。中学範囲を超える語彙が普通に出てきますし、長文の量も公立入試とは比べものになりません。ただし、やることは意外とはっきりしています。この記事では、9月から入試までに何をどの順番でやるかを、5校に共通する形でまとめます。
この記事でわかること
公立入試の英語と、早慶附属の英語で決定的に違う3点
長文で時間が足りなくなる本当の原因
語彙をどこまで広げるか(そして、どこで止めるか)
英作文・和訳で点を落とさない書き方
9月から入試までの月別の進め方
公立入試と決定的に違う3点
まずここを誤解したまま勉強を始めると、方向がずれます。
| 公立入試 | 早慶附属 | |
|---|---|---|
| 語彙 | 教科書レベル | 教科書を超える語が普通に出る。注釈がつく場合もあるが、注釈を読む時間も計算に入れる必要がある |
| 長文の量 | 1題あたり短め | 1題が長い。速度がそのまま点数に直結する |
| 設問 | 内容一致・空所補充が中心 | 言い換えを見抜く力が問われる。本文と選択肢で同じ語が使われないことが多い |
◎ ここが本質です
早慶附属の英語は「難しい単語を知っているか」を問う試験ではありません。知らない語が混ざった状態でも、文全体の意味を落とさずに読み切れるかを見ています。だから語彙を無限に増やす勉強は途中で頭打ちになります。
長文で時間が足りなくなる、本当の原因
「読むのが遅い」と感じている生徒のほとんどは、実は読む速度が問題ではありません。戻り読みをしているせいで、同じ場所を2回3回と読んでいます。
1原因①:一文ずつ日本語に直している
頭の中で全部訳していると、どうしても間に合いません。訳さずに、英語の語順のまま意味を取る練習が必要です。スラッシュリーディング(意味のかたまりで区切って読む)から始めます。
2原因②:知らない単語で止まる
1つ分からない語が出るたびに止まっていたら、長文は終わりません。前後から品詞と大まかな意味を推測して、先に進む。これは訓練で必ずできるようになります。
3原因③:設問を後から読んでいる
本文を全部読んでから設問を見ると、探すために読み直すことになります。設問に先に目を通してから本文に入る。これだけで体感の速度がかなり変わります。
✕ やってはいけない:速読の練習だけを繰り返す
速く読む練習をしても、上の3つが直っていなければ速くなりません。原因を潰さずに量だけ増やすのは、最も時間を無駄にするやり方です。
語彙は、どこまで広げてどこで止めるか
青天井に増やそうとすると、他の教科が犠牲になります。目安を決めてください。
| 段階 | やること | いつまで |
|---|---|---|
| 第1段階 | 高校入試用の標準的な単語帳を1冊、完璧にする。ここが抜けたまま先に進むと、何をやっても伸びません | 10月末 |
| 第2段階 | 熟語・語法を固める。長文の下線部設問は、ここを問うものが多い | 11月末 |
| 第3段階 | 過去問で出てきた知らない語だけを書き出して覚える。市販の難単語帳を新しく買う必要はありません | 12月〜 |
◎ 第3段階が一番効きます
その学校が実際に使った語こそ、次も出る可能性が高い語です。過去問から拾った単語ノートが、最後は一番の武器になります。
英作文・和訳で点を落とさない
学校によって出題形式は異なりますが、減点される理由は共通しています。
1難しく書こうとしない
知っている構文で、確実に伝わる文を書く。凝った表現を使って文法を崩すのが一番もったいないです。減点は「間違い」に対して起きます。書かなければ減点もされません。
2主語と動詞を先に決める
日本語を見てすぐ書き始めると、途中で構造が壊れます。「誰が」「どうする」を先に固めてから、修飾を足す。
3和訳は日本語として成立させる
直訳して意味が通らない答案は減点されます。訳し終わったら、日本語だけを読んで意味が通るか確認する。これを癖にしてください。
答案を書いたら、この5つを確認する
☑ 三単現のs、複数形のs が抜けていないか
☑ 時制がそろっているか(途中で現在形と過去形が混ざっていないか)
☑ 冠詞(a / the)が必要な場所に入っているか
☑ 和訳の日本語だけを読んで、意味が通るか
☑ 設問が「〜字以内」なら字数を数えたか
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9月から入試までの進め方
| 時期 | 英語でやること |
|---|---|
| 9月 | 単語帳1冊を完成させる。並行して文法の抜けを潰す。長文はまだ量を追わない |
| 10月 | スラッシュリーディングで「訳さずに読む」訓練。1日1題、時間を計らずに精読する |
| 11月 | 過去問を1年分、時間を計って解く。点数は気にしない。時間配分と設問の癖をつかむため |
| 12月 | 落とした問題を3種類に分ける(語彙不足/時間切れ/読み違い)。種類ごとに手を変える |
| 1月 | 過去問から拾った単語ノートを回す。新しい教材には手を出さない |
| 2月 | 本番。設問を先に読む→本文→戻る、の型を崩さない |
✕ 12月に「まだ点が出ない」と焦って教材を増やす
これが最も多い失敗です。12月の時点で合格点に届いていないのは普通です。ここで新しい問題集を買うと、どれも中途半端に終わります。過去問の直しに集中してください。
よくあるご質問
Q. 英検を持っていると有利ですか。
A. 学校によって扱いが異なります。優遇の有無や条件は必ず各校の最新の募集要項でご確認ください。ただし、英検の勉強そのものは語彙と長文の訓練になるため、入試対策として無駄にはなりません。
Q. リスニングの対策は必要ですか。
A. こちらも学校によって実施の有無が異なります。志望校の入試科目を募集要項で確認してから、必要なら毎日10分の音読とシャドーイングを組み込んでください。
Q. 長文が最後まで終わりません。
A. まず「戻り読みをしていないか」を確認してください。速度ではなく読み方の問題であることがほとんどです。設問を先に読む、知らない語で止まらない、この2つだけでも変わります。
Q. 単語帳は何冊やればいいですか。
A. 1冊で十分です。2冊目に手を出すより、1冊を完璧にしてから過去問で出た語を足すほうが効率がいいです。
Q. 塾に通いながらでも対策できますか。
A. できます。ただし宿題が二重になると回らないので、どちらを主にするかを先に決めてください。
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