早慶附属の数学は、「解けたかどうか」より「答案として点がついたかどうか」で決まります。同じところまで解いていても、書き方ひとつで満点と半分に分かれる。しかも試験時間に対して問題量が多く、全部を取りにいくと必ず崩れます。この記事では、捨てる判断と、部分点を取り切る書き方を中心に、9月からの進め方をまとめます。
この記事でわかること
公立入試の数学と決定的に違う2点
全問を解こうとしてはいけない理由と、捨てる基準
部分点を取り切る答案の書き方(3つの型)
9月から入試までに、単元をどの順で仕上げるか
12月に点が出なくても焦らなくていい理由
公立入試と決定的に違う2点
| 公立入試 | 早慶附属 | |
|---|---|---|
| 問題量と時間 | 時間内に全問解ける設計 | 全部解こうとすると足りない。取捨の判断が点数に直結する |
| 採点 | 答えが合っているかどうか | 途中式・論証が評価される。答えが違っても点がつくことがある |
◎ ここが本質です
早慶附属の数学は「難問を解ける天才」を探す試験ではありません。限られた時間で、取れるところを確実に取り切れるかを見ています。だから戦略の差がそのまま点差になります。
全問を解こうとしてはいけない
試験が始まったら、まず全体をざっと見て、解く順番を決めてください。前から順に解くのが最も危険です。
1最初の3分は「解かずに見る」
大問ごとに、確実に取れるもの・時間がかかりそうなもの・手が出ないものを仕分けます。この3分は必ず回収できます。
2確実に取れるものから潰す
小問集合や、典型的な基本問題を先に確実に取る。後半の難問に時間を使って前半を落とすのが、最悪のパターンです。
3手が止まったら3分で撤退する
1問に固執すると、他で取れたはずの点を全部失います。3分考えて方針が見えなければ、印をつけて次へ。戻る時間が余ればラッキーです。
✕ やってはいけない:白紙で出す
手が出ない問題でも、図を描く・分かっている条件を式にする・求めるものを文字で置く。ここまでで点がつくことがあります。白紙は必ず0点です。
部分点を取り切る答案の書き方
採点者は答案しか見ません。頭の中で正しく考えていても、書いていなければ0点です。次の3つを型として身につけてください。
1「求めるもの」を最初に文字で置く
「点Pの座標を(t, 2t)とおく」「求める面積をSとする」。この1行があるだけで、以降の式が何を意味するか採点者に伝わります。
2使った条件を、式のそばに書く
「三平方の定理より」「△ABCと△DEFは相似だから」。根拠を書かない式の羅列は、途中点がつきにくい。一言添えるだけで変わります。
3図は必ず自分で描き直す
問題の図に書き込むだけでは、条件を見落とします。大きく描き直して、分かっている長さ・角度を全部書き込む。ここで解法が見えることが多いです。
答案を書き終えたら、この5つを確認する
☑ 「求めるもの」を文字で置いた1行があるか
☑ 式の根拠(定理名・条件)が書いてあるか
☑ 単位をつけたか(cm、cm²、度)
☑ 答えが問題の条件を満たしているか(負の長さになっていないか)
☑ 約分・整理が終わっているか
9月から入試までの進め方
単元の順番を間違えると、11月以降に伸び止まります。
| 時期 | 数学でやること |
|---|---|
| 9月 | 関数と図形の融合問題を集中演習。早慶附属で最も配点が大きい領域です。ここが弱いまま先に進まない |
| 10月 | 確率・場合の数、資料の活用。ここは短期間で仕上がるので、9月の穴埋めと並行して |
| 11月 | 過去問を1年分、時間を計って解く。点数ではなく「取捨の判断」を練習する |
| 12月 | 落とした問題を3種類に分ける(解法を知らない/計算ミス/時間切れ)。種類ごとに対策が違う |
| 1月 | 計算ミスを潰す。この時期の1点は計算の精度で決まります。新しい単元には手を出さない |
| 2月 | 本番。最初の3分で仕分ける型を崩さない |
◎ 12月に点が出なくても問題ありません
過去問で合格点に届くのは、多くの生徒で1月に入ってからです。12月は「落とし方の分析」をする時期であって、点を出す時期ではありません。ここで焦って新しい問題集を買うのが、一番よくある失敗です。
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過去問か模試を1年分お持ちいただければ、「解法を知らないのか/計算でミスしているのか/時間が足りないのか」を切り分けてお伝えします。この3つは対策がまったく違います。初回の体験授業は無料です。
よくあるご質問
Q. 難問集をやったほうがいいですか。
A. 9月時点では不要です。合否を分けるのは難問ではなく、標準問題の取りこぼしです。まず関数と図形の融合問題を、確実に取り切れる状態にしてください。難問に手を出すのは、それが終わってからです。
Q. 計算ミスが多くて困っています。
A. ミスの「種類」を記録してください。符号なのか、分数なのか、移項なのか。人によって間違え方には癖があります。癖が分かれば、その部分だけ検算する習慣がつけられます。
Q. 途中式はどこまで書けばいいですか。
A. 「使った定理・条件」と「求めるものを文字で置いた1行」は必ず書いてください。逆に、単純な計算過程は省略して構いません。採点者が知りたいのは、正しい筋道で考えたかどうかです。
Q. 図形が苦手です。何から始めればいいですか。
A. まず自分で図を描き直すところからです。問題の図に書き込むだけの生徒は、条件を見落とします。大きく描いて、分かっている数値を全部書き込む。これだけで見え方が変わります。
Q. 志望校の出題傾向はどこで確認できますか。
A. 各校が公表している募集要項と、市販の過去問集で必ずご確認ください。出題範囲・配点・試験時間は年度によって変わることがあります。
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