最終更新:2026年9月/令和9年度(2027年4月入学)の入試についての記事です。最新の情報は神奈川県教育委員会の募集案内で必ずご確認ください。
神奈川県公立高校の令和9年度入試は、共通検査(学力検査)が2027年2月16日(火)、合格者発表が2月26日(金)です。
合否は、学校の成績(評定)と当日の点数を、学校ごとの比率でかけ合わせたS値で決まります。評定は中2+中3×2で計算するので、中3の成績がとても大切です。
しくみ自体は前の年から大きく変わっていません。まずは計算のしかたを知り、「わが子はどこで点を上げやすいか」を見つけることから始めましょう。
- 令和9年度(2027年)神奈川県公立高校入試の日程
- 評定(内申)の計算のしかた:中2+中3×2=135点満点
- S値(S1・S2)の計算を、具体的な数字で
- 第1次選考90%・第2次選考10%のちがい
- 特色検査のしくみと、重点校・エントリー校の共通問題
- 中3の9月から2月までの月別やることと、保護者のNG
令和9年度(2027年)の入試日程
答えから言うと、共通検査は2027年2月16日(火)です。県の教育委員会が2026年5月1日に日程を公表しています。
神奈川県では、出願のことを「志願情報申請」とよびます。インターネットで申請する形です。一度出したあとに、志望校を変える期間(志願変更)もあります。
| 内容 | 日にち |
|---|---|
| 志願情報申請(出願) | 2027年1月25日(月)〜1月29日(金) |
| 志願変更情報申請 | 2027年2月4日(木)〜2月8日(月) |
| 共通検査(学力検査など) | 2027年2月16日(火) |
| 特色検査・面接 | 2027年2月16日(火)〜2月18日(木) |
| 追検査 | 2027年2月22日(月) |
| 合格者発表 | 2027年2月26日(金) |
※出典:神奈川県教育委員会「令和9年度 神奈川県公立高等学校入学者選抜 日程」(公式)。全日制の共通選抜等の日程です。定時制・通信制の分割選抜は別日程です。
令和9年度の各校の募集定員は、2026年9月26日時点では未公表です。令和7年度分は2024年10月24日に発表されています。ここからは推測ですが、令和9年度分も10月ごろの発表になる見込みです(目安)。
合否を決める3つの材料
神奈川の公立入試は、「評定」「学力検査」「主体的に学習に取り組む態度」の3つが基本の材料です。学校によっては、これに「特色検査」が加わります。
1. 評定(通知表の成績)
評定は、中2の9教科の合計+中3の9教科の合計×2で計算します。9教科すべて5なら、中2が45点、中3が45×2=90点。合わせて135点満点です。これを100点満点に換算して使います。
つまり、中3の成績は中2の2倍の重さです。中1の成績は使いません。
| 成績の例 | 中2+中3×2 | 100点満点に換算 |
|---|---|---|
| 9教科すべて5 | 45+90=135 | 100 |
| 中2は合計40、中3は合計40 | 40+80=120 | 約88.9 |
| 9教科すべて4 | 36+72=108 | 80 |
| 9教科すべて3 | 27+54=81 | 60 |
※計算方法の出典:神奈川県教育委員会「選考の方法と選考基準の見方」(公式)。成績は説明用の例です。
オール4とオール5の差は、100点満点に換算して20点です。換算後の1点は、評定の比率(f)の分だけ大きくなってS値に入ります。評定の比率が4なら、20点の差はS値で80点の差になります。
2. 学力検査(当日のテスト)
全日制は英語・国語・数学・理科・社会の5教科です。1教科100点満点で、時間は各50分。5教科の合計(500点)を100点満点に換算して使います。
なお、特色検査をする学校は、学力検査を3教科まで減らすことがあります。また、学力検査は2教科まで、評定は3教科まで、「その教科の点を最大2倍にする」重点化ができます。志望校がどうしているかは、県が公表する選考基準で確認してください。
3. 主体的に学習に取り組む態度(中3の評価)
通知表には、教科ごとに「主体的に学習に取り組む態度」という観点の評価があります。中3の9教科分を、A=3点、B=2点、C=1点にして合計します。27点満点を100点満点に換算して使います。
これは第2次選考だけで使う材料です。第2次選考については、このあと説明します。
| 材料 | もとの満点 | 使う選考 |
|---|---|---|
| 評定(a) | 135点(中2+中3×2)→100点に換算 | 第1次のみ |
| 学力検査(b) | 5教科500点→100点に換算 | 第1次・第2次 |
| 主体的態度(c) | 27点(中3・A3/B2/C1)→100点に換算 | 第2次のみ |
| 特色検査(d) | 100点満点に換算 | 実施校のみ・第1次・第2次 |
※出典:神奈川県教育委員会「選考の方法と選考基準の見方」、「令和9年度 募集案内(Q&A)」(公式)。
S値の計算を具体例で見てみよう
S値は、それぞれの材料(100点満点に換算したもの)に、学校が決めた比率をかけて足した点数です。比率は学校ごとにちがい、県が毎年公表しています。
第1次選考:S1 = a×f + b×g(特色検査がある学校は + d×i)
第2次選考:S2 = b×g + c×h(特色検査がある学校は + d×i)
f・g(第1次)と g・h(第2次)は、それぞれ2以上で、合計が10になる整数です。特色検査の比率 i は1以上5以下の整数です。
例1:第1次選考(S1)の計算
ここでは、比率が評定4:学力検査6の学校(特色検査なし)を例にします。数字は説明用の例です。
- 中2の評定合計が40、中3の評定合計が42のAさん
- 学力検査は5教科で400点(500点満点)
※比率・点数は説明用の例です。実際の端数の扱いは県の資料をご確認ください。各校の比率は神奈川県教育委員会「令和9年度 選考基準」(公式)で公表されています。
同じ4:6の学校で考えます。中3の評定が1つ上がると、135点満点で2点ふえます。S1では約5.9点のアップです。一方、本番の5教科合計が5点上がると、S1は6点のアップです。つまり、中3の評定1つ ≒ 本番のテスト約5点分。今からの定期テストが、本番と同じくらい大事だとわかります。
例2:特色検査がある学校のS1
比率が評定3:学力検査7:特色検査2の学校を例にします(説明用の例)。Aさんが特色検査で60点(100点満点に換算)だったとします。
S1=91.9×3+80×7+60×2=275.7+560+120=約955.7(1200点満点)
特色検査がある学校は、満点が1000点より大きくなります。比率が大きい学校ほど、特色検査の出来で順位が入れかわりやすいということです。
例3:第2次選考(S2)の計算
比率が学力検査8:主体的態度2の学校(特色検査なし)を例にします。Aさんの中3の「主体的に学習に取り組む態度」は、9教科でA=6つ、B=3つでした。
- 主体的態度:3×6+2×3=24点(27点満点)→ 24÷27×100=約88.9(c)
- S2=80×8+88.9×2=640+177.8=約817.8(1000点満点)
第2次選考では評定を使いません。そのかわり、学力検査の比率が大きくなりやすいので、当日の点数がものを言う選考です。
通知表の評定の合計と、模試の5教科の点数があれば、S値はおうちでも計算できます。志望校の比率をあてはめて、評定と当日点のどちらで点をのばしやすいかをお子さまと一緒に確かめてみてください。「何をがんばればいいか」が見えると、子どもは動きやすくなります。
第1次選考90%と第2次選考10%のちがい
結論として、合格者の90%は第1次選考(S1)で、残りの10%は第2次選考(S2)で決まります。
たとえば募集人員が100人なら、まずS1の高い順に90人まで。残りの10人は、第1次で決まらなかった人の中から、S2の高い順に選びます。
| 選考 | 決まる人数 | 使う材料 |
|---|---|---|
| 第1次選考(S1) | 募集人員の90%まで | 評定+学力検査(+特色検査) |
| 第2次選考(S2) | 残り(10%) | 学力検査+中3の主体的態度(+特色検査) |
※出典:神奈川県教育委員会「選考の方法と選考基準の見方」、「令和9年度 募集案内(Q&A)」(公式)。
よくある質問
Q. 第1次選考で合格にならなかったら、もう終わりですか?
A. いいえ。第1次で選ばれなかった人の中から、第2次選考で残りの枠を選びます。第2次はS2という別の計算なので、順位が入れかわることがあります。
Q. S値が何点なら合格できますか?
A. 合格に必要なS値は、学校や年度、受検者の顔ぶれで変わります。塾や模試会社が出す目安は、あくまで参考にとどめましょう。まずは自分のS値を計算し、どの材料でのばせるかを考えることが大切です。
Q. 比率はどこで調べられますか?
A. 神奈川県教育委員会が公表する「選考基準」に、学校ごとの比率・重点化・特色検査の有無がのっています。令和9年度分は2026年6月5日に公表されています。
評定で少し不利でも、第2次選考では評定を使いません。当日の学力検査で高い点を取れば、第2次で合格できる可能性があります。ただし枠は10%だけです。「本番で逆転するから評定はいい」とは考えず、評定と当日点の両方をのばしましょう。
特色検査のしくみと、重点校・エントリー校の共通問題
特色検査は、全部の学校で行うものではありません。学校が選んで行う検査で、「自己表現検査」「実技検査」「面接」の3種類があります。
以前は受検生全員に面接がありましたが、令和6年度(2024年度)入試から全員共通の面接はなくなりました。いまは、面接は特色検査の1つとして、学校が選んで行う形です(学習塾の解説による)。
重点校・エントリー校の18校は「共通問題+共通選択問題」
県は、進学に力を入れる高校を「学力向上進学重点校(重点校)」と「学力向上進学重点校エントリー校(エントリー校)」に指定しています。この18校はすべて、自己表現検査を「共通問題」と「共通選択問題」で行います。
| 区分 | 学校 |
|---|---|
| 重点校(8校) | 横浜翠嵐・川和・柏陽・横浜緑ケ丘・多摩・湘南・厚木・小田原 |
| エントリー校(10校) | 希望ケ丘・横浜平沼・光陵・横浜国際・横須賀・鎌倉・茅ケ崎北陵・平塚江南・大和・相模原 |
※出典:神奈川県教育委員会「学力向上進学重点校等の特色検査におけるマークシート方式の導入について」(公式)。
- 共通問題:18校で同じ問題
- 共通選択問題:いくつかの問題の中から、各校が選んで使う問題
- 令和8年度入試から、マークシート方式を導入。ただし全部がマーク式ではなく、記号で選ぶ問題と記述する問題の併用です
- 解答用紙は18校で統一(横浜国際の国際バカロレアコースは対象外)
ネット上には「令和9年度から特色検査が共通問題に統一される」という情報があります。しかし、18校共通のマークシート方式(共通問題+共通選択問題)は、令和8年度入試ですでに始まっています。令和9年度の実施校も前年と同じ18校で、県の資料に「令和9年度からの新しい変更」という記載は確認できません。古い情報や言い回しに惑わされないようにしましょう。
特色検査の検査時間などの細かい点は、県の募集案内・特色検査の資料で必ず確認してください。重点校を目指す人の特色検査対策は、神奈川の難関公立高校対策の記事でくわしく書いています。
令和9年度の主な変更点
- 選抜のしくみや検査の内容は、前の年から大きな変更はありません
- 県立高校3組6校が再編・統合され、新しい学校として募集します(旭+横浜旭陵、横浜桜陽+永谷、藤沢清流+深沢)。新しい校名は各校・県の発表でご確認ください
- 選考基準(比率)を変えたのは相模原高校のみです(評定5→4、学力検査5→6)。そのほか、一部の学校で重点化などの変更があります
- 令和9年度の選考基準は、2026年6月5日に県が公表しています
※出典:神奈川県教育委員会「令和9年度 選考基準」公表資料(公式)。再編校・比率変更の一覧は学習塾の解説記事による整理です。志望校の最新情報は県の資料でご確認ください。
中3の9月から2月まで、月別やること
結論は、12月までは「評定」と「基礎」、1月からは「本番形式」です。中3の評定は2倍で効くので、秋の定期テストを手放さないことが一番の近道です。
| 時期 | やること(具体的に) |
|---|---|
| 9月 | 定期テストの2週間前から、提出物と教科書ワークを3周。模試を1回受け、5教科の苦手単元を3つまで書き出す |
| 10月 | 公立の過去問を1年分、時間を計って解く。募集定員の発表(例年10月ごろ・目安)を確認。志望校の比率を調べ、S値の計算をしてみる |
| 11月 | 定期テストに全力。平日1日2時間は苦手単元の復習。三者面談の前に、家で志望校の候補を2〜3校にしぼる |
| 12月 | 志望校と併願校を決める。過去問を週2年分。冬休みは1日6〜8時間を目安に、5教科を毎日まわす |
| 1月 | 1月25日〜29日に志願情報申請。過去問は2回目。まちがえた問題だけのノートを作る。特色検査がある人はその過去問も |
| 2月 | 2月4日〜8日の志願変更期間は、落ち着いて判断。2月16日の本番まで、朝型の生活に。新しい問題集は増やさない |
※日程は神奈川県教育委員会「令和9年度 入学者選抜 日程」(公式)によります。学習時間は目安です。お子さまの状況に合わせて調整してください。
調査書に書かれる中3の評定や「主体的に学習に取り組む態度」が、いつの時点の成績になるのかは、在籍する中学校の先生に確認しておくと安心です。わからないまま「もう決まっている」と思いこむと、のばせる時期を逃してしまいます。
秋の1週間の時間割(例)
部活を引退したあとの、10〜11月の一例です。平日は「学校の復習+苦手単元」、土日は「過去問+やり直し」と役割を分けると、迷う時間がなくなります。
| 曜日 | 内容 | 時間(目安) |
|---|---|---|
| 月・水・金 | 学校の宿題と復習→数学・英語の苦手単元 | 2〜2.5時間 |
| 火・木 | 学校の宿題と復習→理科・社会の一問一答と資料問題 | 2〜2.5時間 |
| 土 | 公立の過去問1年分(5教科を時間どおり) | 5〜6時間 |
| 日 | 土曜のやり直し→S値の計算で自分の位置を確認 | 4〜5時間 |
※時間割は一例です。定期テストの2週間前は、平日をテスト勉強に切りかえてください。
保護者がやってはいけないNG
- SNSやうわさの「制度が変わる」をうのみにする。令和9年度は大きな変更はありません。「令和9年度から共通問題に統一」のような不正確な情報もあります。県の資料を見る習慣をつけましょう。
- 「中3の成績はもう決まっている」と言う。中3の評定は2倍で効きます。評定1つが本番の約5点分になることもあります(4:6の学校の例)。
- 主体的態度の評価を軽く見る。第2次選考では、中3の9教科のA・B・Cが点数になります。提出物や授業への取り組みは、最後まで手をぬかないように声をかけましょう。
- 志願変更期間に、倍率だけで志望校を変えさせる。倍率の数字は毎年動きます。比率やお子さまの得意・不得意も合わせて、家族で冷静に話し合いましょう。
- 模試の偏差値だけで合否を判断する。神奈川の合否はS値で決まります。評定と当日点の両方から、志望校の比率で計算してみることが大切です。
S値で「どこをのばすか」を決めると、勉強が変わります
同じ「あと少しで合格ライン」でも、評定で足りない子と、当日点で足りない子とでは、今からやることがまったくちがいます。志望校の比率を使ってS値を計算すると、定期テストに力を入れるべきか、過去問演習を増やすべきかがはっきりします。
エスペランサアカデミーは、完全オンラインのプロ家庭教師による1対1指導です。通知表と模試の結果から、志望校のS値の計算まで一緒に行い、入試までの学習計画をお子さま専用に組み立てます。
通知表と模試の結果をお持ちください。どこで点をのばすのが近道か、具体的にお伝えします。無理な勧誘は一切ありません。
まとめ
- 令和9年度の共通検査は2027年2月16日(火)、合格者発表は2月26日(金)
- 評定は中2+中3×2=135点満点。中3の成績は2倍で効く
- S1=評定×f+学力検査×g(+特色検査×i)。比率は学校ごとにちがう
- 第1次選考で90%、第2次選考で残り10%。第2次は評定を使わず、中3の主体的態度を使う
- 重点校・エントリー校の18校は、特色検査(自己表現検査)が共通問題+共通選択問題。マーク式との併用は令和8年度から
- 「令和9年度から共通問題に統一」は不正確。制度は前年から大きく変わっていない


