最終更新:2026年9月/令和9年度(2027年4月入学)入試向けの記事です。偏差値は民間の目安、倍率は令和8年度の実績です。最新の情報は神奈川県教育委員会・各校の公式サイトでご確認ください。
神奈川の難関公立の中心は、県が指定する学力向上進学重点校の8校です。8校とも、学力検査5教科に加えて特色検査(自己表現検査)があります。
学校によって、評定・学力検査・特色検査の比率がちがいます。たとえば横浜翠嵐は特色検査の比率が8校で一番大きく、川和は一番小さい学校です。
9月からは、5教科の基礎の穴うめ→公立の過去問→特色検査の過去問の順で進めるのが基本です。
- 神奈川の難関公立=重点校8校とエントリー校10校とは
- 8校の偏差値の目安と、令和8年度の受検倍率
- 令和9年度の選考比率から見る、学校ごとの特徴
- 特色検査(自己表現検査)のしくみと対策
- 実在を確認した過去問集・問題集
- 9月から2月までの月別の勉強法と、偏差値帯別の作戦
神奈川の難関公立とは(重点校8校・エントリー校10校)
答えから言うと、神奈川の難関公立は「学力向上進学重点校」の8校が中心です。その次のグループとして、「エントリー校」の10校があります。
- 重点校(8校):横浜翠嵐・湘南・柏陽・横浜緑ケ丘・厚木・川和・多摩・小田原
- エントリー校(10校):希望ケ丘・横浜平沼・光陵・横浜国際・横須賀・鎌倉・茅ケ崎北陵・平塚江南・大和・相模原
重点校の指定期間は、2024年4月1日から2028年3月31日までです。この期間から、横浜緑ケ丘・多摩・小田原が新しく加わり8校になりました。
重点校とエントリー校、どちらを目指す?
どちらのグループも、特色検査は同じ共通問題+共通選択問題です。つまり、重点校を目指して特色検査の準備をしておけば、エントリー校に志望を変えても準備がむだになりません。
秋の時点では、重点校を第一志望にしながら、模試の結果を見てエントリー校も候補に入れておくのがおすすめです。家から通いやすいか、比率が自分の強みに合っているかも、あわせて比べてみてください。
入試の日程や、S値の計算のしくみは、神奈川県公立高校入試2027の日程と仕組みの記事にまとめています。この記事では、難関校の中身と対策にしぼって説明します。
8校の偏差値の目安と令和8年度の受検倍率
結論として、偏差値の目安は横浜翠嵐・湘南が73〜75、柏陽が71〜72、残りの5校が65〜71ほどです。倍率は、横浜翠嵐が約2倍と、ほかより高くなっています。
| 学校 | 偏差値の目安 | R8募集定員 | R8受検倍率(前年度) |
|---|---|---|---|
| 横浜翠嵐 | 74〜75 | 359 | 1.98倍(2.00倍) |
| 湘南 | 73〜74 | 359 | 1.57倍(1.59倍) |
| 柏陽 | 71〜72 | 319 | 1.52倍(1.52倍) |
| 横浜緑ケ丘 | 68〜71 | 279 | 1.52倍(1.44倍) |
| 厚木 | 68〜70 | 359 | 1.22倍(1.14倍) |
| 川和 | 67〜70 | 359 | 1.21倍(1.38倍) |
| 多摩 | 67〜70 | 279 | 1.67倍(1.64倍) |
| 小田原 | 65〜66 | 319 | 1.14倍(1.23倍) |
| 参考:希望ケ丘(エントリー校) | 66〜67 | 359 | 1.43倍(1.42倍) |
※偏差値は、民間の模試・情報サイト(みんなの高校情報、家庭教師のトライ、家庭教師のゴーイング)による目安です。サイトによって1〜3違うため、幅で示しています。
※倍率の出典:神奈川県教育委員会「令和8年度 共通選抜 学力検査等受検者数」(公式)。2月17日時点の受検倍率(受検者数÷募集定員)です。令和8年度の全日制の平均は1.10倍(前年度1.17倍)でした。
※令和9年度の募集定員は2026年9月26日時点で未公表です(前年の例では10月ごろに発表・目安)。上の定員は令和8年度のものです。
参考までに、令和8年度のエントリー校では、横浜平沼が1.35倍、光陵が1.34倍でした。
難関校を受けるのは、もともと成績の高い生徒です。倍率が1.2倍台でも、ライバルの平均レベルは高いと考えましょう。倍率は毎年動きます。前の年の数字だけで「受かりやすい」と決めつけないことが大切です。
選考比率から見る、学校ごとの特徴
結論は、「学力検査7」の学校は当日点勝負、「特色検査3」の横浜翠嵐は特色検査の比重が特に大きいということです。8校とも学力検査は5教科で、教科の重点化はありません。
| 学校 | 第1次 評定:学力:特色 | 第2次 学力:態度:特色 | 所在地 |
|---|---|---|---|
| 横浜翠嵐 | 3:7:3 | 8:2:2 | 横浜市神奈川区 |
| 湘南 | 4:6:2 | 8:2:2 | 藤沢市 |
| 柏陽 | 3:7:2 | 8:2:2 | 横浜市栄区 |
| 横浜緑ケ丘 | 4:6:2 | 8:2:2 | 横浜市中区 |
| 厚木 | 4:6:2 | 7:3:2 | 厚木市 |
| 川和 | 4:6:1 | 7:3:1 | 横浜市都筑区 |
| 多摩 | 4:6:2 | 8:2:2 | 川崎市多摩区 |
| 小田原 | 4:6:2 | 8:2:2 | 小田原市 |
※出典:神奈川県教育委員会「令和9年度 選考基準(共通選抜・全日制)」(公式)。所在地は各校公式サイトによります。8校とも特色検査は自己表現検査(共通問題+共通選択問題)、学力検査は英・国・数・理・社の5教科、重点化なしです。
第1次選考のS1の満点に占める特色検査の割合を計算すると、横浜翠嵐は約23%、湘南・柏陽などの「特色2」の学校は約17%、川和は約9%です(比率からの計算)。同じ重点校でも、特色検査の重みにこれだけの差があります。
学校ごとの見どころ
第1次は評定3・学力検査7・特色検査3。評定の比率が低く、当日の力(学力検査+特色検査)で決まる割合が8校で最も大きい学校です。倍率も約2倍。5教科で高得点をとったうえで、特色検査でも落とさない力が必要です。くわしくは横浜翠嵐の記事へ。
第1次は4:6:2。評定の比率が翠嵐より高く、中3の評定をしっかりとっておくことが効く学校です。くわしくは湘南の記事へ。
第1次は3:7:2。翠嵐と同じく学力検査が7で、評定で少し足りなくても本番で取り返しやすい形です。くわしくは柏陽の記事へ。
第1次は4:6:1、第2次は7:3:1。特色検査の比率が1で、評定と5教科の比重が相対的に大きい学校です。第2次で主体的態度が3なのも特徴です。くわしくは川和の記事へ。
第1次は4:6:2、第2次は7:3:2。第2次選考で中3の「主体的に学習に取り組む態度」の比重が大きめなので、授業や提出物への取り組みも最後まで大切にしましょう。くわしくは厚木の記事へ。
2024年度から重点校に加わった学校です。第1次4:6:2、第2次8:2:2の標準的な比率です。令和8年度の受検倍率は1.52倍で、前年度の1.44倍から上がりました。偏差値の目安はサイトによる差が大きく、68〜71です。
川崎市多摩区にある重点校です。比率は第1次4:6:2、第2次8:2:2。令和8年度の受検倍率は1.67倍と、8校の中で翠嵐に次いで高くなりました。募集定員が279人と少なめなことも、倍率を押し上げる理由の1つと考えられます(ここは推測です)。
8校の中で唯一の単位制の普通科です。比率は第1次4:6:2、第2次8:2:2。令和8年度の受検倍率は1.14倍でした。倍率が落ち着いていても、特色検査を含めて準備が必要なことは他の重点校と同じです。
特色検査(自己表現検査)のしくみと対策
結論として、特色検査は過去問で「形式」に慣れることが一番の対策です。重点校8校とエントリー校10校の計18校は、同じしくみで行われます。
- 共通問題:18校で同じ問題
- 共通選択問題:各校が選んで使う問題。志望校がどれを選ぶかを、県の資料で確認しておく
- 令和8年度からマークシート方式を導入。ただし、記号で選ぶ問題と記述する問題の併用です
- 解答用紙は18校で統一(横浜国際の国際バカロレアコースは対象外)
18校共通のマークシート方式は、令和8年度入試ですでに始まっています。令和9年度の実施校は前年と同じ18校で、内容を変えた学校もないとされています。検査時間などの細かい点は、県の募集案内で必ず確認してください。
特色検査は、学力検査と同じ日程の中で行われます。5教科の勉強だけで手いっぱいになりやすいので、「週に1回、特色検査の日」を決めておくと、後回しになりません。どんな問題が出るのかは、過去問集で実際の問題を見て確かめるのが一番確実です。
特色検査の対策:3つのステップ
記述問題で点を落とす子の多くは、書く内容を知らないのではなく、問いに対する答えが最後まで出てこない書き方をしています。最初の1文で答えを書き、そのあとに理由を1〜2文。この型を決めておくだけで、書くスピードも上がります。
使える過去問集・問題集(実在を確認したもの)
結論は、学力検査用に1冊、特色検査用に1冊あれば十分です。ここでは、出版社・書店のページで2027年度用の発売を確認できたものだけを紹介します。
| 書名 | 出版社 | 使いどころ | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| 2027年度用 神奈川県公立高校 6年間 スーパー過去問 | 声の教育社 | 学力検査5教科の過去問演習 | 1,320円 |
| 神奈川県公立高校 2027年度版(リスニング音声データダウンロード付) | 東京学参 | 2021〜2026年度の5教科+2020年度の4教科 | 1,485円 |
| 2027年度用 神奈川県公立高校 特色検査<記述型> 7年間 入試過去問 | 声の教育社 | 特色検査の過去問演習 | 2,640円 |
| 神奈川県公立高校特色検査 2027年度版 | 東京学参 | 2020〜2026年度の自己表現検査(共通/共通選択) | 2,970円 |
| 2027年受験用 全国高校入試問題正解 英語 | 旺文社 | 他県の公立入試で演習量を増やす(数学・国語・理科・社会もあり) | 3,795円 |
※出典:各出版社・書店の商品ページ(声の教育社の2冊は2026年5月・8月発売、旺文社は2026年6月発売)。価格は2026年9月時点の掲載価格です。在庫・価格は変わることがあります。
学力検査用は、声の教育社か東京学参のどちらか1冊で足ります。特色検査用も同様です。同じ種類の過去問集を2冊買う必要はありません。5教科の過去問を解き終わって時間が余る上位層は、旺文社の全国版で他県の問題に挑戦すると、初めて見る問題への対応力がつきます。
9月から2月まで、月別の勉強法
結論は、11月までに5教科の穴をなくし、12月からは過去問中心です。出願や本番の日程は、入試の日程と仕組みの記事で確認してください。
| 時期 | 5教科(学力検査) | 特色検査 |
|---|---|---|
| 9月 | 模試の答案で苦手単元を洗い出す。数学・英語は毎日1時間ずつ。定期テスト対策も手をぬかない | まだ解かない。問題集の中身をながめて形式を知る |
| 10月 | 公立の過去問を1年分。理科・社会は中1・中2の範囲を1周 | 過去問を1年分、時間を計って解く |
| 11月 | 過去問を週1年分。まちがい直しノートを作る。定期テストに全力 | 週1年分。失点を4種類に分類する |
| 12月 | 過去問を週2年分。冬休みは5教科を毎日。国語の記述と数学の図形を重点に | 週1〜2年分。記述は大人に添削してもらう |
| 1月 | 過去問2周目。本番と同じ時間割で通しで解く日を週1回 | 志望校の共通選択問題にしぼって2周目 |
| 2月 | 新しい問題は増やさない。まちがい直しノートだけを回す | 解いた過去問の見直し。時間配分を確認 |
※学習量は目安です。お子さまの到達度に合わせて調整してください。
教科別:難関校で差がつくところ
難関校の受検者は、どの教科もある程度とれます。差がつくのは、時間の使い方と、最後の数問です。
- 英語:長文を読むスピードが勝負です。過去問の長文を音読し、1回目より2回目のほうが速く読めるようにします。リスニングは、音声つきの過去問集で週2回。
- 数学:後半の図形・関数でどこまでとれるか。1問に時間をかけすぎないよう、「5分考えて手が止まったら次へ」のルールを過去問で練習します。
- 国語:記述で書ききる力。特色検査の記述とも通じるので、「結論を先に1文」の型を両方で使いましょう。
- 理科:実験の問題で、表やグラフから考える力。計算問題は解き方を声に出して説明できるかを確認します。
- 社会:資料の読み取りが中心。表題・単位・年を先に見るくせをつけます。公民は後回しにしがちなので、10月までに1周しておきます。
冬休みの1日の時間割(例)
| 時間帯 | 内容 |
|---|---|
| 午前(3時間) | 過去問を本番と同じ時間で2〜3教科 |
| 午後(3時間) | 午前のやり直し→残りの教科の苦手単元 |
| 夕方(1時間) | 特色検査の過去問を大問1つ、または記述の書き直し |
| 夜(1時間) | 英単語・理社の暗記。まちがい直しノートを見返す |
※時間割は一例です。本番の時間帯に頭が働くよう、朝型の生活に整えていきましょう。
偏差値帯別の作戦(偏差値60以上)
結論として、今の偏差値によって、力を入れる場所はちがいます。ここでいう偏差値は、模試での目安です。
重点校・エントリー校を目指すなら、まず教科書レベルの問題で失点しないことが先です。過去問では、前半の小問で落とした問題を全部やり直しましょう。平日は数学・英語を各1時間、理科・社会を30分ずつ。特色検査は10月から形式に慣れるだけで十分です。
基礎はできている層です。後半の思考問題で、あと1〜2問とれるかが勝負になります。得意な教科をさらにのばし、「絶対に高得点をとれる教科」を2つ以上にしましょう。特色検査は11月から週1年分。記述の型を固めます。
横浜翠嵐・湘南を目指す層は、ライバルも5教科で高得点をとります。差がつくのは特色検査と、本番でのケアレスミスです。過去問のミスを「読みまちがい」「計算ミス」などに分けて記録し、同じミスを2度しない仕組みを作りましょう。旺文社の全国版で他県の難しめの問題にふれるのも有効です。
偏差値が近い学校でも、比率がちがうと有利・不利が変わります。評定が高い子は評定の比率が高い学校、本番に強い子は学力検査7の学校、というように、お子さまの強みが生きる学校を一緒に探してあげてください。
保護者がやってはいけないNG
- 偏差値の数字1つで「無理」「大丈夫」と決める。偏差値はサイトによって1〜3違う目安です。模試の結果は、教科ごと・問題ごとの中身で見ましょう。
- 特色検査を「直前にやればいい」と言う。形式に慣れるには時間がかかります。遅くとも10月には1年分を解いておきたいところです。
- 過去問集を何冊も買う。同じ問題を収録した本をふやしても、演習量はふえません。1冊を2周するほうが力になります。
- 倍率の上下だけで志望校を変える。令和8年度も、前年から上がった学校と下がった学校がありました。数字は毎年動きます。
難関校の合否は、答案の「中身」を見ると変えられます
難関校を目指す子の多くは、どの教科もそれなりにできます。だからこそ、どこで何点落としているかを答案から見つけられるかどうかで、秋からの伸びが変わります。特色検査の記述も、ひとりで解いているだけでは直すべき点に気づきにくいものです。
エスペランサアカデミーは、完全オンラインのプロ家庭教師による1対1指導です。模試や過去問の答案を1問ずつ分析し、志望校の比率から逆算した学習計画と、特色検査の記述添削まで行います。
直近の模試や過去問の答案をお持ちください。重点校合格までに何をすればよいか、具体的にお伝えします。無理な勧誘は一切ありません。
まとめ
- 神奈川の難関公立の中心は学力向上進学重点校8校。次のグループがエントリー校10校
- 偏差値の目安は翠嵐74〜75、湘南73〜74、柏陽71〜72(民間の目安で、サイトにより1〜3違う)
- 令和8年度の受検倍率は翠嵐1.98倍が最高。多摩1.67倍、湘南1.57倍と続く
- 特色検査の比率は翠嵐が3で最大、川和が1で最小。学校ごとに比率を確認する
- 特色検査は18校共通のしくみ。10月から過去問で形式に慣れる
- 過去問集は学力検査用・特色検査用に1冊ずつで十分。2周するほうが力になる


