最終更新:2026年9月/進路実績は学校公式「令和8(2026)年度 進路状況」(2026年5月25日現在)の数字です。最新の情報は学校公式サイトで必ずご確認ください。
2026年の実績は、東京大学17人・京都大学8人・医学部医学科68人です。ただし東大17人のうち現役は8人で、大学に進学した人の約41%は既卒(浪人)でした。
附属中学からの内部進学も、学力検査のある「選抜あり」です。高校から入る子は、数の上では少数派ではありません。
大切なのは、合格した日から「自分で学ぶ習慣」を作ることです。この記事では、数字の正しい読み方と、入学前にやっておくことを具体的にお伝えします。
- 学芸大附属高校の基本情報(生徒数・クラス替え・カリキュラム)
- 2026年の大学合格実績と、その正しい読み方
- 「既卒が約41%」は何を意味するのか
- 附属中からの内部進学のしくみと、高校から入る子の立ち位置
- 合格してから4月までにやっておくこと
- 学芸大附属に向いている子・向かない子
学芸大附属高校はどんな学校か
ひとことで言うと、自由度が高く、自分で学ぶ力が求められる国立の附属高校です。まず、入学してから毎日を過ごす環境を数字で確認しておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都世田谷区下馬 |
| 生徒数 | 948名(男子486名・女子462名)。各学年8クラス |
| クラス替え | 2年に上がるときの1回だけ(2年から3年はそのまま) |
| カリキュラム | 1年・2年は各32単位で、ほぼ全員が同じ科目を学ぶ。3年で選択科目が増える |
| PC | 1人1台(現在はMacBook Air・リース)。ふだんの授業で使う |
| 卒業に必要な単位 | 80単位 |
※出典:東京学芸大学附属高等学校 公式サイト「学校長あいさつ」「教育課程」「よくある質問」。生徒数は掲載時点の数字です。
注目してほしいのは、1年と2年はほぼ全員が同じ科目を学ぶ点です。公式の教育課程表を見るかぎり、文系・理系の本格的な分かれ道は3年の選択科目からと読めます。
つまり、高1の段階で「私は文系だから数学はいい」とはなりません。理科も社会も、2年間しっかり全部やります。中学で得意・不得意の差が大きい子ほど、ここで苦労しやすいです。
学校は「本物教育」を掲げています。本物に触れて知的好奇心を高める、という考え方です。生徒全員が探究活動に取り組み、実験・実習やフィールドワークも重視されています。学校設定科目には「SSH探究」「発展SSH探究」「数学演習」「古典講読」などがあります。
また、科学オリンピックへの参加も盛んです。公式の「よくある質問」では、数学オリンピックに5〜10名、地理オリンピックに20名程度、情報オリンピックの予選には毎年100名以上が参加していると紹介されています。
自由度が高い学校は、自分で計画を立てられる子には最高の環境です。一方で、言われたことをこなすのが得意な子は、最初の定期テストでつまずくことがあります。
入学前から「自分で1週間の計画を立てて、振り返る」練習をしておくと、入学後の立ち上がりがまったく違います。
2026年の進路実績を正しく読む
まず結論です。合格者数は「のべ人数」で、しかも既卒(浪人生)を含みます。この2点をおさえないと、実績を大きく読み違えます。
| 大学 | 合格者数 | 進学者数 |
|---|---|---|
| 東京大学 | 17(現役8・既卒9) | 17 |
| 京都大学 | 8 | 8 |
| 一橋大学 | 6 | 6 |
| 東京科学大学 | 9 | 7 |
| 北海道大学 | 10 | 9 |
| 早稲田大学 | 108 | 44 |
| 慶應義塾大学 | 95 | 41 |
| 上智大学 | 32 | 4 |
| 東京理科大学 | 90 | 5 |
| 明治大学 | 96 | 4 |
| 医学部医学科(全体) | 68(現役18・既卒50) | 33 |
※出典:東京学芸大学附属高等学校「令和8(2026)年度 進路状況」(公式PDF・2026年5月25日現在)。合格者数は現役・既卒の合計で、総合型選抜・学校推薦型選抜の合格者を含みます。東大の現役・既卒の内訳は科類別の数字を合計して算出しました。京都大学の現役・既卒の内訳は公式資料から確認できていません(未確認)。
読み方1:私立大学は「合格者」と「進学者」の差を見る
早稲田は合格108人に対して進学44人、慶應は合格95人に対して進学41人です。1人が複数の学部に合格すると、その分だけ合格者数がふえます。また、国立大学に進む人が早慶にも合格しているケースも多いと考えられます(ここは推測です)。
東京理科大学(合格90・進学5)や明治大学(合格96・進学4)は、合格者数と進学者数の差がとても大きいです。「併願先として受けて、合格しても進学しなかった」人が多いと読むのが自然です。
読み方2:東大は「現役8人」
東大17人は立派な数字ですが、現役合格は8人です。前年度(2025年度)の東大合格者は22人でした。年によって上下します。「附属に入れば東大に行ける」ではなく、「附属の中で上位に入れば東大をねらえる」と考えるのが正確です。
読み方3:医学部医学科は既卒が中心
医学部医学科の合格68人のうち、現役は18人、既卒は50人です。内訳は国立15人・公立4人・私立47人・大学校2人。国公立の医学科に合格したのは合わせて19人です。医学部志望の子は、浪人も含めた長い計画で考える家庭が多いと考えられます。
大学合格実績は、集計した時期によって数字が変わります。学校の公式資料も「本日までに報告があった数字」と注記しています。塾や情報サイトの速報と見比べて「数字が違う」と感じたら、学校公式の最新PDFを優先してください。
「既卒が約41%」はどういう意味か
結論から言うと、2026年に大学へ進学した289人のうち、118人が既卒(浪人を経た人)でした。割合にすると約41%です。これは学校の公式資料の数字から計算した値です。
| 区分 | 合格者(現役・既卒) | 進学者(現役・既卒) |
|---|---|---|
| 国立大学 | 129(69・60) | 112(60・52) |
| 公立大学 | 10(4・6) | 9 |
| 私立大学 | 885(501・384) | 163(105・58) |
| 海外大学 | 6 | - |
| 合計 | 997(581・416) | 289(171・118) |
※出典:東京学芸大学附属高等学校「令和8(2026)年度 進路状況」全体集計(公式PDF)。既卒の割合(118÷289=約41%)は当サイトによる計算値です。公立大学の進学者の現役・既卒内訳、海外大学の進学者数は本記事では扱っていません。各区分の合格者数を足した数は合計欄(997)と一致しませんが、公式資料の数字をそのまま掲載しています。
国立大学の進学者を見ると、現役60人・既卒52人とほぼ半々です。つまり、国立大学に既卒で進学する人がかなり多い学校です。
これを「浪人が多いからダメ」と読むのは早計です。むしろ、多くの生徒が私立大学に妥協せず、第一志望に挑み続ける文化があると読めます。私立大学の合格者は885人いますが、進学者は163人です。受かっても行かずに、翌年もう一度国立に挑戦する人もいると考えられます(推測)。
公式資料には卒業生の人数が見当たらず、「学年全体の浪人率」は確認できていません。情報サイトには卒業生302人という数字(公式外)があります。仮にこの数字で計算すると、現役で大学に進学したのは約57%(目安)になります。ただし、あくまで公式外の数字を使った推計です。
学芸大附属に入る場合、「高校3年間の費用」だけでなく、1年の浪人がありうることも最初から想定しておくと安心です。特に医学部志望の場合は、既卒の比率がとても高いのが実態です。
高1のうちに「現役で行きたいのか」「1年かけてでも第一志望か」を家族で話しておくと、高3の秋に迷いが減ります。
附属中からの内部進学も「選抜あり」
ここは誤解が多いところです。学芸大附属の中学生も、全員がそのまま上がれるわけではありません。附属中学生は一般の受験生とは別の枠で学力検査を受け、選抜されます。
| 年度 | 志願者 | 受験者 | 合格者 |
|---|---|---|---|
| 2026(令和8) | 252 | 248 | 200 |
| 2025(令和7) | 243 | 236 | 200 |
| 2024(令和6) | 247 | 244 | 202 |
| 2023(令和5) | 227 | 223 | 200 |
| 2022(令和4) | 262 | 262 | 202 |
※出典:東京学芸大学附属高等学校「令和8年度 入試選抜状況(令和8年2月15日現在)」本学附属中学生の欄(公式PDF)。募集人員は各年度とも200程度。
2026年は252人が志願して、合格は200人でした。2022〜2026年の5年間で、毎年27〜60人が合格に届いていない計算です(志願者から合格者を引いた計算値。受験しなかった人を含みます)。附属中生にとっても、高校進学は本気の勝負です。
内部選抜の方式(公式外の情報)
塾のブログ(SAPIX中学部)では、附属中学生の選抜について次のように紹介されています。例年1月に学力検査があり、「学力検査(500点)×600/500+調査書(135点)×400/135」で判定する。不合格の場合は、一般の中学生として受験し直すことはできない。
ただし、これは公式の附属中学生用要項(令和9年度)では確認できていない非公式情報です。参考程度にとどめてください。
高校から入る子は少数派ではない
2026年の入試では、附属中学生200人のほか、一般の中学生406人と帰国生35人が合格しています。一般の募集は120人程度ですが、辞退を見込んで多めに合格が出ています。
前校長のインタビュー(Z会「教えて!校長先生」・公式外)では、「附属中3校それぞれから学芸大附属高校に進学するのは多くても各校70~80人くらい」「『外部』という集団が一番多い」と語られています。附属中は世田谷・小金井・竹早の3校です。出身ごとのグループで見ると、高校から入る「外部」がいちばん大きい集団ということです。
倍率や繰り上げ合格のくわしいしくみは、別の記事で解説しています。
高校から入る子はどう過ごすのか
結論として、内部進学の子と高校から入った子は、高1から同じクラスで学ぶと紹介されています。ただし、これも公式サイトでは確認できていない、校長インタビューの情報です。
前校長のインタビュー(Z会「教えて!校長先生」2022年掲載・2025年更新)では、次のように語られています。
- 「学芸大附属高校では高1から全員混在します」
- 「国立の場合はあまり中学で先取り教育をしていません。高校から入ってきても、少なくとも勉強に関しては全く問題ありません」
- 「2年間の『探究』という授業」で、自分で疑問を調べる方法を身につける
学校の公式サイト上では、クラス編成について明示した記述を確認できていません。入学前の説明会などで、最新の状況を確認してください。
私立の中高一貫校では、中学から入った子が高2までに高校の範囲を終えていることがあります。高校から入る子は別クラスで追いつく、という形も珍しくありません。学芸大附属は国立なので、そうした大きな先取りはあまりないと紹介されています。
一方で、「進度が速い」「教科書だけで終わらない」といった授業の具体的な様子は、公式ページでは確認できませんでした。ここは学校説明会や在校生の話で確かめるのが確実です。
入学後に差がつきやすいところ
ここからは、難関校に進んだ生徒を多く見てきた立場からの見立てです(学校公表の情報ではありません)。
- 最初の定期テスト:高校の範囲に入ると、中学より覚える量も考える量も一気にふえます。1学期の数学と英語で、学年の位置がほぼ決まる子が多いです。
- 理科・社会の全科目履修:1・2年は全員共通なので、苦手な科目を後回しにできません。
- 探究活動:自分で問いを立てて調べ、まとめる力が問われます。受験勉強とはちがう頭の使い方です。
- 校内実力テストと外部模試:学校は「本校伝統の校内実力テスト」と外部模試を進路指導に使っています。定期テストだけでなく、範囲のない試験にも慣れる必要があります。
合格してから4月までにやっておくこと
一番大事なのは、受験勉強で止めていた「学ぶリズム」を切らさないことです。2027年度入試の日程は、学力検査が2月13日(土)、合格発表が2月15日(月)、入学手続きが2月15日から18日(木)までです。そこから4月まで、およそ7週間あります。
| 時期 | やること | 1日のめやす |
|---|---|---|
| 2月後半 | 休む。そのうえで、入試で解けなかった問題を見直す | 30分〜1時間 |
| 3月前半 | 中学数学の計算(因数分解・平方根・二次方程式)を毎日10問。英単語は高校入門レベルに進む | 1〜2時間 |
| 3月後半 | 学校から出る課題を最優先。余裕があれば数学Ⅰの「数と式」を予習 | 2時間 |
| 4月 | 授業の復習をその日のうちに。1週間の計画を日曜日に立てる | 授業+1〜2時間 |
※入試日程の出典:東京学芸大学附属高等学校「令和9年度 生徒募集に関する公示」(公式PDF)。学習内容と時間は当サイトの目安です。学校から入学前の課題が出た場合は、そちらを優先してください。
数学:先取りより「中学の計算の完成」
高校数学でつまずく原因の多くは、中学の計算ミスです。因数分解、平方根の計算、二次方程式を、速く正確に解けるようにしておきましょう。毎日10問、時間を計って解くだけで十分です。高校の範囲は、3月後半に「数と式」を少し見ておく程度で構いません。
英語:単語と音読
高校の英語は、読む量が一気にふえます。高校入門レベルの単語帳を1冊決めて、1日30語ずつ進めます。あわせて、入試で使った長文を毎日1本、声に出して読みましょう。
国語・理科・社会:読書と「なぜ」を言葉にする練習
探究活動に向けて、新書を1〜2冊読んでみるのがおすすめです。興味のある分野で構いません。読んだら「何が書いてあったか」「自分はどう思ったか」を5行でまとめる練習をしておくと、入学後のレポートで困りません。
入学後1学期の、1週間の家庭学習の目安
4月からは、部活動や行事と両立しながら家庭学習の時間を確保します。下の表は当サイトがすすめる目安です。部活の日は短く、休みの日に取り戻す形にすると続きやすくなります。
| 曜日 | 内容 | 時間(目安) |
|---|---|---|
| 月〜金 | その日の数学・英語の復習。わからない所に印をつける | 各60〜90分 |
| 土 | 理科・社会の1週間分をノートにまとめ直す。探究の調べもの | 2〜3時間 |
| 日 | 印をつけた問題の解き直し。翌週の計画を立てる | 2時間 |
※時間は当サイトの目安です。学校の課題や部活動の予定に合わせて調整してください。
ポイントは、「わからない所に印をつけて、週末に必ず解き直す」ことです。自由な学校ほど、わからないまま次に進んでも誰も止めてくれません。印をつけて週末に回収する仕組みを、自分で持っておくことが大切です。定期テストの2週間前からは、この時間を1.5倍にふやすとよいでしょう。
塾の春期講習で数学Ⅰ・Aを一気に進める子がいます。しかし、中学の計算があやふやなまま進むと、入学後に同じところでつまずきます。先取りは「量」より「土台の正確さ」です。
学芸大附属に向いている子・向かない子
結論として、自分で目標を決めて動ける子は大きく伸び、指示を待つ子は苦労しやすい学校です。ここからは当サイトの見立てです。
- 興味のあることを自分で調べるのが好き
- 理科も社会も、苦手でも投げ出さずに取り組める
- テストの点だけでなく「なぜそうなるか」を知りたい
- 浪人も含めて、第一志望の大学にこだわりたい
- いろいろな中学から来た仲間と、自分から関係を作れる
- 先生が細かく課題を出して管理してくれる環境の方が伸びる
- 大学受験に向けて、学校に手厚い受験対策を求めたい
- 文系・理系を早く決めて、得意科目だけに集中したい
- 「附属だから大学に上がれる」と考えている(学芸大附属は大学への内部進学の学校ではありません)
向かない特徴があっても、入学後に自分で学ぶ習慣を身につければ問題ありません。大事なのは、入学前に「この学校は自分で動く学校だ」と知っておくことです。
- 高1のクラス編成(内部進学生と高校入学生の関係)は、今年度どうなっているか
- 入学前に出る課題の内容と量
- 定期テストで成績が振るわなかった場合、学校としてどんなサポートがあるか
エスペランサアカデミーは、完全オンラインのプロ家庭教師による1対1指導です。学芸大附属を目指す受験期の指導はもちろん、合格後から入学直後までの「高校の学び方」への切りかえもサポートしています。
まとめ
- 学芸大附属高校は各学年8クラス。1・2年はほぼ全員が同じ科目を学ぶ
- 2026年の実績は東大17(現役8)・京大8・一橋6・東京科学大9・早稲田108・慶應95・医学部医学科68
- 大学進学者289人のうち既卒は118人(約41%)。国立・医学科ほど既卒が多い
- 附属中からの内部進学も選抜あり。2026年は252人が志願して200人が合格
- 「高1から混在」「先取りはあまりしない」は校長インタビューの非公式情報。説明会で確認を
- 合格後は中学の計算・英単語・読書で、学ぶリズムを切らさない


