最終更新:2026年9月/偏差値は民間の情報サイトによる目安です。倍率は令和8年度の数値です。令和9年度の入学定員は未公表です。
福岡県の難関公立8校は、偏差値の目安がおおむね68〜74の範囲にあります。ただし普通科は学区制なので、まず自分の学区でどの学校が受けられるかを確かめることが出発点です。
対策の中心は、県の共通問題(5教科)で取りこぼしをなくすことと、中3の評定を上げきることです。フクト公開実力テストで立ち位置を確認しながら、10月から過去問に入るのが目安です。
- 難関公立8校の偏差値の目安と学区
- 令和8年度一般入試の志願率と、その読み方
- 8校それぞれの特徴と、受験で気をつけること
- フクト公開実力テストの使い方
- 実在を確認した過去問・問題集
- 月別・偏差値帯別の勉強法
入試の日程・配点・A群B群などのしくみは、福岡県公立高校入試2027の仕組みと日程で解説しています。この記事では、難関校にしぼった情報と対策をまとめます。
難関公立8校の偏差値の目安と学区
8校の偏差値の目安は、修猷館が73〜74で最も高く、小倉・城南(普通科)が68〜70です。どの学校も、県内の公立では上位に入ります。
| 学校 | 学区 | 所在地 | 偏差値の目安 |
|---|---|---|---|
| 修猷館 | 第6学区 | 福岡市早良区 | 73〜74 |
| 福岡 | 第4学区 | 福岡市博多区 | 71〜73 |
| 筑紫丘 | 第5学区 | 福岡市南区 | 普通71〜72 理数72〜73 |
| 東筑 | 第3学区 | 北九州市八幡西区 | 70〜71 |
| 明善 | 第8学区 | 久留米市 | 普通70〜71 理数72〜73 |
| 春日 | 第5学区 | 春日市 | 69〜70 |
| 城南 | 第6学区 | 福岡市城南区 | 普通68〜70 理数コース69〜70 |
| 小倉 | 第2学区 | 北九州市小倉北区 | 68〜69 |
※偏差値は民間の模試・情報サイトによる目安です。サイトによって1〜2ちがいます。みんなの高校情報、家庭教師のトライ「福岡県偏差値一覧」(年度記載なし)、受験ラボ「福岡県偏差値ランキング 令和8年度」の3サイトの値を幅で示しました。学区の出典:福岡県教育委員会「令和9年度推薦入学・特色化選抜実施校」(公式)。
上の数字は、情報サイトがまとめた目安です。フクトなどの模試で出る自分の偏差値と、そのまま比べることはできません。受ける模試によって、偏差値の出方はちがうからです。志望校判定は、同じ模試の結果どうしで見るようにしてください。模試の見方は模試の結果の見方でくわしく解説しています。
令和8年度一般入試の志願率と、その読み方
令和8年度の一般入試で志願率が最も高かったのは、筑紫丘の理数科(2.65倍)と明善の理数科(2.28倍)でした。普通科では修猷館の1.66倍が最も高くなっています。
| 学校・学科 | 入学定員 | 推薦等内定 | 志願者 | 志願率 |
|---|---|---|---|---|
| 修猷館 普通 | 440 | 38 | 730 | 1.66倍 |
| 福岡 普通 | 440 | 40 | 631 | 1.43倍 |
| 筑紫丘 普通 | 400 | 40 | 533 | 1.33倍 |
| 筑紫丘 理数 | 40 | 7 | 106 | 2.65倍 |
| 城南 普通 | 400 | 47 | 583 | 1.46倍 |
| 城南 理数コース | 40 | 7 | 63 | 1.58倍 |
| 春日 普通 | 440 | 153 | 493 | 1.12倍 |
| 東筑 普通 | 280 | 41 | 374 | 1.34倍 |
| 小倉 普通 | 280 | 42 | 332 | 1.19倍 |
| 明善 普通 | 240 | 38 | 263 | 1.10倍 |
| 明善 総合文科 | 40 | 9 | 63 | 1.58倍 |
| 明善 理数 | 40 | 9 | 91 | 2.28倍 |
※出典:福岡県教育委員会「令和8年度福岡県立高等学校入学者選抜 一般入試志願状況(志願変更受付後)」(公式)。志願率=志願者数÷入学定員です。入学定員には推薦等の内定者の分も含まれます。城南の普通・明善の普通は「コースを除く」数値です。令和9年度の入学定員は未公表です。
志願率を読むときの2つのポイント
1つ目は、県の「志願率」は分母に推薦等の内定者の枠も入っていることです。一般入試で実際に争う席は、入学定員から内定者を引いた分になります。そのため、内定者が多い学校ほど、表の数字より実際の競争は厳しく感じられます。
とくに春日は内定者が153人と多い学校です。志願率は1.12倍ですが、入学定員440人から内定者153人を引くと、一般入試で残る席は287人です。この席数で割ると約1.72倍になります(計算は目安)。「倍率が低いから入りやすい」とは言えません。
2つ目は、理数科・理数コースは定員が40人と小さいことです。人数が少ないので、年によって倍率が大きく上下しやすいと考えられます(ここは推測です)。1年分の倍率だけで判断しないようにしましょう。
学校ごとの特徴と、受験で気をつけること
8校は、福岡市とその周り(修猷館・福岡・筑紫丘・城南・春日)、北九州(東筑・小倉)、筑後(明善)の3つの地域に分かれます。同じ学区の中で、どの学校を選ぶかを考えることになります。
修猷館(第6学区)
福岡藩の藩校(1784年開館)が起源の、長い歴史をもつ学校です。普通科のみです。令和9年度も推薦入学を行います。令和8年度の志願率は8校の普通科で最も高い1.66倍でした。5教科どれも大きく落とさない、安定した得点力が求められます。
福岡(第4学区)
1917年に旧制福岡県立福岡中学校として開校しました。1929年に建てられた校舎は、県の有形文化財です。令和8年度は入学定員が前年度の400から440に増えました。令和9年度の定員はまだ公表されていないので、公表後に確認してください(前年度は10月2日に公表)。
筑紫丘(第5学区)
普通科と理数科があります。理数科は令和9年度も学力検査の加重配点があり、数学・理科の力がより強く合否に効くと考えられます。令和8年度の理数科の志願率は2.65倍で、8校の中で最も高い数字でした。理数科を受けるなら、数学・理科で満点近くをねらう準備が必要です。
城南(第6学区)
普通科と理数コースがあります。国の科学技術振興機構(JST)のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校一覧に掲載されています(令和7年度指定・第4期)。理数コースは令和9年度も加重配点があります。修猷館と同じ第6学区なので、模試の結果を見ながら2校を比べて考えることになります。
春日(第5学区)
1978年創立です。令和9年度は推薦入学と特色化選抜の両方を行います。先ほど見たとおり、推薦等の内定者が多いのが特徴です。春日が第1志望なら、推薦・特色化選抜も選択肢として早めに中学校の先生と相談しておきましょう。
東筑(第3学区)
1898年に東筑中学校として創立しました。北九州市八幡西区にあり、北九州市の西側や中間市・遠賀郡などが同じ学区です。令和8年度の志願率は1.34倍でした。
小倉(第2学区)
1908年に旧制小倉中学校として創立しました。旧制時代から続く制服・制帽の伝統で知られています。北九州市の門司区・小倉北区・小倉南区・戸畑区が同じ学区です。
明善(第8学区)
久留米藩の藩校の流れをくむ学校です。普通科(一般・総合文科コース)と理数科があります。理数科は令和9年度も加重配点があり、令和8年度の志願率は2.28倍でした。久留米市の周辺では、私立の久留米大学附設と比べて考えるご家庭もあります。
※出典:各校の沿革・所在地はWikipediaの各校記事、SSH指定は科学技術振興機構(JST)「SSH指定校一覧」、加重配点は福岡県教育委員会「令和9年度 特定教科の加重評価・加重配点の実施校」(公式)、推薦・特色化の実施区分は同「令和9年度推薦入学・特色化選抜実施校」(公式)。加重配点のしくみは入試の仕組みの記事をご覧ください。
フクト公開実力テストの使い方
福岡県で難関校をめざすなら、フクト公開実力テストを毎回受けて、同じものさしで伸びを確認するのが基本です。フクト公開実力テストは株式会社フクト(福岡市中央区)が行う模試で、中3は5月から1月までに計10回あります。受験者は毎年約10万人で、60年以上の実績があると同社は説明しています。
(1)返ってきたら、その日のうちに間違えた問題を「知らなかった」「ミス」「時間切れ」の3つに分ける。(2)次の2日間で「ミス」と「知らなかった」の問題を解き直す。(3)志望校判定は、1回ではなく直近3回の流れで見る。秋以降の残りの回で、この手順を毎回くり返してください。
| 見る場所 | 何を読み取るか |
|---|---|
| 5教科の合計 | 前回からの伸び。1回の上下で一喜一憂しない |
| 教科別の偏差値 | いちばん低い教科。ここを1つ上げるのが近道 |
| 単元別の正答率 | みんなが正解しているのに自分が落とした問題。最優先で復習 |
| 志望校判定 | 直近3回の流れ。上向きか、横ばいか |
※フクト公開実力テストの実施回数・受験者数は株式会社フクトの公式サイトの説明によります。残りの回の日程は同社サイトでご確認ください。
判定がよくなかったときの立て直し方は模試でE判定・D判定のときの考え方を参考にしてください。
実在を確認した過去問・問題集
難関8校も、一般入試は県の共通問題です。だから、いちばん大事な教材は福岡県の公立高校の過去問です。2026年9月時点で、発行を確認できたものは次の4つです。
| 書名 | 出版社 | 内容・使い方 |
|---|---|---|
| 福岡県公立高等学校 2027年度受験用(公立高校入試対策シリーズ) | 英俊社 | 2022〜2026年の5年分。まずこの1冊を2周 |
| 2027 福岡県公立高校入試過去問題 | 東京学参 | 2026年9月発行。英俊社と解説を読み比べたいときに |
| 2026福岡県版 高校入試の徹底的研究(にゅうけん) | フクト | 福岡県の学力検査問題3年分を収録 |
| 2027年受験用 全国高校入試問題正解 | 旺文社 | 教科別の全5冊。47都道府県の公立入試を収録。福岡の過去問を終えた後の演習用 |
※出典:英俊社(2026年7月29日発行)・東京学参(2026年9月3日発行)は書誌情報、旺文社は同社公式サイト(2026年6月25日発売、英語編は3,795円・税込)、にゅうけんは株式会社フクト公式サイト(一般販売価格2,893円・税込、市販は2026年7月下旬以降)によります。価格・在庫は購入前にご確認ください。
(1)10月に英俊社の過去問で、いちばん古い年から1年分を時間どおりに解く。(2)11〜12月で5年分を1周し、1月に2周目。(3)余裕がある人は、全国高校入試問題正解で他県の問題にも挑戦します。新しい問題集を何冊も増やすより、同じ過去問を2周して「ミスの型」を消すほうが、共通問題の試験では効果が大きいです(目安)。過去問を始める時期は過去問はいつからもご覧ください。
10月から入試までの月別ロードマップ
難関校をめざすなら、10月に過去問を始め、12月までに5年分を1周するのが目安です。同時に、2学期の定期テストで評定を上げきります。入試の日程は入試の仕組みと日程の記事で確認してください。
| 時期 | やること | 量の目安 |
|---|---|---|
| 9月末〜10月 | 過去問を1年分解いて、弱い教科を確認。中1・中2の穴うめ | 過去問1〜2年分 |
| 11月 | 期末テストで評定を上げきる。テスト後は過去問を再開 | テスト前2週間はワーク2周 |
| 12月 | 過去問5年分を1周。冬休みは弱点教科を集中して補強 | 週1〜2年分 |
| 1月 | 過去問2周目。私立入試の準備と並行 | 週1〜2年分 |
| 2月〜本番 | 間違い直しノートを毎日回す。5教科を本番と同じ順番で解く日を週1回 | 新しい教材は増やさない |
※量の目安は、プロ家庭教師としての指導経験にもとづく一般的な目安です。お子さまの状況によって調整してください。
難関校をめざす人の教科別ポイント
難関8校の受験生は、5教科の点数が近いところに集まります。どの教科も「大きく落とさない」ことが合格への近道です。教科ごとに、秋からやることを決めておきましょう。
| 教科 | 秋からやること | よくある失点 |
|---|---|---|
| 英語 | 長い英文を時間内に読む練習を毎日1題。英作文は教科書の文を使って書く | 単語のつづり、三単現のsなどの小さなミス |
| 数学 | 計算問題を毎日5問。過去問の最後の大問は、途中の小問まで取る練習 | 計算ミス、問題文の条件の読み落とし |
| 国語 | 記述問題は、本文の言葉を使ってまとめる練習。漢字は毎日10問 | 記述の字数オーバー、主語と述語のずれ |
| 理科 | 実験の手順と結果の理由を、自分の言葉で説明できるようにする | グラフの目もり、単位の書きまちがい |
| 社会 | 地図・グラフ・資料を読む問題。用語は漢字で書けるまで | 資料の年代や単位の見落とし |
※プロ家庭教師としての指導経験にもとづく一般的な目安です。出題の形は年度によって変わります。必ず過去問で確認してください。
ここで大事なのは、「わからなかった問題」より「わかっていたのに落とした問題」を先に減らすことです。難関校の受験生は、すでに多くの問題を解ける力をもっています。その力を本番で点に変えるには、見直しの手順を教科ごとに決めておくのがいちばんです。たとえば数学なら「計算は必ず1回ずつ検算する」、英語なら「最後の3分で、動詞の形だけを見直す」のように、短く具体的に決めます。
難関校をめざす人の1週間の時間割の例
| 曜日 | 時間の目安 | やること |
|---|---|---|
| 平日(部活なし) | 3時間 | 学校の復習30分/弱点教科1時間半/英単語・計算・漢字30分/フクトの直し30分 |
| 平日(部活あり) | 2時間 | 学校の復習30分/弱点教科1時間/英単語・計算・漢字30分 |
| 土 | 6時間 | 過去問を1年分、5教科を本番と同じ順番で/直しを1時間半 |
| 日 | 5時間 | 過去問の直しの続き/弱点単元の問題集/1週間の間違い直しノートを見返す |
※時間は目安です。定期テストの2週間前は、学校のワークと提出物を優先してください。
時間割を作ったら、1週間ごとに「できた日」と「できなかった日」に印をつけます。できなかった日が続く曜日は、計画が重すぎるサインです。無理に続けるより、量を少し減らして毎日続けるほうが、結果として力がつきます。
偏差値帯別の勉強法(目安)
今の模試の成績によって、やるべきことは変わります。ここからは推測を含む目安です。志望校の偏差値の目安と比べて、今の自分がどこにいるかで分けて考えてください。
まず中1・中2の内容の穴をうめます。どの学校も一般入試は県の共通問題なので、土台の穴がそのまま失点になります。平日は1日1時間を、数学の計算・英語の文法・理科社会の基本用語の復習にあてます。過去問は10月は1年分だけにして、11月以降に本格的に始めます。
いちばん伸びやすい位置です。ミスで落としている問題を減らすことに集中します。過去問を解いたら、ミスを「計算」「読みまちがい」「書きまちがい」に分けて記録し、同じミスが2回出たら見直しの手順を1つ決めます。評定もあと少しの教科があれば、2学期のテストで1つ上げることをねらいましょう。
油断せず、「落とさない力」を固める時期です。過去問では各教科で満点に近い点をめざし、落とした1問の原因を必ず言葉にします。理数科・理数コースを受けるなら、加重配点がある教科の難しめの問題にも時間を使いましょう。私立の難関校と併願する場合は、私立の過去問との時間の配分も早めに決めておきます。
- 学区:お住まいの住所で、その学校の普通科を受けられるか。
- 推薦・特色化の有無:志望校が令和9年度にどちらを実施するか。春日のように内定者が多い学校もあります。
- 併願:公立の難関校を受けるなら、私立との併願もあわせて考えるのが一般的です。併願の組み方は併願校は何校受けるべきを参考にしてください。
- 難しい問題集ばかりやる。一般入試は県の共通問題です。基本問題の取りこぼしのほうが、合否に響きます。
- 1回の模試の判定で志望校を変える。直近3回の流れで判断しましょう。
- 倍率の低さだけで学校を選ぶ。推薦等の内定者が多い学校は、志願率が低く見えても、定員の割に一般入試の席は少なめです。
難関校の合否は「1問」で分かれます
難関8校を受ける生徒は、5教科の点数が近いところに集まります。だから、1問のミスと、中3の評定の1つの差が合否を分けることがあります。どこで点を落としているかは、答案を1問ずつ見ないとわかりません。
エスペランサアカデミーは、完全オンラインのプロ家庭教師による1対1の指導です。福岡県にお住まいでもご自宅から受講できます。フクトの結果や過去問の答案を分析して、志望校の目安との差をうめる学習計画を、お子さまに合わせて組みます。
直近の模試の結果か過去問の答案をお持ちください。どの教科のどの問題で差がついているかをお伝えします。無理な勧誘はいたしません。
まとめ
- 難関8校の偏差値の目安は68〜74(民間サイトによる目安。サイトで1〜2ちがう)
- 普通科は学区制。修猷館・城南は第6学区、筑紫丘・春日は第5学区、福岡は第4学区、東筑は第3学区、小倉は第2学区、明善は第8学区
- 令和8年度の志願率は、筑紫丘理数2.65倍・明善理数2.28倍・修猷館1.66倍など
- 県の志願率は推薦等の内定者の枠も分母に入る。春日は内定者が多い
- フクト公開実力テストは「直近3回の流れ」で見て、受けた後3日で復習する
- 教材はまず福岡県の過去問。10月に始め、12月までに5年分を1周


