最終更新:2026年9月/熊本県教育委員会「令和9年度熊本県立高等学校入学者選抜要項」(2026年8月公表)にもとづいています。細かい点は必ず最新の公式資料でご確認ください。
熊本県の令和9年度(2027年度)公立高校入試は、後期(一般)選抜の学力検査が3月4日(木)・5日(金)、合格発表が3月12日(金)です。前期(特色)選抜は2月2日(火)に行われます。
学力検査は5教科×50点の250点満点です。内申は中1・中2の評定に、中3の評定を2倍して足すしくみです。当日点の順位と内申の順位が、どちらも募集人員の中に入れば、まず合格が決まります。
- 令和9年度の前期(特色)選抜・後期(一般)選抜の日程
- 学力検査(5教科×50点)の時間割と、得点を2倍にする学科
- 内申(調査書)の計算を、具体例でわかりやすく
- 合否を決める「第1選考」のしくみと、学区外の上限
- 令和9年度の変更点と、中3が月ごとにやること
- 保護者がやってしまいがちなNG
令和9年度(2027年度)の入試日程
日程はすでに公表されています。後期(一般)選抜の学力検査は2027年3月4日(木)と5日(金)の2日間です。熊本県教育委員会が2026年6月の「基本方針」と8月の「入学者選抜要項」で発表しました。
入試は、2月の前期(特色)選抜と、3月の後期(一般)選抜が中心です。前期の結果は2月9日に届きます。その後の2月12日から後期の出願が始まるので、前期で合格しなかった人も後期に出願できます。
前期(特色)選抜の日程
| 項目 | 日程(2027年) |
|---|---|
| 出願期間 | 1月20日(水)〜1月25日(月)正午 |
| 検査日 | 2月2日(火) |
| 結果通知 | 2月9日(火) |
※出典:熊本県教育委員会「令和9年度熊本県立高等学校入学者選抜の基本方針」(公式・2026年6月)。小国高校の連携型中高一貫教育に係る選抜、八代高校の国際バカロレアに係る選抜も同じ日程です。
後期(一般)選抜・追検査・二次募集の日程
| 項目 | 日程(2027年) |
|---|---|
| 後期 出願期間 | 2月12日(金)〜2月17日(水)正午 |
| 出願変更 | 2月18日(木)〜2月22日(月)正午 |
| 学力検査 | 3月4日(木)・3月5日(金) |
| 合格発表 | 3月12日(金) |
| 追検査 | 願の提出3月4日(木)〜9日(火)午後4時 検査3月12日(金)、結果発表3月16日(火) |
| 二次募集(全日制) | 出願3月15日(月)〜17日(水)午後4時 面接等3月18日(木)、結果通知3月23日(火) |
※出典:熊本県教育委員会「令和9年度熊本県立高等学校入学者選抜の基本方針」「令和9年度熊本県立高等学校入学者選抜要項」(公式)。追検査は、病気などで本検査を受けられなかった人のための検査です。
要項では、出願サイトへの入力と手数料の支払いを2026年12月1日(火)から2027年2月17日(水)正午までに行うとしています。インターネット出願の手引きは「後日公開」とされています。中学校から説明があるので、配られたプリントはなくさずに保管しましょう。
前期(特色)選抜と後期(一般)選抜のちがい
いちばん大きなちがいは、前期には学力検査(筆記の5教科テスト)がないことです。前期は学校ごとの独自検査、後期は県共通の学力検査で選びます。
| 項目 | 前期(特色)選抜 | 後期(一般)選抜 |
|---|---|---|
| 検査の中身 | 面接・小論文・実技・実験・自己表現など(学校が決める) | 5教科の学力検査 |
| 募集人員 | 募集定員の70%以内 (熊本市にある高校は50%以内) | 前期などの合格内定者を除いた残り |
| 出願の条件 | 学校の「重視する観点」を理解し、合格したら必ず入学すると誓約する | 原則として通学区域の中の高校(学区外は上限あり) |
※出典:熊本県教育委員会「令和9年度熊本県立高等学校入学者選抜の基本方針」「同 入学者選抜要項」(公式)。前期の募集人員が定員の50%を超える高校は、A群(面接・実技検査など)とB群(小論文・実験・自己表現・総合的な学習の時間の成果発表など)から1つ以上ずつ行います。
前期は、すべての学校・学科で行うわけではありません。どの学校のどの学科で前期があるか、何を重視するかは、県が2026年9月15日に「重視する観点」として公表しています。志望校の分は、中学校の先生と一緒に必ず読んでおきましょう。
前期の結果通知は2月9日、後期の学力検査は3月4日です。その間は約3週間しかありません。前期を受ける人も、1月までは後期の5教科の勉強を止めないでください。面接や小論文の練習は、1日30分ほどに決めて並行して進めるのがおすすめです。面接のコツは推薦入試の面接対策にまとめています。
学力検査は5教科×50点=250点、2日間で行います
後期(一般)選抜の学力検査は、国語・社会・数学・理科・英語の5教科、各50分・各50点です。問題は県教育委員会がつくります。英語のリスニングは、英語の時間の中で行います。
学力検査は2日に分けて行います。1日目が3教科、2日目が2教科です。
| 日 | 教科 | 時間 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 3月4日(木) | 国語 | 10:00〜10:50 | 50点 |
| 3月4日(木) | 理科 | 11:10〜12:00 | 50点 |
| 3月4日(木) | 英語 | 13:10〜14:00 | 50点 |
| 3月5日(金) | 社会 | 10:00〜10:50 | 50点 |
| 3月5日(金) | 数学 | 11:10〜12:00 | 50点 |
※出典:熊本県教育委員会「令和9年度熊本県立高等学校入学者選抜要項」(公式)。
時間割を見ると、数学が2日目の最後です。1日目の手ごたえが悪くても、気持ちを切りかえて数学に向かう力が必要です。過去問を解くときは、本番と同じ「1日目3教科・2日目2教科」の組み合わせで、2日連続で解く練習を冬休みまでに2回はやっておきましょう。
一部の学科・コースは「得点を2倍」にする
理数科や英語科などでは、特定の教科の得点を2倍にして合計する「特別処理」があります。その教科が得意な人ほど有利になるしくみです。
| 学科・コース | 2倍にする教科 |
|---|---|
| 理数科・普通科理数コースなど | 数学(理科も対象にできる) |
| 英語科・普通科英語コース・国際コース | 英語 |
| 職業教育を主とする専門学科 | 学科の特性に応じた教科 |
※出典:熊本県教育委員会「令和9年度熊本県立高等学校入学者選抜の基本方針」「同 入学者選抜要項」(公式)。理数科にはサイエンス情報科を含みます。どの学校のどの教科が対象かは、志望校ごとに要項で確認してください。
たとえば数学が2倍の学科では、数学で10点落とすと、合計では20点の差になります。理数系の学科を考えている人は、数学の過去問を他の教科より多めに解いておきましょう。
内申(調査書)の計算:1年+2年+3年×2
熊本県の内申は、中1と中2の評定に、中3の評定を2倍したものを足して計算します。9教科すべてが対象です。
具体例で計算してみましょう
評定は5段階なので、1教科の最高は「5+5+5×2」で20点です。9教科なら、計算上は20×9で180点が最高になります(満点は要項に明記されていないため、ここは計算による値です)。
| 教科(例) | 中1 | 中2 | 中3(×2) | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 数学 | 4 | 4 | 5→10 | 18 |
| 英語 | 5 | 5 | 4→8 | 18 |
| 美術 | 3 | 3 | 4→8 | 14 |
※計算方法の出典:熊本県教育委員会「令和9年度熊本県立高等学校入学者選抜要項」(公式)。表の評定は説明のための例です。
数学と英語の例を見てください。中1・中2がオール5でも、中3で4に下がると、中1・中2が4で中3が5の人と同じ18点になります。中3の成績の重みは、中1・中2の2倍です。だから、今の2学期の成績がとても大事です。
5教科は「当日の点数で補正」される
熊本県の内申には、「補正」というしくみがあります。学力検査を行う5教科は、上の計算で出した合計を、その教科の当日の点数を使って見直します。
要項の「別表」に、当日の得点のはばと、評定の合計の組み合わせごとの値がのっています。表の形から読み取ると、当日の点数が高いほど内申が高めに、低いほど低めに直される方向です。ただし具体的な数値は、必ず要項の別表で確認してください。実技4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)は補正せず、そのまま足します。
5教科は当日の点数で見直されますが、実技4教科は内申がそのまま使われます。美術や保健体育で中3の評定を1上げると、合計は2点上がります。提出物・実技テスト・授業態度の3つを、2学期の終わりまでていねいに続けましょう。内申の上げ方は高校受験の内申点の上げ方でくわしく解説しています。
合否の決め方と、学区外から受けるときの上限
後期(一般)選抜では、当日点の順位と内申の順位が、どちらも募集人員の中に入った人から合格が決まります。これを「第1選考」といいます。
※出典:熊本県教育委員会「令和9年度熊本県立高等学校入学者選抜の基本方針」「同 入学者選抜要項」(公式)。令和9年度の「第1選考後の選抜基準」は、2026年9月26日時点では県のページで見つけられませんでした(前年度分は9月下旬に掲載)。
いちばん安全なのは、当日点も内申も、両方で上位にいることです。ここからは推測です。上位校ほど両方が高い受験生が集まるため、第1選考で決まる割合が大きくなり、片方だけが高い人は第1選考後の基準で比べられることが多くなると考えられます。
Q.当日点が高ければ、内申が低くても合格できますか?
A.第1選考は「当日点の順位」と「内申の順位」の両方が募集人員以内であることが条件です。当日点だけ高くても、第1選考には入れません。その場合は第1選考後の選抜基準で比べられます。
Q.後期で不合格だったら、もう公立は受けられませんか?
A.定員に空きがある学校では、全日制の二次募集があります。出願は3月15日から17日午後4時までと短いので、合格発表の日に中学校の先生とすぐ相談できるようにしておきましょう。
Q.実技教科の評定も合否に使われますか?
A.使われます。音楽・美術・保健体育・技術家庭も「1年+2年+3年×2」で計算し、内申の合計に入ります。
※出典:熊本県教育委員会「令和9年度熊本県立高等学校入学者選抜の基本方針」「同 入学者選抜要項」(公式)。
学区外・県外からの入学には上限がある
県立高校には通学区域(学区)があります。後期選抜で学区の外から入学できる人数には上限があり、普通科(コースを除く)は募集人員の13%以内、県外からは5%以内です。
| 区分 | 入学を許可する人数の上限 |
|---|---|
| 学区外から (普通科〔コースを除く〕、大津高校理数科、上天草高校普通科グローカル文理コース) | 募集人員の13%以内 |
| 県外から | 募集人員の5%以内 |
※出典:熊本県教育委員会「令和9年度熊本県立高等学校入学者選抜要項」(公式)。どの市町村がどの学区かは「熊本県立高等学校の通学区域に関する規則」の付表で確認してください。
住所によっては、志望校が「学区外」になることがあります。その場合は13%の枠の中で競うことになります。志望校が自分の学区に入っているか、10月の三者面談の前に確認しておきましょう。面談の準備は秋の三者面談の記事が役立ちます。
令和9年度の変更点:大きな制度変更はなし
結論から言うと、令和9年度は今の制度が続きます。県は、令和8年度以降に新しい入試制度を始める予定でした。しかし、国の高校教育改革の動きを見きわめる必要があるとして、「当面の間、現行制度の入学者選抜を継続する」と発表しています。
| 項目 | 令和9年度の状況 |
|---|---|
| 新しい入試制度 | 導入を見送り、現行制度を継続 |
| 学校選択問題(数学・英語) | 令和7年度まではあり。令和8年度・令和9年度の要項には記載なし |
| インターネット出願 | 令和8年度から導入済み。令和9年度も実施 |
※出典:熊本県教育委員会「令和8年度(2026年度)以降実施の熊本県立高等学校入学者選抜について」、令和7年度・令和8年度・令和9年度の入学者選抜要項(いずれも公式)。
とくに注意したいのが「学校選択問題」です。令和7年度までは、数学と英語で、高校が問題の種類を選ぶしくみがありました。令和9年度の要項には、この言葉がありません。そのため、今年は全員が同じ問題を解くと読めます。
ここからは推測です。古い過去問集には、学校選択問題の年度がふくまれます。数学・英語の過去問を解くときは、その年度の問題がどの種類だったかを確認してから使うと、今の入試に近い練習になります。
中3の月別やること(9月〜3月)
3月4日から逆算すると、残りは約5か月です。月ごとの目安を表にしました。数字はあくまで目安なので、今の成績に合わせて調整してください。
| 時期 | やること(目安) |
|---|---|
| 9月〜10月 | 2学期の定期テストで内申を上げる。中1・中2の苦手単元を1日1単元ずつ復習。志望校が学区内かを確認 |
| 11月 | 熊本県の過去問を1年分、時間を計って解く。前期を受けるか決め、「重視する観点」を読む |
| 12月 | 12月1日からネット出願の入力が始まる。冬休みは過去問を2日セットで2回。間違い直しノートをつくる |
| 1月 | 前期の出願(1月20日〜25日正午)。5教科の勉強は止めずに、面接・小論文を1日30分 |
| 2月 | 2月2日前期、9日結果。12日〜17日正午に後期出願。過去問の2周目と、苦手分野のしぼりこみ |
| 3月 | 4日・5日が本番。前日は新しい問題に手を出さず、間違い直しノートを見直す |
※日付の出典:熊本県教育委員会「令和9年度熊本県立高等学校入学者選抜の基本方針」「同 入学者選抜要項」(公式)。勉強の量はエスペランサアカデミーの目安です。
平日と休日の時間割の例(目安)
- 平日(2〜3時間):学校の宿題とワーク(1時間)→ 苦手教科の復習(1時間)→ 英単語・漢字・理社の暗記(30分)
- 休日(6〜7時間):午前に過去問か実戦問題を2教科(本番と同じ時間)→ 午後に間違い直し(2時間)→ 夜に暗記(1時間)
- 定期テスト2週間前:入試の勉強を半分に減らし、学校のワークを最低2周する
秋の過ごし方は中3秋の学習計画、過去問の始め方は過去問はいつからでもくわしく書いています。難関校を目指す人は、熊本の難関公立高校の対策もあわせて読んでください。
保護者がやってしまいがちなNG
保護者の方にお願いしたいのは、「しくみを正しく知ったうえで、口を出しすぎない」ことです。よくあるNGを5つあげます。
- 「中3の内申はもう変わらない」と言う。中3の評定は2倍で入ります。2学期の成績は、まだ上げられます。
- 実技教科を軽く見る。実技4教科は補正されず、そのまま合計に入ります。
- 学区を確認しないまま志望校を決める。学区外からは普通科で募集人員の13%以内という上限があります。
- 前期の結果が出るまで、後期の勉強を止めさせる。結果通知から学力検査まで約3週間しかありません。
- 古い過去問の数学・英語をそのまま比べる。学校選択問題があった年度は、今と問題のしくみがちがいます。
出願期間・学力検査・合格発表の日を、家族のカレンダーに今のうちに書きこんでください。そのうえで、お子さまには「点数」ではなく「何をやったか」を聞くようにしましょう。「今週、過去問を何年分やった?」「間違えた問題はどう直した?」という声かけのほうが、次の行動につながります。模試の結果がよくなかったときの声かけはこちらの記事にまとめています。
「内申」と「当日点」を同時に上げる計画を
熊本県の公立入試は、中3の評定が2倍で入る内申と、5教科250点の当日点の両方で上位に入ることが合格への近道です。ただ、2学期の定期テストと、入試の過去問演習を同時に進めるのは、中学生ひとりでは難しいことも多いです。
エスペランサアカデミーは、完全オンラインのプロ家庭教師による1対1の指導です。熊本県にお住まいでも、ご自宅から受講できます。定期テストの結果と過去問の答案を見たうえで、3月4日から逆算した学習計画をお子さまに合わせて組みます。
今の成績と志望校を教えていただければ、内申と当日点のどちらに時間を使うべきかをお伝えします。無理な勧誘はいたしません。
まとめ
- 前期(特色)選抜は2月2日、結果通知は2月9日。学力検査はなく、学校ごとの独自検査
- 後期(一般)選抜の学力検査は3月4日・5日の2日間、合格発表は3月12日
- 学力検査は5教科×50点=250点。理数科・英語科などは特定教科の得点を2倍
- 内申は「中1+中2+中3×2」。5教科は当日点で補正、実技4教科はそのまま
- 当日点と内申の順位が両方とも募集人員以内なら第1選考で合格が決まる
- 学区外からは普通科で募集人員の13%以内、県外からは5%以内
- 令和9年度は現行制度を継続。学校選択問題は要項に記載なし


