東京学芸大学附属高校の数学|出題傾向と9月からの対策、部分点を取り切る答案の書き方

東京学芸大学附属高校の数学|出題傾向と9月からの対策受験情報

東京学芸大学附属高校の数学は、全部解けなくても合格できる試験です。合否を分けるのは難問を解ききる力ではなく、解ける問題を取りこぼさない精度と、途中まででも部分点を取り切る答案です。9月からの3か月は、この2点に絞って演習を組み替えてください。

この記事では、附高の数学で問われる力を整理したうえで、分野別の優先順位・記述の書き方・月別の演習メニューまでを具体的にまとめます。5教科全体の傾向は東京学芸大学附属高校の偏差値・入試対策を、他教科は科目別対策をご覧ください。

この記事でわかること

  • 附高の数学で問われる力と、点差がつく場所
  • 解く順番・捨て問の判断基準
  • 関数・図形・小問集合の優先順位と9月からの詰め方
  • 記述と証明で部分点を落とさない書き方
  • 9月〜1月の月別演習メニュー

※試験時間・配点・出題形式は年度によって変わります。本記事は一般に知られている傾向をもとにした学習指針です。最新の入試情報は必ず学校公式サイトの募集要項でご確認ください。

1. 附高の数学はどんな試験か

附高の数学は、公立高校の入試とは性質が異なります。計算力を測る問題は少なく、手を動かして条件を整理し、複数の知識を組み合わせて答えにたどりつく力が問われます。

関数と図形の融合

放物線と直線、そこに面積や相似が絡む形式が中心です。「関数だから関数の解法」で止まらず、図形の性質に切り替えられるかが問われます。

平面図形・立体図形

補助線や断面の取り方で難易度が大きく変わります。立体は「どの平面で切って考えるか」を決めた時点でほぼ勝負がつきます。

小問集合

幅広い単元から出題され、資料の活用や確率なども含まれます。ここは全問正解を狙う領域です。難問より先に、確実にここを固めます。

記述・証明

答えだけでなく過程が問われる設問があります。解ききれなくても、途中の論理が正しければ点は残ります。ここを捨てるのが最ももったいない失点です。

2. 点差がつくのは難問ではなく「取りこぼし」

難関校の数学で不合格になる受験生の失点は、その多くが解けたはずの問題です。難問を1問落としても差はつきませんが、小問集合の1問を計算ミスで落とすと、同じ点数を難問で取り返さなければならなくなります。

POINT 試験中の3つのルール

1)小問集合を最初に、確実に終わらせる……ここで貯金をつくってから大問に入ります。

2)1問に固執しない基準を決めておく……方針が立たないまま5分経ったら次へ。戻る前提で印をつけておきます。

3)最後の5分は見直しではなく「書き足し」に使う……空欄の設問に、途中まででも立式や条件整理を書く。ここで数点拾えます。

この判断は本番で急にはできません。9月からの演習で、毎回「捨てる判断」を練習しておく必要があります。

3. 分野別|9月からの優先順位

残り時間は限られています。次の順番で手をつけてください。

1小問集合の完全固め(9月)

出題範囲が広い代わりに、一つひとつは標準レベルです。ここを落とさない状態をまずつくる。計算・方程式・確率・資料の活用・平方根など、抜けがある単元を洗い出して埋めます。数学のつまずきの見つけ方は算数・数学のつまずき解消法も参考になります。

2関数と図形の融合(9〜11月)

附高の中心分野です。座標上の面積、相似比、動点など、典型パターンを20〜30問レベルで手に馴染ませる。解法を思いつくのではなく、条件から自動的に手が動く状態を目指します。

3平面図形・立体図形(10〜12月)

補助線の引き方、立体の切断面の取り方を型として蓄積します。解けなかった問題は、「どの補助線に気づけばよかったか」を一行で記録しておくと、似た構図の問題で再現できます。

4記述・証明の答案練習(10月以降・毎週)

週に2〜3題でよいので、必ず清書して他人に読ませる前提で書く。自己採点だけでは、論理の飛躍に気づけません。

※9月時点で中3内容の学習が終わっていない単元がある場合は、上の順番より先にその単元を仕上げてください。未習分野があるまま演習に入っても、点にはつながりません。

4. 記述・証明で部分点を取り切る書き方

記述問題は「合っているか間違っているか」の0か100ではありません。採点者が追える形で書かれていれば、途中まででも点は入ります。次の4段構成で書く習慣をつけてください。

STEP1 使うものを最初に宣言する
「相似を使う」「三平方の定理を使う」など、方針を1行で書く。ここだけでも読み手に意図が伝わります。

STEP2 条件を記号で整理する
与えられた長さ・角・座標を文字で置き、図に書き込んだ内容を答案にも残す。頭の中だけで処理しないこと。

STEP3 根拠を必ず添える
「2組の角がそれぞれ等しいので」のような一言があるかどうかで、証明問題の得点は大きく変わります。

STEP4 解ききれなくても、そこまでを書き切る
「ここまで求まった」で止めて構いません。白紙は0点ですが、途中式は0点ではありません。

5. 9月〜1月の月別演習メニュー

時期数学でやること
9月過去問を1年分だけ通しで解き、現在地を測る。小問集合の抜けを単元別に潰す。
10月関数と図形の融合を集中演習。週1で過去問の大問だけを時間を計って解く。記述の清書を週2題。
11月過去問を年度単位で回す。解いた後の解き直しまでを1セットに。捨て問の判断を毎回記録する。
12月併願校の過去問と並行。出題形式の切り替えに慣れる。図形の補助線パターンを総ざらい。
1月〜本番新しい年度より、間違えた問題の解き直し。計算の精度を戻す時間を毎日15分確保する。

過去問そのものの使い方は学芸大附属高校の過去問はいつから?で詳しく解説しています。中3秋の5教科全体の設計は中3秋(9月〜12月)の学習計画にまとめました。

6. 数学でやりがちなNG3つ

NG1 難問ばかり解いて、小問集合を軽視する

難問が解けると力がついた気がしますが、本番で確実に効くのは標準問題の精度です。合格者が満点を取っているのは小問集合のほうだと考えてください。

NG2 答えが合っていれば良しとする

記述で問われるのは過程です。普段から答えだけをメモする解き方をしていると、本番でも書けません。普段の演習から答案の形で書くことが唯一の対策です。

NG3 解説を読んで納得して終わる

解説を理解した状態と、自力で再現できる状態はまったく別です。1週間後に同じ問題を白紙から解き直す。ここまでやって初めて1問が身につきます。

7. 答案は、自分では採点できない

数学の記述対策が独学で難しいのは、自分の答案が何点なのかを自分で判定できないからです。解答と同じ結論にたどりついていても、根拠が抜けていれば減点されます。逆に、答えが出ていなくても点が残る書き方もあります。この差は、第三者に読んでもらわないと永久に分かりません。

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夏に数学の遅れが残っている場合は、夏期講習(追加コマ)で未習単元を埋めてから秋の演習に入る方法もあります。オンライン指導が高校受験に向くかどうかは高校受験にオンライン家庭教師は効果的?で解説しています。

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まとめ

  • 附高の数学は全問正解を目指す試験ではない。取りこぼしと部分点で決まる。
  • 試験中は小問集合を先に固め、5分で方針が立たない問題は飛ばす。最後の5分は書き足しに使う。
  • 9月は小問集合の穴埋め、10〜11月は関数と図形の融合、10月以降は毎週記述の清書。
  • 記述は「方針→条件整理→根拠→途中まででも書き切る」の4段構成で。白紙は0点、途中式は0点ではない。
  • 解説を読んで納得しただけでは身につかない。1週間後に白紙から解き直す。

残り約5か月。難問を1問増やすより、取れるはずの問題を落とさない状態をつくるほうが、確実に合格に近づきます。

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