中学受験は塾に通うのが基本ですが、「塾だけでは足りない」と感じ始めるご家庭は少なくありません。塾のクラスが下がった、宿題が回らない、志望校の対策が手薄——理由はさまざまです。
この記事では、塾と併用して家庭教師を使う場合に、どこを任せると効くのかを整理します。
結論
① 家庭教師に任せるのは「塾の授業についていくための土台」か「志望校固有の対策」のどちらかです。
② 全科目を任せる必要はありません。算数1科目に絞るのが最も費用対効果が高くなります。
③ 塾をやめる判断は、家庭教師を試してからで遅くありません。
塾だけでは埋まりにくい3つのこと
① 一度つまずくと戻る時間がない
塾は毎週新しい単元へ進みます。小5で割合につまずいたまま小6の速さに入ると、追いつく機会がないまま過去問期に入ります。
② 宿題の取捨選択ができない
塾の課題は全員に同じ量が出ます。その子にとって必要な問題と、やらなくてよい問題の区別は、塾ではしてもらえません。結果、全部やろうとして時間が足りなくなります。
③ 志望校の出題傾向に合わせられない
塾のカリキュラムは幅広い学校に対応するようできています。志望校が記述重視なのか、処理速度重視なのかによって、やるべき演習は変わります。
家庭教師に任せると効く3つの場面
① 算数の穴を特定して埋める
中学受験は算数で差がつきます。そして算数は積み上げ式なので、どこまで戻るかの判断が結果を左右します。ここは1対1でないとできません。
② 宿題の優先順位をつける
「今週はこの6問だけ、確実に。残りは飛ばしていい」と決められると、時間が生まれます。やらないことを決めるのが、家庭教師のいちばんの価値かもしれません。
③ 過去問の使い方を管理する
小6の秋以降、過去問を解いたあとの復習が回らなくなります。解きっぱなしを防ぐだけで、点数の伸び方が変わります。詳しくは過去問はいつから解くかをご覧ください。
学年別|どう使い分けるか
| 学年 | 家庭教師の役割 | 回数の目安 |
|---|---|---|
| 小4 | 塾のペースに慣れる。勉強のやり方を固める | 必要なら週1回 |
| 小5 | 算数の穴を作らない。この学年が最も重要 | 週1回 |
| 小6前半 | 抜けを埋める。宿題の優先順位づけ | 週1〜2回 |
| 小6後半 | 過去問の管理と志望校対策 | 週2回 |
小5が分かれ目です
相談が集中するのは小6ですが、実際に効くのは小5です。この学年で割合・比・速さを固められるかどうかで、小6の負担がまったく違ってきます。
塾をやめるべきかの判断
「塾が合っていないのでは」と感じたとき、すぐにやめる必要はありません。次の順で確認してください。
まず確認|授業についていけているか
授業中に何をしているか本人に聞いてください。「板書を写すだけで精一杯」なら、内容が入っていません。この場合は塾の問題ではなく、土台が足りていない可能性が高いです。
次に確認|宿題が回っているか
終わらない量が毎週積み上がっているなら、量の問題です。塾を変えても同じことが起きます。取捨選択できる人を入れるほうが解決します。
それでも合わないと感じたら
クラスの雰囲気や講師との相性は、成績以上に本人の気持ちを左右します。転塾の判断基準は転塾すべきか迷ったらにまとめました。
保護者がやりがちな3つの失敗
① 成績が下がってから動く
クラス落ちが見えた時点で、原因は数か月前にあります。「授業が分からない」と言い始めた時点が動くタイミングです。
② 全科目を見てもらおうとする
費用がふくらむうえ、どれも中途半端になります。中学受験では算数に絞るのが定石です。配点が大きく、差がつきやすく、独学で戻りにくい科目だからです。
③ 塾と家庭教師に同じ範囲を任せる
宿題が二重になり、本人が潰れます。家庭教師には塾の課題量を伝えて調整してもらってください。
よくあるご質問
Q. 塾のテキストで教えてもらえますか?
プロ講師であれば対応できます。ただし会社によって自社教材が前提の場合があるため、「うちの塾の教材で進められますか」と契約前に確認してください。
Q. 小6の秋から始めても間に合いますか?
範囲を絞れば間に合います。この時期は新しいことを増やすのではなく、落としている問題の種類を特定して、そこだけ潰すのが正解です。
Q. 週1回で足りますか?
目的によります。算数の穴を埋めるだけなら週1回で足ります。過去問管理まで含めるなら小6後半は週2回が目安です。
Q. 費用はどれくらいかかりますか?
中学受験の家庭教師費用で相場と内訳を解説しています。科目を絞れば総額は抑えられます。
まとめ
この記事の要点
・塾で埋まりにくいのは「戻る時間」「宿題の取捨選択」「志望校対策」
・任せるなら算数1科目に絞る
・実際に効くのは小6ではなく小5
・やめる判断より先に、授業についていけているかを確認する
・塾と家庭教師に同じ範囲を任せない
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