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「内申点が、志望校の目安にあと少し足りない」。
中3の秋から冬にかけて、このお悩みはとても多く聞かれます。
結論から言うと、内申が足りないことは「その高校をあきらめる理由」とは限りません。
入試のしくみによっては、当日の学力検査で挽回できる学校もあります。
反対に、内申がほとんど合否を決める学校もあります。
この記事では、内申が足りないと感じたときに、確認する順番と受験校の組み方を整理します。
感情で決める前に、事実を確かめるところから始めましょう。
結論:まず「内申がどう使われる入試か」を調べ、受験校を3つに分けて決める
内申が足りなくても、学力検査の比重が高い選抜方法なら挽回できる学校があります。
反対に、推薦や併願優遇は内申の基準が条件なので、基準に届かないと使えません。
受験校は「挑戦校・実力相応校・安全校」に分け、内申が弱いほど挑戦校は当日点で勝負できる学校を選びます。
最終判断は、学校の先生との面談と、志望校の募集要項を見て決めます。
内申が「足りない」とは、3つのどれのことか
一口に「内申が足りない」と言っても、困っている中身は3つに分かれます。
どれにあてはまるかで、取るべき行動が変わります。
| 足りない場面 | どういうことか | まず確認すること |
|---|---|---|
| 志望校の目安に届かない | 合格者の内申の目安に、自分の内申が低い | その学校の選抜で、内申と当日点がどんな比率か |
| 推薦の基準に届かない | 推薦入試は「内申が○以上」などの出願条件がある | 基準が5教科の合計か、9教科の合計か、各教科の下限があるか |
| 併願優遇の基準に届かない | 私立高校が、公立との併願で合格を約束する制度の基準 | 基準を満たさなくても一般入試は受けられるか |
たとえば「推薦の基準にあと1足りない」場合は、推薦をあきらめて一般入試で同じ学校を受ける道が残ることがあります。
一方、「志望校の合格者の目安にずっと届かない」場合は、当日点でどこまで挽回できるかを計算する必要があります。
このように、足りないのは「合格に必須の条件」なのか「目安」なのかを分けるだけで、見通しは大きく変わります。
まずは手元の資料で、自分がどれにあたるかを書き出してください。
ポイント:「足りない」の中身を紙に書く
「志望校の目安との差」「推薦の基準との差」「併願優遇の基準との差」を、数字で書き出します。
差が1なのか5なのかで、取れる手段はまったく違います。
確認する順番①:内申が入試でどう使われるか
内申点(調査書点)の使われ方は、都道府県や学校によって違います。
同じ「内申40」でも、ある県ではほぼ合否を左右し、別の県では当日点の比重のほうが大きいことがあります。
確認する項目は、次の4つです。
すべて、教育委員会や学校の募集要項に書かれています。
| 確認項目 | 見る場所 | なぜ大切か |
|---|---|---|
| どの学年の成績が使われるか | 募集要項(調査書の項目) | 中3の成績だけを使う地域も、中2の成績も使う地域もあるため |
| 内申と学力検査の比率 | 募集要項の「選考方法」 | 比率で、当日点で挽回できる余地が決まるため |
| 教科の重みづけ | 募集要項 | 実技教科を何倍にするか、学校で独自に設定できるか |
| 学校独自の配点 | 学校ごとの案内・募集要項 | 進学校などで、学力検査の比重を高くする学校があるため |
たとえば東京都立高校の一般入試(第一次募集)は、学力検査の点数と調査書点を合計して選考します。
比率は、東京都教育委員会の実施要綱で全日制は原則7対3(芸術・体育に関する学科は6対4)と定められていますが、一部の学校には例外があります。
くわしくは東京都立高校入試2027の日程と選考のしくみや東京都の内申点の計算方法で解説しています。
大切なのは、「友達の志望校の話」や「去年の先輩の話」ではなく、お住まいの地域の最新の募集要項で確認することです。
内申の計算方法は、年度によって変わることもあります。
ポイント:比率を知ると「挽回できる点数」が計算できる
内申と学力検査の比率がわかれば、「内申で足りない分を、当日で何点取れば取り返せるか」を見積もれます。
難しければ、学校の先生や塾・家庭教師に一緒に計算してもらいましょう。
確認する順番②:内申の「これから変えられる部分」を見極める
次に、内申のうち「これから変えられる部分」があるかを確認します。
ここを見誤ると、残りの時間の使い方がずれてしまいます。
内申として使われる成績が、いつの時点のものかは学校・地域で違います。
中3の2学期末(12月ごろ)までの成績をもとに調査書が作られることが多いですが、お住まいの地域のやり方は、学校の先生に必ず確認してください。
もしまだ評定が決まる前の定期テストや提出物が残っているなら、その期間は「内申を上げられる最後のチャンス」です。
評定は、テストの点数だけでなく、次の3つの観点で決まります。
| 観点 | 見られること | 今から取り組めること |
|---|---|---|
| 知識・技能 | 基本の知識を身につけ、使えるか | 小テスト・定期テストの基本問題を落とさない |
| 思考・判断・表現 | 考えて、自分の言葉で表せるか | ワークの記述問題・レポートを丁寧に書く |
| 主体的に学習に取り組む態度 | 粘り強く、自分で学習を進めようとしているか | 提出物の期限・ノートの内容・授業での発言 |
文部科学省が示すこの3観点の考え方は、内申点の仕組み|3観点評価で「テストの点が良いのに評定が上がらない」理由でくわしく解説しています。
特に提出物や授業態度は、今日から変えられます。
反対に、評定がすでに確定している場合は、そこに時間を使い続けるより、当日点を伸ばす勉強に切り替えるほうが得策です。
ポイント:「まだ変えられるか」を先生に聞く
「この先、評定に反映されるのは、どのテストや提出物ですか」と担任の先生や教科の先生に聞くのが近道です。
聞くことは失礼ではありません。
内申が足りないときの受験校の組み方
内申が弱いときほど、受験校を1校に絞らず、「挑戦校・実力相応校・安全校」の3つに分けて考えるのが基本です。
それぞれの考え方を表にまとめます。
| 区分 | 考え方 | 内申が足りないときの選び方 |
|---|---|---|
| 挑戦校 | 少し背伸びして受ける学校 | 内申の比重が低く、当日の学力検査の比重が高い選抜方法の学校を選ぶ |
| 実力相応校 | 合格の可能性が高い学校 | 推薦・併願優遇の基準に届く学校があれば、その条件を確認する |
| 安全校 | 合格の可能性を高く見込める学校 | 「受かりやすい」だけでなく、通学・校風・学習環境を見て、納得できる学校を選ぶ |

安全校は、あくまで合格の可能性が高いという目安であり、合格を保証するものではありません。
入試は当日の結果で決まります。
どの学校も、「通うことになっても後悔しないか」を基準にしてください。
考え方 挑戦校は当日点で勝負できる学校にする
内申が足りないときの挑戦校は、「内申が足りないのに受かるかどうか」ではなく、「内申を差し引いても、当日点で届く可能性があるか」で考えます。
考え方 実力相応校で受験の流れをつくる
先に合格できた場合の安心感は、本命校の当日に気持ちの余裕を生みます。
日程の順番も含めて組みましょう。
考え方 安全校も「行きたい学校」にしておく
安全校を雑に選ぶと、結果として進学先に納得できないことがあります。
学校見学や説明会で、実際の雰囲気を確かめておくと安心です。
私立と公立を組み合わせる併願の考え方は、高校入試の併願の考え方(私立と公立)もあわせてご覧ください。
内申が足りないときに使える、4つの選択肢
内申が弱いときでも、状況によって使える方法があります。
ただし、どれも地域や学校の制度に左右されるため、使えるかどうかは必ず募集要項で確認してください。
| 選択肢 | 内容 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 学力検査の比重が高い学校を選ぶ | 内申より当日点の比率が大きい選抜方法の学校を受ける | 当日の模試の成績が、内申よりも良いとき | 当日点の勝負になるため、過去問対策が必須 |
| 私立の一般入試を軸にする | 推薦や併願優遇に頼らず、一般入試で受験する | 内申の基準には届かないが、学力は伸びているとき | 日程・費用・手続きの確認が必要 |
| 志望校を段階的に見直す | 志望校の順番や併願校を調整する | 現時点の実力と目標に差が大きいとき | 見直す理由を、本人と一緒に整理する |
| 通信制・定時制なども視野に入れる | 通学スタイルや学び方が合うかを見る | 欠席が多かった・不登校の経験があるとき | 学校ごとの制度を見学・相談で確かめる |
特に、不登校や欠席が多かった場合は、調査書の書き方や入試の配慮が地域ごとに異なります。
くわしくは不登校・欠席が多い場合の高校受験と調査書も参考にしてください。
どの選択肢にも共通するのは、「内申が足りないから、ここしか行けない」と決めつけないことです。
選択肢を並べて、本人が納得できる順番で考えることが、後悔を減らします。
三者面談・個別相談で聞いておきたい質問
受験校を決める時期は、学校の三者面談や私立高校の個別相談が重なります。
限られた時間を有効に使うために、聞くことを事前に書いておきましょう。
学校の先生に聞くこと
☑ 私の内申は、志望校の過去の合格者と比べて、どの位置にありますか
☑ この先、評定に反映されるテスト・提出物は何ですか
☑ 学力検査の比重が高い学校には、どんな学校がありますか
☑ 併願優遇や推薦の基準に届いている私立高校はありますか
☑ 欠席・遅刻の記録は、調査書にどう書かれますか
私立高校の個別相談で聞くこと
☑ 内申の基準に届かない場合、一般入試は受けられますか
☑ 基準があるのは、5教科の合計ですか、9教科の合計ですか
☑ 一般入試の合否で、内申はどのくらい使われますか
☑ 入学手続きの期限や、併願の条件は何ですか
質問をメモして持っていくだけで、面談の質が上がります。
個別相談の受け方は推薦・選抜入試の対策や、私立高校の個別相談ガイドも参考になります。
やってはいけない判断と、よくあるつまずき
内申が足りないと焦ったときほど、判断がぶれやすくなります。
次のような決め方は、後悔につながりやすいので注意してください。
| 避けたい判断 | なぜ避けたいか | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 偏差値だけで学校を決める | 入試の方式(内申の比重)が学校ごとに違うため | 内申と当日点の比率を、募集要項で確認する |
| 内申が足りないから、すぐ志望校を下げる | 当日点で挽回できる学校を見落とすため | 比率と過去問で、可能性を数字で見る |
| 友人や先輩の情報だけで判断する | 年度や地域で制度が違うため | 最新の募集要項と、学校の先生の情報を使う |
| 安全校を「名前だけ」で選ぶ | 進学後に学校へ納得できないことがあるため | 学校見学・説明会で雰囲気を確かめる |
もう一つ大切なのは、お子さんの気持ちを置き去りにしないことです。
保護者が心配して決めてしまうと、本人が納得しないまま受験に向かい、勉強の意欲が落ちることがあります。
「どうしたい?」と聞いたうえで、事実(内申・比率・日程)を一緒に確認していく。
この順番が、最後に家庭で納得して決めるコツです。
残りの時間の使い方:内申と当日点の「両方」を見る
受験校が決まったら、残りの期間にやることを整理します。
内申がもう動かないなら、当日点を伸ばす勉強に時間を集中させます。
STEP1 志望校の過去問で「取れる点」を知る
過去問を解いて、現時点で何点取れるかを知ります。
内申で足りない分を、当日点で取り返す目安になります。
STEP2 失点の多い単元を1つずつ潰す
ミスが多い単元は、基礎に戻って解き直します。
範囲を広げすぎず、優先順位をつけることが大切です。
STEP3 提出物・授業態度も最後まで
評定がまだ動く時期は、提出物の期限と授業態度を整えます。
小さな積み重ねが、評価につながります。
冬の時期の優先順位の付け方は、中3の冬休みの使い方も参考になります。
残り時間が限られているほど、「何をやらないか」を決めることが大切です。
ご家庭で整えたいこと
内申に不安があるときほど、家庭のサポートが安心感につながります。
保護者の方にお願いしたいことを3つ挙げます。
・結果を責めず、「次にできること」を一緒に考える
・三者面談のメモを共有し、本人の意見も尊重する
・学校見学・説明会は、本人の目で見る機会をつくる
お子さんが落ち込んでいるときは、「内申のせいで…」という言葉より、「ここまで頑張ってきたこと」を認めるところから始めてください。
気持ちが安定すると、勉強の集中力も戻りやすくなります。
志望校の選び方と受験校の組み方、プロ講師に相談してみませんか
エスペランサアカデミーでは、初回体験授業(60分)を無料で行っています。
現在の成績と志望校をうかがい、残りの期間にどこから手をつけるかを一緒に整理します。
よくあるご質問
Q. 内申点が足りなくても、志望校を受けられますか?
受験すること自体はできる地域がほとんどです。
ただし、推薦や併願優遇のように内申の基準が出願条件になっている入試は、基準に届かないと使えません。
一般入試で受けられるかを、募集要項で確認してください。
Q. 内申と当日点は、どちらが大切ですか?
地域や学校によって違います。
内申の比重が高い学校もあれば、学力検査の比重が高い学校もあります。
まず志望校の募集要項で、選考方法と比率を確認することが大切です。
Q. 中3の2学期で内申を上げるのは、もう遅いですか?
評定がまだ動く時期であれば、提出物や定期テスト、授業態度で上げられる可能性があります。
いつの成績が調査書に使われるかは、学校の先生に確認してください。
Q. 安全校はどうやって選べばいいですか?
「受かりやすいか」だけでなく、通学時間・校風・学習環境を見て、通うことになっても納得できる学校を選びます。
学校見学や説明会で雰囲気を確かめておくと安心です。
Q. 志望校を下げるべきか迷っています。
まず内申と学力検査の比率、過去問での得点を数字で確認してください。
そのうえで、本人の気持ちを聞きながら、挑戦校・実力相応校・安全校の組み方を見直すと整理しやすくなります。
まとめ
この記事のまとめ
内申が足りないときは、まず「何が足りないのか」を3つに分けて考える。
内申の使われ方(学年・比率・配点)を、募集要項で確認する。
受験校は、挑戦校・実力相応校・安全校の3つに分けて組む。
残りの時間は、内申がまだ動くか確認し、当日点を伸ばす勉強に集中する。


