最終更新:2026年9月/2027年春(令和9年度)入試向けの内容です。偏差値は民間の模試・情報サイトによる目安です。最新の情報は大阪府教育委員会と各校の公式サイトでご確認ください。
北野・天王寺・茨木・大手前・三国丘・高津・豊中・四條畷の8校は、どこも国語・数学・英語でC問題(発展的な問題)を使います。上位の受験生が集まるので、内申が高いだけでは差がつきません。
9月からやることは3つです。(1)C問題の過去問で自分の失点パターンを知る (2)英語はリスニングと長文を毎日 (3)五ツ木模試で志望校の順位を確かめる。この順で進めてください。
- 文理学科8校の偏差値の目安と、令和8年度の競争率
- C問題(国語・数学・英語)で点を取るための対策
- 五ツ木模試の残りの日程と、結果の読み方
- 実在する過去問・問題集(書名・出版社・価格)
- 9月から入試までの月別計画と、偏差値帯別の勉強法
文理学科とは?8校の共通点
文理学科は、大阪府が「グローバルリーダーズハイスクール(GLHS)」に指定した10校だけにある学科です。この記事で扱う8校に、生野・岸和田を加えた10校が文理学科を置いています。
10校は平成30年度入試から、文理学科だけを募集しています。専門学科という扱いですが、選ばれ方は一般入学者選抜です。試験日や内申の計算方法は、ペアの記事「大阪府公立高校入試2027の日程と仕組み」で説明しています。
| 項目 | 8校の共通点 |
|---|---|
| 問題の種類 | 国語・数学・英語はC問題(発展的)。社会・理科は全校共通 |
| 学力検査:内申 | タイプI(7:3)とされる(塾サイトの情報。公式資料での直接確認は未了) |
| 指定 | 全校がGLHS(グローバルリーダーズハイスクール)指定 |
| 令和9年度の募集人員 | 未公表(2026年9月時点) |
※出典:大阪府教育委員会「令和9年度 実施校一覧」「選抜方針」(公式)、ベネッセ教育情報(2026年9月10日掲載、C問題の使用校)、開成教育グループ「大阪高校受験ナビ」(2026年5月8日更新、タイプ・学校の特徴)。タイプIは目安・未確認です。
タイプI(7:3)なら、学力検査の点が内申の2倍以上の重さになります。当日のC問題の出来で逆転もありうる入試だといえます(タイプIは塾サイトの情報で、公式資料では未確認)。逆に、内申が高くても当日で失敗すれば届きません。
8校の偏差値の目安と令和8年度の競争率
先に結論です。8校の偏差値の目安は、おおむね62〜76の間に入ります。ただし数字は模試や情報サイトによって大きく変わり、同じ学校でも7〜11ほどちがいます。
| 学校 | 所在地 | 偏差値の目安 | 令和8年度 募集/志願 | 競争率 |
|---|---|---|---|---|
| 北野 | 大阪市淀川区 | 69〜76 | 360/452 | 1.26倍 |
| 天王寺 | 大阪市阿倍野区 | 68〜75 | 360/419 | 1.16倍 |
| 茨木 | 茨木市 | 66〜74 | 320/446 | 1.39倍 |
| 三国丘 | 堺市堺区 | 65〜74 | 320/423 | 1.32倍 |
| 大手前 | 大阪市中央区 | 64〜74 | 360/476 | 1.32倍 |
| 高津 | 大阪市天王寺区 | 63〜73 | 360/501 | 1.39倍 |
| 豊中 | 豊中市 | 63〜73 | 360/644 | 1.79倍 |
| 四條畷 | 四條畷市 | 62〜73 | 360/486 | 1.35倍 |
※出典:競争率=大阪府教育委員会「令和8年度 一般入学者選抜 志願者数(3月6日締切時・最終)」(公式)。競争率は志願者数÷募集人員で、受検者をもとにした実質倍率ではありません。偏差値の目安=開成教育グループ(開成公開テスト・Vもし、B判定80%ライン)、みんなの高校情報(2026年度版)、トライグループの各数値の最小〜最大。偏差値は民間の模試・情報サイトによる目安で、サイトによって2〜3、模試によっては最大11ほどちがいます。参考:生野は1.29倍(募集360)、岸和田は1.17倍(募集320)。
出典ごとの偏差値(なぜ幅が大きいのか)
偏差値の幅が大きいのは、模試を受けている人の層がちがうからです。上位の生徒が多く受ける模試では、同じ実力でも偏差値は低めに出ます。自分が受けている模試の数字と比べてください。
| 学校 | 開成公開テスト | Vもし | みんなの高校情報 | トライ |
|---|---|---|---|---|
| 北野 | 69 | 74 | 75 | 76 |
| 天王寺 | 68 | 73 | 74 | 75 |
| 茨木 | 66 | 72 | 72 | 74 |
| 三国丘 | 65 | 72 | 73 | 74 |
| 大手前 | 64 | 70 | 72 | 74 |
| 高津 | 63 | 69 | 70 | 73 |
| 豊中 | 63 | 69 | 70 | 73 |
| 四條畷 | 62 | 68 | 69 | 73 |
※出典:開成教育グループ「大阪高校受験ナビ」各校ページ(開成公開テスト・Vもし、B判定80%ライン、2026年5月8日更新)、みんなの高校情報「大阪府 公立高校 偏差値ランキング 2026年度版」、トライグループ「大阪府高校偏差値一覧」(算出基準の説明なし)。いずれも民間による目安です。
令和8年度は天王寺が1.16倍、豊中が1.79倍でした。しかし、倍率は「どんな実力の人が集まったか」を表していません。倍率が低くても、上位層だけが集まれば合格点は高くなります。倍率は年によって動くので、学校選びは偏差値と通学のしやすさ、校風で決めてください。
8校の特徴をひとことで
偏差値や倍率だけでなく、校風や授業のしくみも学校選びの大切な材料です。3年間通う学校なので、通学時間とあわせて確かめてください。
- 北野:大阪市淀川区新北野にある、150年をこえる伝統校です。「文武両道・授業第一主義」をかかげ、授業を大切にする校風で知られます。
- 天王寺:大阪市阿倍野区にあります。GLHSに加え、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)にも指定されています。
- 茨木:茨木市にあり、1895年創立です。1コマ65分・1日5限の授業という特色があります。
- 大手前:大阪市中央区にあります。明治19年創立で、SSHにも指定されています。
- 三国丘:堺市にあり、創立130年をこえます。SSH・GLHSの指定を受け、土曜授業や探究型の学習に力を入れています。
- 高津:大阪市天王寺区にあります。「自由と創造」をかかげ、GLHS・SSHに指定されています。令和8年度は志願者が501人でした。
- 豊中:豊中市にあり、1921年創立です。SSH・GLHSに指定されています。令和8年度は文理学科で最も競争率が高くなりました。
- 四條畷:四條畷市にあります。SSHの第III期に指定されています。自習室を朝7時30分から夜8時まで開けていることでも知られます。
※出典:開成教育グループ「大阪高校受験ナビ」各校ページ(2026年5月8日更新)、大阪府教育委員会(公式、GLHS指定)。学校説明会や公式サイトで最新の情報を確認してください。
学校説明会や文化祭に行けるなら、10月〜11月のうちに第1志望と、迷っているもう1校を見ておくのがおすすめです。実際の雰囲気を見ると、勉強への気持ちも大きく変わります。
C問題の教科別対策(国語・数学・英語)
C問題は、教科書の内容を使って「長い文章を速く読む」「条件を整理して考える」力を問います。教科ごとに、何を毎日どれだけやるかを書きます。試験時間やリスニングの配点のくわしい仕組みは、入試の仕組みの記事にまとめています。
英語Cは読む量が多く、リスニングもA・Bとは別の問題です。リスニングの配点が大きいので、毎日の練習が欠かせません。
- 毎日15分:過去問や問題集の音声を聞き、聞き取れなかった文をスクリプトで確認して音読
- 毎日1題:長文を時間を計って読む。わからない単語はその日のうちにノートへ
- 週2回:英作文を1題書き、主語と動詞がそろっているか見直す
数学Cは、図形の問題で差がつきやすいといわれます(英俊社も図形専用の対策問題集を出しています)。1問に時間をかけすぎると、解ける問題まで落とします。
- 毎日2題:図形の問題を、補助線や相似の見つけ方を言葉で説明しながら解く
- 週1回:過去問1年分を本番の時間で解き、「捨てる問題」を決める練習をする
- 計算と小問は毎日10分。ここでの失点を0にするのが最初の目標
国語Cは発展的な問題なので、「なんとなく読む」では点が安定しません。まず赤本で出題の形をつかみ、そのうえで読む練習と書く練習を週単位で積みます。
- 週3回:評論文を1題。段落ごとに「言いたいこと」を1行で書き出す
- 週2回:記述・作文の問題を1題。書いたら「理由→具体例→結論」の順になっているか確認
- 古文・漢字は毎日10分。落とせない基本問題を固める
社会・理科は全校共通の問題です。C問題で差がつきにくい年ほど、社会・理科の1問が合否を分けます。文理学科を目指すなら、この2教科は9割以上を目標に、教科書の用語と実験・資料問題を秋のうちに仕上げてください。
五ツ木模試の使い方
大阪の中3が受ける模試の1つが、五ツ木書房の五ツ木模試です。2026年度は全8回で、9月末の時点で残りは4回です。
| 回 | 実施日 | この回の使い方 |
|---|---|---|
| 第5回 | 10月11日 | 夏の成果を確認。志望校を3つ書き、判定の差を見る |
| 第6回 | 11月8日 | 三者面談の前の資料に。第5回から伸びた教科を確認 |
| 第7回(特別回) | 12月13日 | 受験校を決める最後の大きな材料 |
| 第8回(直前回) | 1月24日 | 本番の練習。時間配分と見直しの手順を確かめる |
※出典:五ツ木書房「テスト日程」(公式サイト、2026年度中3)。第1回は5月17日。申し込み方法と締め切りは公式サイトで確認してください。
模試の結果が返ってきたら、判定より先に教科別・大問別の失点を見ます。C問題に近い形式の大問で何点落としたかをノートに書き、次の模試までの4週間でその単元を2回やり直します。結果の読み方は「模試の結果の見方」も参考にしてください。
秋の模試は、学校でまだ習っていない範囲が出ることもあります。判定より「前回からどの教科が何点動いたか」を見てください。志望校を決めるのは、12月の第7回までの流れを見てからで間に合います。
よくある質問
Q. 生野と岸和田はなぜこの記事で扱わないのですか?
A. 生野・岸和田も文理学科を置くGLHS指定校です。この記事では、国数英のC問題の対策を中心に、北野から四條畷までの8校にしぼってまとめています。対策の考え方は2校にもそのまま使えます。
Q. 内申が低めでも文理学科に挑戦できますか?
A. タイプI(7:3)とされる学校なら、当日の学力検査の比重が大きいので、C問題で高得点を取れれば挑戦の余地はあります(タイプは目安・未確認)。ただし、ボーダー付近では内申や自己申告書も見られます。2学期の定期テストも手を抜かないでください。
使うべき過去問・問題集(実在確認済み)
教材は増やしすぎないことが大切です。過去問1〜2冊と、C問題の教科別問題集を苦手な教科だけで十分です。
| 書名 | 出版社 | 価格 | 使い方 |
|---|---|---|---|
| 2027年度受験用 大阪府公立高等学校 一般入学者選抜 | 英俊社(赤本) | 2,200円 | 2022〜2026年の5か年分+3か年分の無料ダウンロード。メインの過去問に |
| 大阪府公立高等学校 入学試験問題集 2027年春受験用 | 教英出版 | 1,210円 | 過去3年分。実物に近い形式で、直前の本番練習に |
| 大阪府公立高入試 英語C問題対策問題集 改訂版 | 英俊社 | 1,320円 | 英語Cの長文・リスニングの量を増やしたい人に |
| 大阪府公立高入試 国語C問題 対策問題集 | 英俊社 | 1,100円 | 国語Cの練習量を確保したい人に(2024年7月発行) |
| 大阪府公立高入試 数学B・C問題 図形対策問題集 改訂版 | 英俊社 | 1,320円 | 図形の大問で点が取れない人に |
※出典:英俊社 公式オンラインストア、教英出版 公式サイトの各商品ページ。ISBN:英俊社「一般入学者選抜」9784815450380、教英出版 978-4-290-19899-9、英俊社「国語C問題 対策問題集」9784815441586。教英出版版は2026年7月中旬発行。赤本と教英出版版は税込価格。英俊社のC問題対策問題集3点は各社サイト掲載の価格です。価格・在庫は変わることがあります。
英俊社の赤本は古い年度から解き、直近の年度は12月以降の本番練習用に残しておきます。教英出版版は実物に近い形式なので、1月に「本番と同じ紙の感覚」をつかむのに使うと効果的です。過去問を始める時期は「過去問はいつから」も参考にしてください。
9月から入試までの月別ロードマップ
文理学科の対策は、12月までにC問題の「解き方」を固め、1月からは「本番の再現」に切りかえます。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 9月 | 赤本の一番古い年度を国数英1年分解き、失点を「知識」「時間切れ」「読みまちがい」に分ける。2学期中間テストの対策も並行 |
| 10月 | 五ツ木模試 第5回。苦手教科のC問題対策問題集を1冊決めて、週3回進める |
| 11月 | 期末テストで内申を固める。五ツ木模試 第6回。社会・理科の総復習を始める |
| 12月 | 五ツ木模試 第7回で受験校を確定。赤本の残りの年度を本番の時間で解く |
| 1月 | 私立併願校の過去問と並行。五ツ木模試 第8回で時間配分を確認。教英出版版で本番練習 |
| 2月〜本番 | 私立入試。そのあとは公立の過去問を2周目。新しい教材は増やさず、まちがい直しノートを毎日見る |
※模試の日付は五ツ木書房の2026年度日程(公式)。公立入試の日程は入試の仕組みの記事をご覧ください。私立高校の入試日は各校の募集要項で確認してください。
1週間の時間割の例(10月・部活引退後)
文理学科を目指す中3の、平日と土日の使い方の例です。時間は当塾の指導経験にもとづく目安です。
- 平日(約3時間):英語リスニング15分+長文1題、数学の図形2題、国語か社会・理科を1単元。寝る前に英単語と漢字を10分ずつ
- 土曜(約6時間):赤本の過去問を国数英から2教科、本番の時間で解く。午後はその解き直し
- 日曜(約5時間):C問題対策問題集を進める。社会・理科の総復習を2時間。翌週の定期テスト・提出物の準備
模試のある週は、模試を「土曜の過去問」の代わりにします。模試の翌日に必ず解き直しをすることが、点を伸ばすいちばんの近道です。
偏差値帯別の勉強法
今の偏差値によって、秋にやるべきことはちがいます。ここでの偏差値は自分が受けている模試での数字で考えてください(下の区切りは当塾の指導経験にもとづく目安です)。
基本はできています。差がつくのはC問題の最後の大問と記述です。過去問で毎回「満点まであと何点か」を記録し、落とした1問を翌日にもう一度解きます。社会・理科で落とす1問をなくすことも忘れずに。
いちばん伸びる層です。C問題の中盤の問題を確実に取ることに集中します。難問は後回しでかまいません。英語のリスニングと数学の小問で失点をなくすだけで、総合点は大きく変わります。
まずB問題レベルの内容で満点近く取れるかを確かめます。取れないなら、C問題の前に中1・中2の単元の穴を埋めるのが先です。10月・11月の五ツ木模試の伸びを見て、12月に受験校を最終判断しましょう。
- 難しい問題集を何冊も買う。C問題対策は「量」より「失点の原因をつぶすこと」です。1冊をやり切るほうが伸びます。
- 私立の併願校を後回しにする。公立の結果は3月です。私立の過去問は1月から必ず並行してください。私立の選び方は「併願校は何校受けるべき」を参考に。
- 偏差値の数字をサイト同士で比べる。サイトによって数字の基準がちがいます。比べるのは「同じ模試の中」だけにしてください。
大阪の上位私立も視野に入れている場合は、関西大学第一高校や清風南海高校の記事もあわせてご覧ください。
C問題の失点は、答案を見れば原因がわかります
C問題で伸び悩む子の多くは、実力不足ではなく「どこで時間を使い、どこで落としているか」がわかっていない状態です。同じ60点でも、時間切れで落としている子と読みまちがいで落としている子では、やるべきことが正反対です。
エスペランサアカデミーは、完全オンラインのプロ家庭教師による1対1指導です。文理学科を目指すお子さまの過去問・模試の答案を1問ずつ分析し、入試日から逆算した計画をオーダーメイドで組みます。
直近の模試や過去問の答案をお持ちください。どの教科のどの大問から手をつけるべきかをその場でお伝えします。無理な勧誘は一切ありません。
まとめ
- 文理学科8校はすべて国数英でC問題。タイプIとされ、当日点が重い(目安・未確認)
- 偏差値の目安はおおむね62〜76。サイト・模試で大きくちがうので同じ模試の中で比べる
- 令和8年度の競争率は天王寺1.16倍〜豊中1.79倍。倍率の低さ=受かりやすさではない
- 英語はリスニングと長文を毎日、数学は図形、国語は読む・書く練習を週単位で積む
- 五ツ木模試は残り4回。判定より教科別・大問別の失点を見る
- 教材は英俊社の赤本を軸に、苦手教科のC問題対策問題集を1冊だけ足す


