最終更新:2026年11月/日程・配点・選抜の手順は、熊本県教育委員会の「令和9年度(2027年度)熊本県立高等学校入学者選抜要項」の原文にもとづきます(記事末の出典)。熊本市立高校(必由館・千原台)や私立高校の日程・基準、学校ごとの細かな選抜基準は、各校の募集要項で確認してください。
令和9年度の熊本県立高校は、前期(特色)選抜が2月2日(火)、後期(一般)選抜の学力検査が3月4日(木)・5日(金)、合格発表は両方とも3月12日(金)です。前期は学力検査がなく、面接・小論文などの学校独自検査と調査書で選ばれます。
後期の調査書は、5教科の評定の合計点を、その教科の学力検査の得点で「補正」して使う点が熊本の特徴です。評定の合計点が同じでも、学力検査の得点が高い教科ほど補正後の点が高くなります。4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)は補正せず、そのまま加えます。
出願は公立1校に限られ、後期だけ1回、2月18日〜22日に出願先を変更できます。前期に不合格でも後期に出願できます。私立との組み合わせは、公立の結果が出る3月12日までのスケジュールを先に紙に書いて決めるのが近道です。
- 熊本県の入試の全体像と令和9年度の日程
- 内申と併願を決める「4つの分かれ道」
- 前期(特色)選抜:学力検査なし・出願資格・募集人員
- 後期(一般)選抜:5教科250点と、調査書の「補正」
- 評定の補正を表で読む(別表の読み方と計算例)
- 第1選考と、学校ごとの「第1選考後の基準」
- 出願者数と倍率の動き(令和6〜8年度)
- 出願変更・追検査・二次募集と、私立の組み方
- タイプ別の考え方と、中1〜中3の準備
- よくある質問(7問)
熊本県の入試の全体像と令和9年度の日程
熊本県の県立高校(全日制・定時制)の入学者選抜は、大きく「前期(特色)選抜」と「後期(一般)選抜」の2段階です。ほかに、中高一貫教育(連携型)、国際バカロレアに係る入学者選抜、後期のあとの追検査と二次募集があります。この記事は、いちばん多くの人が関わる前期(特色)と後期(一般)を中心に、内申(調査書の評定)と併願の考え方を整理します。
令和9年度の主な日程は、要項の「主な日程」のとおりです。出願はインターネット出願で、前期は令和8年12月1日から令和9年1月25日正午までが登録・納付の期間、後期は12月1日から2月17日正午までが登録・納付の期間とされています。
| 区分 | 手続・実施 | 日程(令和9年) |
|---|---|---|
| 前期(特色) | 成績一覧表の提出(県内の中学校→教育事務所等) | 1月5日(火)〜1月8日(金) |
| 前期(特色) | 出願期間(中学校→高校。調査書・成績一覧表の提出も同じ期間) | 1月20日(水)〜1月25日(月)正午 |
| 前期(特色) | 前期(特色)選抜の実施日 | 2月2日(火) |
| 前期(特色) | 選抜結果の通知(高校→中学校→本人) | 2月9日(火) |
| 前期・後期 | 合格者の発表(受検番号で、特設Webページ) | 3月12日(金) |
| 後期(一般) | 出願期間 | 2月12日(金)〜2月17日(水)正午 |
| 後期(一般) | 出願変更(1回のみ) | 2月18日(木)〜2月22日(月)正午 |
| 後期(一般) | 調査書・成績一覧表の提出(中学校→高校) | 2月24日(水)〜2月26日(金)正午 |
| 後期(一般) | 学力検査(第1日)国語・理科・英語 | 3月4日(木) |
| 後期(一般) | 学力検査(第2日)社会・数学(ほか、実技検査・面接・作文を行う場合) | 3月5日(金) |
| 追検査 | 受検願の提出(病気などで受検できなかった人) | 3月4日(木)〜3月9日(火)16:00 |
| 追検査 | 追検査の実施/結果の通知 | 3月12日(金)/3月16日(火) |
| 二次募集(全日制) | 出願期間(実施校は3月12日に発表) | 3月15日(月)〜3月17日(水)16:00 |
| 二次募集(全日制) | 面接等の実施/選抜結果の通知 | 3月18日(木)13:00以降/3月23日(火) |
日程表を見て気づくのは、前期の結果の通知(2月9日)が後期の出願(2月12日から)より先に届くことです。前期の結果を見てから、後期でどの高校に出願するかを決められます。県は、後期の出願者数を学校・学科ごとに公表しており(過去の資料は記事末の出典)、出願変更を考えるときの材料になります。公表の時期と方法は、県の発表で確認してください。
内申と併願を決める「4つの分かれ道」
熊本県の入試で、内申(調査書の評定)と併願に関わる選択は、次の4つに整理できます。それぞれ、要項に決まりがあります。
| 分かれ道 | 選ぶこと | 要項の決まり |
|---|---|---|
| ①前期(特色)を受けるか | 学力検査のない前期に出願するか、後期だけにするか | 前期は、学校が重視する観点を理解して希望し、合格した場合は入学することが出願の前提。実施する学科・コースは学校ごとに異なる。不合格でも、改めて後期に出願できる |
| ②出願する公立高校はどこか | 前期・後期とも、公立は1校1学科・コース限り | 前期は第2志望を申し出ることができない。後期も、期間中に別の高校へ出願し直すことは認められず、変更は決められた「出願変更」のみ |
| ③後期で出願変更をするか | 2月18日〜22日の間に、出願先を1回だけ変えるか | 出願した高校・課程・学科・コースを、1回に限り変更できる。郵送による出願変更は受け付けない |
| ④私立をどう組み合わせるか | 公立の結果が出る3月12日までのスケジュールをどう組むか | 私立高校の日程・基準は各校の募集要項で定まる。二次募集の出願は3月15日〜17日で、実施校は3月12日に発表される |
この4つのうち、保護者の方が迷いやすいのは①と④です。①は「前期に出して、だめなら後期」という考え方ができる一方で、前期は合格したら入学する前提で出願する点に注意が必要です。④は、私立の入学手続の期限と、公立の合格発表(3月12日)の前後関係を確認しないまま進めると、判断が苦しくなります。この記事では、公式に確認できた公立の決まりを中心に説明し、私立は「各校の募集要項で確認」としています。
熊本県の高校入試を控える中3の保護者の方へ
前期(特色)を受けるか、後期だけにするか、評定の補正と学力検査をどう伸ばすか、今の成績をもとに一緒に整理します。保護者の方だけのご相談もできます。
前期(特色)選抜:学力検査なし・出願資格・募集人員
前期(特色)の趣旨と、実施する学科
前期(特色)選抜は、受検者の多様な能力・適性や意欲・関心、努力の成果などについて、優れた面を積極的に評価する選抜です。実施する学校では、それぞれの特色に応じた選抜を行うことで、特色化を進めるとされています。実施できるのは、普通科のコース、専門学科、総合学科、スーパーグローカルハイスクール指定校のすべての学科のうち、希望する学科・コースです。ただし、中高一貫教育(連携型)と国際バカロレアのディプロマ・プログラムを行う学科・コースは除かれます。
出願資格:学校が重視する観点を理解し、合格したら入学する人
前期に出願できるのは、次の条件をともに満たしていると出身中学校長が確認した人です。(1)各高校長が定めた、自校が重視する観点を理解し、希望する人。(2)合格した場合は入学する人。そのうえで、令和9年3月に中学校を卒業見込みなどの条件に該当する必要があります。つまり前期は、「第1志望として入学する意思が固まっているかどうか」が出願の大前提です。迷いが残る場合は、後期に出願する選択肢も同じように検討できます。
募集人員の上限:定員の70%以内(熊本市内は50%以内)
前期の募集人員は、募集定員の70%以内の範囲で、当該高校の校長が定めます。ただし、熊本市に所在する高校は、募集定員の50%以内です。この割合は上限であり、実際の募集人員は学校・学科によって異なります。令和9年度の学科・コースごとの募集人員や選抜方法は、県が取りまとめて発表する資料と、各高校の募集要項で確認します。
学区についても決まりがあります。通学区域外(学区外)の出願者に入学を許可できる数は、スーパーグローカルハイスクール指定校のコースを除く普通科などでは、募集人員の13%以内(計算上の人数が0人になる場合は1人)とされています。学区外のうち県外からの出願者は、募集人員の5%以内です。普通科に出願する場合の学区は、保護者の生活の本拠で確認されるため、住所が変わる予定がある場合は、中学校に早めに相談してください。
検査の内容:学力検査は行わず、学校独自検査と調査書で選ぶ
前期(特色)では、学力検査は実施しません。高校長は、学校独自検査の中から選抜方法を定めます(複数の組み合わせも可)。学校独自検査とは、面接、小論文、実技検査、実験、自己表現、小・中学校における総合的な学習の時間の成果の発表に関するものなど、学校が独自に行う検査をいいます。
募集人員が募集定員の50%を超える高校は、A群(面接、実技検査など)とB群(小論文、実験、自己表現、総合的な学習の時間の成果の発表に関するものなど)から、それぞれ1つ以上の検査を実施します。選抜は、出身中学校長から送られる調査書・成績一覧表などの書類と、各高校が実施した学校独自検査の結果を資料として、総合的な判断のもとに行われます。選抜基準は当該高校長が定めます。
| 項目 | 前期(特色)選抜の決まり(要項) |
|---|---|
| 実施日 | 令和9年2月2日(火) |
| 検査場 | 出願した高等学校 |
| 学力検査 | 実施しない |
| 検査内容 | 学校独自検査(面接、小論文、実技検査、実験、自己表現など)から、高校長が選抜方法を定める |
| 選抜の資料 | 調査書、成績一覧表などの書類と、学校独自検査の結果。基準は高校長が定める |
| 出願の制限 | 公立は1校1学科・コース限り。第2志望は申し出られない。いったん出願した後の変更はできない |
| 出願の取消し | やむを得ない事情がある場合のみ、1月26日(火)〜2月3日(水)正午に、本人・保護者・中学校長が連署した文書で届け出る(土日を除く) |
| 不合格だった場合 | 改めて後期(一般)選抜に出願できる。同じ高校に再び出願するときは、調査書・成績一覧表の提出を省略する |
後期(一般)選抜:5教科250点と、調査書の「補正」
学力検査:5教科・各50分・各50点
後期(一般)選抜の学力検査は、県教育委員会が作成した問題で、令和9年3月4日(木)・5日(金)の両日、午前10時から実施されます。検査教科は国語、社会、数学、理科、英語の5教科で、英語ではリスニングテストを英語の検査時間内に行います。検査時間は各教科50分、配点は各教科50点です。5教科の合計は250点満点になります。
| 日 | 時限 | 教科 | 時間(要項) |
|---|---|---|---|
| 3月4日(木) | 第1時限 | 国語 | 10:00〜10:50(50分) |
| 3月4日(木) | 第2時限 | 理科 | 11:10〜12:00(50分) |
| 3月4日(木) | 第3時限 | 英語(リスニングテストを含む) | 13:10〜14:00(50分) |
| 3月5日(金) | 第1時限 | 社会 | 10:00〜10:50(50分) |
| 3月5日(金) | 第2時限 | 数学 | 11:10〜12:00(50分) |
集合時刻は各高校の募集要項で確認します。美術科・スポーツコースなどでは実技検査を、職業教育を主とする専門学科や定時制では面接を実施することがあり、その場合は3月5日の学力検査終了後などに行われます。定時制で満18歳以上の人が希望する成人特別措置では、学力検査に代えて作文と面接が実施されます。
得点の特別処理(傾斜配点)がある学科
学力検査の得点は、次の学科・コースで一部の教科が2倍になります。志望する学科が該当するかどうかは、募集要項で確認してください。
| 学科・コース | 2倍にして処理する教科(要項) |
|---|---|
| 理数科(サイエンス情報科を含む)、普通科の理数コース | 数学(2倍)。理科は2倍にして処理することができる |
| 英語科、普通科の英語コース・国際コース | 英語(2倍) |
| 職業教育を主とする専門学科 | 学科の特性に応じた教科を2倍にして処理することができる |
| 全日制の単位制高等学校(総合学科を含む) | 5教科のうち得点が高い2教科、または受検者があらかじめ申告した2教科のどちらかを選択して2倍 |
たとえば、理数科で数学と理科の両方が2倍になる場合、学力検査の満点は250点ではなく350点になります。選抜基準の資料にも、この「数学及び理科の得点を2倍にした350点満点」という記載があります。
調査書の評定は、1年・2年・3年(×2)で数える
調査書の評定は、9教科それぞれについて、第1学年の評定、第2学年の評定、第3学年の評定を2倍したものを足して合計します。つまり、1年と2年は1倍、3年は2倍です。各教科の合計は、評定が5段階なので、4点(1・1・1×2)から20点(5・5・5×2)の範囲になります。第3学年の評定が2倍で数えられるため、中3の成績の重みは、1年・2年のそれぞれの2倍です。
評定の補正を表で読む(別表の読み方と計算例)
熊本県の調査書の特徴は、学力検査を行う5教科(国語、社会、数学、理科、英語)の評定の合計点を、その教科の学力検査の得点を使って補正することです。要項は、教科ごとに1年・2年の評定に3年の評定の2倍を加えて合計し、さらにその合計点を学力検査の得点を用いて補正すると定め、別表を示しています。
別表は、縦に「評定の合計点」(20から4まで)、横に「学力検査の得点」(50〜48点、47〜45点……2〜0点の17の帯)が並ぶ表です。次の表は、別表から代表的な行と列を抜き出したものです。
| 評定の合計点\学力検査の得点 | 50〜48点 | 44〜42点 | 38〜36点 | 32〜30点 | 26〜24点 | 20〜18点 | 14〜12点 | 8〜6点 | 2〜0点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 20点 | 20 | 19 | 18 | 17 | 16 | 15 | 14 | 13 | 12 |
| 18点 | 19 | 18 | 17 | 16 | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 |
| 16点 | 18 | 17 | 16 | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 | 10 |
| 14点 | 17 | 16 | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 |
| 12点 | 16 | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 | 8 |
| 10点 | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 |
| 8点 | 14 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 |
| 6点 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 |
| 4点 | 12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 |
別表のすべての数値(17行×17列)を確認したところ、補正後の点は次の規則で表せることがわかりました。これは要項の別表から読み取れる規則を当サイトが整理したものです。正式な値は、要項の別表で確認してください。
帯の番号は、50〜48点が1、47〜45点が2、……、2〜0点が17です。
この規則から、次のことが読み取れます。第一に、評定の合計点が1点違っても、補正後は0.5点しか変わりません。評定の重みは、補正の前の半分になります。第二に、学力検査の得点が3点上がる(帯が1つ上がる)と、補正後の点が0.5点上がります。つまり、学力検査が高い教科は、評定の合計点が同じでも、補正後の点が高くなります。
逆にいえば、評定が高くても学力検査の得点が低い教科は補正後の点が下がり、評定が低くても学力検査の得点が高い教科は補正後の点が上がります。一つの教科の補正後の点の幅は、評定の合計点が同じなら、学力検査50〜48点の帯と2〜0点の帯で、8点の差が付きます。
計算例:5教科を補正して総計点を出す
| 教科 | 評定(1年・2年・3年) | 評定の合計点 | 学力検査 | 得点の帯 | 補正後の点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国語 | 4・4・5 | 18 | 45点 | 47〜45点 | 19 |
| 社会 | 4・3・4 | 15 | 40点 | 41〜39点 | 16 |
| 数学 | 3・4・4 | 15 | 47点 | 47〜45点 | 17 |
| 理科 | 4・4・4 | 16 | 37点 | 38〜36点 | 16 |
| 英語 | 4・4・5 | 18 | 43点 | 44〜42点 | 18 |
| 5教科の計 | 82 | 212点 | 86 |
この例では、5教科の評定の合計点の和は82点ですが、学力検査の得点で補正すると86点になります(補正後の5教科の上限は100点)。学力検査の合計は212点(250点満点)です。さらに、学力検査を行わない4教科(音楽、美術、保健体育、技術・家庭)は、補正をせず、第1学年・第2学年の評定に第3学年の評定の2倍を加えた合計を、そのまま使います。
4教科の合計が仮に60点(4教科の満点は80点)なら、総計点は、補正後の5教科の合計に4教科の合計を足して、86+60=146点となります。要項は、補正した5教科の合計点に4教科の合計点を加えて総計点を算出すると定めています。
第1選考と、学校ごとの「第1選考後の基準」
第1選考:学力検査の順位と評定の順位が、ともに募集人員以内
後期(一般)選抜の選抜の手順は、要項で次のように決められています。まず、各受検者について、学力検査5教科の得点を合計し、合計点の高い順に順位を付けます。次に、調査書の評定の総計点(先ほどの補正を含む)を算出し、総計点の高い順に順位を付けます。
そのうえで、受検者のなかで、学力検査の順位と評定の順位が、ともに募集人員以内にある人を対象に、第1選考として、その中から合格者を決定します。第1選考で合格者の数が募集人員に満たない場合は、各高校長が選抜基準を定め、第1選考の合格者以外の人の中から、残りの合格者を決定します。
| 手順 | 内容(要項) | 決めるのは |
|---|---|---|
| ①学力検査の順位 | 5教科の得点を合計(傾斜配点の学科は2倍にして合計)し、高い順に順位 | 県の手順 |
| ②評定の順位 | 5教科は補正、4教科はそのまま足した総計点で、高い順に順位 | 県の手順 |
| ③第1選考 | 学力検査の順位と評定の順位が、ともに募集人員以内の人から合格者を決める | 県の手順 |
| ④第1選考後の選考 | 第1選考の合格者が募集人員に満たない場合、残りは第1選考の合格者以外から選ぶ | 各高校長が選抜基準を定める |
要項には、募集人員が200人の場合の参考図があります。学力検査の順位の上位200位以内と、評定の順位の上位200位以内が重なる部分が第1選考の対象で、そこから外れた人は、第1選考後の選考で見られます。この図でわかるのは、「学力検査か評定のどちらか一方が極端に低いと、第1選考の枠に入りにくい」ということです。ただし、第1選考で何人が合格になるか、どの程度の順位で重なるかは、公表されていません。
第1選考後の基準は、学校ごとに違う(10月1日現在の公表)
熊本県教育委員会は、各高校が定めた「第1選考後の選抜基準」を、令和9年度についても10月1日現在で取りまとめて公表しています。ここに書かれた基準は、学校によって、学力検査と評定のどちらを主たる資料にするかが違います。主な学校の記載を、要項の公表資料から抜き出します。
| 学校(学科) | 第1選考後の選抜基準(公表資料の記載の要旨) |
|---|---|
| 済々黌(普通) | 学力検査5教科の合計を5倍した点数と、第1選考で使った調査書の評定の総計点を合計し、高い順に順位を付けたものを主たる資料とする |
| 熊本(普通) | 5教科の学力検査得点の合計点を主たる資料とし、評定の総計点を参考にして選抜する |
| 第一(普通) | 学力検査の順位を主たる資料とし、調査書を参考として選抜する |
| 第一(英語) | 学力検査(英語は2倍)の順位を主たる資料とし、調査書を参考として選抜する |
| 第二(普通) | 学力検査得点合計(250点満点)の順位を主たる資料とし、評定の総計点を参考として選抜する |
| 第二(理数) | 学力検査得点合計(数学・理科を2倍にした350点満点)の順位を主たる資料とし、評定の総計点を参考として選抜する |
| 熊本西(普通) | 学力検査の得点合計を選抜の主たる資料とし、調査書を参考として総合的に選抜する |
| 熊本北(普通) | 学力検査5教科の得点合計を2倍した点数と、評定の総計点を合計し、高い順に順位を付けたものを主たる資料とする |
| 松橋(普通・地域創造) | 学力検査の得点合計(250点満点)に、評定の総計点を1/2倍した点数(90点満点)を加えた合計(340点満点)を主たる資料とし、総合的に判断する |
| 玉名(普通) | 5教科の学力検査得点の合計点を主たる資料とし、評定の総計点を参考として選抜する |
この表から、学校によって評定の使い方が違うことがわかります。済々黌・熊本北・松橋は、評定の総計点を得点に加える形です。一方、熊本・第一・第二・熊本西・玉名などは、学力検査を主たる資料とし、調査書は参考と書かれています。「参考」とされた調査書がどの程度の重みで見られるかは、公表されていません。
評定の重みを数字で比べる(当サイトの計算)
評定の総計点の満点を180点として、評定が占める割合を計算してみます。済々黌は、学力検査合計の5倍(250×5=1,250点)と評定の総計点(180点)を足すので、評定の割合は180÷(1,250+180)≒12.6%です。熊本北は、学力検査合計の2倍(500点)と評定(180点)で、180÷680≒26.5%です。松橋は、250点と90点で、90÷340≒26.5%です。
| 学校(普通科) | 学力検査側の満点 | 評定側の満点(総計点180を前提) | 評定の占める割合(当サイト計算) |
|---|---|---|---|
| 済々黌 | 1,250点(250×5) | 180点 | 約12.6% |
| 熊本北 | 500点(250×2) | 180点 | 約26.5% |
| 松橋(地域創造) | 250点 | 90点(180×1/2) | 約26.5% |

出願者数と倍率の動き(令和6〜8年度)
県教育委員会は、後期(一般)選抜の出願者数を、学校・学科ごとに公表しています。倍率は、出願者数を後期の募集人員で割った数値で、後期の募集人員は、募集定員から前期(特色)選抜などの合格内定者数を引いた数です。ここでは、各年度の出願者数の資料(出願変更前の数字)から、全日制の合計と、県央地区の主な高校を並べます。
| 年度 | 前期等の合格内定者数 | 後期の募集人員 | 出願者数 | 倍率 | 学区外の出願者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和6年度 | 3,000人 | 8,250人 | 7,760人 | 0.94倍 | 463人 |
| 令和7年度 | 2,995人 | 8,258人 | 7,585人 | 0.92倍 | 447人 |
| 令和8年度 | 2,921人 | 8,322人 | 7,291人 | 0.88倍 | 449人 |

全日制の合計は、3年連続で1.0倍を下回っています。出願者数は、令和6年度の7,760人から令和8年度の7,291人へ減りました。ただし、全体の倍率が低くても、学校・学科によって大きく違います。下の表は、県央地区の主な高校の普通科の倍率です。
| 学校 | 令和6年度 | 令和7年度 | 令和8年度 | 令和8年度の後期募集人員/出願者 |
|---|---|---|---|---|
| 済々黌(普通) | 1.68倍 | 1.50倍 | 1.46倍 | 400人/583人 |
| 熊本(普通) | 1.50倍 | 1.52倍 | 1.59倍 | 400人/636人 |
| 第一(全体) | 1.91倍 | 2.06倍 | 1.79倍 | 340人/609人 |
| 第二(全体) | 1.58倍 | 1.51倍 | 1.34倍 | 360人/483人 |
| 熊本北(全体) | 1.38倍 | 1.49倍 | 1.37倍 | 320人/439人 |
| 東稜(全体) | 1.36倍 | 1.05倍 | 1.13倍 | 320人/363人 |
| 熊本西(全体) | 0.72倍 | 0.75倍 | 0.55倍 | 320人/177人 |
この表で目立つのは、第一が3年とも1.79倍〜2.06倍と高く、熊本西が0.55倍〜0.75倍と1倍を下回ることです。倍率が1倍を下回る場合も、学校の選抜基準で合格・不合格が分かれることがあるため、「定員割れなら誰でも入れる」とは言えません。倍率は、出願者数と募集人員から計算した数字で、合格の難しさそのものを示すものではない点に注意してください。
出願変更・追検査・二次募集と、私立の組み方
出願変更は1回だけ。出願先を変えるときの手続
後期(一般)選抜では、出願した高校、課程、学科・コースを変更したい人は、1回に限り変更できます。出願変更の期間は2月18日(木)から2月22日(月)正午までで、この期間に手続のすべてを終える必要があります。受付は平日の午前9時から午後4時まで(最終日は正午まで)で、郵送による出願変更は受け付けません。
異なる県立高校へ出願変更する場合は、出願変更願(甲)(乙)を出身中学校長を通じて出願した高校長に提出し、証明を受けた「乙」を受け取ります。そのあと、出願変更先の高校のホームページから出願サイトに入力し、入学願・受検票・写真票を出身中学校長を経て出願変更先に提出します。熊本市立の必由館高校または千原台高校との間で変更する場合は、手続が別に定められているため、中学校の先生に確認してください。
入学者選抜手数料は、県立高校の全日制から全日制へ変更する場合は、改めて納付する必要はありません。定時制から全日制へ変更するときなどは、先に納付した手数料との差額(1,250円)を納付します。全日制の手数料は2,200円、定時制は950円です。
出願変更で迷う人は、出願者数が公表されたら「志望校の倍率がどの程度か」「評定と学力検査のバランスで第1選考の枠に入れそうか」を、中学校の先生と一緒に確認するとよいでしょう。ただし、出願変更は1回しかできません。出願者数だけを見て慌てて変更し、評定や得点との相性が悪くなるケースもあるため、変更の理由を言葉にしてから決めてください。
追検査:病気などで学力検査を受けられなかった人
後期(一般)選抜に出願し、病気その他やむを得ない事情で学力検査を受検できなかった人で、その理由が出身中学校長によって証明された人は、追検査を受けられます。追検査を受検できるのは、後期に出願した高校の、同一の課程・同一の学科・コースです。受検願は、3月4日(木)から3月9日(火)までに、出身中学校長を経由して高校長に提出します。承認の可否は、3月10日(水)午後4時までに伝えられます。
追検査の学力検査は、3月12日(金)の午前9時30分から、国語、数学、英語の3教科で行われます。検査時間は各50分、配点は各50点で、英語のリスニングテストは実施されません。面接は実施されず、各高校長が学力検査の結果を資料の一つとして選抜基準を定めて選抜します。結果は3月16日(火)に通知されます。
二次募集:3月12日に実施校が発表される
全日制の二次募集は、出願期間が3月15日(月)から3月17日(水)16時まで、面接等の実施が3月18日(木)13時以降、選抜結果の通知が3月23日(火)です。二次募集の実施校と学科は、3月12日(金)に発表されます。二次募集は、前期・後期の選抜でも定員に満たなかった学校などで実施されるものであり、受検を前提に計画するものではありません。
私立との組み合わせは、日程の確認から始める
熊本県には、私立高校の入試を併せて受ける家庭が多くあります。私立の出願・試験・合格発表・入学手続の日程と、併願・専願の条件、基準は、各校の募集要項で定められており、この記事では公式資料の原文を確認していないため載せていません。私立の日程は、当サイトの「熊本県の私立高校入試2027」で整理しています。
私立との組み合わせを考えるときは、次の順で進めると整理しやすくなります。①公立の前期(2月2日)と後期(3月4日・5日、発表3月12日)のカレンダーを書く。②受験を検討する私立の出願日・試験日・発表日・入学手続の締切日を同じカレンダーに書き込む。③公立の結果が出る3月12日より前に、私立の入学手続の期限が来る学校がないかを確認する。④期限が先に来る場合は、手続の方法を学校に問い合わせる。
| 確認すること | 確認先 |
|---|---|
| 私立の出願・試験・発表・入学手続の日程 | 各私立高校の募集要項 |
| 併願・専願の条件、出願の基準 | 各私立高校の募集要項、個別相談 |
| 公立の前期(特色)の実施学科・募集人員・検査内容 | 県が取りまとめて発表する資料、各公立高校の募集要項 |
| 公立の後期の第1選考後の基準 | 県の公表資料(10月1日現在)、各公立高校の募集要項 |
| 出願者数・倍率 | 県の発表資料(出願期間のあと) |

タイプ別の考え方と、中1〜中3の準備
タイプ別:前期(特色)を受けるかどうかの考え方
| お子さんのタイプ | 考え方の例 | 確認すること |
|---|---|---|
| 志望校がはっきりしていて、その学校の特色を理解している | 前期(特色)の出願を検討する。合格したら入学する前提で、学校が重視する観点との合致を中学校の先生と確認する | 学科・コースの実施有無、検査内容、募集人員 |
| 志望校が複数あって決めきれない | 前期は出願せず、後期で学力検査と評定の両方を高める準備を進める。出願変更の1回を、倍率の発表後の判断に使う | 後期の募集人員、第1選考後の基準 |
| 評定は高いが、5教科の得点に波がある | 補正により、学力検査の得点が低い教科は評定の価値が下がる。得点が低い教科の底上げを優先する | 教科ごとの得点の目標、学校の選抜基準の比率 |
| 評定は低めだが、学力検査の得点が高い | 学力検査で伸ばしやすい学校(学力検査を主たる資料とする学校)を調べる。ただし、第1選考の枠に入る目安は公表されていない | 第1選考後の基準、評定の順位の見通し |
| 私立と併せて受けたい | 公立の日程と私立の入学手続の期限を同じカレンダーに書く。期限が先に来る場合の扱いは学校に確認する | 私立の募集要項、入学手続の締切日 |
中1〜中3の準備:評定は1・2年が各1倍、3年が2倍
調査書の評定は、1年・2年が各1倍、3年が2倍で数えられます。中1・中2の評定がすでに決まっていても、中3の評定が2倍で効くため、中3の学年末までの積み上げに意味があります。補正で評定の重みが半分になる分、5教科は学力検査の得点が補正後の点にも影響します。「評定を上げる取り組み」と「学力検査の得点を上げる取り組み」は、別々ではなく、同じ方向の準備になります。
| 学年・時期 | 準備の例 | 理由 |
|---|---|---|
| 中1 | 定期テストの勉強方法を身につける。提出物と授業中の取り組みを安定させる | 評定は1年から数えられる。基礎の穴を早めに埋めると、中2以降の負担が減る |
| 中2 | 苦手教科を1つ選び、学期ごとに点数の目標を決める。9教科の評定の偏りを確認する | 5教科は補正の対象。実技4教科は補正されず、そのまま総計点に入る |
| 中3の1学期・夏休み | 中1〜中2の復習と、5教科の入試問題への慣れ。志望校の候補を3校程度に絞る | 評定が確定する前に、学力検査の得点を伸ばす準備を始める |
| 中3の2学期(11月〜12月) | 成績一覧表の基準日(12月31日)までの評定を意識する。志望校の入試方式を確認する | 成績一覧表は12月31日現在で作成され、1月上旬に提出される |
| 1月(出願前) | 前期に出願するか、後期だけにするかを決める。私立の日程も確認する | 前期の出願は1月20日〜25日正午 |
| 2月(後期の出願・出願変更) | 出願者数の発表を確認し、出願変更の要否を中学校の先生と相談する | 出願変更は2月18日〜22日正午の1回のみ |
| 3月(学力検査) | 3月4日・5日の時程に合わせて、教科ごとの過去問演習を行う | 国語10:00、理科11:10、英語13:10、社会10:00、数学11:10 |
とくに実技4教科(音楽、美術、保健体育、技術・家庭)は、補正がなく、評定の合計点がそのまま総計点に入ります。1年・2年が各1倍、3年が2倍で、4教科の上限は80点です。5教科の補正後の点が上限100点であることを考えると、実技4教科の80点は小さくありません。提出物や授業態度が評定に反映されやすい教科なので、日頃の取り組みの積み上げが総計点に効きます。
よくある質問(7問)
まとめ:評定と学力検査を同じ方向で伸ばし、日程表を先に書く
熊本県の令和9年度の公立高校入試は、前期(特色)選抜が2月2日、後期(一般)選抜が3月4日・5日、合格発表はいずれも3月12日です。前期は学力検査がなく、合格したら入学する前提です。後期は、5教科の評定の合計点を学力検査の得点で補正し、4教科はそのまま足した総計点と、学力検査の順位の両方が、第1選考の条件になります。
出願は公立1校で、後期の出願変更は2月18日〜22日の1回だけです。倍率は全体では1倍を下回っていても、学校によって大きく異なります。まずは、お子さんの9教科の評定の合計点を計算し、志望校の第1選考後の基準(県の公表資料と募集要項)と、私立の日程を同じカレンダーに書き込むところから始めてください。


