最終更新:2026年11月/点数・日付は宮城県教育委員会の「令和9年度宮城県公立高等学校入学者選抜要項」と「入試制度説明資料」の原文にもとづきます(記事末の出典)。私立高校の日程や基準は、各校の募集要項で確認してください。
宮城県の公立高校の第一次募集は、学力検査が令和9年3月3日(水)の1回で、合格発表は3月15日(月)です。出願できる高校は1校だけで、課程・学科・コースも1つに限られます。
合否は「共通選抜」と「特色選抜」の2通りの方法で判定されます。受験生が選ぶ必要はなく、最初にどちらかの方法で判定したあと、合格圏内に入らなかった人を、もう一方の方法で判定します。
共通選抜は、調査書点(195点満点)と学力検査点(500点満点)の相関図で選ばれます。両方の満点に近い人が上位になるため、内申か当日点のどちらか一方だけでは決まらない仕組みです。
- 併願を決める前に確認する「5つの前提」
- 共通選抜:調査書点195点と学力検査500点、相関図の見方
- 特色選抜:倍率を学校ごとに決める計算(公式の例つき)
- 出願希望調査(1月20日公表)の使い方と、出願のルール
- 私立の日程と、公立の結果の待ち方
- 全日制の出願者数と倍率(令和6〜8年度)
- 内申のタイプ別・併願の考え方と、中1〜中3の準備
- よくある質問(7問)
併願を決める前に確認する「5つの前提」
宮城県の公立高校入試は、他県と比べて「出願のしかた」に特徴があります。内申と併願を考える前に、次の5点を整理しておくと、後の判断が楽になります。
| 前提 | 内容(要項の原文にもとづく) | 併願での意味 |
|---|---|---|
| ①学力検査は1回 | 第一次募集の学力検査は3月3日(水)。国語・社会・数学・理科・英語の5教科。やむを得ない事由で受けられなかった人には、3月9日(火)に追試験 | 公立の本番は1回だけ。私立の結果は、これより先に出る |
| ②出願は1校1学科 | 出願できる高校・課程・学科・コースは1つ。複数の学科・コースがある高校は、同じ高校の他の学科・コースを第2志望にできる(認める学科は「選抜方法等一覧」で公表) | 複数の公立高校を同時に出願する「公立の併願」はできない |
| ③共通選抜と特色選抜の2通り | 最初にどちらかで判定し、合格圏外の人をもう一方で判定。順序と募集割合は各校が決める | 内申が強い人・当日点が強い人・面接で見られる人のどれにも、道がある |
| ④第一次の合格者は第二次に出願できない | 第一次募集で合格した人は、第二次募集と通信制課程の選抜に出願できない。県外の国公立高校に合格した人は第一次募集に出願できない | 合格した公立高校に入る前提で、他の選択肢を整理する |
| ⑤出願先の変更は特例だけ | 出願後の出願先変更は、県内での一家転住により、やむを得ない場合の特例措置のみ(申請は2月17日〜25日) | 志望校は出願前に決め切る。出願後に倍率を見て変える、という動きは想定されていない |
検査当日と追試験のルール
- 学力検査は3月3日(水)で、面接・実技・作文(面接等)は、3月3日の学力検査のあと、またはその翌日の3月4日(木)に実施されます。日時は各高校が定め、受験票の交付時に出願者へ通知されます。
- 追試験は、第一次募集の検査日にインフルエンザなどの感染症や、本人の責任によらない身体・健康上のやむを得ない事由で受けられなかった人が対象です。学力検査は3月9日(火)、面接等は3月9日または3月10日(水)に実施されます。
- 学力検査を1科目でも受けた場合は、学力検査の追試験は認められません。体調管理は、公立の本番の前の私立入試の時期から意識しておきます。
- 学力検査では、分度器(分度器機能付きの定規を含む)や、計算・翻訳・辞書・通信・録音などの機能を持つ機器(スマートフォン・スマートウォッチを含む)の使用は認められません。指示に従わないと不正行為とみなされます。
共通選抜:調査書点195点と学力検査500点、相関図の見方
共通選抜の調査書点と学力検査点は、公式の説明資料で次のように示されています。
| 項目 | 計算 | 満点 |
|---|---|---|
| 5教科(国語・数学・社会・英語・理科)の評定 | 3年間の評定の合計(5段階×5教科×3学年) | 75点 |
| 実技4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)の評定 | 3年間の評定の合計×2倍(5段階×4教科×3学年×2) | 120点 |
| 調査書点 | 75点+120点 | 195点 |
| 学力検査点 | 国語・数学・社会・英語・理科(各教科100点満点)の合計 | 500点 |

調査書点195点のうち、実技4教科が120点で約61.5%、5教科が75点で約38.5%です。評定が1段階上がると、5教科は3年分で3点、実技の1教科は3年分で6点の差になります。実技教科の評定は、5教科より重く扱われる計算です。
評定の平均から、調査書点を見る
3年間・全教科の評定が同じ平均だった場合、調査書点は「平均×39」で表せます(5教科15+実技24=39)。次の表は、その計算です。
| 評定の平均 | 調査書点(195点満点) | 満点に対する割合 |
|---|---|---|
| 3.0 | 117点 | 60.0% |
| 3.5 | 136.5点 | 70.0% |
| 4.0 | 156点 | 80.0% |
| 4.5 | 175.5点 | 90.0% |
| 5.0 | 195点 | 100.0% |
相関図と「比重」のしくみ
要項では、高校長は「調査書点と学力検査点の満点を原点とした相関図」を使って選抜するとされています。このとき、あらかじめ届け出た比重にもとづき、調査書点と学力検査点の両方の満点により近い人を上位にして、上位の人から審査し、共通選抜の募集人数分を選びます。体育・美術に関する学科は、実技の評価を選抜資料に加えることができます。
調査書点と学力検査点の比重は、次の5つの組み合わせから、各高校が学校・学科ごとに設定します。
| 比重の名前 | 調査書:学力検査 | 考え方 |
|---|---|---|
| 調査書重視 | 7:3 | 内申の差が大きく影響する |
| 調査書重視 | 6:4 | 内申をやや重く見る |
| 同等 | 5:5 | 内申と当日点を同じ重さで見る |
| 学力検査重視 | 4:6 | 当日点をやや重く見る |
| 学力検査重視 | 3:7 | 当日点の差が大きく影響する |
宮城県の高校入試を控える中3の保護者の方へ
調査書点と学力検査点のどちらを先に伸ばすか、私立をどう組み合わせるか、今の成績をもとに一緒に整理します。保護者の方だけのご相談もできます。
特色選抜:倍率を学校ごとに決める計算(公式の例つき)
特色選抜は、共通選抜と違い、各高校が教科ごと・学年ごとの倍率を決めて点数を計算します。要項で決まっているのは、次の範囲です。
| 項目 | 要項の内容 |
|---|---|
| 調査書点 | 「各教科の学習の記録」の各教科・各学年の評定に、高校が募集単位ごとに定めた倍率をかけて算出。倍率は、国語・数学・社会・英語・理科が0.25〜2.0(0.25刻み)、音楽・美術・保健体育・技術家庭が0.5〜4.0(0.5刻み) |
| 学力検査点 | 5教科の得点に、高校が教科ごとに定めた倍率(0.25〜2.0)をかけて合計 |
| 面接・実技・作文 | 配点は各高校が定める |
| 審査の対象 | 調査書点・学力検査点・面接等の合計点が上位の人から、募集人数の120%〜200%(5%刻みで高校が設定)の範囲を審査し、調査書の記載事項も用いて総合的に選抜 |
| 募集割合 | 特色選抜は募集定員の10%〜50%(体育・美術に関する学科と定時制は10%〜90%)。共通選抜は50%〜90%。5%刻みで設定 |
公式の説明資料には、次のような算出例が載っています。学力検査は英語だけ2倍、調査書点は5教科の評定を全学年2.0倍、実技4教科を全学年4.0倍にした例です。
| 項目 | 例の倍率 | 満点(全教科の評定が5の場合) |
|---|---|---|
| 学力検査点 | 国語・数学・社会・理科は1.0倍、英語は2.0倍 | 100+100+100+200+100=600点 |
| 調査書点(5教科) | 国語・数学・社会・英語・理科の全学年の評定を2.0倍 | 1教科あたり30点(5×2.0×3学年)×5教科=150点 |
| 調査書点(実技4教科) | 音楽・美術・保健体育・技術家庭の全学年の評定を4.0倍 | 1教科あたり60点(5×4.0×3学年)×4教科=240点 |
| 調査書点の合計 | 150点+240点 | 390点 |
この例は、倍率の決め方で点数の満点そのものが変わることを示すためのもので、実在する特定の高校の設定ではありません。志望校の特色選抜がどの教科を何倍にしているかは、「選抜方法等一覧」で確認します。
特色選抜では、評定以外の記載事項(特別活動等の記録、スポーツ活動・文化活動・社会活動・ボランティア活動の記録など)を選抜資料として十分活用するよう、要項に書かれています。部活動や委員会などの活動は、調査書の「特別活動等の記録」に登録されます。
出願希望調査(1月20日公表)の使い方と、出願のルール
宮城県では、出願の前に「出願希望調査」があります。在籍する中学生や過年度卒業生が志願先を登録し、県教育長が結果を、公立高校ごとの志願者数等として公表します。志願できる高校は1人1校で、課程と学科・コースは1つです。この調査は、志願先の選択や中学校の進路指導の参考にするためのもので、出願そのものではありません。
| 手続 | 期間(要項) |
|---|---|
| 出願希望調査:志願先の登録(保護者) | 令和8年12月10日(木)〜令和9年1月11日(月) |
| 出願希望調査:中学校の確認登録 | 1月12日(火)〜1月14日(木)正午 |
| 出願希望調査:結果の通知・公表 | 1月20日(水) |
| ウェブ出願:基本情報の登録 | 1月18日(月)から登録可 |
| ウェブ出願:出願先の登録・入学者選抜手数料の納付 | 2月9日(火)〜2月16日(火)午前11時 |
| 中学校:調査書等の提出 | 2月9日(火)〜2月17日(水)午後3時 |
| 高等学校:出願情報の受理 | 2月9日(火)〜2月19日(金)午後3時 |
| 受験票の印刷 | 2月19日(金)午後3時以降(ウェブ出願システム) |
| 特例措置(県内の一家転住による出願先変更) | 申請 2月17日(水)〜2月25日(木)午前11時。出願手続は2月25日(木)正午まで |
出願希望調査の結果は、1月20日に公表されます。出願は2月9日から始まるため、結果を見て志望校を最終確認する時間が約3週間あります。ただし、出願希望調査は出願ではないので、調査のあとに志望校を変えても、2月9日以降の出願で改めて決められます。調査の数字は、倍率の目安として使い、最終的な志望校は、内申の位置・比重・学力検査の見通しを合わせて、中学校と相談して決めます。
私立の日程と、公立の結果の待ち方
宮城県の私立高校の日程は、当サイトが各校の令和9年度の公式な案内で確認した範囲では、推薦が1月13日、一般がA日程1月26日・B日程1月28日で、確認した学校では共通でした(詳しくは当サイトの私立入試の記事)。公立の学力検査(3月3日)より前に、私立の結果が出ます。専願・併願の基準や、入学手続の締切は学校ごとに異なるため、各校の募集要項で確認してください。
| 時期 | 公立 | 私立(当サイトが確認した例) |
|---|---|---|
| 1月13日 | — | 推薦系の試験(仙台育英・東北学院・尚絅学院・仙台城南・宮城学院) |
| 1月20日 | 出願希望調査の結果公表 | — |
| 1月26日・28日 | — | 一般入試 A日程・B日程 |
| 2月1日 | — | 一般入試の合格発表(確認した複数校) |
| 2月9日〜16日 | ウェブ出願 | — |
| 3月3日 | 学力検査(面接等は3月3日の学力検査後、または3月4日) | — |
| 3月15日 | 合格発表(午後3時) | — |
| 3月16日〜17日 | — | 入学手続の二次期限を設けている学校の例 |
私立の入学手続を一次と二次に分けている学校では、二次手続の期限が3月16日〜17日にあります。公立の合格発表(3月15日)のあとに、公立に進むか私立に進むかを決められる設計です。一次手続を済ませる時期、二次手続の金額と期限、専願か併願かの扱いは、学校によって異なります。出願前に、募集要項で「公立の結果を待てるか」を確かめます。
私立併願の組み方を、公立の仕組みから考える
- 公立は1校しか出願できないため、「公立の併願」はなく、私立が現実的な併願先になります。
- 公立の出願(2月9日〜16日)の前に、私立の一般入試の結果(2月1日ごろ)が出ます。私立の結果を見てから、公立の出願先を決められる日程です。
- 公立の第一次募集に合格すると、第二次募集には出願できません。第一次で合格した場合に入学する学校を、あらかじめ家庭で決めておきます。
- 公立が不合格だった場合の第二次募集(出願3月16日〜18日、検査3月19日)は、第一次で合格者が募集定員に満たない学校だけで実施されます。実施校は3月15日午後3時に公表されます。
全日制の出願者数と倍率(令和6〜8年度)
県教育委員会が公表した「第一次募集 出願状況」の総括から、全日制課程の数字を整理します。倍率は、公表された出願倍率(出願者数÷募集定員)です。県全体の平均なので、学校ごとの倍率とは異なります。
| 年度 | 中学校卒業予定者数 | 募集定員 | 出願者数 | 出願倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 令和6年度 | 19,689人 | 13,640人 | 13,609人 | 1.00倍 |
| 令和7年度 | 19,269人 | 13,440人 | 13,349人 | 0.99倍 |
| 令和8年度 | 19,147人 | 13,400人 | 12,516人 | 0.93倍 |

令和6年度から令和8年度にかけて、全日制の出願者数は13,609人から12,516人へ、1,000人以上減りました。倍率も1.00倍から0.93倍に下がっています。県全体の平均が1倍を下回っていても、学校・学科によって倍率は大きく異なります。定員を割る学校もあれば、1倍を超える学校もあります。志望校の倍率は、県が公表する出願状況の学校別の表と、1月20日の出願希望調査の結果で確認します。
内申のタイプ別・併願の考え方と、中1〜中3の準備
| タイプ | 見方 | 考えること |
|---|---|---|
| 調査書点が高く、当日点に不安がある | 比重が「調査書重視」の学校で、内申の位置が強みになる | 志望校の比重を「選抜方法等一覧」で確認。学力検査は5教科合計なので、1教科に偏らず基本問題を取りこぼさない |
| 当日点に自信があり、調査書点は中くらい | 「学力検査重視」の学校や、特色選抜の学力検査の倍率が高い学校が合う場合がある | 実技4教科の評定は調査書点の約6割。提出物や授業態度を中3の2学期まで整える |
| 実技4教科の評定が低め | 実技は2倍なので、1段階あたり3年分で6点(教科ごと) | 中3の評定の取り戻しは、最終の学期まで続く。実技教科の課題と提出を最優先に |
| 面接や活動に強みがある | 特色選抜では、面接等の得点と調査書の記載事項が使われる | 部活動・委員会・ボランティアの記録を、調査書に正しく載せてもらう(中学校に確認) |
| 志望校に届くか迷っている | 出願は1校のみ。出願後の変更は特例のみ | 私立の結果(2月1日ごろ)と出願希望調査(1月20日)を見て、2月9日の出願までに決め切る |
| 時期 | 調査書点に向けて | 学力検査に向けて |
|---|---|---|
| 中1・中2 | 定期テストと提出物を安定させる。実技4教科は実技と提出物を丁寧に | 基礎計算・漢字・英単語など基本の定着 |
| 中3の1学期 | 評定の最終年。定期テストを最優先 | 5教科の復習計画。弱い単元の洗い出し |
| 中3の夏 | 2学期の評定の見通しを立てる | 5教科を各100点満点の形式で解く練習。基礎問題の正答率を上げる |
| 中3の2学期〜12月 | 評定の最後の追い込み。出願希望調査の登録(12月10日〜1月11日)前に、三者面談で志望校を相談 | 過去問に慣れる。時間配分の練習 |
| 1月 | 出願希望調査の結果(1月20日)を見て志望校を確認。私立の受験 | 私立の入試で本番の経験を積む。公立の復習を並行 |
| 2月 | ウェブ出願(2月9日〜16日)。受験票の印刷(2月19日以降) | 3月3日の学力検査に向けた総復習 |
保護者の方が確認しておくこと
- お子さんの3年間の評定を教科別に並べ、調査書点(195点満点)を計算してみる。
- 志望校の比重(7:3〜3:7)と、特色選抜の有無・募集割合を「選抜方法等一覧」で確認する。
- 私立の専願・併願・推薦の別と、試験日・合格発表・入学手続の期限(一次・二次)を、公立の日程(2月9日出願、3月3日検査、3月15日発表)と同じ表に並べる。
- 出願希望調査の登録(12月10日〜1月11日)、ウェブ出願(2月9日〜16日)、受験票の印刷(2月19日以降)を家庭のカレンダーに入れる。
よくある質問
まとめ:1校だけの出願と、2通りの選抜で、内申と当日点を積み上げる
宮城県の令和9年度の公立高校入試は、出願が1校1学科で、出願後の変更は特例のみです。合否は共通選抜(調査書点195点と学力検査500点の相関図)と特色選抜(高校が倍率を決める点数計算)の2通りで判定されます。私立の結果は2月上旬までに出ます。
日程は、出願希望調査の公表が1月20日、ウェブ出願が2月9日〜16日、学力検査が3月3日、合格発表が3月15日です。まず、お子さんの3年間の評定から調査書点を計算し、志望校の比重を確認し、私立の日程を同じカレンダーに並べるところから始めてください。

