最終更新:2026年9月/偏差値は民間の模試・情報サイトによる目安です。倍率は年度を明記しています。入試の日程・配点・内申の計算は愛媛県公立高校入試2027の日程と仕組みの記事にまとめています。
この記事で取り上げる愛媛県の難関公立高校(偏差値の目安がおおむね60以上)は、松山東・松山南・今治西・松山北・八幡浜・新居浜西の6校です。問題は県の共通問題なので、特別な問題に備える必要はありません。
そのぶん、基本問題を落とさない正確さと、国語の作文で差がつきます。倍率は1倍前後の学校が多いですが、上位の受験生が集まるので油断はできません。
- 愛媛の難関公立高校の偏差値の目安(民間サイト3か所の幅)
- 令和8年度の一般選抜の倍率
- 学校ごとの特徴と、特色選抜の検査の中身
- 県の共通問題(作文をふくむ)への対策
- 実在を確認した過去問集
- 9月から本番までの月別ロードマップと、偏差値帯別の勉強法
愛媛の難関公立高校と偏差値の目安
偏差値の目安がもっとも高いのは松山東(69〜71)で、松山南、今治西が続きます。松山市の3校のほか、東予の今治西・新居浜西、南予の八幡浜が60以上に入ります。
| 学校(学科) | 所在地 | 偏差値の目安 |
|---|---|---|
| 松山東(普通) | 松山市持田町 | 69〜71 |
| 松山南(普通・理数) | 松山市末広町 | 66〜68 |
| 今治西(国際・普通) | 今治市中日吉町 | 65〜67 |
| 松山北(普通) | 松山市文京町 | 62〜64 |
| 八幡浜(普通) | 八幡浜市松柏 | 62〜64 |
| 新居浜西(普通) | 新居浜市宮西町 | 60〜62 |
| 参考:西条(国際文理) | 西条市明屋敷 | 57〜60 |
| 参考:西条(普通) | 西条市明屋敷 | 56〜58 |
| 参考:宇和島東(普通・理数) | 宇和島市文京町 | 56〜58 |
※偏差値は民間の模試・情報サイトによる目安です。サイトによって2〜3違います。出典:みんなの高校情報「愛媛県の公立高校偏差値ランキング 2026年度最新版」、家庭教師のトライ「愛媛県の高校の偏差値一覧」、受験ラボ「愛媛県 高校偏差値ランキング情報 令和8年度」。所在地は進研ゼミ 高校入試情報サイトの学校ページによります。
正直にお伝えすると、この記事で調べた範囲では、偏差値の目安がおおむね60以上なのは上の6校です。西条と宇和島東は、サイトによって60を下回る目安になっています。大洲(普通)も57〜59ほどの目安で、南予の有力校のひとつです。偏差値は受ける模試によっても変わるので、数字そのものより、ふだん受けている模試での位置で考えましょう。
令和8年度 一般入学者選抜の倍率
令和8年度の一般選抜の倍率は、松山北(1.22倍)、松山南の理数科(1.22倍)が高めでした。松山東は0.96倍と1倍を下回りましたが、難関校は受験生の学力が高いので、倍率が低くても合格は簡単ではありません。
| 学校(学科) | 令和8年度 一般倍率 | 募集(全体)と特色枠 |
|---|---|---|
| 松山東(普通) | 0.96倍(令和7年度 1.15倍) | 360人・特色13% |
| 松山南(普通) | 1.09倍 | 320人・特色10% |
| 松山南(理数) | 1.22倍 | 40人・特色20% |
| 今治西(国際・普通) | 0.94倍 | 280人・特色15% |
| 松山北(普通) | 1.22倍(令和7年度 1.24倍) | 360人・特色20% |
| 八幡浜(普通) | 0.77倍 | 160人・特色20% |
| 新居浜西(普通) | 0.92倍(令和7年度 0.89倍) | 特色15% |
| 参考:西条(普通) | 0.91倍 | 特色20%程度(令和9年度) |
| 参考:西条(国際文理) | 0.63倍 | 特色30%程度(令和9年度) |
※出典:進研ゼミ 高校入試情報サイトの各校ページ(倍率は株式会社育伸社の資料、2026年4月時点)。令和8年度の一般入学者選抜の倍率です。志願倍率か受検倍率かの区別は同サイトに明記がありません。県の公式の志願者数は、愛媛県教育委員会「令和8年度 県立高等学校学科別入学志願者数[全日制](志願変更後)」でご確認ください。宇和島東の倍率は、確認できた年度の表記が一致しなかったため載せていません。
愛媛県の一般選抜は、内申で上位に入り、当日点の順に選ばれる流れが中心です。倍率が1倍を下回る年でも、学校の基準に届かないと不合格になることがあります。倍率は「その年の人気」、偏差値は「受験生のレベル」と分けて考えましょう。
学校ごとの特徴と特色選抜の中身
6校とも一般選抜が中心ですが、1月の特色選抜にも一定の枠があります。特色選抜は小論文と面接を課す学校が多く、出願には評定平均や資格などの条件があります。
地域ごとに見ると選び方が見えてきます
愛媛県の難関校は、中予(松山市)に3校、東予に2校、南予に1校と、地域ごとに分かれています。民間の入試情報サイトでは、普通科は東予・中予・南予の3つの学区に分かれると説明されています。つまり、多くの人にとって「県内のどこでも受けられる」わけではありません。
そのため、志望校選びでは自分の地域の中で、どの学校がどの位置にあるかを知ることが大切です。たとえば東予なら今治西と新居浜西、南予なら八幡浜と宇和島東・大洲などを比べることになります。通える範囲と学区は、必ず中学校の先生に確認してください。
松山東:藩校「明教館」を起源とする伝統校
松山東は、藩校「明教館」を起源とする県立高校です。県の資料によると、令和8年度の特色選抜は約13%程度(47人程度)で、調査書等・小論文・面接を行いました。出願資格には、学問・部活動・学校行事の「三立」の理解と実践や、5教科の評定平均3.8以上、または9教科の評定平均3.5以上などがあります。令和9年度の松山東の特色選抜の内容は、この記事では確認できていません。
松山南:SSH指定、理数科もある
松山南は、文部科学省のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定されている学校です。普通科と理数科があり、理数科は数学と理科の配点が重くなる傾斜配点があります(計算は入試の仕組みの記事で紹介しています)。志望制では、松山南は出願の組み合わせに制限がある学校として県のQ&Aに挙げられています。第2志望を考えている人は、中学校の先生と確認してください。
今治西:国際科を新設、東予の上位校
今治西は、令和8年度に国際科ができ、国際科と普通科をまとめて募集しています。野球部が強いことでも知られます。令和9年度の特色選抜は15%程度(42人程度)で、小論文①40分、小論文②40分(英語表現力をふくむ)、面接5分程度です。出願資格は、5教科の評定平均4.5以上か9教科の評定平均4.0以上、英検・漢検2級以上などのいずれかです。
松山北:倍率が高めの人気校
松山北は、令和8年度の一般倍率が1.22倍と、6校の中で高めでした。複数の系列に分かれて学び、希望者はオールイングリッシュで海外の留学生と5日間交流する取り組みがあります。
八幡浜:南予の上位校
八幡浜は、普通科のほか、みらい創造工学科・ビジネスクリエーション科・総合学科がある学校です。普通科の偏差値の目安は62〜64で、南予では高い位置にあります。令和8年度の普通科の一般倍率は0.77倍でした。
新居浜西:2年から人文社会・理数医療に分かれる
新居浜西は大正6年創立の学校で、2・3年で人文社会類型と理数医療類型に分かれて学びます。令和9年度の特色選抜は15%程度(36人程度)で、小論文60分(数学的思考力、英語表現力をふくむ)と面接5分程度です。出願には、3年間すべての教科の取り組みが良好で、とくに5教科すべてで優れた学力があることが求められます。
参考:西条・宇和島東
西条はSSHに指定され、普通科と国際文理科などがあります。令和9年度の特色選抜は、普通科が20%程度(40人程度)で小論文60分・面接5分程度、国際文理科が30%程度(12人程度)で小論文60分(数学・英語表現力をふくむ)・面接5分程度です。宇和島東もSSH指定校で、理数科と普通科をまとめて募集しています。
※出典:愛媛県教育委員会「令和9年度県立高等学校入学者選抜特色入学者選抜各校の出願資格及び検査項目等について」、同 令和8年度版(松山東)、同「志望制に関するチラシ及びQ&A」、進研ゼミ 高校入試情報サイトの各校ページ。出願資格は要点のみです。全文は県の資料で確認してください。
難関校の特色選抜は、小論文が中心です。数学的な考え方や英語で書く力をふくむ学校もあります。受けるかどうかは11月の三者面談までに決め、12月からは週2本書いて、学校の先生や家庭教師に見てもらう時間を確保してあげてください。
入試問題への対策:県の共通問題で「落とさない力」をつける
愛媛県の一般選抜は、難関校も県の共通問題です。出題範囲は教科書の基本的なことがらなので、難関校を目指す人は基本問題でのミスをゼロに近づけることが最優先です。
教科別の対策
- 国語・作文:作文は国語とは別の時間に書きます。「自分の考え→理由→具体例→まとめ」の4段で書く型を決め、10月から週1本、12月からは週2本書きます。
- 数学:関数・図形の大問で差がつきやすいと考えられます(目安)。過去問の大問ごとに「何分で解けたか」を記録し、時間がかかる大問の類題を集中して解きます。
- 英語:時間が長めなので、長文の量に慣れることが大切です。毎日1題、時間を計って長文を読み、知らない単語はその日のうちに覚えます。
- 理科・社会:資料や実験の結果から考える問題に備えます。まちがえた問題は「なぜその答えか」を一言でノートに書きます。
県の問題は、年度ごとの出題を並べると出やすい単元が見えてきます。下で紹介する過去問集には、約10年分の年度別出題分類表がついています。これを使って、よく出る単元のうち自分が苦手なものから順につぶしていきましょう。
面接の準備:全員に面接があります
愛媛県の一般選抜は、受験生全員に面接があります。難関校を受ける人でも、面接で緊張して言葉につまることはよくあります。次の3つは、12月までにそれぞれ1分で話せるようにしておきましょう。
- なぜこの高校(学科)を選んだのか
- 中学校でいちばん力を入れたこと(部活動・生徒会・委員会・学習など)
- 高校に入ってから取り組みたいこと、将来の目標
学校の説明会やホームページで知ったその学校ならではの取り組み(SSH、国際科、類型など)を1つ入れると、志望の理由に説得力が出ます。家では保護者の方が面接官役になり、月に2回ほど練習すると効果的です。
実在を確認した過去問・問題集
出版社のページで、2027年受験向けの版が出ていることを確認できたものだけを紹介します。
| 書名 | 出版社 | 中身 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| 愛媛県公立高校(リスニング音声データダウンロード付)2027年度版 | 東京学参 | 2022〜2026年度の5年分+2019〜2021年度はダウンロード。英語長文の全訳、作文対策の解説、約10年分の出題分類表 | 1,430円 |
| 2027年受験用 全国高校入試問題正解 英語 | 旺文社 | 47都道府県の公立高校の英語を収録。音声ダウンロード付き | 3,795円 |
※出典:東京学参 商品ページ(2026年7月24日発売、ISBN 978-4-8141-4076-3)、旺文社 商品ページ(2026年6月25日発売、ISBN 9784010223130)。ほかの出版社の愛媛県版は、この記事では2027年受験用の実在を確認できなかったため載せていません。
使い方の目安は、10月に1年分で形を知り、12月から残りを本番の時間割で解き、2月に2周目です。旺文社の全国版は、英語の長文の量に慣れたい人が、ほかの県の問題で練習するのに向いています。
9月から本番までの月別ロードマップ
難関校志望の人は、11月までに中3の内申を固め、12月から過去問で当日点を仕上げる流れにします。日程の詳細は入試の日程と仕組みの記事で確認してください。
| 月 | 難関校志望者がやること |
|---|---|
| 9月 | 中1・中2の総復習を数学・英語から。1日2時間のうち1時間を復習にあてる |
| 10月 | 定期テストで全教科の評定を1つでも上げる。過去問1年分で形を知る。作文を週1本 |
| 11月 | 期末テスト。特色選抜を受けるか決める。模試の見直しで苦手単元のリストを作る |
| 12月 | 過去問を本番の時間割で週1回。特色受験者は小論文を週2本、面接練習 |
| 1月 | 特色選抜。出題分類表で苦手単元をつぶす。作文は本番と同じ時間で書き切る |
| 2月 | 過去問2周目。まちがえた問題だけを3回解き直す。面接の受け答えを家族と練習 |
| 3月 | 本番。前の週は新しい問題より、まちがいノートの見直しを中心に |
難関校志望・10月の1週間の時間割の例
- 月:数学の過去問の大問1つ(30分)+解き直し(30分)+英単語(20分)+提出物(30分)
- 火:英語の長文1題(40分)+理科の苦手単元(40分)+実技教科の復習(20分)
- 水:国語の読解1題(40分)+社会の資料問題(40分)+英単語(20分)
- 木:定期テストの範囲の問題集(90分)+英単語(20分)
- 金:数学の関数・図形の類題(60分)+理科・社会の一問一答(30分)
- 土:模試または過去問1教科を本番の時間で(2〜3時間)+作文1本
- 日:1週間のまちがい直し(2時間)+作文の書き直し(30分)+翌週の計画
ポイントは、毎日少しずつ英単語と提出物を入れることです。難関校を目指す人ほど、大きな問題集に時間を使い、提出物や実技教科を後回しにしがちです。愛媛県は中3の評定も3年間の合計に入るので、10月・11月の定期テストと提出物は、過去問と同じくらい大切にしてください。
特色選抜は、出願資格を満たしているかと、小論文・面接の準備に時間を使えるかで決めます。資格は学校ごとにちがうので、まず志望校の条件を県の資料で確認しましょう。そのうえで、一般選抜の勉強をへらさずに、週2〜3時間を小論文にあてられるかを考えます。内定して入学確約書を出すと一般選抜には出願できないので、本当に行きたい学校だけを受けるのが原則です。
難関校志望者が秋にやりがちな失敗
愛媛県の一般選抜は、内申で上位に入ることが前提です。難関校ほど内申の高い受験生が集まります。秋は応用問題より、定期テストで確実に点を取ることを優先しましょう。
作文は、書いた本数に比例してうまくなります。1月から始めると、本数が足りません。10月から週1本を目安に始めてください。
倍率は年によって上下します。松山東も、令和7年度は1.15倍、令和8年度は0.96倍でした。倍率ではなく、自分の模試の位置と内申で判断しましょう。
模試の結果と通知表をもとに、今の位置から合格までに何点必要か、どの教科から手をつけるかを一緒に整理します。作文・小論文の添削もご相談ください。
偏差値帯別の勉強法
今の偏差値によって、秋にやるべきことは変わります。ここでの偏差値は、ふだん受けている模試の値を目安にしてください。
偏差値55〜59:基本の穴を埋めて60台へ
教科書レベルの問題で落としている点がまだあります。平日は1日1教科、中1・中2の単元を1つずつ復習し、週末に過去問の大問1つを解きます。新居浜西や八幡浜、松山北を目指すなら、まず5教科すべてで基本問題の正答率を9割以上にしましょう。
偏差値60〜65:失点する大問を決めて集中する
基本はできています。過去問で毎回点を落とす大問(数学の関数・図形、英語の長文など)を2つに決め、その類題を週3回解きます。作文は週1本、先生に見てもらい、本番の時間内で書き切れるようにします。松山北・八幡浜・新居浜西を目指す人に多い帯です。
偏差値66以上:ミスを減らし、作文で差をつける
松山東・松山南・今治西を目指す帯です。共通問題では、上位の受験生どうしの差が小さくなります。計算ミス・写しまちがい・漢字の書きまちがいを1つずつ記録し、同じミスを二度しないしくみを作りましょう。作文は、読み手に伝わる具体例を入れる練習をします。
まとめ
- 偏差値の目安60以上は、松山東(69〜71)・松山南(66〜68)・今治西(65〜67)・松山北(62〜64)・八幡浜(62〜64)・新居浜西(60〜62)
- 令和8年度の一般倍率は、松山北と松山南の理数科が1.22倍で高め。松山東は0.96倍
- 特色選抜は小論文と面接が中心。今治西は小論文2本、新居浜西は数学的思考力・英語表現力をふくむ小論文
- 難関校も県の共通問題。基本問題のミスをなくし、作文で差をつける
- 過去問は東京学参の2027年度版で、出題分類表を使って弱点単元をつぶす
- 秋は内申、12月からは過去問で当日点、の順番を守る


