結論:文部科学省は、私立大学に入学料の額の抑制と、納付時期の工夫などを求めています
- 入学金(入学料)は、大学に入学できる地位を得るための対価と、最高裁判所の判決(2006年11月27日)で整理されています。
- 文部科学省は2025年6月26日付の通知(7文科高第491号)で、私立大学に、入学料の額の抑制に努めることを求めました。
- 納付が難しい学生への減免、分割納入、納付時期の猶予や、納付時期を複数回設定することなども、検討事項として挙げられています。
- 入学料の額や納付期限の扱いは、各大学(設置者)が決めます。出願前に、志望大学の募集要項で確認してください。
必ず各教育委員会・学校・公的機関の最新の公式情報で確認してください。
💰 入学金の「二重払い」とは
入学金の二重払いとは、複数の大学に合格したとき、結局入学しない大学にも入学金を納めなければならない場合があることを指す言葉です。
私立大学では、合格発表から入学手続きの期限までの間に、第一志望の合否が分からないことがあります。
そのため、先に合格した大学の入学金を納めて、入学の権利を確保する家庭があります。
| ありがちな流れ | 起こること |
|---|---|
| A大学に合格し、手続き期限が先に来る | 第一志望の結果が出る前に、A大学の入学金の納付を迫られることがある |
| その後、第一志望に合格 | A大学には入学しない |
| A大学の入学金 | 入学しなくても返還されない場合がある |
⚖ 最高裁判決の考え方
文部科学省の通知は、最高裁判所の判決(最二小判・2006年11月27日)に触れています。
この判決では、入学料は、大学に入学できる地位を得るための対価という性質を持つと整理されています。
通知では、学生は入学金の納付によって、大学に入学し得る地位を取得するものと説明されています。
通知には、入学料について、契約が解除されたり失効したりしても、大学は返還する義務を負わないという考え方も書かれています。
授業料などの返還については、通知には直接の記述はありません。
📄 文部科学省の通知の内容
通知の名前は「私立大学における入学料に係る学生の負担軽減等について」です。
文書番号は7文科高第491号、日付は2025年6月26日で、文部科学省高等教育局の私学部長名で出されています。
通知は、令和8年度大学入学者選抜に向けて対応を検討するよう求める内容です。
| 通知が求めていること | 内容 |
|---|---|
| 入学料の額 | その額の抑制に努める |
| 納付が困難な学生 | 独自の減免、分割納入、納付時期の猶予などの措置に努める |
| 納付時期 | 複数回設定するなどの時期の設定を検討する |
| 入学辞退の意思表示 | 納付後に辞退の意思表示ができる時期を、大学が代わりの入学者を決められる時期かどうかという観点から考える |
| 修学支援制度の利用者 | 減免の申請から認定までの間は、授業料の納付猶予を原則とする |
入学料の額や納付期限の取扱いは、各設置者が判断すべきものと整理されています。
🔎 出願前に確認したいこと
入学金の扱いは大学ごとに違うため、出願前に募集要項を読むことが大切です。
とくに、次の5点は、複数の大学を併願する家庭が確認しておきたいところです。
| 確認すること | 見る場所 |
|---|---|
| 入学金の額 | 募集要項の「入学手続き」「学費」 |
| 入学手続きの締め切り日と、入学金のみを先に納める制度があるか | 募集要項、大学のWebページ |
| 納付期限を後ろにずらせる区分(特別な入学方法など)があるか | 募集要項 |
| 納付後に辞退したときの扱い | 募集要項、入学手続き書類 |
| 減免や分割納入の制度 | 大学の窓口、募集要項 |
令和9年度の各大学の扱いは、各大学の入学者選抜要項や募集要項で確認してください。
🏠 家庭でできること
併願する大学の、手続き期限と第一志望の発表日を並べて表にしておくと、判断しやすくなります。
お金の準備も、早めに家族で話し合っておきましょう。
- 併願校ごとに、合格発表日・手続き期限・入学金・授業料の納付時期を表にまとめる。
- 第一志望の発表日が、併願校の手続き期限より後になるかどうかを確認する。
- 入学金の準備に使えるお金と、使えないお金を家族で話し合う。
- 奨学金や修学支援制度の利用を考えるときは、別の記事のJASSO奨学金の説明も読む。
✅ 今週やること
今週は、出願予定の大学の、入学金と手続き期限を一覧にしましょう。
| やること | できたら✓ |
|---|---|
| 出願予定の大学を書き出す | □ |
| 各大学の入学金と手続き期限を、募集要項で調べて表に書く | □ |
| 第一志望の合格発表日と並べて、先に納付が必要になる大学がないかを見る | □ |
| 不明な点は、大学の入試課に問い合わせる | □ |
❓ よくあるご質問
入学金の二重払いとは何ですか?
複数の大学に合格したとき、結局入学しない大学にも入学金を納めることになる場合があることを指します。
入学金は、入学しなくても返ってきませんか?
通知では、入学料は大学に入学し得る地位を得るための対価とされ、契約の解除などがあっても大学は返還義務を負わないという考え方が整理されています。扱いは大学ごとに違うので、募集要項で確認してください。
文部科学省の通知は、いつ出されましたか?
2025年6月26日付です。文書番号は7文科高第491号で、私立大学における入学料に係る学生の負担軽減等についての通知です。
通知で、大学に何が求められましたか?
入学料の額の抑制に努めること、納付が困難な学生への減免・分割納入・納付時期の猶予、納付時期を複数回設定することなどです。
入学金の額や納付期限は、だれが決めますか?
通知では、各設置者が判断すべきものとされています。各大学の募集要項で確認します。
令和9年度の入試でも同じ扱いですか?
扱いは大学ごとに決まります。令和9年度の取扱いは、各大学の入学者選抜要項や募集要項で確認してください。
📚 参考にした公的資料
- 文部科学省高等教育局私学部長通知「私立大学における入学料に係る学生の負担軽減等について」(7文科高第491号、2025年6月26日)
- 最高裁判所第二小法廷判決(2006年11月27日、通知中の引用による)


