結論:返さなくてよいのは給付型だけ。貸与型は第一種が無利子、第二種が有利子
- 給付奨学金は返済不要で月額7,300円〜75,800円。第一種(無利子)は20,000円〜64,000円、第二種(有利子)は20,000円〜120,000円から選びます。
- 第二種の利率は上限年3%。在学中と返還期限の猶予中は無利息です。給付を受けると第一種が減ることがあります(第二種は併用可)。
- 申込みは高校3年生の春の予約採用が基本で、進学後の在学採用もあります。時期は高校・進学先ごとに違うため、学校の案内を確認してください。
- 貸与型は貸与が終わった6か月後から返還が始まります。苦しくなったら延滞の前に減額返還や猶予をJASSOへ相談できます。
必ず各教育委員会・学校・公的機関の最新の公式情報で確認してください。
📋 給付型と貸与型のいちばん大きな違いは「返すかどうか」
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、返さなくてよい「給付型」と、卒業後に返す「貸与型」の2種類に分かれます。
貸与型はさらに、利子がつかない「第一種」と、利子がつく「第二種」に分かれます。
JASSOの公式サイトでも、奨学金の種類は「給付奨学金(返済不要)」と「貸与奨学金(返済必要)」の2つに分けて案内されています。
「奨学金」という言葉ひとつに、中身がまったく違う制度が入っていることを、まず押さえておくと迷いません。
| 種類 | 返済 | 利子 | 月額の目安(大学等への進学) |
|---|---|---|---|
| 給付奨学金 | 不要 | なし | 7,300円〜75,800円 |
| 第一種奨学金 | 必要 | なし(無利子) | 20,000円〜64,000円 |
| 第二種奨学金 | 必要 | あり(有利子) | 20,000円〜120,000円 |
| 入学時特別増額貸与奨学金 | 必要 | あり(有利子) | 100,000円〜500,000円(一時金) |
月額は、2027年度入学向けの予約採用の募集案内(高校に配られた資料、2026年4月に発行)の範囲です。
同じ種類でも、世帯の収入、国公立か私立か、自宅から通うかどうかで、実際に受け取る額は変わります。
給付型は「条件がきびしい代わりに返さなくてよい」
給付奨学金は、世帯の収入と資産の基準があります。
収入の基準は、文部科学省の修学支援新制度と同じものです。
対象が限られる分、返す必要がありません。
貸与型は「借りたお金を卒業後に返す」
貸与奨学金は、借りたお金を卒業後に返す奨学金です。
第一種は無利子、第二種は有利子です。
借りる額は、必要な分だけを選ぶことができます。
この記事で扱う範囲
この記事は、大学・短大・専門学校へ進む場合の国内向け奨学金について、2026年10月20日時点のJASSOの公式情報をもとに説明します。
海外留学向けや大学院向けの制度は、別の仕組みなのでここでは扱いません。
🎁 給付奨学金:返さなくてよい。金額・対象・注意点
給付奨学金は、世帯の収入と資産の基準を満たし、学力基準か学ぶ意欲の条件を満たした人が受けられる、返済のいらない奨学金です。
金額は、世帯の区分と進学先で決まります。
金額(月額)
JASSOの資料(進学資金・奨学金ガイダンス、2026年4月更新版)に載っている月額です。単位は円です。
| 支援区分 | 国公立・自宅 | 国公立・自宅外 | 私立・自宅 | 私立・自宅外 |
|---|---|---|---|---|
| 第Ⅰ区分 | 29,200 | 66,700 | 38,300 | 75,800 |
| 第Ⅱ区分 | 19,500 | 44,500 | 25,600 | 50,600 |
| 第Ⅲ区分 | 9,800 | 22,300 | 12,800 | 25,300 |
| 第Ⅳ区分(多子世帯) | 7,300 | 16,700 | 9,600 | 19,000 |
第Ⅳ区分は、扶養する子が3人以上の多子世帯が対象です。
私立の理工農系の学部は、第Ⅳ区分でも給付型奨学金は出ず、授業料等の減免が対象になります。
くわしくは文部科学省の修学支援新制度のページで案内されています。
収入の目安(4人家族)
JASSOの同じ資料には、利用できる世帯年収の目安として、第Ⅰ区分が約270万円、第Ⅱ区分が約300万円、第Ⅲ区分が約380万円、第Ⅳ区分が約600万円と書かれています。
これは目安であり、家族の人数や年齢で変わります。
給付奨学金の条件
- 成績:高校の全科目の評定平均が5段階で3.5以上。届かない場合は、学ぶ意欲があること。
- 収入:本人と生計維持者(父母など)の所得をもとにした基準額が、基準以下であること。
- 資産:本人と生計維持者の資産の合計が5,000万円未満であること。
給付型でも「授業料の減免」は別に申し込む
給付奨学金は、進学先の授業料を直接引くものではありません。
授業料と入学金の減免は、進学先の学校に別に申し込みます。
文部科学省の「申請手続きガイド」にも、減免は学校に申し込むと書かれています。
注意:入学前の費用には使えない
文部科学省の「申請手続きガイド」には、採用が決まった給付型奨学金は入学後に支給が始まるため、進学前の費用には使えないと書かれています。
受験料や入学金は、別に準備する必要があります。
受け取り続けるための条件
JASSOの資料(2026年4月更新版)には、毎年4月に在籍の報告が必要で、報告しないと支給が止まると書かれています。
修得した単位が標準の7割以下、出席率が8割以下などの場合は「警告」、卒業延期の確定や単位が標準の6割以下などの場合は「廃止」とされています。

🧮 第一種奨学金(無利子):金額は進学先と通学方法で決まる
第一種奨学金は利子のつかない貸与型で、大学の私立・自宅外なら、最高で月64,000円まで借りられます。
JASSOの公式ページで、平成30年度(2018年度)以降に入学した人の貸与月額が公開されています。
月額の一覧(大学・短大・専修学校)
単位は円です。表の数字は選べる金額の一覧で、どれを借りるかは申込み時に自分で選びます。
| 進学先 | 自宅から通う | 自宅の外から通う |
|---|---|---|
| 大学(国公立) | 20,000/30,000/45,000 | 20,000/30,000/40,000/51,000 |
| 大学(私立) | 20,000/30,000/40,000/54,000 | 20,000/30,000/40,000/50,000/64,000 |
| 短期大学・専修学校(国公立) | 20,000/30,000/45,000 | 20,000/30,000/40,000/51,000 |
| 短期大学・専修学校(私立) | 20,000/30,000/40,000/53,000 | 20,000/30,000/40,000/50,000/60,000 |
JASSOの公式ページには、自宅の外から通う場合は、自宅から通う場合の月額も選べると書かれています。
申込み時の家計の収入が一定の額以上の場合は、最高の月額以外から選ぶことになります。
大学院・高専などの月額
大学院は、修士課程相当が50,000円か88,000円、博士課程相当が80,000円か122,000円です。
高等専門学校は、本科1〜3年と4・5年・専攻科で金額が分かれます。
学力と家計の基準
JASSOの資料(2026年4月更新版)では、第一種は成績が評定平均3.5以上であることが基準です。
生計維持者が住民税非課税の世帯などの場合は、学校が学ぶ意欲を認めて推薦すれば、学力の基準を満たすとされています。
家計の基準の目安は、4人家族で給与収入803万円以下(個人事業の所得は552万円以下)です。
給付奨学金との併用に注意
給付奨学金を受けると、第一種の貸与月額が減ったり、0円になったりすることがあります。
JASSOの公式ページには、給付奨学金と併せて使う場合の貸与月額(併給調整)が別に載っています。
給付と第一種の両方を当てにして計画を立てる場合は、この調整を確かめてください。
💳 第二種奨学金(有利子):借りられる額は大きいが、利子がつく
第二種奨学金は利子つきの貸与型で、月額20,000円から120,000円までの間で、10,000円単位で選べます。
第一種より基準がゆるく借りやすい一方で、返す額は利子の分だけ増えます。
金額・利子・基準の一覧
| 項目 | 第二種奨学金 |
|---|---|
| 月額 | 20,000円〜120,000円(10,000円単位で選ぶ) |
| 利子 | あり。在学中と、返還期限の猶予中は無利息 |
| 利率の上限 | 年3% |
| 学力の基準 | 全科目の成績が平均水準以上、または学ぶ意欲 |
| 家計の基準の目安(4人家族) | 給与収入1,250万円以下(個人事業の所得は892万円以下) |
月額と学力・家計の基準は、JASSOの資料(2026年4月更新版)に載っている内容です。
利率の上限と、在学中は無利息という点は、JASSOの公式ページ(利率算定方法の選択制の案内)に書かれています。
利率の決まり方:固定方式と見直し方式
第二種の利率には、2つの算定方法があり、申込み時に選びます。
| 方式 | しくみ |
|---|---|
| 利率固定方式 | 貸与が終わったときに決まった利率が、返し終わるまで変わらない |
| 利率見直し方式 | 返還中、おおむね5年ごとに利率が見直される。市場の金利が上がれば高く、下がれば低くなる |
JASSOの資料(2026年4月更新版)には、2026年3月末に貸与が終わった人に適用される利率固定方式の利率は、2.423%と書かれています。
利率は、貸与が終わる時期で変わります。
借りる時期の利率は、JASSOの公式サイトで確かめてください。
医学・歯学・薬学・獣医学などの増額
ある高校の2027年度向けの案内には、医学・歯学・薬学・獣医学の課程では、第二種の月額を増額できる場合があると書かれています。
JASSOの公式ページには、増額月額の貸与を受ける場合は、基本月額の利率に原則0.2%を上乗せした利率が適用されると書かれています。
第一種と第二種の併用
基準を満たす人は、第一種と第二種を一緒に借りる「併用貸与」もできます。
JASSOの資料(2026年4月更新版)では、併用の家計基準は、4人家族で給与収入743万円以下(個人事業の所得は506万円以下)です。
第一種だけの基準よりきびしい点に、注意してください。
💼 入学時特別増額貸与奨学金:入学のときにまとめて借りるお金
入学時特別増額貸与奨学金は、第一種または第二種に加えて、入学した月にまとめて借りる有利子の貸与型で、10万円から50万円まで10万円単位で選べます。
単独では借りられません。
しくみ
- 金額:100,000円、200,000円、300,000円、400,000円、500,000円の5種類から選ぶ。
- 利子:あり。第二種の利率に0.2%を加えた利率。
- 借りる条件:第一種または第二種と一緒に借りる。
- お金が入る時期:入学した月の分として、入学後に一時金で振り込まれる。
JASSOの公式ページによると、この奨学金は、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」に申し込んだものの、利用できなかった世帯の学生が対象です。
家計の状況によっては、国の教育ローンへの申込みが不要な場合もあるとされています。
入学前に払うお金とのずれに注意
入学時特別増額は、入学前に払う入学金や前期授業料には、間に合わないことがあります。
JASSOの資料(2026年4月更新版)には、進学にかかる費用の目安として、受験の費用が約20万円、入学金と前期授業料などが約100〜200万円と書かれています。
入学前の資金は、国の教育ローン(学生1人あたり350万円まで、利子あり)なども含めて考えます。
| 入学前後の資金の備え | 内容 |
|---|---|
| 国の教育ローン | 学生1人あたり350万円まで。利子あり。必要な時期の2〜3か月前に申請 |
| 入学時特別増額貸与奨学金 | 10万〜50万円。利子あり。入学後に振り込み |
| 低所得世帯向けの就学支度費 | 50万円以内、無利子 |
どれも、ご家庭の状況によって合う・合わないがあります。
借りる前に、返済の計画まで含めて考えることが大切です。
📅 申込み時期:予約採用(高校3年生)と在学採用(進学後)
JASSOの奨学金は、高校3年生のうちに申し込む「予約採用」と、進学後に申し込む「在学採用」の2つの入り口があります。
進学前に決めておきたい人は予約採用、進学後に判断する人は在学採用です。
予約採用:高校3年生の春
文部科学省の「申請手続きガイド」によると、予約採用は春(4月下旬ごろ〜)に高校で申し込みます。
時期は高校によって違います。
選考結果は秋〜冬に通知され、給付型は進学後の4月分から本人の口座に振り込まれます。
2027年度に進学する人向けの募集では、JASSOの募集が年に3回(4〜5月、6月、7月)あり、どの回で行うかは高校ごとに決まると、ある都立高校の案内に書かれています。
別の都立高校では、2026年4月20日から5月22日に書類を配り、5月29日が提出期限でした。
高校の日程は必ず学校から配られる案内で確かめてください。
申込みの手順(高校生)
- 在籍している高校で、申込みの書類を受け取る。
- JASSOの申込みサイト(スカラネット)で、申込みの情報を入力する。
- 「奨学金確認書兼地方税同意書」をJASSOへ簡易書留で送る。
- 進学後、「採用候補者決定通知」などを進学先に出し、「進学届」をJASSOにインターネットで出す。
マイナンバーは、本人と保護者の両方が必要です。
所得証明書類の提出は不要だと、ある高校の案内に書かれています。
在学採用:進学後
文部科学省の「申請手続きガイド」によると、進学後の在学採用で、給付型は年に2回の申込み期間があります。
| 区分 | 申込み | 結果・支給 |
|---|---|---|
| 前半期 | 4月ごろ〜 | 7月ごろ通知(4月分から振り込み) |
| 後半期 | 9月〜10月 | 12月ごろ通知(4月分から振り込み) |
貸与型の在学採用の日程は、進学先の学校ごとに決まります。
たとえば、ある高等専門学校の2026年度の秋の募集では、スカラネットの入力期間が2026年9月1日から9月24日まででした。
進学後は、学校の奨学金窓口の案内を見落とさないようにしてください。
予約採用で申し込まなかった場合
ある都立高校の案内には、今回申し込まなかった人も、大学入学後に申し込めると書かれています。
予約採用のほうが、進学前に結果がわかる安心はありますが、申込みの機会が一度きりではありません。

💰 返還の考え方:いつから、いくら、どのくらい返すか
貸与奨学金は、貸与が終わった6か月後から返し始めます。
毎月の返還額は、借りた総額と返す期間で決まります。
2027年度向けの予約採用の募集案内(高校に配られた資料)には、返還は貸与終了の6か月後から、決められた期間内に行うと書かれています。
借りた総額と毎月の返還額の例
JASSOの資料(2026年4月更新版)に、定額返還方式の返還例が載っています。
利率2.423%(利率固定方式)として計算した例です。
| 借りる総額 | 利子の目安 | 毎月の返還額・期間 |
|---|---|---|
| 240万円(月5万円×4年) | 約49万3,318円 | 16,074円 × 15年 |
| 480万円(月10万円×4年) | 約131万8,312円 | 25,492円 × 20年 |
上の表は、第二種で借りた場合の例です。
利子のつかない第一種は、借りた額だけを返します。
借りる額が大きいほど、毎月の返還額も返す期間も大きくなります。
返還のしかた:2つの方式
JASSOの公式ページによると、返還の方式には「定額返還方式」と「所得連動返還方式」があります。
平成29年度(2017年度)以降に第一種奨学金を借りた人は、願い出と審査を経て、定額返還方式から所得連動返還方式へ変更できます。
保証のしくみ
返還の保証には、機関保証(保証料を払って保証機関の保証を受ける)と、人的保証(連帯保証人と保証人を立てる)があります。
JASSOの資料(2026年4月更新版)では、所得連動返還方式では機関保証が必須とされています。
繰上返還もできる
JASSOの公式ページには、繰上返還は、奨学生の身分が終わったあとであればいつでもできると書かれています。
一部だけを繰り上げて返した場合は、その分だけ返す期間が短くなります。
返すことを前提にしたライフプラン
JASSOの資料には、卒業後の収入の例(総支給額251,000円、手取り197,100円)が載っており、「収入−貯蓄−奨学金の返還額=支出」の順で考える方法が紹介されています。
残ったお金を使ってから貯める方法は、生活のバランスをくずしやすいという説明です。
毎月の返還額が、手取りのどれくらいにあたるかを、借りる前に計算しておくと安心です。
🆘 返還が苦しくなったときの制度:減額返還・猶予・延滞に注意
返還が苦しくなったら、延滞する前に、JASSOの「減額返還」や「返還期限猶予」を申請することが大切です。
JASSOの公式ページにも、願い出と審査で利用できる制度として案内されています。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 減額返還 | 毎月の返還額を、2分の1、3分の1、4分の1、3分の2に減らす。願い出と審査が必要 |
| 返還期限猶予 | 経済困難、病気、災害などで返還が難しいときに、返還期限を猶予する。願い出と審査が必要 |
| 在学猶予 | 貸与が終わったあとに、大学・大学院・専修学校などに在学する場合に返還を猶予する |
第二種の減額返還・猶予のポイント
JASSOの公式ページによると、第二種奨学金は、減額返還を使うと返す期間は延びますが、利息は増えません。
返還期限猶予の期間中は、無利息です。
一度に全部が払えない場合は、毎月の額を減らす減額返還が勧められています。
所得連動返還方式の人の注意
第一種奨学金で所得連動返還方式を選んでいる場合は、減額返還は使えません。
この点はJASSOの公式ページに書かれています。
方式を選ぶときに、あとで使える制度の違いも確かめてください。
延滞したらどうなるか
JASSOの公式サイトの更新履歴には、延滞金の賦課率が年5%から年3%に引き下げられたと書かれています。
延滞すると延滞金がかかるため、困ったら延滞する前に、早めにJASSOへ相談してください。
相談先
JASSOの奨学金相談センターは、0570-666-301です。
平日の9時から20時まで受け付けています(土日祝日と年末年始を除く)。
海外や一部の携帯電話・IP電話からは、03-6743-6100です。

🧭 どれを選ぶ? 判断の考え方とよくある勘違い
選び方の基本は、「返さなくてよいものから確かめ、借りるなら必要な分だけを無利子から」という順序です。
これはあくまで一つの考え方で、ご家庭の状況で変わります。
確かめる順番の一例
- 給付奨学金の対象になりそうかを確かめる(進学資金シミュレーターで目安を見る)。
- 足りない分を、第一種奨学金(無利子)で借りるかを考える。
- それでも足りない分を、第二種奨学金(有利子)や入学時特別増額で補うかを考える。
- 借りる総額と、卒業後の毎月の返還額を計算する。
給付・第一種・第二種の比べ方
| 比べる点 | 給付 | 第一種 | 第二種 |
|---|---|---|---|
| 返す必要 | なし | あり | あり |
| 利子 | なし | なし | あり(上限年3%) |
| 成績の基準 | 評定平均3.5以上または学ぶ意欲 | 評定平均3.5以上など | 平均水準以上など |
| 家計の基準(4人家族の目安) | 年収約270万〜600万円 | 給与収入803万円以下 | 給与収入1,250万円以下 |
| 他の奨学金との関係 | 受けると第一種が減ることがある | 給付と併用すると減額される | 給付と併用できる |
よくある勘違い
- 「奨学金はすべて返さなくてよい」わけではありません。貸与型は卒業後に返すお金で、給付型だけが返さなくてよい制度です。
- 「第二種はみんな借りられる」わけではありません。学力と家計の基準があります。
- 「採用されたら学費が全部まかなえる」わけではありません。月額は上限があります。
- 「予約採用を逃したら、もう借りられない」わけではありません。進学後に在学採用があります。
- 「借りた額だけ返せばいい」とは限りません。第二種は利子がつきます。
借りる額を決めるときの考え方
必要な生活費や学費を書き出して、親からの援助、アルバイト、ほかの奨学金を引いた不足分を借りる額の目安にします。
月額が大きいほど、卒業後の返還が長く、重くなります。
借りすぎを防ぐために、本人にも返還の例を見せて話し合う方法があります。
🏠 家庭でできること:親子で話し合う準備
奨学金は、本人が借りて本人が返す契約です。
そのため、保護者が決めてしまうのではなく、親子で話し合って決めることが大切です。
お子さんと確かめておきたいこと
- 借りる種類(給付・第一種・第二種)と月額を、どう決めるか。
- 卒業後の毎月の返還額が、手取りのどれくらいにあたるか。
- 返還が苦しくなったときの、減額返還・猶予などの制度を知っているか。
- 保証のしかた(機関保証か人的保証か)をどうするか。
チェックリスト:高校2年生〜3年生
- 高校の評定平均(5段階)を、成績表で確認した。
- 高校から配られる予約採用の案内の、日付を予定表に書いた。
- 進学資金シミュレーターで、世帯の区分の見込みを調べた。
- 志望校の学費と、入学前に払う費用の合計を出した。
- 本人と保護者のマイナンバーの用意を確かめた。
- 卒業後の返還額の例を、親子で一度見た。
評定平均のための学習面の準備
給付型と第一種の学力基準は、評定平均3.5が一つの目安です。
評定は、高校1年生からのすべての科目の成績の積み重ねです。
苦手な教科があるときは、定期テストの間違いを見直して、同じ種類の問題を解き直すことから始めると、取り組みやすくなります。
ご家庭の状況で、進め方は変わります。
✅ 今週やること:まず3つだけ動く
今週は、次の3つだけ進めれば十分です。
- 種類を整理する:この記事の表を見て、給付・第一種・第二種のうち、お子さんの場合に当てはまりそうなものに印をつける。
- 目安を調べる:JASSOの進学資金シミュレーターで、世帯の区分の見込みを確かめる。
- 日程を聞く:高校の進路の先生に、予約採用の案内がいつ配られるか、また申込みのしめきりはいつかを聞く。
高校3年生で、すでに予約採用を申し込んだご家庭は、秋〜冬の結果通知を待ちます。
通知が届いたら、進学先に出す書類と、進学届の時期を確かめましょう。
この記事の内容は、2026年10月20日時点のJASSOと文部科学省の公式情報にもとづいています。
金額や利率は変わることがあるため、申込みの前に、必ずJASSOの最新の案内をご確認ください。
❓ よくあるご質問
給付奨学金と貸与奨学金のいちばん大きな違いは何ですか?
返す必要があるかどうかです。給付奨学金は返済不要で、貸与奨学金は卒業後に返します。貸与奨学金のうち、第一種は無利子、第二種は利子つきです。
第一種奨学金と第二種奨学金は何が違いますか?
利子の有無と、借りられる額と基準が違います。第一種は無利子で月額が最高64,000円まで、第二種は有利子で月額20,000円〜120,000円から選べます。
第二種奨学金の利率の上限はいくらですか?
年3%が上限です。在学中と、返還期限の猶予中は無利息です。利率の決め方には、固定方式と見直し方式があります。
予約採用はいつ申し込みますか?
高校3年生の春(4月下旬ごろ〜)に、在籍する高校を通じて申し込みます。時期は高校によって違うので、学校の案内で確かめてください。
予約採用で申し込まなかったら、奨学金は受けられませんか?
進学後に申し込む「在学採用」があります。給付型は年に2回で、前半期は4月ごろ、後半期は9月〜10月に申し込みます。
返還はいつから始まりますか?
貸与が終わった6か月後から始まります。借りた総額と返す期間で、毎月の額が決まります。
返すのが苦しくなったらどうすればよいですか?
延滞する前にJASSOへ相談し、減額返還や返還期限猶予を申請します。願い出と審査が必要です。奨学金相談センター(0570-666-301)で相談できます。
給付奨学金を受けると、第一種奨学金はどうなりますか?
借りられる月額が減ったり、0円になったりする場合があります。第二種は併用できます。
📚 参考にした公的資料
- 日本学生支援機構(JASSO)「奨学金制度の種類と概要」ほか公式ページ(給付奨学金・貸与奨学金・第一種奨学金の貸与月額・第二種奨学金の利率算定方法・入学時特別増額貸与奨学金・卒業後の返還、2026年10月20日閲覧)
- 日本学生支援機構(JASSO)「奨学金等進学資金ガイダンス(予約採用)視聴資料」(2026年4月更新版)
- 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」申請手続きガイド(2026年10月20日閲覧)
- 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」ページ(令和8年度版リーフレット2026年2月6日掲載)
- 東京都立高校掲載のJASSO予約採用 募集案内(2027年度進学向け、2026年4月20日付)


