最終更新:2026年9月/令和9年度(2027年4月入学)入試向けの記事です。偏差値は民間の目安、倍率は令和8年度の実績です。前期募集の選抜方法は令和9年度の県の公表資料によります。最新の情報は山梨県教育委員会・各校の公式サイトでご確認ください。
山梨県の公立で民間の偏差値の目安が60を超えるのは、甲府南の理数科、甲府第一の探究科、甲府東の理数コース、吉田の理数科など、専門学科・コースが中心です。
令和8年度の後期募集では、甲府南の理数科が1.32倍で県内の全学科の中で最も高く、吉田の理数科が1.24倍で続きました。
前期募集は学校ごとに調査書の学年比率や特色適性検査の時間がちがいます。志望校の方法を知ってから、前期を受けるかどうかを決めましょう。
- 山梨県の県内上位6校(甲府南・甲府第一・甲府東・甲府西・吉田・韮崎)
- 学科ごとの偏差値の目安と、令和8年度後期募集の志願倍率
- 令和9年度の前期募集の選抜方法から見る、学校ごとの特徴
- 前期募集と後期募集の使い方
- 実在を確認した過去問集・問題集
- 9月から3月までの月別の勉強法と、偏差値帯別の作戦
山梨県の難関公立とは(県内上位6校)
答えから言うと、山梨県で偏差値の目安が60を超える公立高校は、学科・コース単位で見ると多くありません。そこでこの記事では、次の6校を「県内上位校」として取り上げます。
- 甲府市:甲府南(普通科・理数科)、甲府第一(普通科・探究科)、甲府東(普通科の中に理数コース)、甲府西(普通科・単位制)
- 富士吉田市:吉田(普通科・理数科)
- 韮崎市:韮崎(普通科・文理科)
北杜市立甲陵高校も偏差値の目安は高いものの、中学校から続く中高一貫校で、県の志願状況の集計にも入っていないため、この記事では取り上げていません。
山梨県は全県一学区なので、住んでいる場所に関係なく出願できます。入試の日程や前期・後期のしくみは、山梨県公立高校入試2027の日程と仕組みの記事にまとめています。
6校の偏差値の目安と令和8年度の志願倍率
結論として、偏差値の目安は甲府南の理数科が69〜71で最も高く、甲府第一の探究科が66〜68、甲府東の理数コースが65〜67です。倍率は理数科が高く、普通科は1倍前後の学校が多くなりました。
| 学校 | 学科 | 偏差値の目安 | R8後期 募集人員 | R8後期 倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 甲府南 | 理数 | 69〜71 | 28 | 1.32倍 |
| 甲府南 | 普通 | 60〜62 | 143 | 0.90倍 |
| 甲府第一 | 探究 | 66〜68 | 42 | 0.81倍 |
| 甲府第一 | 普通 | 57〜58 | 122 | 1.01倍 |
| 甲府東 | 普通(理数コースを置く) | 普通58〜62/理数コース65〜67 | 182 | 1.14倍 |
| 甲府西 | 普通 | 62〜64 | 141 | 0.92倍 |
| 吉田 | 理数 | 64〜66 | 34 | 1.24倍 |
| 吉田 | 普通 | 57〜59 | 140 | 0.92倍 |
| 韮崎 | 文理 | 58〜60 | 21 | 0.71倍 |
※偏差値は、民間の模試・情報サイト(みんなの高校情報、家庭教師のトライ、受験ラボ)による目安です。サイトによって2〜3違うため、幅で示しています。甲府第一の普通科は2サイトの値です。
※倍率の出典:山梨県教育委員会「令和8年度山梨県公立高等学校入学者選抜 全日制後期募集及び定時制課程の最終志願状況について」(令和8年2月26日)(公式)。倍率=最終志願者数÷後期募集人員です。甲府東は普通科1行で公表されており、理数コースを含むかは確認できていません。
※令和8年度の全日制全体は、後期募集人員3,356人・最終志願者3,037人で0.90倍でした。令和9年度の募集人員は2026年9月26日時点で未公表です。
参考までに、韮崎の普通科は募集人員126・志願者139で1.10倍でした。甲府東の1.14倍は、令和8年度の普通科で県内最高です。
後期募集の倍率は、前期募集で内定した人を除いた残りの枠に対する数字です。上位校を受ける人はもともと成績が高いので、倍率が1倍を下回っても、合格点が低くなるとはかぎりません。倍率は毎年動くので、前の年の数字だけで「受かりやすい」と決めつけないことが大切です。
Q. 理数科・探究科と普通科は、同じ学校なら併願できますか?
A. 前期募集の出願は1人1校1学科です。後期募集で同じ学校の複数の学科を志望できるかは、学校ごとの決まりがあります。10月に発表される実施要項と、志望校の資料で確認してください。
Q. 偏差値が60に届かない学校は「難関」ではないのですか?
A. 民間の偏差値は、模試を受ける人の顔ぶれで決まる目安です。県によって数字の出方がちがうので、山梨県では県内の順位で考えるほうが実態に合います。この記事の6校は、県内でも上位の学校です。
Q. 甲陵高校を受けることはできますか?
A. 北杜市立甲陵高校は中学校から続く中高一貫校で、県の志願状況の集計にも入っていません。高校から入る道があるかどうかは、学校の募集要項で直接確認してください。
令和9年度の前期募集から見る、学校ごとの特徴
結論は、前期募集は学校ごとに「前期で決まる割合」「調査書の学年比率」「特色適性検査の時間」がちがうということです。県が公表した令和9年度の選抜方法から整理しました。
| 学校 | 前期募集の割合 | 調査書の学年比 | 特色適性検査 |
|---|---|---|---|
| 甲府南 | 普通20%以内・理数30%以内 | 3学年等分 | 普通60分・理数90分 |
| 甲府第一 | 普通20%以内・探究30%以内 | 1:1:2 | 60分程度 |
| 甲府東 | 普通・理数コースとも15%以内 | 1:2:3 | 70分程度 |
| 甲府西 | 30%以内 | 1:1:2 | 条件Aで実施 |
| 吉田 | 普通30%以内・理数15%以内 | 中1〜中3の評定 | 普通60分・理数70分 |
| 韮崎 | 普通・文理とも30%以内 | 1:1:2 | 50分 |
※出典:山梨県教育委員会「令和9年度 各高校の選抜方法」「前期募集選抜方法等一覧」(公式)。学科・条件によって配分がちがいます。必ず志望校の資料で確認してください。
学校ごとの見どころ
甲府市中小河原町にある1962年創立の学校です。理数科の前期(条件A)は、調査書50・面接5・所見5・特色適性検査40の配分で、検査の比重が大きいのが特徴です。調査書は3学年を等分に評価し、条件Aでは数学・理科を2倍にします。科学技術振興機構(JST)の一覧では、SSHの「認定枠」として載っています。
甲府市美咲にある、江戸時代の徽典館に始まる伝統校です。探究科は2016年に英語科に代わって設置されました。前期は普通科(条件A)・探究科とも調査書50・面接10・特色適性検査35。令和8年度の後期は、普通科1.01倍、探究科0.81倍でした。
甲府市酒折にあり、普通科の中に理数コースを置いています。前期の調査書は学年比1:2:3で、中3の成績が中1の3倍に数えられます。理数コースは数学・理科・英語を2倍にします。令和8年度の後期は普通科1.14倍で、普通科の中で県内最高でした。
甲府市下飯田にある単位制の普通科の学校です。前期募集の割合が30%以内と大きく、条件A(特色適性検査)、条件B(特技)、条件C(個性表現)の3つの形があります。条件Aの配分は調査書45・面接20・所見5・特色適性検査30です。
富士吉田市にある学校で、理数科は1学年40名です。理数科の前期は調査書30・面接15・所見5・特色適性検査50と、特色適性検査が半分を占めます。令和8年度の後期は理数科1.24倍でした。独自の「富士山学」や富士登山強歩大会で知られます。
韮崎市にある1922年創立の学校です。前期の調査書は9教科のうち5教科を2倍、学年比1:1:2。文理科の配分は調査書50・面接15・所見5・特色適性検査30です。JSTの一覧ではSSH(令和4年度指定・Ⅲ期)として載っています。サッカー部が全国的に有名です。
表を見ると、同じ「前期募集」でも、学年比が3学年等分の学校から1:2:3の学校までさまざまです。中1・中2の成績に自信がない人は、中3の比重が大きい学校のほうが、これからの努力が反映されやすいといえます。反対に、1年生からずっと高い評定をとってきた人は、3学年を同じ重さで見る学校で強みが生きます。
前期募集は受けるべき?
前期募集で内定しなくても、後期募集でもう一度受けられます(くわしくは日程と仕組みの記事)。つまり、志望校が本当に第一志望なら、前期に出す価値があります。
- 特色適性検査の比重が大きい学科(吉田の理数科、甲府南の理数科など)は、文章や資料を読んで考える練習を秋から始める
- 調査書の比重が大きい条件(甲府南・甲府第一の条件Aなど)は、中3の評定が高い人に向く
- 前期で内定すると後期は受けられないので、第二志望の学校には出さない
後期募集の学力検査:上位校で差がつくところ
結論として、上位校を受ける人はどの教科もある程度とれるので、差がつくのは「後半の問題」と「時間配分」です。令和9年度は検査時間が変わるので、配点と時間は日程と仕組みの記事で確認してください。
- 英語:長文を読むスピードが勝負です。過去問の長文を音読し、2回目のほうが速く読めるようにします。リスニングは音声つきの過去問集で週2回。
- 数学:後半の図形・関数で何点とれるか。「5分考えて手が止まったら次へ」のルールを過去問で練習します。理数科志望は特に、最後の問題まで手をつける練習を。
- 国語:記述で書ききる力。「聞かれたことに最初の1文で答える」型は、前期の特色適性検査にも通じます。
- 理科:実験の問題で、表やグラフから考える力。計算問題は、解き方を声に出して説明できるかを確認します。
- 社会:資料の読み取りが中心です。表題・単位・年を先に見るくせをつけます。公民は10月までに1周しておきます。
使える過去問集・問題集(実在を確認したもの)
結論は、山梨県の過去問集を1冊用意し、上位層は全国版で演習量を足すのが効率的です。ここでは出版社のページで2027年度用を確認できたものだけを紹介します。
| 書名 | 出版社 | 使いどころ | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| 山梨県公立高校(リスニング音声データダウンロード付)2027年度版 | 東京学参 | 2024〜2026年度の5教科+2022〜2023年度の4教科(ダウンロード版)。解答用紙集・試験官音声タイマーつき | 1,870円 |
| 2027年受験用 全国高校入試問題正解 英語 | 旺文社 | 他県の公立入試で演習量を増やす(数学・国語・理科・社会もあり) | 3,795円 |
※出典:東京学参・旺文社の商品ページ(旺文社は2026年6月25日発売)。価格は2026年9月時点の掲載価格です。在庫・価格は変わることがあります。ほかの出版社の山梨県版2027年度用は、今回は発売を確認できなかったため載せていません。
山梨県の過去問は、まず東京学参の1冊を2周しましょう。試験官音声タイマーを使うと、本番に近い形で練習できます。同じ種類の過去問集を何冊も買う必要はありません。理数科・探究科を目指す人は、旺文社の全国版で他県の問題にもふれると、初めて見る問題への対応力がつきます。
9月から3月まで、月別の勉強法
結論は、12月までに調査書と5教科の穴を固め、前期を受ける人は面接・特色適性検査も並行、1月末からは後期の過去問中心です。日程は日程と仕組みの記事で確認してください。
| 時期 | 5教科(後期の学力検査) | 前期募集の準備 |
|---|---|---|
| 9月 | 模試の答案で苦手単元を洗い出す。数学・英語は毎日1時間ずつ | 定期テストに全力。志望校の選抜方法を読む |
| 10月 | 過去問を1年分。理科・社会は中1・中2の範囲を1周 | 特色適性検査がある学校は、文章・資料を読んで書く練習を週1回 |
| 11月 | 過去問を週1年分。まちがい直しノートを作る | 面接で聞かれそうなこと(志望理由・中学で力を入れたこと)を書き出す |
| 12月 | 過去問を週2年分。冬休みは5教科を毎日 | 前期に出すか決める。面接練習を週1〜2回 |
| 1月 | 前期の検査までは5教科を1日2時間キープ | 出願・検査。検査の翌日から後期モードへ切りかえ |
| 2月 | 過去問2周目。本番と同じ時間で通し練習を週1回 | 内定しなかった場合も、気持ちを切りかえて後期へ |
| 3月 | 新しい問題は増やさない。時間配分と見直しの順番を確認 | (後期の学力検査に集中) |
※学習量は目安です。お子さまの到達度に合わせて調整してください。
冬休みの1日の時間割(例)
| 時間帯 | 内容 |
|---|---|
| 午前(3時間) | 過去問を本番と同じ時間で2〜3教科 |
| 午後(3時間) | 午前のやり直し→残りの教科の苦手単元 |
| 夕方(1時間) | 特色適性検査の練習、または面接の答えの見直し |
| 夜(1時間) | 英単語・理社の暗記。まちがい直しノートを見返す |
※時間割は一例です。本番の時間帯に頭が働くよう、朝型の生活に整えていきましょう。
偏差値帯別の作戦
結論として、今の偏差値によって、力を入れる場所はちがいます。ここでいう偏差値は、模試での目安です。
甲府第一・吉田の普通科、韮崎の文理科などを目指す層です。まず教科書レベルの問題で失点しないことが先です。過去問で前半の小問を落としたら全部やり直しましょう。前期募集を受けるなら、調査書の比重が大きい条件を選べるかも確認します。
甲府南の普通科、甲府西、甲府東、吉田の理数科などを目指す層です。基礎はできているので、後半の問題であと1〜2問とれるかが勝負です。得意教科を2つ以上にし、前期を受ける人は特色適性検査の練習を秋から始めましょう。
甲府南の理数科、甲府第一の探究科を目指す層は、ライバルも5教科で高得点をとります。差がつくのは時間配分とケアレスミスです。新しい検査時間で過去問を解き、ミスを種類ごとに記録しましょう。旺文社の全国版で他県の難しめの問題にふれるのも有効です。
同じ学校でも、理数科・探究科と普通科では難しさも倍率もちがいます。全県一学区なので選択肢は広い一方、甲府と富士吉田・韮崎では通学時間も変わります。偏差値だけでなく、学科の中身と3年間の通いやすさも、お子さまといっしょに確かめてください。
保護者がやってはいけないNG
- 偏差値の数字1つで「無理」「大丈夫」と決める。偏差値はサイトによって2〜3違う目安です。模試の結果は、教科ごと・問題ごとの中身で見ましょう。
- 倍率が1倍未満なら安心と言う。後期の倍率は前期の内定者を除いた数字です。上位校の受験者のレベルは高いと考えましょう。
- 前期募集を「練習」として第二志望に出させる。前期で内定すると後期は受けられません。
- 過去問集を何冊も買う。同じ問題を収録した本をふやしても演習量はふえません。1冊を2周するほうが力になります。
上位校の合否は、答案の「中身」を見ると変えられます
上位校を目指す子の多くは、どの教科もそれなりにできます。だからこそ、どこで何点落としているかを答案から見つけられるかどうかで、秋からの伸びが変わります。前期募集の面接や特色適性検査も、ひとりでは直すべき点に気づきにくいものです。
エスペランサアカデミーは、完全オンラインのプロ家庭教師による1対1指導です。模試や過去問の答案を1問ずつ分析し、前期・後期の作戦づくりから、面接・特色適性検査の練習まで行います。
直近の模試や過去問の答案をお持ちください。志望校合格までに何をすればよいか、具体的にお伝えします。無理な勧誘は一切ありません。
まとめ
- 山梨県の上位校は、甲府南・甲府第一・甲府東・甲府西・吉田・韮崎。偏差値60超は理数科・探究科などが中心
- 偏差値の目安は甲府南(理数)69〜71、甲府第一(探究)66〜68、甲府東(理数コース)65〜67(民間の目安で、サイトにより2〜3違う)
- 令和8年度の後期倍率は甲府南(理数)1.32倍が県内最高、吉田(理数)1.24倍、甲府東(普通)1.14倍
- 前期募集は学校ごとに割合・学年比・特色適性検査がちがう。甲府東は学年比1:2:3
- 前期で内定すると後期は受けられない。前期は第一志望に出す
- 過去問集は1冊を2周。上位層は全国版で演習量を足す


