結論
塾の宿題は全部やる前提で組まれていません。秋からは「全部やる」をやめて、やる順番を決めるのが正しい対応です。
大手塾の教材は、上位から下位まで幅広い層に配られます。全員が全部を消化できる分量にはなっていません。問題は量そのものではなく、どれを削るかを決めないまま、できるところから手をつけている状態です。それでは毎週、簡単な問題だけが終わります。
この記事でわかること
- 宿題が回らなくなる3つの原因
- 削ってよい問題と、絶対に残す問題の見分け方
- 教科別の優先順位のつけ方
- 塾に相談するときの伝え方
- 保護者がやってはいけないこと
秋に宿題が回らなくなる3つの原因
原因1:過去問という新しい負荷が加わった
9月からは、これまでの通常授業と宿題に加えて過去問演習が乗ります。1年分を解いて直すには数時間かかります。総量が増えたのに、1週間の時間は変わっていません。回らなくなるのは当然で、本人の怠慢ではありません。
原因2:やる順番が「簡単な順」になっている
時間が足りないと、人は終わらせやすいものから手をつけます。結果、漢字や計算は毎週終わり、点差がつく応用問題だけが毎週残ります。取り組んだ時間は同じでも、得点は動きません。
原因3:直しの時間が計算に入っていない
宿題を「解く時間」だけで見積もると、必ず足りなくなります。間違えた問題をもう一度解く時間まで含めて、はじめて1週間の予定になります。直しを入れると、解ける問題数は想定の6〜7割に落ちます。最初からその前提で組みます。
削ってよい問題・絶対に残す問題
削ってよい
- すでに正解できている問題の解き直し
- 志望校で出題されない形式・単元(過去問で確認できます)
- 難度が高すぎて、解説を読んでも理解できない問題
- ノートをきれいに清書する作業
絶対に残す
- 間違えた問題の直し(やらないと、解いた時間が無駄になります)
- 「あと少しで解けた」問題(ここが一番伸びます)
- 志望校で毎年出る単元の演習
- 毎日の計算と漢字(短時間で終わる分、削る意味も小さい)
判断の軸は「志望校の過去問に出るかどうか」です。過去問を1年分でも解いていれば、出る単元と出ない単元の見当がつきます。まだ解いていない場合は、先に1年分を解くと、削る判断ができるようになります。
「終わらない」の中身は、3つに分かれる
同じ「宿題が終わらない」でも、原因によって打つ手がまったく違います。まずどれに当てはまるかを見てください。
タイプ1 量が本当に多すぎる
机に向かっている時間は十分なのに終わらない場合です。この場合は、削る判断をするしかありません。本人の努力では解決しません。
タイプ2 1問にかかる時間が長すぎる
分からない問題を10分も20分も考え込んでいる場合です。5分考えて手が動かなければ解説を読むと決めるだけで、消化量は大きく変わります。
タイプ3 取りかかるまでが長い
机に着くまでに時間がかかるタイプです。量を減らしても解決しません。やる問題を前の晩に決めておくと、迷う時間が消えます。
秋以降に多いのはタイプ1とタイプ2です。とくにタイプ2は、本人は真面目に取り組んでいるぶん見落とされがちです。1問あたりに何分かけているかを、一度だけ横で見て測ってみてください。
教科別の優先順位
| 教科 | 秋に優先すること | 後回しにしてよいこと |
|---|---|---|
| 算数 | 間違えた問題の解き直し、頻出単元の演習 | 最難関レベルの発展問題 |
| 国語 | 記述の書き直し、漢字・語句 | 読書量を増やす取り組み |
| 理科 | 志望校で頻出の分野、計算系の反復 | 出題実績のない分野の深掘り |
| 社会 | 毎日の短時間の確認、時事の基本 | 細かすぎる知識の暗記 |
※志望校の出題傾向によって優先順位は変わります。上表は一般的な目安です。
迷ったときの原則は「算数の直しを最優先、社会は毎日短く」です。算数は1問の配点が大きく、直しに時間がかかります。社会は短時間で積み上がるので、まとめてやるより毎日少しずつのほうが定着します。
今週からできる4ステップ
ステップ1 1週間に使える時間を、実際に数える
塾・学校・移動・睡眠・食事を引いて、残りが何時間かを書き出します。だいたいで考えると必ず足りなくなります。
ステップ2 宿題を「必ずやる/余裕があれば/今回は飛ばす」の3つに分ける
その週ごとに印をつけます。判断の軸は志望校の過去問に出るかどうかです。
ステップ3 「必ずやる」の時間を先に確保する
残った時間で応用をやるのではなく、応用の時間を先に押さえます。順番を逆にすると、また簡単な問題だけが終わります。
ステップ4 飛ばした問題を記録しておく
消すのではなく、印を残します。冬休みにまとめて戻れるようにするためです。
POINT 塾に相談するときの伝え方
「宿題が多すぎます」ではなく、「今週はここまでしか終わりませんでした。どれを優先すべきですか」と、実際にやった範囲を示して聞くのが効果的です。担当の先生は、その子の状況に合わせて優先順位を示せます。量そのものへの不満として伝えると、話が前に進みにくくなります。
保護者がやってはいけない3つのこと
NG1 終わっていない量を毎日確認する
残量を数えられると、本人は「終わらせること」を目的にします。確認するなら、何ができるようになったかです。
NG2 睡眠を削って終わらせる
秋以降に睡眠を削ると、授業中の集中が落ちて翌週にしわ寄せがきます。削るのは宿題であって、睡眠ではありません。
NG3 親が答えを写させて提出させる
提出物として体裁は整いますが、塾側が本人の理解度を把握できなくなります。できなかったものは、できなかったまま出すほうが有益です。
「どれを捨てるか」は、外から見たほうが決めやすい
削る判断には、志望校の出題傾向と、その子が今どこでつまずいているかの両方が必要です。ご家庭だけで決めると、どうしても「全部やらせたほうが安心」に傾きます。
エスペランサアカデミーは、完全オンライン・全国対応のプロ家庭教師センターです。1対1の指導で、塾の教材と過去問を突き合わせ、その週にやるべき問題を具体的に指定します。塾と併用し、算数の直しだけを見るといった使い方にも対応しています。
秋の全体の進め方は小6の秋の過ごし方、過去問の点数の見方は合格者平均に届かないときの判断ライン、塾との併用は中学受験は塾だけで足りる?をあわせてご覧ください。
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まとめ
- 塾の宿題は全員が全部やる前提では作られていない。削る判断は必要な作業
- 削ってよいのは「できている問題」「志望校に出ない単元」「解説を読んでも分からない問題」
- 残すのは「間違えた問題の直し」と「あと少しで解けた問題」
- 直しの時間を入れると、解ける量は想定の6〜7割。最初からその前提で組む
- 塾には「終わった範囲」を示して、優先順位を聞く
秋にやることは、量を増やすことではありません。同じ時間で、点差のつく問題に手が届くようにすることです。
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