都立の自校作成問題とは?共通問題との違いと9月からの教科別対策【難関都立】

都立の自校作成問題とは?共通問題との違い|9月からの教科別対策【難関都立】受験情報
結論:自校作成校の合否は「共通問題の延長線上」では決まりません
日比谷・西・国立などの難関都立は、国語・数学・英語が学校ごとに作られた独自問題です。共通問題で90点を取れる力があっても、自校作成問題では50点台に沈むことがあります。求められている力が違うからです。9月は、その差を埋める作業に着手できる最後のまとまった時期です。

この記事では、都立高校の自校作成問題とは何か、共通問題と具体的に何が違うのか、そして中3の9月から入試当日までに何をどの順番でやるべきかを、教科別に整理します。

この記事でわかること
  • 自校作成問題を実施している学校と、対象になる教科
  • 共通問題とレベルではなく「質」がどう違うのか
  • 国語・数学・英語それぞれの攻略の型
  • 9月から入試までの3ステップの進め方
  • 受験生がやりがちな、伸びない対策のNG例

自校作成問題とは? 都立入試の「もう一つの入試」

都立高校の一般入試は、多くの学校が東京都が作る共通問題を使います。一方、一部の進学校は国語・数学・英語の3教科について学校が独自に作成した問題を使います。これが自校作成問題です。理科・社会は自校作成校でも共通問題が使われます。

教科自校作成校での扱い
国語・数学・英語学校独自の問題(難度・形式が大きく異なる)
理科・社会都立共通問題

自校作成問題を実施している主な学校

進学指導重点校(7校)
日比谷・戸山・西・青山・八王子東・立川・国立。都立のトップ層が集まるグループで、独自問題の難度も高く設定されています。
進学重視型単位制・国際
墨田川・国分寺・新宿、および国際高校でも独自問題が使われています(国際は英語で特徴的な出題があります)。
POINT 自校作成校を志望するなら、志望校の過去問こそが最重要の教材です。学校ごとに出題の癖が違うため、「都立対策」とひとくくりにした勉強では的が外れます。進学指導重点校の内申と当日点の仕組みも合わせて確認しておきましょう。

共通問題と何が違うのか 差がつく3つの理由

理由1:問われているのが「処理速度」ではなく「思考の過程」

共通問題は、教科書の内容を正確に、速く処理できるかを見る設計です。対して自校作成問題は、初めて見る素材を読み解き、自分で筋道を立てて説明できるかを見ます。同じ「数学」でも、解法を思い出す試験から、解法を組み立てる試験に変わります。

理由2:記述の比重が圧倒的に大きい

自校作成問題では、国語の200字前後の作文・論述、数学の証明や説明、英語の自由英作文など、自分の言葉で書かせる設問の配点が高くなります。選択肢を絞る力ではなく、白紙から答案を組み立てる力が必要です。ここは独学で最も伸ばしにくい領域です。

理由3:時間内に全問解き切れる設計になっていない

分量が多く、全問を丁寧に解こうとすると時間が足りません。どの問題を捨て、どこで点を積むかという戦略が得点差に直結します。実力があっても順番を誤れば崩れる、という性質を持っています。

POINT つまり自校作成対策とは「共通問題を難しくした練習」ではなく、読む・書く・捨てるの3つを鍛え直す作業です。取り組む中身を切り替える必要があります。

教科別・自校作成問題の攻略ポイント

国語|評論と作文で決まる
素材文が長く、抽象度の高い評論が中心です。設問は傍線部の理由説明や、筆者の主張を自分の言葉でまとめる論述が多くを占めます。
やること:①段落ごとに「筆者は何を否定し、何を肯定しているか」を一文でメモしながら読む訓練。②論述は必ず添削を受け、書き直しまでを1セットにする。書きっぱなしでは伸びません。③200字作文は型(主張→根拠→具体例→再主張)を先に固定し、中身だけ差し替える練習に切り替える。
数学|大問1で落とさず、大問2以降は部分点を取り切る
大問1の小問集合は比較的取りやすく、ここは全問正解が前提です。勝負は関数・平面図形・空間図形の後半で、完答よりも部分点の積み上げが現実的な戦い方になります。
やること:①証明は「仮定を書く→根拠となる定理名を書く→結論」の骨格だけでも必ず書く。②図形は補助線のパターンを、解けた問題からノートに蓄積する。③解けなかった問題は、解説を読む前に「どこまで進んだか」を言語化してから答えを見る。
英語|長文の量と、自由英作文の精度
語数の多い長文と、条件付きの自由英作文が中心です。時間内に読み切る速度と、文法的に正確な英文を自分で作る力の両方が要求されます。
やること:①長文は毎日1題、時間を計って読む。日を空けると速度はすぐ落ちます。②自由英作文は、難しい構文を狙わず減点されない平易な英文で書き切る方針に統一する。③リスニングは共通問題と同形式なので、ここは安定して満点を狙う。
POINT 理科・社会は共通問題です。自校作成3教科で差が縮まりにくい以上、理社を高得点で固めることが合格の下支えになります。ここを軽視して3教科だけに時間を注ぐのは危険です。

9月から入試当日までの3ステップ

19月〜10月:志望校の過去問を1年分だけ解き、現在地を測る
いきなり量をこなさず、まず1年分を時間を計って解きます。目的は点数ではなく失点の種類を知ることです。「時間が足りなかった」「書けたが的外れだった」「そもそも読めなかった」のどれかで、次にやるべきことは全く変わります。ここを飛ばして問題集を増やすと、9月から12月を丸ごと無駄にします。
210月〜12月:弱点別の集中演習と、記述の添削サイクル
過去問で見えた弱点に絞って演習します。同時に、国語の論述・数学の証明・英作文について週に数本は必ず第三者に添削してもらう体制を作ります。自己採点だけでは、自分の答案が採点者にどう読まれるかがわかりません。この時期の内申対策と両立させる進め方は中3秋(9月〜12月)の学習計画も参考にしてください。
31月〜2月:過去問を年度順に通し、時間配分を固める
複数年度を本番と同じ時間・同じ順番で解き、どの大問に何分使い、どこを捨てるかを体に入れます。併願校の過去問もこの時期に組み込みます。新しい問題集に手を出すのではなく、これまで解いた問題の解き直しに比重を移す段階です。

自校作成対策でやりがちなNG

NG 共通問題の過去問ばかり解いて安心する。共通問題で高得点が取れることと、自校作成問題で戦えることは別物です。9月時点で共通問題が仕上がっているなら、志望校の過去問に軸足を移すべきです。
NG 記述を書きっぱなしにする。模範解答と見比べて「だいたい合っている」で終わらせると、減点される癖が最後まで直りません。書く→添削→書き直すまでが1セットです。
NG 難問だけを追いかける。合否を分けるのは超難問ではなく、多くの受験生が取れる標準問題を確実に取り切れるかです。捨て問の見極めができないまま難問に時間を溶かすのは、最も多い失敗です。
NG 内申対策を後回しにする。都立入試は内申と当日点の合算です。2学期の成績はそのまま出願に使われます。内申点の計算方法を理解した上で、定期テストにも計画的に時間を割いてください。

自校作成対策が独学で難しい理由

自校作成問題の中心は記述です。記述は、採点者の視点を知っている人に読んでもらわないと精度が上がりません。自分では書けたつもりの答案が、実際には設問の要求に答えていない、根拠が欠けている、字数配分を誤っている——こうしたずれは自己採点では見つけられないからです。

また、志望校ごとに出題の癖が違うため、「日比谷型の数学」「西型の国語」といった単位で対策を組み替える必要があります。集団指導では、都立全体に向けた平均的な対策になりやすく、志望校の癖まで踏み込みにくいのが実情です。

エスペランサアカデミーは、完全オンラインのプロ講師による1対1の指導を行っています。学生アルバイトではなく指導を職業とする講師が、志望校の過去問を軸に、記述答案を一枚ずつ添削しながら「なぜ点が来ないのか」を具体的に言語化してお返しします。全国どこからでも受講でき、対象は小3〜高3、中学受験・高校受験・大学受験に対応しています。

お子さまの答案を見て、いまどの段階にいるのか、何から手をつければ間に合うのかをお伝えするところから始められます。詳しくは高校受験にオンライン家庭教師は効果的?もご覧ください。

まずは無料の体験授業で、答案を見せてください
志望校の過去問を1問お持ちいただければ、その場で「どこで点を落としているか」をお伝えします。初回の体験授業は無料、しつこい勧誘は一切ありません。

まとめ

  • 自校作成問題は国語・数学・英語の3教科。理科・社会は共通問題。
  • 共通問題との違いは難度ではなく、思考の過程を書かせること時間内に全問解けない設計
  • 9月は「まず過去問1年分で現在地を測る」ことから始める。
  • 記述は添削と書き直しまでを1セットにしないと伸びない。
  • 理科・社会の共通問題を高得点で固めることが合格の下支えになる。

9月から入試まで、実際に対策に使える時間は限られています。何を捨てて何に集中するかを早く決めた受験生から、着実に得点を伸ばしていきます。

タイトルとURLをコピーしました