【学校紹介】早稲田中学校

1895年、大隈重信の教育理念に基づき坪内逍遥を中心に中学校を創立。1979年から早稲田大学の系属校と成る。早稲田の附属•系属の中では最も古い伝統を誇る。「誠・個性・優秀有為の人材」をテーマに、自立心を育てるとともに個性を伸ばし、国家や社会に貢献できる人材の育成を目指している。

目次

環境

二号館(中学棟)は2000年完成で新しく綺麗。6つの理科実験室や多目的教室などが完備されている。
図書館は蔵書6万冊で、調べ学習、個別学習に活用できる。50台のノートパソコンが導入され、情報センターとしても活用されている。食事は弁当持参を推奨しているが、100名程度収容できる食堂もある。飲み物の自販機もある。
興風館(体育館)は1階は柔道・剣道場で、2階はバスケ、バレーに使えるアリーナである。4月から11月まで使える屋内温水プールもある。

授業

高校募集をしない完全中高一貫校である。担当教師は6年間持ち上がり制が原則。6年間を3つの時期に分け、中1〜中2を生活習慣と基礎力養成期、中3〜高1を実力養成期、高2〜高3を応用力完成期と位置付けている。授業は進度が速く、主要教科では中3で高校内容に入る先取り学習を導入。教材もオリジナルの練りこまれたものを使用している。数学は数Ⅰ・数A、国語は古文、理科は生物・地学、社会は世界史の一部を中学で学習する。

英語は中高一貫用テキストを使用し、中2~高2まで少人数の英会話の授業がある。数学は中3で高1内容を終わらせ、高2で教科書内容を終了させる。英数の授業は非常に速く、随時小テストを行って学力チェックをしている。英数は既習内容については振り返ることなくひたすら進んでいく。成績不振者対象には、放課後に指名制の補習を行っている。
また理社は体験学習に力を入れており、中1社会では約60のグループに分かれて、鎌倉へ野外研修を行い、レポートで発表する。中3理科では長瀞で地層の研究などの地学実習を行う。

対策・傾向

算数

早稲田の算数は、年度によって難度に差があります。合格者平均点が30~40点台の間で毎年変動しており、注意が必要です。

とはいえ、基礎・基本レベルの問題が中心で、試験時間50分に対し、設問が15題前後と、問題量が極端に多いということもありません。グラフや出題の仕方が少し目新しい出題もあるものの、基本的には、中学入試でよく見られる問題ばかりです。
普段から計算問題にあたって正確な計算力を身につけることや、基礎的な公式を網羅しておくことが必要です。

例年、大問1の小問集合では、特殊算や数の性質、条件の整理が出題されています。
特殊算の出題傾向を見ると、「速さ」の出題が比較的多くなっている他にはあまり偏りがなく、バランス良く出題されているので、さまざまな種類の特殊算に触れておくことが求められます。

応用問題では、「図形問題」の比重が大きいのが特徴です。ほぼ毎年4題以上出題され、特に「求積問題」がよく出されます。
しかも、最近は立体図形の分割の問題など、あっさりとは解けない問題が増えているので、よりいっそう、重点的な対策が必要です。

国語

早稲田中学の国語は、例年、読解問題が2題という構成で、小説から1題、説明文もしくは随筆文から1題という出題す。設問数は15問前後で、問題量と試験時間のバランスは取れていると言えるでしょう。解答形式は、記号選択や書きぬきが中心ですが、記述問題も2、3問出題されています。

引用文が7000字前後と、やや長めの文章となっているのが特徴です。
そのため、長文問題を正確に素早く理解することが求められます。設問の量が平均的な分、「普段から読書をしてスピードを高めること」や、「長文から要旨を正確につかむ読解力」が重要になります。

他校の国語では、点数の稼ぎどころとなる「漢字の書き取り」ですが、早稲田の場合、油断はできません。なぜなら、「娯楽」「弾圧」といった、小学生にはあまり馴染みがなく、レベルの高い問題が出題されるからです。「漢字の書き取り」で点数を落とさず、合格するためには、高度な語彙力を身につけておくことも必要になります。

早稲田の国語で合格点を取るための最大のポイントは、「できるだけ多様な問題文や設問に触れておくこと」です。そのため、まずはジャンルを問わずいろいろな文章を読んで読解力を高め、そして過去問などを利用して「国語力」を育むことが求められます。早稲田の場合、難解な文章を読みこなせることは必要ないので、標準レベルの長めの文章をたくさん読み、設問に偏りのない他校の過去問などを活用して、できるだけ多くの問題に触れておきましょう。

また、選択問題が多く出されるのが特徴です。対策をする際には、「選択問題の選択肢の数が多い」ことに注意が必要です。過去には「7つの選択肢の中から正解を3つ選ぶ問題」が出題され、精密な読解力が問われました。また、「不適当なものを選ぶ問題」が出題されることもあります。
普段の演習でも、消去法を使うなどして「この選択肢はここが違う」といえる根拠を必ず確かめるようにしていきましょう。

「語句・慣用句」に関する問題も多くなっています。たとえば、「『すっと背筋が冷たくなった』理由」を選ぶなど、語句の意味に関する問題や、「空欄に当てはまる慣用句・言葉」を選択する問題が出題されています。問題集などを使って、語彙力と頻出分野の知識を定着させ、過去問を活用して、問題形式に慣れておくことがポイントです。

また、「指示語」に関する出題も多くなっています。「傍線部の直前を探す」など、「指示語の内容の探し方」を身につけておきましょう。

記述問題の対策も忘れてはいけません。20字前後の短文完成形式の記述がよく出題されています。また、物語文では、50字程度で心情を問う記述問題が頻出です。
比較的時間に余裕のある試験なので、「主人公の気持ちが変化しているところに線を引く」「接続詞に丸をつける」など、読解のテクニックを使いながら要点を読み取ることができるはずです。
あとは、読み取った要点を「分かりやすく、過不足なくまとめる練習」を重点的にしておきましょう。

理科

早稲田中学校の理科は、ここ数年、大問4題で、地学、物理、化学、生物から1題ずつ、まんべんなく出題されています。解答形式はほとんどが記号の選択と語句の記入で、記述式の問題はほとんどありません。

試験時間30分に対し、設問数が例年20題以上とやや多く、1問1分程度で解くスピード感が求められます。しかも、生物や物理では計算問題も出題されるので、時間配分を意識して解いていく力も必須になります。実際に過去問を解いて、スピードと時間配分の感覚を把握しておくことが求められます。

問題の内容を見ると、ほとんどが、中学入試でよく出されているテーマが取り上げられており、「目新しい問題」や「聞き慣れないテーマの問題」は、基本的に出題されません。
ですので、マニアックな知識を追求するよりも、授業で学んだ基礎的な知識を確実に固めておくことが重要です。

社会

早稲田中学の社会は、大問3題で、3分野から1題ずつの出題構成で、問題数は15題前後と、それほど多くありません。解答形式は、記号の選択と用語記入が中心です。
しかし、試験時間30分の中で、説明文や資料をみて解く必要があるため、多くの情報を整理しながら素早く解き進める必要があります。また、問題自体の難易度もそれほど高くありません。基本的な知識を基にした問題が多くなっています。
一方で、総理大臣在職日数順の並び替え問題、うどんの名産地とその地域で開催されている祭りを両方知らなければ解けない問題など、単なる暗記だけで手ごわい、一般常識を問うような問題も見られます。そのため、あやふやな解き方では得点できません。知識の正確性が合否を分けることになります。

また、「当時の社会情勢を反映した文章を読み解く問題」や、「問題文を読んで地形をイメージさせる問題」なども出されます。
それほど複雑な文章が出されることはありませんが、文章を読んで状況や場面をイメージできる一定レベルの読解力は必要です。

 

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