志望校の傾向に注目! 記述と時事もはすせない
最新理科入試傾向
最近の理科の入試問題は, どの分野でも単なる知識の暗記で答えられる問題は減り,データからの読み取りや実験観察からの考察によって答えを求めるという形が増えてきました。また理科的なことがらに対する興味
関心の度合いを測る「身の回りの理科」「時事的な理科」がたくさん出題されるようになってきています。さらに付け加えるならば記述問題が頻出していることです。こうした傾向は,男子校・女子校ともにみ
られ,今後も続くと思われます。
理解すれば覚えるのは楽
月の満ち欠けの問題では天体が苦手な人はどうしても暗記にたよってしまいます。「満月は夕方,東からのぽって…」「三日月は夕方,南西の空にあって…」そのときは答えられますが,時間がたっと忘れてしまいます。そうなると「わかっていたのにできなくなった」「また覚えなくてはいけない」となります。しかし実は,「わかっていなかった」のです。理科では,覚えなくてはならないことは確かにありますが,原理原則やしくみを理解してしまえば,覚えることはずっと少なくなります。そして幅が広がり,応用もきくようになります。左下の図で,観察時刻と地球からの月の見え方が理解できたなら,金星や火星の問題も簡単にできます。なお, どうしても覚えなければならない暗記物は,関係のあるものを「セット」で覚えるのがコツです。たとえば「冬の星座」は代表的な5つをセットにして覚えておけば
ほとんどの場合対応できます。
早いうちに志望校の傾向をつかめ
現在みなさんには,いくつかの志望校があると思います。まず対戦相手を知らなくてはなりません。もちろんまだ学校が決まっていないという人も大勢いると思いますが,第一志望またはそれに近い学校はあるはずです。それらの学校の入試問題を,今は解かなくても,パラパラと見ておくことが必要です。「この学校は天体がよく出る」「植物は細かい
ところまできいてくる」「電流の複雑な問題が出る」などと知っていれば今後の学習でどこに力を入れればよいのかがハッキリしてきます。また,その学校に合格するには避けられない問題があることを知ることになります。そうすれば嫌い,面倒,難しいなどといって投げてしまいがちな問題も必然的にやることになります。これは,その学校に向けて
の穴を少なくすることにつながります。
理科の計算は「比」が大切
理科の計算問題に使われる算数は,おもに正比例と反比例です。夏休みが終わるころにはこの分野の算数の力は以前よりもついてくるので,以前できなかった問題も解けるようになるはずです。しかしこの分野は,すぐに力がつくというものではないので,理科の計算問題がどうも苦手という人は,学習計画を立てるさい,理科の計算問題の練習を夏休み
後に多くするのもひとつの方法です。
苦手分野を集中攻撃
理科はさまざまな分野をもっている教科です。したがって, どうも苦手だ…という分野があっても不思議ではありません。ここで重要なのは,まず自分の弱点(嫌い,苦手な分野)をはっきりさせることです。そして苦手を箪巌する計画を立てます。ずばり「短期集中」。期間を1週間か2週間と決めます。入試問題を使い, 自分の苦手な分野の問題をいちがろいろな学校の違う年度から選んで解いてみるのがいいでしょう。自分が何がわかっていなくて苦手だったのか,浮き彫りになってきます。「苦手」を「切り札」にするのも夢ではありません。
「記述」は短時間で仕上げられる
最近,記述問題が増えています。では国語の苦手な生徒は記述をどうすればいいのかと質問されますが,理科は国語ではないのです。まず思いきって書いてみることです。ふだん記述に慣れていない人が,急に入試のとき書けるようにはならないのですから。さて,記述の練習のとき気をつけるのは,採点を自分でしないで先生に見てもらうことです。自分で採点すると,正解だと思って書いているのですから,正解と似た表現があればマルをつけてしまいがちです。先生に採点してもらえば「この記述のどの部分がまずいのか」を指摘してもらうことができます。そういう練習を重ねれば,理科の記述は短期間に仕上がります。また,「私の受験する学校は記述がないから」と安心してはいけません。今年まで出ていなくても,来年の入試には出題されるかもしれないのです。
「時事問題」はここ2年
典型的な問題に加え,時事問題を出す学校が多くなりました。ここ数年では国際宇宙ステーションと日本人宇宙飛行士,さまざまな宇宙探査, 日食・月食などの天体ショー,地球の温暖化や酸性雨などの環境問題といったところでしょうか。このような問題は最近2年間から出題されることが多いようです。ですから今年だけでなく昨年のことにも注意が必要です。社会的な重大ニュースの中で理科に関係のあることがらをしっかりつかんでおきましょう。自分で何が重要か判断がつかなければ,先生に何を覚えればよいのか質問してください。これについては覚えるのにそんなに時間はかかりません。12月に4~5日あれば十分覚えられるはずです。これが暗記の総仕上げ,最後の得点の積み上げと思ってやりましょう。
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