早慶附属を志望するご家庭から、必ずと言っていいほどいただくご質問があります。「5校のうち、どこがいちばん受かりやすいですか」というものです。
結論から申し上げると、「どこが受かりやすいか」で選ぶと失敗します。ただし、質問の背後にある不安は正しいものです。この記事では、その不安に答える形で整理します。
① 5校は入試の性格が違うため、「どこが簡単か」ではなく「どこが自分に合うか」で決まります。
② 同じ偏差値帯でも、得意科目によって受かりやすさは逆転します。
③ 決め方は「偏差値表を見る」ではなく「過去問を1年分ずつ解いてみる」です。
「受かりやすい学校」という考え方が危ない理由
偏差値表を見て、いちばん数字が低い学校を第一志望にする。この決め方をすると、入試問題との相性を無視することになります。
早慶附属は、5校とも同じような難度帯に見えます。しかし問題の作りがそれぞれ違います。記述が多い学校、処理量が多い学校、英語の比重が大きい学校。得意不得意によって、同じ生徒でも合格可能性は変わります。
偏差値だけで「ここが一番入りやすい」と決め、過去問を秋に初めて解いて相性の悪さに気づく。この時点で志望校を変えると、それまでの対策が無駄になります。
得意科目で、向く学校は変わります
「受かりやすさ」を考えるなら、偏差値ではなく自分の得意がどこで効くかで見てください。判断の軸は3つです。
| 記述が書ける | 記述の配点が大きい学校 | 過去問で記述の分量を数える |
| 処理が速い | 問題数が多く時間が厳しい学校 | 制限時間あたりの設問数を見る |
| 英語が得意 | 英語の難度が高い学校 | 長文の語数と英作文の有無を見る |
| 算数・数学が得意 | 数学で差がつく学校 | 大問構成と誘導の有無を見る |
記述が得意な生徒と、処理が速い生徒。同じ模試の偏差値でも、受ける学校によって合格可能性は逆転します。だから「どこが受かりやすいか」は、生徒ごとに答えが違います。
5校それぞれの校風と入試の違いは早慶附属・系属高校5校を徹底比較で詳しく整理しています。
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決め方は「過去問を1年分ずつ解く」だけ
相性を知るのに、模試の判定は使えません。実際に問題を解くのがいちばん速く、いちばん確かです。
手順1|9月に、気になる学校を1年分ずつ解く
点数は気にしません。見るのは「最後まで到達できたか」「手が止まったのはどこか」の2点だけです。この段階では合格点に届かなくて当然です。
手順2|解いた直後の感触を記録する
「時間が足りなかった」「何を聞かれているか分からなかった」「知識が抜けていた」。この3つのどれだったかを学校ごとにメモします。時間不足なら対策で埋まります。設問の意図が読めないなら、相性が悪い可能性があります。
手順3|第一志望を決め、残りは併願に回す
解いてみて手応えがあった学校を第一志望にします。偏差値表ではなく、自分の答案で決めるということです。残りは併願候補として日程を組みます。
この時期に本格的な過去問演習を始めてはいけません。まだ習っていない単元が混ざるため、実力が正しく測れないからです。あくまで「相性を見るために1年分だけ」に留めてください。本格的な演習開始時期は早慶附属の過去問はいつからで解説しています。
内申は、どこまで関係しますか
早慶附属を目指すご家庭から、内申についてのご質問もよくいただきます。ここは受験方式によって扱いがまったく違うため、先に整理しておきます。
| 一般入試 | 当日点が中心 | 過去問と科目対策に全振りできる |
| 推薦・自己推薦 | 基準内申が設定されることがある | 中3の1学期までに内申を作る必要がある |
| 帰国生入試 | 出願資格の条件が別に定められる | まず資格を満たすか確認する |
内申が足りないことを理由に早慶附属をあきらめるご家庭がありますが、一般入試であれば当日点で勝負できます。秋の時点で内申が確定していても、やることは変わりません。
※入試方式・出願資格・基準内申は学校ごとに異なり、年度によっても変わります。必ず各校公式サイトの募集要項でご確認ください。
よくいただく質問
Q. 結局、5校でいちばん入りやすいのはどこですか?
一律の答えはありません。記述が得意な生徒と処理が速い生徒では、答えが変わるからです。過去問を1年分ずつ解けば、その生徒にとっての答えが出ます。
Q. 5校すべて受けたほうがよいですか?
おすすめしません。試験日が近いと体力が持たず、対策も分散します。第一志望を決めて、併願は3〜5校に収めるのが現実的です。組み方は早慶附属の併願戦略にまとめています。
Q. いま偏差値が届いていません。間に合いますか?
9月時点の判定は、まだ範囲が終わっていない科目を含んだ数字です。判断の基準は模試でE判定・D判定…志望校は下げるべき?をご覧ください。
Q. 塾に通っていれば足りますか?
集団授業は進度を合わせる場なので、「この生徒はどの学校と相性がよいか」までは見ません。答案を1枚ずつ読んで判断する作業は、別に用意する必要があります。
まとめ
・「どこが受かりやすいか」は生徒によって答えが違う
・偏差値ではなく、得意科目がどこで効くかで見る
・決め方は過去問を1年分ずつ解いて感触を記録すること
・9月は相性を見るだけ。本格的な演習は11月から
・一般入試なら、内申が足りなくても当日点で勝負できる
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