最終更新:2026年9月/広島県教育委員会「令和9年度広島県立高等学校入学者選抜の基本方針」、同「令和9年度広島県公立高等学校入学者選抜の実施内容」(2026年8月17日)などをもとに作成。最新の情報は必ず県教育委員会・各高校の公式資料でご確認ください。
2027年春(令和9年度)の広島県公立高校入試は、一次選抜の学力検査・自己表現が2月24日(水)〜26日(金)、合格発表が3月8日(月)です。制度の骨組みは前の年と変わりません。
合否は学力検査(5教科250点)・調査書(225点)・自己表現の3つで決まります。定員の半分までは学校ごとに比重を決める「特色枠」、残りは全校共通で6:2:2の「一般枠」です。中3の成績は3倍になるので、9月からの2学期の評定がとても大切です。
- 2027年度(令和9年度)入試の日程(出願・志願変更・検査・合格発表・二次選抜)
- 一次選抜の3つの検査:学力検査250点・調査書225点・自己表現
- 特色枠と一般枠のちがい、6:2:2の意味を計算例で
- 調査書(内申)の計算のしかたと、中3の評定が3倍になる影響
- 自己表現で何を話すのか、県が示している評価の観点
- 令和9年度の変更点と通学区域
- 中3が9月から3月までにやること、保護者のNG
広島県の公立入試は「一次選抜」と「二次選抜」の2つです
広島県の公立高校入試は、主に一次選抜と二次選抜の2つです。ほとんどの受験生にとって、本番は一次選抜です。二次選抜は、一次選抜で定員に届かなかった学校が行う「二次募集」です。
今の仕組みは、令和5年度(2023年春)の入試から始まりました。一次選抜の中に「特色枠」と「一般枠」という2つの合格の決め方があります。
| 区分 | どんな選抜か | 検査 |
|---|---|---|
| 一次選抜 | 学力検査を行う選抜。多くの受験生の本番 | 学力検査・調査書・自己表現(学校によって独自検査) |
| 二次選抜 | 一次選抜で定員に満たない学校の二次募集 | 調査書・自己表現(学校によって独自検査)。学力検査はなし |
※出典:広島県教育委員会「令和9年度広島県立高等学校入学者選抜の基本方針」、同「令和9年度広島県公立高等学校入学者選抜の実施内容」。
令和9年度に一次選抜・二次選抜を行うのは、公立100校162学科・コース(県立90校143学科・コース、市立10校19学科・コース)です。そのうち103学科・コースが特色枠を設けます。
※出典:広島県教育委員会「令和9年度広島県公立高等学校入学者選抜の実施内容」(報道提供資料、2026年8月17日)。
一次選抜では、全員が学力検査を受け、自己表現もするのが広島県の特徴です。そのため、学力と内申と自己表現の3つを、同時に準備する必要があります。
2027年度(令和9年度)入試の日程
一次選抜の出願登録は1月21日(木)から、検査は2月24日(水)〜26日(金)、合格発表は3月8日(月)です。日程は県教育委員会から公表済みです。
| 区分 | 日程 |
|---|---|
| 一次選抜 出願登録 | 2027年1月21日(木)〜2月2日(火)16時 |
| 志願変更 | 2月10日(水)〜2月17日(水)正午 |
| 学力検査・自己表現等 | 2月24日(水)〜2月26日(金) |
| 追検査 | 3月3日(水) |
| 一次選抜 合格発表 | 3月8日(月) |
| 二次選抜 出願 | 3月11日(木)〜3月15日(月)正午 |
| 二次選抜 自己表現等 | 3月16日(火) |
| 二次選抜 合格発表 | 3月17日(水) |
※出典:広島県教育委員会「令和9年度 公立高等学校日程(広島叡智学園高等学校を除く。)」、リセマム(2026年5月18日)、進研ゼミ高校入試情報サイト。全日制(併設型高校を除く)の日程です。広島みらい創生高校の二次選抜は3月23日〜24日の別日程です。
3日間のうち、どの日に何をする?
令和8年度(2026年春)の例では、1日目が学力検査、2日目が自己表現、3日目が予備日(志願者が多い学校は3日目も自己表現)でした。ここからは推測ですが、2027年も同じ形になる見込みです。正確な割り振りは、各高校が出す実施要項で確かめてください。
※出典:広島県立広島国泰寺高等学校「令和8年度 入学者選抜一次選抜実施要項」。令和9年度の各校の要項は未確認です。
併設型の広島高校・三次高校は日程が早くなります
中高一貫の併設型高校(県立広島高校・三次高校)の一次選抜は、令和9年度から前倒しになります。学力検査・自己表現等は2月3日〜4日、合格発表は2月12日です。受ける人は、ほかの受験生より3週間ほど早く本番が来ると考えてください。
※出典:広島県教育委員会「令和9年度広島県立高等学校入学者選抜の基本方針等について」(2026年5月15日)、塾選ジャーナル。
出願したあとでも、2月10日〜17日正午までは志願先を変えられます。変更するかどうかを慌てて決めないように、1月のうちに「第1志望」と「変更するならここ」を家族で決めておくと安心です。
一次選抜の配点:学力検査250点・調査書225点・自己表現
一次選抜では、学力検査・調査書・自己表現の3つを全員が受けます。学校によっては、面接や作文などの「学校独自検査」も加わります。
| 検査 | 内容 | 満点 |
|---|---|---|
| 学力検査 | 国語・社会・数学・理科・英語の5教科。各50分 | 各50点・計250点 |
| 調査書(内申) | 中1・中2の評定はそのまま、中3の評定は3倍 | 225点 |
| 自己表現 | 個人ごとの面談形式。1人10分以内 | 検査官1人15点(検査官は2〜3人) |
| 学校独自検査 | 面接・作文・小論文・実技検査など(学校による) | 学校ごと |
※出典:広島県教育委員会「令和9年度広島県立高等学校入学者選抜の基本方針」、英進館「2027年度入試 広島県公立高校の入試選抜方法」。
学力検査は、ふつうは県の共通問題です。ただし基本方針では、高校が県教育委員会と協議したうえで、共通問題のかわりに自校で作った問題を使うこともできます。2027年にどの学校が使うかは、志望校の実施要項で必ず確かめてください。
調査書225点の内訳
調査書は、9教科(国語・社会・数学・理科・音楽・美術・保健体育・技術家庭・英語)の5段階評定で計算します。中3の評定だけが3倍になります。実技4教科も、5教科と同じ重さです。
| 学年 | 計算 | 満点 |
|---|---|---|
| 中1 | 9教科 × 5段階 | 45点 |
| 中2 | 9教科 × 5段階 | 45点 |
| 中3 | 9教科 × 5段階 × 3倍 | 135点 |
| 合計 | — | 225点 |
※出典:広島県教育委員会「令和9年度広島県立高等学校入学者選抜の基本方針」(第3学年は評点を3倍)。学年ごとの内訳は基本方針の規定からの計算です。
具体例:オール4の人は何点?
中1・中2・中3がすべて「オール4」の場合、中1が36点、中2が36点、中3が36×3=108点で、合計180点です。
同じ人が、中3で1教科だけ4を5に上げると、3点増えて183点になります。中1・中2で1つ上げても1点しか増えません。中3の1つは、中1・中2の3つ分です。
音楽・美術・保健体育・技術家庭も、中3は3倍です。たとえば中3で実技を2教科、3から4に上げると、それだけで6点増えます。提出物・実技テスト・授業中の取り組みを、2学期の今から丁寧に続けてください。内申の上げ方は高校受験の内申点の上げ方でくわしく解説しています。
合否の決め方:特色枠と一般枠(6:2:2)
一次選抜の合格者は、まず特色枠で、次に一般枠で決まります。2つの枠は、3つの検査の「重み(比重)」がちがいます。
| 枠 | 定員のうち | 比重(学力検査:調査書:自己表現) |
|---|---|---|
| 特色枠 | 入学定員の50%以内(割合は学校ごと) | 学校長が決める(傾斜配点や独自検査も可) |
| 一般枠 | 残りの定員 | 6:2:2(全校共通) |
※出典:広島県教育委員会「令和9年度広島県立高等学校入学者選抜の基本方針」。各校の特色枠の割合と比重は、同「令和9年度広島県公立高等学校入学者選抜の実施内容」に学校別に載っています。
特色枠では、たとえば「調査書を重く見る」「学力検査を重く見る」「数学と英語を2倍にする」など、学校ごとに決め方が変わります。志望校の特色枠がどうなっているかで、力を入れるところが変わります。難関校ごとの偏差値・倍率と、特色枠の確かめ方は、広島の難関公立高校の対策記事にまとめています。
6:2:2を計算例で考える
ここからは、しくみをつかむための計算例です(県が公表している換算式ではありません。考え方の目安です)。3つの検査を、それぞれ満点に対する割合にして、比重をかけて足すと考えます。
| Aさん | Bさん | |
|---|---|---|
| 学力検査 | 175点(70%) | 190点(76%) |
| 調査書 | 180点(80%) | 135点(60%) |
| 自己表現 | 満点の80% | 満点の70% |
| 一般枠(6:2:2) | 42+16+16=74 | 45.6+12+14=71.6 |
| 仮に特色枠が5:3:2なら | 35+24+16=75 | 38+18+14=70 |
※計算例は目安です。自己表現の満点は検査官の人数(2〜3人)で変わるため、割合で示しています。
Bさんは学力検査でAさんより15点多く取っています。それでも、調査書と自己表現の差で逆転されます。一般枠は学力検査が6割と重いのですが、調査書と自己表現も合わせて4割あります。
「1点の重さ」をくらべると
同じ目安で、100点満点に直したときの「1点の重さ」をくらべます(推測を含む計算です)。
- 一般枠:学力検査の1点は約0.24、調査書の1点は約0.09。中3の評定を1つ上げる(+3点)と約0.27で、学力検査1点ぶんより少し大きい。
- 仮に特色枠が5:3:2の学校なら:学力検査の1点は0.2、調査書の1点は約0.13。中3の評定を1つ上げると0.4で、学力検査2点ぶん。調査書の比重が大きい学校ほど、評定1つの価値は上がります。
特色枠の割合と比重は、学校が毎年決めます。前の年と同じとは限りません。県教育委員会が夏に出す「実施内容」の資料と、秋以降に各高校が出す実施要項を、志望校の分だけ必ず読んでください。
自己表現とは?何を話せばいい?
自己表現は、受験生が1人ずつ、自分のことを自由に話す検査です。面接に近いのですが、話す内容を自分で決めるところがちがいます。
| 項目 | 県教育委員会の説明 |
|---|---|
| 話す内容 | 自分自身のこと(得意なことや取り組んできたこと)や、入学後の目標など。自由。志望理由は必須ではない |
| 時間 | 全体で10分以内(表現5分以内、検査官の質問への回答3分以内、入退室2分以内) |
| 評価の観点 | 「自己を認識する力」「自分の人生を選択する力」「表現する力」の3つ |
| 評価しないもの | 部活動・生徒会・ボランティアなどの「実績」 |
| 持ち込み | 原稿は持ち込めるが、読むだけは不適切。タブレット可(音声・動画は30秒以内)、プロジェクター不可 |
※出典:広島県教育委員会「自己表現について Q&A」。以前使われていた「自己表現カード」はなくなりました。
大切なのは、「自分はどんな人か」「なぜそう思うのか」「高校で何をしたいか」を、自分の言葉でつなげて話せることです。大会の成績や賞は評価されません。小さな体験でも、そこから何を考えたかが言えれば十分です。
10月に、話したいことを箇条書きで書き出します。11月に、それを3分で話せる形にします。12月と1月に、家族や先生の前で話し、質問されて答える練習をします。質問に答える時間があるので、丸暗記は逆効果です。面接の練習方法は推薦入試の面接対策も参考になります。
令和9年度の変更点と通学区域
令和9年度の入試は、基本方針の根幹は変わりません。大きな変更は、併設型高校(県立広島高校・三次高校)と併設型中学校の日程が早くなることです。
- 併設型高校の一次選抜:学力検査・自己表現等を2月3日〜4日、合格発表を2月12日に前倒し
- 併設型中学校の適性検査:1月17日に前倒し(これまでは1月24日)
- それ以外の一次選抜の日程・配点のしくみは前の年と同じ
※出典:広島県教育委員会「令和9年度広島県立高等学校入学者選抜の基本方針等について」(2026年5月15日)、塾選ジャーナル。
通学区域(学区)
| 学校 | 通学区域 |
|---|---|
| 県立高校(全日制) | 全県一円。平成18年度入試から学区はありません |
| 広島市立高校(全日制) | 広島市内全域。市外(県内)からは当分の間、100分の30の範囲内で入学可 |
| 市立の県一円のコース | 基町(創造表現コース)・舟入(国際コミュニケーションコース)・沼田(体育コース) |
※出典:広島県教育委員会「県立高等学校の通学区域全県一円化について」、広島市「広島市立高等学校の通学区域に関する規則」。
基町・舟入などの広島市立高校の普通科は、市外の人の入学に「100分の30」の枠があります。県立高校には学区の制限はありません。住所と志望校の関係は、中学校の先生に早めに確認してください。
中3が9月から3月までにやること(月別)
9月から本番までは、約5か月です。内申(2学期の評定)、5教科の学力、自己表現の3つを、月ごとに重心を変えながら進めます。
| 時期 | 勉強(5教科) | 内申・自己表現・手続き |
|---|---|---|
| 9月 | 中1・中2の総復習を始める。数学は関数、英語は長文を毎日1題 | 2学期の提出物を期限前に出す。実技の授業も手を抜かない |
| 10月 | 県の過去問(公式サイト)を1年分、時間を計って解く | 中間・期末テストで評定を1つ上げる教科を決める。自己表現で話したいことを書き出す |
| 11月 | 苦手単元を2つにしぼり集中。理科・社会は中3の新しい単元も並行 | 期末テスト対策。自己表現を3分で話す形にまとめる |
| 12月 | 過去問を2〜3年分。50分で解き切る練習 | 三者面談で志望校を決める。私立の併願校も決める |
| 1月 | 過去問の2周目。間違えた問題だけノートにまとめる | 1月21日から出願登録。自己表現を家族の前で練習 |
| 2月 | 2月10日〜17日正午が志願変更期間。新しい問題集は増やさない | 2月24日〜26日が本番。前日は早く寝る |
| 3月 | 3月8日の合格発表を待つ | 一次で不合格なら、3月11日〜15日正午の二次選抜の出願を中学校と相談 |
※日程は広島県教育委員会の公表資料にもとづきます。勉強の内容は、エスペランサアカデミーの指導経験にもとづく目安です。
平日と休日の時間割の例(目安)
| 時間帯 | 平日(学校のある日) | 休日 |
|---|---|---|
| 朝 | 英単語・漢字を15分 | 数学の計算と関数を60分 |
| 放課後 | 学校の宿題と提出物を60分 | 過去問を1教科50分+直し30分 |
| 夜 | 苦手教科を60分(曜日で教科を変える) | 理科・社会の暗記と一問一答を90分 |
| 寝る前 | その日の間違いを10分見直す | 自己表現の練習を10分(週1回) |
※時間はあくまで目安です。部活動の引退時期や体調に合わせて調整してください。
秋の計画の立て方は中3秋の学習計画、冬の使い方は中3の冬休みの使い方でもくわしく解説しています。
保護者がやってはいけないNG
広島県の入試は、学力・内申・自己表現の3つで決まります。保護者のひとことで、そのうちの1つが崩れることがあります。
中3の評定は3倍です。2学期の成績はまだ動きます。「もう遅い」と言われると、子どもは提出物や実技をやめてしまいます。「中3の1つは中1の3つ分」と伝えてください。
自己表現では、検査官からの質問に自分で答える時間があります。親が書いた文章は、質問されると崩れます。親は聞き役に回り、「それはなぜ?」「そのとき何を考えた?」と質問してあげてください。
県教育委員会が公表する志願状況を見ると、つい不安になります。しかし、合否は倍率だけでは決まりません。特色枠と一般枠の比重、子どもの内申と得意教科を見て判断します。変更の判断基準は、1月のうちに家族で決めておくのが安全です。
県は、実績そのものは評価しないと説明しています。賞の数を並べるより、そこから何を学び、高校でどうしたいかを話すほうが、観点に合っています。
志望校の特色枠の割合と比重、2学期の評定の見込み、模試の結果を1枚の紙にまとめておくと、面談が具体的になります。聞くことの例は秋の三者面談の記事にまとめました。
広島の公立入試は「3つを同時に」準備する入試です
広島県の一次選抜は、学力検査だけでなく、調査書と自己表現も合否に入ります。どれか1つだけに力を入れても、ほかで点を落とすと届きません。今の成績と志望校の比重から、どこを伸ばすといちばん得点になるかを決めることが大切です。
エスペランサアカデミーは、完全オンラインのプロ家庭教師による1対1指導です。定期テストの点と評定、5教科の実力、自己表現の練習まで、残りの時間から逆算して計画を立てます。
直近の通知表とテストの答案を見せていただければ、内申と学力のどちらを優先すべきかをお伝えします。無理な勧誘はいたしません。
まとめ
- 2027年の一次選抜は、出願登録1月21日〜、検査2月24日〜26日、合格発表3月8日
- 学力検査は5教科各50点の250点、調査書は225点(中3の評定は3倍)
- 自己表現は1人10分以内の面談形式。実績ではなく「自分をどう伝えるか」を見る
- 特色枠(定員の50%以内)は学校ごとの比重、一般枠は6:2:2
- 中3の評定1つは中1・中2の3つ分。実技4教科も同じ重さ
- 併設型の県立広島高校・三次高校は日程が前倒し(2月3日〜4日検査)


