最終更新:2026年9月/京都府教育委員会の令和9年度入学者選抜要項(2026年8月28日公表)などをもとに作成。最新の情報は必ず府教育委員会・各高校の公式資料でご確認ください。
2027年春(令和9年度)の入試から、中期選抜がなくなります。入試は「前期選抜」と「後期選抜」の2回です。前期選抜の中に、学校ごとに中身が違う「独自枠」と、全校共通の「共通枠」があります。
多くの受験生にとっての本番は、2月18日の統一学力検査(5教科200点)です。共通枠では、これと中1〜中3の報告書(195点)で合否が決まります。これまで3月にあった中期選抜の感覚でいると、準備が約2週間以上遅れます。9月の今から、内申と5教科の両方を同時に進めてください。
- 令和9年度(2027年度)入試で何が変わったのか
- 前期選抜・後期選抜の公表済みの日程
- 独自枠と共通枠のちがい、出願できる学校の数
- 共通枠の配点(学力検査200点+報告書195点)と「双方90%以内」の意味
- 後期選抜(国数英90点)のしくみ
- 中3が9月から3月までにやること、保護者のNG
2027年の京都府公立入試は何が変わる?
一番大きな変化は、「前期・中期・後期」の3回あった入試が、「前期・後期」の2回になることです。京都府教育委員会が2025年4月に基本方針を示し、対象は2027年4月に入学する人、つまり今の中学3年生です。
これまで多くの受験生が受けていた中期選抜は、なくなります。そのかわりに、前期選抜の中に「共通枠」ができました。共通枠は、旧制度の中期選抜とほぼ同じ形(5教科の学力検査+報告書)です。
| 項目 | 令和8年度(2026年)まで | 令和9年度(2027年)から |
|---|---|---|
| 入試の回数 | 前期・中期・後期の3回 | 前期・後期の2回 |
| 前期選抜の中身 | A方式・B方式など(共通学力検査) | 独自枠+共通枠(統一学力検査) |
| 5教科200点+報告書195点の選抜 | 中期選抜(3月) | 前期選抜の共通枠(2月) |
| 出願の方法 | — | Web出願システムを導入 |
| 問題の文字 | — | UDフォント(読みやすい字体)に変更 |
※出典:京都府教育委員会「新しい入学者選抜制度に係る基本方針」、同「令和9年度 京都府公立高等学校入学者選抜要項」、リセマム(2025年6月24日・2026年9月1日の記事)。旧制度の欄は新制度との比較のための記載です。
学科の改編:嵯峨野と堀川が大きく変わります
制度の変更と同じ年に、難関校の学科も変わります。
- 嵯峨野高校:普通科の募集を停止し、京都こすもす科だけの学校になります。定員は320人です。
- 堀川高校:普通科を探究学科群に統合します。定員は240人です。
- このほか、田辺・工業・南丹の各高校でも学科改編や定員の変更があります。
※出典:京都府教育委員会(府立高校の学科改編の発表)、京都市(市立高校の学科改編の発表)、リセマム(2026年9月1日)。
学校ごとの偏差値の目安や倍率、対策は、京都の難関公立高校の対策記事にまとめています。
Web出願とUDフォント
2027年の入試から、出願はWeb出願システムで行います。また、全員の入試問題の文字が、読みやすいUDフォントに変わります。Web出願の細かい操作は、中学校から配られる案内と府教育委員会のページで確認してください。
ネットや古い塾の資料には、「中期選抜」「前期A方式・B方式」といった旧制度の説明がまだたくさん残っています。2027年春に受ける人には当てはまりません。読むときは、「令和9年度」「2027年度」と書かれているかを必ず確かめてください。
2027年度(令和9年度)入試の日程
日程はすでに公表されています。前期選抜の本番は2月18日(木)と19日(金)です。
| 区分 | 出願 | 検査 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 前期選抜(独自枠・共通枠) | 2月3日(水)〜5日(金) | 2月18日(木)統一学力検査 2月19日(金)学校個別検査 | 3月5日(金)午後2時 |
| 前期選抜 追検査 | — | 2月24日(水)〜25日(木) | — |
| 後期選抜 | 3月10日(水)〜11日(木)正午まで | 3月16日(火) | 3月18日(木)午後2時 |
※出典:京都府教育委員会「公立高等学校入学者選抜について」(広報資料)。曜日は2027年のカレンダーによります。特別入学者選抜も前期選抜と同じ日程です。
2月18日は統一学力検査です。国語・数学・英語(筆記とリスニング)・理科・社会の5教科を受けます。2月19日は学校個別検査で、面接、作文・小論文、実技など、学校ごとに決めた検査があります。
旧制度とくらべると、本番が早くなります
参考までに、旧制度の令和8年度(2026年)は、前期選抜の検査が2月16〜17日、中期選抜の検査が3月6日でした。
これまで中期選抜を本番にしていた人にとっては、本番が3月6日ごろから2月18日へ、約2週間以上早くなるということです。冬休み明けから本番までの時間が短くなります。12月までに5教科の総復習を終える計画に、今から切りかえてください。
※出典:リセマム(2026年2月6日)、ベストジュク(令和8年度の日程)。
前期選抜の合格発表は3月5日です。その5日後の3月10日から後期選抜の出願が始まります。前期の結果を待つあいだも、後期の国数英の練習は止めないのが大切です。
前期選抜の「独自枠」と「共通枠」のちがい
答えを先に言うと、独自枠は「学校ごとにルールがちがう枠」、共通枠は「どの学校も同じルールの枠」です。どちらも前期選抜の中にあり、同じ日程で行われます。
| 項目 | 独自枠 | 共通枠 |
|---|---|---|
| どんな枠か | 学校・学科の特色に合わせて、検査の中身と配点を学校が決める | 全校共通の検査と配点で選ぶ |
| 検査の中身 | 報告書、統一学力検査、個別学力検査、面接、作文又は小論文、活動実績報告書、実技検査の中から学校が選ぶ | 統一学力検査(5教科)+報告書 |
| 出願できる数 | 1校1学科(系統等) | 最大3校3学科 |
| 募集人員 | 原則として定員の50%または100% | 学校ごとに募集要項で確認 |
※出典:京都府教育委員会「令和9年度 京都府公立高等学校入学者選抜要項」、同「前期選抜独自枠等募集要項」、リセマム(2025年6月24日)。独自枠と共通枠の併願は、合わせて最大4校4学科までです。
たとえば、独自枠で1校、共通枠で3校に出せば、合計4校4学科です。独自枠で第一志望に挑み、共通枠で別の学校にも出しておくという組み合わせができます。
ただし、独自枠と共通枠を併願したとき、どちらの枠で先に判定されるか、同じ学校を両方の枠で出せるか、といった細かい扱いは、この記事では確認しきれていません。出願の組み立ては、必ず選抜要項と中学校の先生に確認してください。
独自枠と共通枠、どう組み合わせる?
組み合わせ方は、大きく2つのパターンに分かれます。どちらが良いかは、志望校の独自枠の中身と、今の成績で決まります。
| パターン | こんな人に | 気をつけること |
|---|---|---|
| 独自枠で第一志望+共通枠で別の学校 | 第一志望が独自枠で多くの人数を募集している人 | 独自枠の検査項目(独自の学力検査・面接など)の準備が別に必要 |
| 共通枠だけで複数の学校 | 5教科と報告書がバランスよく取れている人 | 報告書と学力検査の両方で90%以内を目指す |
※※組み合わせは一般的な考え方の例です。実際に出願できる組み合わせは、選抜要項と中学校の指導に従ってください。
志望校をどう決めるか迷っている場合は、志望校の決め方も読んでみてください。秋の三者面談の前に、家族で「第一志望」「そのほかに出す学校」を話し合っておくと、面談で具体的な相談ができます。
独自枠の配点は学校ごとにちがいます
独自枠では、学校ごとに検査項目と配点が決まります。学校によっては、統一学力検査の国語・数学・英語の配点を高くしたり、学校独自の学力検査を行ったりします。
学校別の募集要項(府教育委員会の資料)は表や画像が中心で、私たちの手元では数字を正確に読み取れませんでした。そのため、各校の独自枠の最終的な配点は「未確認」としています。報告書を「各学年45点×3学年=135点満点」で使う学校が多いように読めましたが、これも学校ごとの設定のため要確認です。また、資料にある「A方式・B方式・C方式・D方式」などの区分の定義も、原文で確認できていません。志望校の配点は、府教育委員会の「前期選抜独自枠等募集要項」で必ずご確認ください。
共通枠の配点:学力検査200点+報告書195点
共通枠は、学力検査200点と報告書195点、合わせて395点の勝負です。学力検査と内申点が、ほぼ半分ずつの重さになっています。
| 内容 | 計算 | 満点 |
|---|---|---|
| 統一学力検査 | 国・数・英・理・社 各40点×5教科 | 200点 |
| 報告書(内申点) | 中1〜中3の必修教科の評定の合計(実技4教科は2倍) | 195点 |
| 合計 | 200点+195点 | 395点 |
※出典:京都府教育委員会「令和9年度 京都府公立高等学校入学者選抜要項(本文)」。合計395点は、塾の解説記事(高倉塾)の記載および要項の規定からの計算です。
報告書195点の内訳
要項には「第1学年、第2学年及び第3学年における必修教科の評定を合計する。その際、『音楽』、『美術』、『保健体育』及び『技術・家庭』の評定は、2倍する」とあります。計算すると次のとおりです。
| 教科 | 1学年分の満点 | 3学年分の満点 |
|---|---|---|
| 国・数・英・理・社(5教科) | 5点×5教科=25点 | 75点 |
| 音楽・美術・保健体育・技術家庭(実技4教科) | 5点×4教科×2倍=40点 | 120点 |
| 合計 | 65点 | 195点 |
※出典:同上の規定にもとづく計算。
実技4教科は評定が2倍です。たとえば中3で音楽の評定が3から4に上がると、報告書は2点上がります。195点のうち120点が実技4教科です。5教科だけ頑張って、実技を後回しにするのは損です。
内申点を上げる具体的な方法は、高校受験の内申点の上げ方で詳しく説明しています。中3の評定がいつの成績で決まるかは中学校ごとにちがうので、担任の先生に確認しておきましょう。
合否の決め方:「双方90%以内」とは?
共通枠では、報告書と学力検査の「両方」で、上位90%の順位に入っているかがまず見られます。要項の文言どおりに、2段階で説明します。
※出典:京都府教育委員会「令和9年度 京都府公立高等学校入学者選抜要項(本文)」。
具体例で考えてみます
募集人員が200人の学校なら、90%は180人です。報告書で180番以内、学力検査でも180番以内に入っている人が、最初のグループになります。
ここからは例え話です。報告書は1番でも、学力検査が190番だと、最初のグループには入れません。合計点の勝負に回ります。どちらか片方だけが強い人より、両方で大きく崩れない人が有利なしくみです。
片方だけが高くても、もう片方が90%の線より下なら最初のグループに入れません。内申に自信がある人ほど、苦手教科で大きく落とさない練習が必要です。
要項の本文には、共通枠でも「面接の結果」という文言があります。ただし、共通枠で面接をどのように行うのか、細かいところは確認できていません(未確認)。中学校や志望校からの案内を待って、準備の量を決めてください。
後期選抜:国語・数学・英語の90点
後期選抜の学力検査は、国語・数学・英語の3教科、各30点の合計90点です。これに報告書と面接の結果を加えて選抜します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学力検査 | 国語・数学・英語 各30点(合計90点) |
| そのほか | 報告書、面接 |
| 日程 | 出願3月10日〜11日正午、検査3月16日、発表3月18日 |
※出典:京都府教育委員会「令和9年度 京都府公立高等学校入学者選抜要項(本文)」、同「公立高等学校入学者選抜について」(広報資料)。報告書の点数の扱いなど、後期選抜の細かい配点はこの記事では確認していません。
前期の合格発表(3月5日)から後期の検査(3月16日)まで、11日しかありません。前期の結果が出てから準備を始めるのでは間に合いません。2月後半から、国数英だけの短い演習を1日1セット続けておくと安心です。
中3が9月から3月までにやること(月別)
結論は、「12月までに5教科の総復習と内申を仕上げ、1月からは本番形式の演習」です。本番が2月18日に早まったぶん、旧制度より約2週間以上前倒しで考えてください。
| 月 | 勉強でやること | 手続き・確認すること |
|---|---|---|
| 9月 | 中1・中2の5教科を総復習。苦手な単元を3つに絞って毎日1つずつ | 志望校の独自枠の検査項目を府教委の募集要項で確認。2学期の提出物・実技を最優先 |
| 10月 | 模試で5教科の現在地を確認。1教科40点の形で失点を分析 | 定期テスト対策で評定を1つでも上げる |
| 11月 | 理科・社会の抜けを埋める。数学・英語は本番レベルの問題に入る | 三者面談で、独自枠と共通枠の組み合わせを相談 |
| 12月 | 5教科の総復習を終える。過去問・予想問題を時間を計って解く | 評定が決まる時期を学校に確認。面接・作文の準備を始める |
| 1月 | 本番形式(5教科)を週2回。見直しと間違い直しノート | Web出願の準備(中学校の案内に従う) |
| 2月 | 18日統一学力検査、19日学校個別検査。後期用の国数英も続ける | 3日〜5日に出願。追検査は24日〜25日 |
| 3月 | 5日の前期発表後、後期用に国数英90点の演習 | 後期出願10日〜11日正午、検査16日、発表18日 |
※出典:日程は京都府教育委員会「公立高等学校入学者選抜について」(広報資料)。学習内容は当塾の指導経験にもとづく目安です。
旧制度の中期選抜も「5教科各40点=200点」でした。配点の形がそろっているので、旧制度の中期選抜の過去問は、時間配分の練習に使えます。ただし、新制度で出題の中身が同じになるとは限りません。「形の練習」と割り切って使うのがよいと考えます(ここは推測をふくみます)。
過去問を始める時期は過去問はいつから、秋全体の計画は中3秋の学習計画も参考にしてください。
平日と休日の時間割の例(目安)
| 平日 | 土日 | |
|---|---|---|
| 勉強時間の目安 | 2〜3時間 | 5〜6時間 |
| 5教科の総復習 | 数学・英語を各45分 | 5教科を各1時間 |
| 苦手の穴埋め | 理科か社会を30分 | 苦手単元を1時間 |
| 内申対策 | 提出物・実技の課題を30分 | 定期テスト前は学校のワーク中心 |
| 見直し | 間違い直しを15分 | 1週間分の間違い直しを30分 |
※※時間は目安です。部活動や通塾の有無に合わせて調整してください。
保護者がやってはいけないNG
制度が変わる年は、保護者の「昔の常識」がそのまま子どもの失敗につながりやすいです。次の5つは避けてください。
- 「中期があるから、前期は記念受験」と言う。2027年は中期選抜がありません。前期選抜の共通枠が、多くの人にとっての本番です。
- 実技4教科を「受験に関係ない」と言う。報告書195点のうち120点は実技4教科です。2倍で計算されます。
- ネットの古い記事で配点を判断する。「令和9年度」と書かれていない情報は旧制度の可能性があります。独自枠の配点は、学校別の募集要項で確認してください。
- 前期の結果が出るまで、後期の準備をさせない。前期の発表から後期の検査まで11日しかありません。
- 模試の合計点だけで一喜一憂する。共通枠は報告書と学力検査の「両方」が見られます。どちらが90%の線に届いていないかを見てください。
月に1回、「報告書の見込み点」と「模試の5教科合計」を並べて書き出すだけで、どちらを優先すべきかが見えます。結果が悪かったときの声かけは、模試の結果が悪かった子への声かけも参考にしてください。
制度が新しくなる年は、学校の先生も塾も、手探りの部分があります。だからこそ、報告書と5教科のどちらで点を落としているかを、答案と通知表から具体的に見ることが大切です。
エスペランサアカデミーは、完全オンラインのプロ家庭教師による1対1指導です。京都府の新しい入試に合わせて、内申の見込みと模試の答案から、2月18日までの学習計画をお子さま一人ひとりに合わせて作ります。
通知表と直近の模試を見せていただければ、報告書と学力検査のどちらを優先すべきかをお伝えします。無理な勧誘はいたしません。
まとめ
- 2027年春(令和9年度)から、京都府公立入試は前期・後期の2回。中期選抜はなくなる
- 前期選抜には、学校ごとにちがう「独自枠」と、全校共通の「共通枠」がある
- 前期の本番は2月18日(統一学力検査)と19日(学校個別検査)。発表は3月5日
- 共通枠は学力検査200点+報告書195点。実技4教科は評定が2倍
- 報告書と学力検査の「双方」が90%以内かどうかが最初の判定になる
- 後期選抜は国数英各30点の90点。前期発表から11日で本番
- 独自枠の学校別の配点は、必ず府教育委員会の募集要項で確認する


