私立高校の個別相談会は、志望校を見学する場ではなく、「今の内申と模試の成績で、併願の基準に届いているか」を数字で確かめる場です。行く前に資料をそろえておかないと、その場で何も判定してもらえずに終わります。
そして誰が相談に行くかは都県で違います。埼玉は受験生本人と保護者、東京・千葉は最終的に中学校の先生が高校へ相談に行きます。ここを取り違えると、動く時期そのものがずれます。
- 個別相談会で実際に行われていること
- 東京・神奈川・埼玉・千葉で何が違うのか
- 当日持っていくべき資料
- その場で必ず聞く5つの質問
- 基準に届いていなかったときの3つの選択肢
個別相談会は「届いているか」を確かめる場
秋から冬にかけて、多くの私立高校が説明会と合わせて個別相談の時間を設けます。個別のブースで、受験生や保護者が持参した成績資料をもとに、その高校が設けている推薦・併願の基準と照らし合わせてもらう場です。
ここで使われる「確約」という言葉は、公式な制度名ではありません。学校側も書面で合格を保証するわけではなく、あくまで「この成績なら基準を満たしています」という説明にとどまります。ただ実務上は、基準を満たして手続きを踏んだ受験生が不合格になることは、まず起きないと考えられています。この公式には書かれていないが実際には機能しているという性質が、保護者にとって分かりにくさの原因になっています。
大切なのは、相談の結果が持参した資料の数字だけで決まるという点です。熱意を伝える場でも、志望理由を述べる場でもありません。数字が足りていれば通り、足りていなければ通らない。だからこそ、行く前の準備がすべてになります。
都県で仕組みが違う
首都圏でも、都県によって呼び名も手順も異なります。おおまかな違いは次のとおりです。
※表は横にスクロールできます
| 都県 | 呼び名 | 誰が相談するか | 主に見られる資料 |
|---|---|---|---|
| 東京 | 併願優遇 | 個別相談は本人・保護者。最終的に中学校の先生が高校へ入試相談 | 2学期の内申(調査書の評定) |
| 埼玉 | 個別相談(いわゆる確約) | 受験生本人と保護者が高校へ出向く | 通知表のコピー+北辰テストなど公開模試の成績表 |
| 神奈川 | 併願確約・書類選考 | 本人・保護者の事前相談が中心 | 内申(学校によって学科試験の条件が付く場合あり) |
| 千葉 | 併願推薦 | 12月に中学校の先生と高校の先生が事前相談 | 内申(基準は学校ごとに公表) |
※呼び名・基準・時期・条件は学校ごとに異なり、年度によっても変わります。必ず志望校の最新の募集要項と、通っている中学校の先生の指示でご確認ください。
特に注意したいのが埼玉です。保護者が自分で高校へ出向いて相談するため、模試の成績表が手元にそろっているかどうかが、そのまま結果を左右します。逆に東京・千葉は、最後に中学校の先生が動く仕組みなので、担任の先生との面談で志望校を正確に伝えておくことが欠かせません。
当日持っていくもの
- 通知表のコピー(2学期または前期)。原本ではなくコピーを複数枚。何校も回るなら校数分そろえます
- 公開模試の成績表。直近のものだけでなく、数回分をまとめて。良かった回だけを持参する家庭が多いのですが、複数回の平均で見る学校もあります
- 英検などの資格の合格証のコピー。級によって内申に加点する学校があります
- 検定や表彰、生徒会・部活動の記録。加点対象になる場合があります
- 筆記用具とメモ。言われた基準は必ずその場で書き留めます
資料はクリアファイルに1校分ずつ分けて入れておくと、相談の席であわてません。学校によって見る資料が違うため、「どれを出せばいいか分からない」状態で時間を使ってしまうのが、いちばんもったいないパターンです。
その場で必ず聞く5つの質問
相談時間は1組あたり10分前後のことも珍しくありません。聞くことを決めてから行ってください。
基準に届いていなかったときの3つの選択肢
秋の時点で届いていないと言われても、そこで終わりではありません。取れる手は3つあります。
1 2学期の内申を上げて、もう一度相談する
東京の併願優遇で見られるのは、多くの場合2学期の内申です。中間・期末と提出物が残っているなら、まだ動かせます。1つ上げれば基準に届く、という状況なら最優先です。内申点の上げ方もあわせてご覧ください。
2 模試の成績で代えられる学校を探す
内申が届かなくても、模試の偏差値を基準にしている学校、あるいはどちらかを満たせばよいとする学校があります。志望校を1校に絞らず、基準の種類が違う学校を並行して調べます。
3 基準に届く別の学校を、併願の1枚目として確保する
第一志望の受験そのものは、併願の基準と関係なく一般入試で受けられます。確実に押さえる1校を別に作っておけば、第一志望へは思い切って挑戦できます。受験校数の決め方は東京の併願優遇とは
埼玉の確約と北辰テスト
単願推薦と併願優遇の違い
併願校は何校受けるべき?で整理しています。
保護者がやってはいけないこと
- 資料を持たずに行く。数字がなければ判定のしようがなく、次回また行くことになります
- 担任の先生に伝えないまま相談だけ進める。東京・千葉は最後に先生が動く仕組みです。学校を通さない話は成立しません
- 言われた内容を記憶だけで持ち帰る。基準も締切も学校ごとに違います。その場でメモを取ってください
- 1校の相談結果で志望校全体を決めてしまう。基準の立て方は学校ごとに違うため、2〜3校は回って比べます
秋の数字は、まだ動かせます
個別相談で足りないと言われた1や2の差は、2学期の定期テストと提出物で埋まることが少なくありません。難しいのは、残りの時間で「どの教科の、どこを」上げれば届くのかを特定する作業です。9教科すべてを均等に頑張る時間は、もう残っていません。
エスペランサアカデミーは、完全オンラインのプロ家庭教師センターです。学生アルバイトではなくプロ講師が1対1で担当し、内申の内訳と模試の成績から、上がる見込みのある教科に絞って指導します。第一志望の入試対策と並行して、併願の基準に届かせるところまで一緒に設計します。
まとめ
- 個別相談会は、持参した数字で基準に届くかを確かめる場
- 「確約」は公式の制度名ではなく、書面で保証されるものでもない
- 誰が相談するかは都県で違う。埼玉は本人・保護者、東京と千葉は最後に中学校の先生
- 通知表のコピーと模試の成績表は、複数回分をまとめて持参する
- 聞くのは、基準・代替手段・資格加点・欠席日数・締切の5つ
- 届かなくても、内申を上げる/基準の違う学校を探す/別の1校を確保する、の3手がある


