プロ家庭教師が作成・監修 エスペランサアカデミー
「授業の内容が分からなくなってきた」「ノートを写すだけで精一杯」。
中学生のお子さんがそう話すと、保護者の方は驚き、心配になるものです。
授業についていけなくなる理由は、「やる気」や「能力」ではなく、「どこかで理解が止まったまま進んでしまった」ことが大半です。
止まった場所を見つけて戻れば、授業との差を少しずつ縮められます。
この記事では、つまずきの見つけ方、戻る範囲の決め方、6週間の進め方、授業との橋渡しの方法を整理します。
焦らず、まず「どこで止まったか」を一緒に探していきましょう。
結論:授業についていけないときは「止まった場所」まで戻って、小さく積み直す
原因は、スピード・理解・宿題量の3つに分けて考えると、対処が決まります。
戻る範囲は、教科書の例題が解けなくなる単元まで。
小学校の内容でも、必要な部分だけ戻ります。
6週間を1つの区切りにして、毎日少しずつ続けます。
学校の先生にも、授業の様子や困りごとを相談しておくと安心です。
授業についていけない、3つのパターン
「ついていけない」と一口に言っても、中身は3つに分かれます。
どれに近いかで、対処が変わります。
| パターン | 起きていること | サイン |
|---|---|---|
| スピードが合わない | 先生の説明や板書が、自分の理解より速い | ノートを写すだけで終わる・質問する間がない |
| 前の理解が抜けている | 前の学年・前の単元の知識が足りない | 例題を見ても、何をしているか分からない |
| 宿題・提出物が追いつかない | 量が多く、理解の前に締切が来る | 宿題が終わらず、授業の復習ができない |
特に中学校の授業は、小学校と比べて内容の量が増え、1つの単元が次の単元に積み重なります。
数学や英語では、1つ前の単元の理解が弱いと、次の授業が分かりにくくなります。
ポイント:パターンを見分けてから動く
「前の理解が抜けている」場合は、勉強時間を増やしても授業の分かりにくさは変わりません。
戻る勉強が必要です。
つまずきの場所を見つける方法
学び直しは、「どこに戻るか」を決めることから始まります。
次の3つの方法で探します。
方法1 直近のテストの間違いを分類する
間違えた問題が、どの単元のものかを書き出します。
間違いが集中している単元が、つまずきの候補です。
方法2 教科書の例題を解いてみる
教科書の例題を、解説を見ずに解けるかを確認します。
解けなければ、その1つ前の単元に戻ります。
方法3 本人に「どこから分からなくなった?」と聞く
覚えている範囲で構いません。
「あの単元あたり」と本人が覚えていることも、手がかりになります。
原因が複数あるときは、1教科ずつ進めます。
全教科を同時に学び直すと負担が大きくなるため、最も困っている教科から始めてください。
どこまで戻るか|教科別の目安
戻る範囲は、教科によって異なります。
次の表は、つまずきが起きやすい単元の例です。
実際の範囲は、お子さんの状況と教科書で確認してください。
| 教科 | つまずきやすい単元の例 | 戻る目安 |
|---|---|---|
| 数学 | 正負の数・文字式・方程式・比例反比例 | 計算の基礎が不安なら、小学校の分数・小数の計算まで |
| 英語 | be動詞と一般動詞の区別・語順・三単現 | 中1の最初の単元から、できる所まで |
| 国語 | 漢字・文法・文章の読み方 | 基本の用語から、短い文章で読み方を確認 |
| 理科 | 計算を使う単元・用語の理解 | 用語と基本の図から |
| 社会 | 地図・資料の読み取り・歴史の流れ | 用語の意味と、地図・年表の見方から |
英語については、中学英語でつまずく仕組みもあわせて参考にしてください。
戻る勉強は「恥ずかしい」と感じるお子さんもいます。
「抜けた部分を埋めているだけ」と伝え、本人が納得して進められるようにしてください。
学び直し6週間の進め方
1〜2週目 つまずきの場所を探し、1つ戻る
教科書の例題・ワークの基本問題を解いて、止まった単元を特定します。
まず1つ前の単元から戻り、解ける問題を増やします。

3〜4週目 戻った単元の基本を固める
同じ基本問題を、日をあけて2〜3回解きます。
解き方を声に出して説明できるかを確認します。
5週目 学校の授業に近い問題へ
学校のワークの標準問題に取り組み、授業の内容と結びつけます。
授業前に1ページだけ予習すると、説明を理解しやすくなります。
6週目 テスト形式で確認する
学校のテスト範囲や、問題集の確認テストを時間を測って解きます。
点数より、間違いの原因を確認することが目的です。
1日の勉強は、20〜40分でも構いません。
短い時間でも毎日続けるほうが、定着しやすくなります。
うまくいかない週があっても、責めずに量を減らして続けてください。
学校の授業との橋渡しをする
学び直しをしても、学校の授業はどんどん進みます。
「今の授業」と「戻った学び」をつなぐ工夫が必要です。
・授業の前に、教科書を1ページだけ読んでおく(予習は軽くて構いません)
・授業中の「分からなかった言葉」だけ、ノートの端にメモする
・メモは、その日のうちに教科書や辞書で確認する
・学校の先生に「ここが分からない」と、1つだけ質問する
先生に質問するのが難しいお子さんには、「質問を1つだけ書いたメモを渡す」方法もあります。
授業のスピードが合わないと感じるときは、保護者の方から担任の先生に相談して、困っていることを共有しておくと安心です。
欠席や不登校が続いたあとの学び直し
欠席が続いたあとは、授業の空白が大きくなり、学び直しの範囲も広がります。
まずは、本人の気持ちと体調を最優先にして進めてください。
| 状況 | 進め方のポイント |
|---|---|
| 登校が不安定 | 短い時間で、できる教科から始める。 「できた」を1つずつ積む |
| 家で学ぶ時間が多い | 学校のワークや教科書を使い、学校の進度との差を確認する |
| 再び登校したい | 授業の内容に近い問題に取り組み、先生と学習の進め方を共有する |
オンラインで学ぶ方法や、学びの選択肢については、不登校の保護者の対応と声かけでも紹介しています。
焦らず、本人のペースを尊重することが大切です。
ご家庭でできる声かけ
授業についていけないお子さんは、自信をなくしていることが多くあります。
保護者の方の声かけは、次の3つを意識してみてください。
・「どこが分からない?」ではなく、「どこまでは分かった?」と聞く
・点数ではなく、「前よりできたところ」を見つける
・他の子や兄弟姉妹と比べない
学び直しは、「遅れを取り戻す」というより、「土台をつくり直す」作業です。
小さな進歩を認めて、続ける力を支えてあげてください。
「どこで分からなくなったか」を一緒に探してみませんか
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よくあるご質問
Q. 授業についていけなくなったのは、勉強不足のせいですか?
多くの場合、勉強不足ではなく「どこかで理解が止まったまま進んでしまった」ことが原因です。
止まった場所を見つけて、そこから積み直すことで、授業との差を少しずつ縮められます。
Q. 学び直しは、どのくらいの期間がかかりますか?
抜けの大きさによって違います。
まず6週間を1つの区切りにして、基本問題が解けるようになったかを確認してください。
毎日少しずつ続けるほど、手応えが出やすくなります。
Q. 小学校の内容まで戻る必要がありますか?
必要な場合もありますが、全部を戻る必要はありません。
計算や基本語句など、つまずきに直結する部分だけを選んで戻る形が現実的です。
Q. 学校の先生に相談したほうがいいですか?
相談をおすすめします。
授業の様子や、評価の方法、提出物の扱いなど、学校でしか分からない情報があります。
困りごとを共有しておくと、家庭での学び直しも進めやすくなります。
Q. やる気が出ないときはどうすればいいですか?
最初は「5分だけ」「解ける問題から」など、小さく始めてください。
「できた」という経験が増えると、少しずつ動き出しやすくなります。
まとめ
この記事のまとめ
授業についていけないのは、能力ではなく「理解が止まった場所」があることが多い。
つまずいた単元まで戻り、基本を固めてから授業に近い問題へ進む。
6週間を区切りに、毎日少しずつ続ける。
学校の先生と情報を共有し、本人のペースを尊重する。


