最終更新:2026年9月/令和9年度(2027年4月入学)入試向けの記事です。偏差値は民間の目安、倍率は令和8年度の実績です。出願の前には、山形県教育委員会の「各校の概要」と各校の公式サイトで最新の情報をご確認ください。
山形の難関公立の中心は、山形東・山形南・山形西の3校です。そのあとに米沢興譲館・山形中央・酒田東・寒河江・長井が続きます。
令和8年度の後期選抜では、山形東の探究科が2.22倍だった一方、同じ山形東の普通科は0.45倍でした。同じ学校でも学科・コースで倍率がまったくちがうので、数字は学科ごとに見ましょう。
前期(特色)選抜の検査も学校ごとにちがいます。9月のうちに志望校の「各校の概要」を読み、5教科の過去問と前期の検査の準備を並行して進めるのが基本です。
- 山形の難関公立8校と、偏差値の目安
- 令和8年度の後期選抜・前期選抜の志願倍率
- 令和9年度の前期(特色)選抜の日程・検査・割合(学校別)
- 8校の特徴と、学校ごとの対策
- 実在を確認した過去問集と、県内の主な模試
- 9月から3月までの月別の勉強法と、偏差値帯別の作戦
山形の難関公立高校8校とは
答えから言うと、民間の偏差値の目安で60以上の公立高校・学科から、次の8校を取り上げます。山形県の公立高校には、普通科のほかに探究科・理数科や探究コースを置く学校が多く、学科・コースで偏差値の目安も倍率もちがいます。
- 村山地域(東学区):山形東、山形南、山形西、山形中央、寒河江
- 置賜地域(南学区):米沢興譲館、長井
- 庄内地域(西学区):酒田東
入試の日程や、中3の評定と学力検査の比率のしくみは、山形県公立高校入試2027の日程と仕組みの記事にまとめています。この記事では、難関校の中身と対策にしぼって説明します。
8校の偏差値の目安と令和8年度の倍率
結論として、偏差値の目安は山形東の探究科が68〜70、山形南の理数科が67〜69で、この2つが8校の中で高めです。山形南の普通科、山形西がそれに続きます。
| 学校・学科 | 偏差値の目安 | R8後期 募集/志願 | R8後期 志願倍率 |
|---|---|---|---|
| 山形東(探究) | 68〜70 | 76人/169人 | 2.22倍 |
| 山形東(普通) | ―(下の注) | 152人/69人 | 0.45倍 |
| 山形南(理数) | 67〜69 | 35人/59人 | 1.69倍 |
| 山形南(普通) | 66〜68 | 164人/176人 | 1.07倍 |
| 山形西(普通) | 65〜68 | 182人/182人 | 1.00倍 |
| 米沢興譲館(探究) | 63〜66 | 71人/69人 | 0.97倍 |
| 米沢興譲館(普通) | 61〜66 | 104人/109人 | 1.05倍 |
| 山形中央(普通) | 61〜63 | 128人/101人 | 0.79倍 |
| 酒田東(探究) | 61〜62 | 60人/55人 | 0.92倍 |
| 酒田東(普通) | ―(下の注) | 66人/47人 | 0.71倍 |
| 寒河江(普通・探究コース) | 61〜62 | 28人/48人 | 1.71倍 |
| 長井(普通・探究コース) | 60〜62 | 28人/34人 | 1.21倍 |
※偏差値は、民間の模試・情報サイト(みんなの高校情報、家庭教師のトライ、受験ラボ)による目安です。サイトによって2〜3違うため、幅で示しています。トライは学科を分けずに示している学校があるため、米沢興譲館などは幅が広くなっています。山形東(普通)・酒田東(普通)は、学科別の値を複数のサイトで確認できなかったため記載していません。
※倍率は令和8年度(2026年)後期(一般)選抜の確定志願倍率(志願者数÷募集人員)です。山形県教育委員会の発表をもとにした進研ゼミ高校入試情報サイト・リセマムの記事と、民間サイト「山形県高校受験情報サイト」の集計を照合しました。募集人員は、入学定員から前期選抜の内定者を引いた人数です。
令和8年度の後期選抜全体では、全日制の志願倍率は0.68倍でした(進研ゼミ高校入試情報サイトによる)。難関校の探究科・理数科・探究コースには、その中でとくに高い倍率のところがあります。
前期(特色)選抜の倍率は、さらに高い
令和8年度の前期選抜の志願倍率は、山形西(普通)4.20倍、米沢興譲館(普通)3.08倍、山形南(普通)2.77倍、山形東(普通)2.00倍でした(山形県教育委員会の前期志願状況の資料による。倍率は志願者数÷募集人員の目安人数)。募集が定員の5〜15%程度と少ないため、倍率が高くなりやすいのです。
前期の募集は少人数です。前期で内定しなかった人も、あらためて登録すれば後期選抜を受けられます(令和8年度の実施要項による)。前期の準備に時間をかけすぎて、後期の5教科がおろそかにならないようにしましょう。
山形東の普通科は0.45倍でした。しかし、倍率が1倍を切っていても、学校が求める力に届かなければ合格できないことがあります。倍率は毎年動くので、前の年の数字だけで学科を選ばないようにしましょう。
令和9年度の前期(特色)選抜を学校ごとに比べる
結論は、山形東・山形西は「定員の5%程度」と狭き門、米沢興譲館・酒田東は学力検査があるという点が大きなちがいです。
| 学校・学科 | 日程 | 募集の目安 | 主な検査 |
|---|---|---|---|
| 山形東(普通・探究) | A日程 | 定員の5%程度 | 個人面接・作文・口頭試問 |
| 山形南(普通) | B日程 | 定員の15%程度 | 個人面接 |
| 山形南(理数) | B日程 | 定員の10%程度 | 個人面接 |
| 山形西(普通) | A日程 | 定員の5%程度 | 個人面接 |
| 米沢興譲館(普通・探究) | B日程 | 定員の10%程度 | 学力検査(総合問題)・個人面接 |
| 山形中央(普通) | A日程 | 定員の15%程度 | 発表 |
| 酒田東(普通) | A日程 | 定員の40%程度 | 学力検査(英語・数学)・集団面接 |
| 酒田東(探究) | A日程 | 定員の20%程度 | 学力検査(英語・数学)・集団面接 |
| 寒河江(普通・探究コース) | A日程 | 定員の25%程度 | 集団討論 |
| 長井(普通・一般/探究) | A日程 | 各コース定員の25%程度 | 集団面接・作文 |
※出典:山形県教育委員会「令和9年度山形県公立高等学校入学者選抜の前期(特色)選抜における各校の概要」(東学区・南学区・西学区の各校のページ、公式)。A日程・B日程の日付は入試の日程と仕組みの記事をご覧ください。
検査と調査書の割合(比重)
各校の概要には、調査書と検査をどの割合で見るかも書かれています。主なものをまとめます。
- 山形東:個人面接30%・作文30%・口頭試問40%(普通科・探究科とも)
- 山形南:普通科は学習の記録20%・その他の記録40%・面接40%。理数科は学習の記録40%・その他の記録20%・面接40%
- 山形西:学習の記録70%・個人面接30%
- 米沢興譲館:調査書25%・学力検査(総合問題)50%・個人面接25%
- 山形中央(普通):学習の記録30%・その他の記録30%・発表40%
- 酒田東:調査書40%・学力検査40%・集団面接20%
- 寒河江(探究コース):学習の記録40%・その他の記録20%・集団討論40%
- 長井:学習の記録40%・その他の記録15%・集団面接15%・作文30%
※出典:同上(各校の概要)。「学習の記録」は評定、「その他の記録」は総合的な学習の時間・特別活動などの記録です。
米沢興譲館の普通科は「9教科の評定合計40以上」、探究科は「5教科の評定を2倍した合計が65以上」などの条件があります。酒田東は評定合計が普通科33以上・探究科39以上、寒河江の探究コースは40以上、長井は一般コース36以上・探究コース38以上です。ほかにも活動実績などの条件があるので、各校の概要で全文を確認してください。
8校の特徴と、学校ごとの対策
結論として、後期で勝負するなら5教科の高得点、前期もねらうなら学校ごとの検査の準備が必要です。学校ごとに見ていきます。
1884年創立の伝統校です。普通科と探究科があり、探究科は2018年度入学生から設置され、2年生で国際探究科・理数探究科に分かれます。授業は65分で行われています。令和8年度の後期は探究科2.22倍、普通科0.45倍でした。前期は作文と口頭試問があるので、書く力と、その場で考えて答える力を秋から練習しましょう。
1941年に山形県立山形第二中学校として開校しました。普通科と理数科があり、理数科は1968年に設置されています。制度上は共学です(ウィキペディアによる)。理数科の前期は「医学・理学・工学・農学系」を目指す生徒を求めています。数学・理科・英語で高得点をとる力が、前期・後期ともにカギです。
1898年に山形市高等女学校として創立しました。共学ですが、事実上女子校となっています(ウィキペディアによる)。前期は学習の記録(評定)70%・個人面接30%で、評定の重みがとても大きいのが特徴です。前期を考えるなら、中3の定期テストを最後までていねいに。後期は1.00倍でした。
1886年創立。1776年創立の藩校「興譲館」の流れをくむ学校です。普通科と探究科(国際探究科・理数探究科)があります。科学技術振興機構の一覧で、令和4年度指定・4期目のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)校です。前期は学力検査(総合問題)が50%をしめるので、教科をまたいで考える問題への慣れが必要です。
県内で唯一、普通科とスポーツ科(体育科)をあわせ持つ学校です。普通科の前期は発表が40%です。決められた時間で、自分の考えを筋道立てて話す練習をしておきましょう。
1920年に山形県立酒田中学校として創立しました。普通科と探究科(理数探究科・国際探究科)があり、科学技術振興機構の一覧で令和8年度指定・2期目のSSH校です。前期は普通科が定員の40%程度と多く、英語・数学の学力検査があります。英語・数学の後半の問題を、秋から重点的に練習しましょう。
1921年開校。普通科のみで、進学型単位制・2学期制をとっています(ウィキペディアによる)。普通科に一般コースと探究コースがあり、探究コースは令和8年度の後期で1.71倍と高い倍率でした。前期の探究コースは集団討論が40%です。
1920年設立。普通科に一般コースと探究コースがあります。前期は集団面接と作文で、作文が30%をしめます。探究コースは令和8年度の後期で1.21倍でした。作文は週1本、時間を計って書く習慣をつけましょう。
※学校の沿革・学科はウィキペディア、SSHの指定は科学技術振興機構「SSH指定校一覧」、前期の検査は山形県教育委員会「各校の概要」(公式)によります。
使える過去問集・教材と、県内の模試
結論は、県の過去問集を1冊、上位層は全国版をもう1冊で十分です。出版社のページで2027年度用の発売を確認できたものだけを紹介します。
| 書名 | 出版社 | 内容・使いどころ | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| 山形県公立高校(リスニング音声データダウンロード付)2027年度版 | 東京学参 | 2022〜2026年度の5教科+2021年度の4教科(ダウンロード) | 1,760円 |
| 2027年受験用 全国高校入試問題正解 英語 | 旺文社 | 47都道府県の公立入試を収録。他県の問題で演習量をふやす(数学・国語・理科・社会もあり) | 3,795円 |
※出典:東京学参・旺文社の商品ページ(東京学参は2026年6月2日発行、旺文社は2026年6月25日発売)。価格は2026年9月時点の掲載価格です。
山形県内の主な模試
- 山形県統一模試(山形県統一模試運営事務局):中3は年5回。英語(リスニングあり)・数学・国語・理科・社会の5教科、各50分。受験料は1回4,200円(税込)。各回の日程と申し込みは公式サイトで確認してください
- 山形東高・南高・西高 突破模試(山形突破模試 運営事務局):山形の難関校を目指す中学生向けの模試。2026年度の中3の回は6月28日に実施されました(受験料無料)
※出典:各模試の公式サイト(2026年9月確認)。
模試は「判定」よりも「どの問題で点を落としたか」を見るためのものです。秋に2〜3回受けて、毎回同じ単元で落としていないかを確認しましょう。結果の見方は模試の結果の見方の記事でくわしく説明しています。
9月から3月まで、月別の勉強法
結論は、11月までに5教科の穴をなくし、前期の検査の練習を始める。12月からは過去問中心です。前期・後期の日程は、入試の日程と仕組みの記事で確認してください。
| 時期 | 5教科(後期の学力検査) | 前期の準備 |
|---|---|---|
| 9月 | 模試の答案で苦手単元を洗い出す。数学・英語は毎日1時間ずつ | 志望校の「各校の概要」を読み、検査・割合・出願の条件をメモ |
| 10月 | 県の過去問を1年分、各教科の時間どおりに解く | 作文・総合問題がある人は週1本練習を始める |
| 11月 | 過去問を週1年分。まちがい直しノートを作る。定期テストに全力 | 面接・発表の練習を週1回。志望理由を1分で話せるように |
| 12月 | 過去問を週2年分。冬休みは5教科を毎日。数学の後半と英作文を重点に | A日程の人は仕上げの時期。家族や先生に面接官役をたのむ |
| 1月 | 過去問2周目。本番と同じ時間割で通しで解く日を週1回 | A日程は本番。B日程の人は最後の練習 |
| 2〜3月 | 新しい問題は増やさない。ノートを回す。後期の本番に向けて朝型に | B日程は2月が本番。終わったら後期に集中 |
※学習量は目安です。お子さまの到達度に合わせて調整してください。冬休みの過ごし方は中3の冬休みの使い方の記事も参考にしてください。
教科別:難関校対策のポイント(編集部の目安)
- 英語:リスニングは音声つきの過去問集で週2回。長文は、1回目より2回目が速く読めるよう音読をくり返します。
- 数学:後半の図形・関数の問題に備えて、「5分考えて手が止まったら次へ」のルールを過去問で練習します。
- 国語:記述は「結論を先に1文、理由を1〜2文」の型で。作文がある学校を受ける人は、国語の記述の練習にもなります。
- 理科・社会:資料やグラフを読んで説明する問題に備えて、答えの理由を1文で書く練習をしましょう。
偏差値帯別の作戦(偏差値60以上)
結論として、今の偏差値と志望校の目安の差によって、秋にやることは変わります。偏差値は模試によって変わるので、下の区切りは目安です。
模試の偏差値が66以上:山形東・山形南の探究科・理数科をねらう
5教科の基礎はできています。数学の後半と英作文で満点に近づけることが目標です。県の過去問を解き終わったら、旺文社の全国版で他県の難しめの問題にも挑戦しましょう。探究科・理数科は倍率が高いので、普通科との比較も11月までに家族で話し合っておきます。
模試の偏差値が62〜65:山形西・山形南(普通)・米沢興譲館をねらう
このゾーンの合否は、取れる問題を落とさないことで決まります。過去問で落とした問題を「知らなかった」「ミス」「時間切れ」の3つに分け、ミスと時間切れを減らしましょう。山形西の前期のように評定の重みが大きい学校もあるので、定期テストも手をぬかないことが大切です。
模試の偏差値が60〜61:山形中央・酒田東・寒河江・長井をねらう
まずは5教科の基本問題を確実にとることです。理科・社会は一問一答で用語を固め、数学は計算と小問で満点をめざします。探究コース・探究科は倍率が高めなので、普通科・一般コースとどちらを選ぶかも早めに考えましょう。模試の判定が悪かったときの立て直し方は模試でE判定・D判定の記事にまとめています。
公立の前期・後期と、私立高校の併願をどう組み合わせるかで、本番の気持ちの余裕が変わります。何校受けるかの考え方は併願校は何校受けるべきの記事を参考に、11月の三者面談までに家族で方針を話し合っておきましょう。
保護者がやってはいけないNG
- 学校全体の倍率だけを見る。山形東のように、同じ学校でも学科で倍率が2倍以上ちがうことがあります。学科・コースごとに見ましょう。
- 前期の結果で一喜一憂しすぎる。前期は募集が少なく、倍率が高くなりがちです。内定しなくても後期があります。
- 偏差値の数字を1つだけ信じる。偏差値はサイトによって2〜3ちがいます。模試の判定と過去問の得点をあわせて見ましょう。
- 模試の結果が悪いときに、成績だけを責める。どの問題で落としたかを一緒に見るほうが、次につながります。
女子の難関校受験で気をつけたいことは、女子の難関高校受験の記事でも紹介しています。
エスペランサアカデミーは、完全オンラインのプロ家庭教師による1対1指導です。山形県内のどこからでも、県の過去問の答案を1問ずつ分析し、前期の面接・作文・総合問題の練習までふくめた学習計画をつくります。
直近の模試と通知表があれば、どの教科のどこで点をのばすべきかを具体的にお伝えします。無理な勧誘は一切ありません。
まとめ
- 山形の難関公立の中心は山形東・山形南・山形西。米沢興譲館・山形中央・酒田東・寒河江・長井が続く
- 偏差値の目安は山形東(探究)68〜70、山形南(理数)67〜69、山形南(普通)66〜68、山形西65〜68
- 令和8年度の後期は山形東(探究)2.22倍、寒河江(探究コース)1.71倍、山形南(理数)1.69倍が高倍率
- 同じ学校でも学科・コースで倍率が大きくちがう。数字は学科ごとに見る
- 令和9年度の前期は、山形東・山形西が定員の5%程度。米沢興譲館・酒田東は学力検査あり
- 過去問集は東京学参の山形県版。上位層は旺文社の全国版で演習量をふやす


