最終更新:2026年9月/令和9年度(2027年4月入学)入試向けの記事です。偏差値は民間の目安、倍率は令和8年度の実績です。最新の情報は佐賀県教育委員会・各校の公式サイトでご確認ください。
佐賀県は、民間サイトで偏差値の目安が60をこえる県立高校が多くありません。この記事では、佐賀西を先頭とする県内上位7校をあつかいます。
7校のうち4校は併設型の中高一貫校で、高校から入れる人数は募集定員の半分ほどです。倍率は佐賀北(普通科)が1.61倍で7校の中で最も高くなりました(令和8年度・志願変更前)。
9月からは、5教科の基礎の穴うめ→県立高校の過去問→面接の準備の順で進めるのが基本です。
- 佐賀県の「難関公立」=県内上位7校とは
- 7校の偏差値の目安と、令和8年度の志願倍率
- 併設型中高一貫校(致遠館・唐津東・武雄・鳥栖)の注意点
- 学校ごとの特徴
- 入試問題への対策と、実在を確認した過去問集
- 9月から3月までの月別の勉強法と、偏差値帯別の作戦
佐賀県の「難関公立」とは(県内上位7校)
答えから言うと、佐賀県で難関・上位の県立高校といえるのは、佐賀西・致遠館・唐津東・佐賀北・武雄・鳥栖・小城の7校です。
ただし、正直にお伝えすると、民間サイトで偏差値の目安が60をこえる県立高校は、佐賀県には多くありません。そこでこの記事では、目安が58〜71の「県内上位校」をまとめてあつかいます。
- 佐賀市:佐賀西・致遠館・佐賀北
- 唐津市:唐津東
- 武雄市:武雄
- 鳥栖市:鳥栖
- 小城市:小城
佐賀県の県立高校は通学区域が県全域なので、どの地域からでも志願できます。入試の日程や、選考Ⅰ・選考Ⅱの配点のしくみは、佐賀県立高校入試2027の日程と仕組みの記事にまとめています。この記事では、上位校の中身と対策にしぼって説明します。
7校の偏差値の目安と令和8年度の志願倍率
結論として、偏差値の目安は佐賀西が69〜71で頭ひとつ上、次に致遠館(理数科)と唐津東が64〜66です。倍率は佐賀北が一番高く、武雄・鳥栖は1.0倍台でした。
| 学校(学科) | 偏差値の目安 | R8一般選抜募集人員 | R8志願倍率(前年度) |
|---|---|---|---|
| 佐賀西(普通) | 69〜71 | 280 | 1.22倍(1.22倍) |
| 致遠館(理数) | 64〜66 | 60 | 1.13倍(0.88倍) |
| 唐津東(普通) | 64〜66 | 123 | 1.19倍(1.15倍) |
| 致遠館(普通) | 61〜64 | 64 | 1.39倍(1.20倍) |
| 佐賀北(普通) | 59〜61 | 197 | 1.61倍(1.44倍) |
| 武雄(普通) | 59〜61 | 117 | 1.03倍(1.30倍) |
| 鳥栖(普通) | 58〜60 | 117 | 1.09倍(1.12倍) |
| 小城(普通) | 58〜60 | 181 | 1.25倍(1.20倍) |
※偏差値は、民間の模試・情報サイト(みんなの高校情報、受験ラボ、家庭教師のトライ)による目安です。サイトによって2〜3違うため、幅で示しています。小城は2サイトの値です。
※倍率の出典:佐賀県教育委員会「令和8年度佐賀県立高等学校入学者選抜一般選抜志願状況」(公式、2026年2月17日発表・志願変更前)。志願倍率=一般選抜の志願者数÷一般選抜の募集人員です。令和8年度の全日制全体は、募集人員4,212人に志願者4,191人で1.00倍でした。
※令和9年度の学校ごとの募集人員は、県の資料でご確認ください。
たとえば致遠館(理数科)の倍率は1.13倍ですが、一般選抜で入れるのは60人です。人数が少ない学校は、数人の出入りで倍率が大きく動きます。前の年の数字だけで「ねらい目」と決めつけないことが大切です。
併設型中高一貫校は「高校からの枠」に注意
結論として、致遠館・唐津東・武雄・鳥栖の4校は、募集定員の約半分が併設中学校からの進学者で埋まります。高校から入れる人数は、見た目の定員よりずっと少なくなります。
| 学校(学科) | 募集定員 | 併設中からの入学内定 | 特別選抜の合格 |
|---|---|---|---|
| 致遠館(普通) | 120 | 56 | ― |
| 致遠館(理数) | 120 | 60 | ― |
| 唐津東(普通) | 240 | 117 | ― |
| 武雄(普通) | 240 | 113 | 10 |
| 鳥栖(普通) | 240 | 114 | 9 |
※出典:佐賀県教育委員会「令和8年度佐賀県立高等学校入学者選抜一般選抜志願状況」(公式)。併設中学校は、致遠館中・唐津東中・武雄青陵中・香楠中です。参考までに、佐賀北(普通)は特別選抜の合格43人、小城は19人でした。
併設中から上がってくる生徒は、中学の3年間を同じ学校で過ごしています。高校から入る人は、入学後の授業の進み方を学校説明会などで確かめておきましょう。春休みに数学と英語の中3内容を完全に仕上げておくと、スタートでつまずきにくくなります。
Q. 中高一貫校に高校から入ると、不利になりますか?
A. 不利とは限りません。ただ、中学から上がってきた生徒は学校のやり方に慣れています。入学前の春休みに、数学と英語の中3内容を仕上げておくと安心です。わからないことは、学校説明会などで先生に直接聞いてみましょう。
Q. 上位校でも特別選抜を受けたほうがいいですか?
A. 特別選抜は、スポーツや文化芸術などの実績がある人向けの選抜です。すべての学校・学科で行うわけではなく、募集する種目や分野も学校ごとにちがいます。実績がある人は、志望校の評価基準の概要で、自分の分野の募集があるかを確かめてください。
Q. 佐賀西と致遠館、どちらを選べばいいですか?
A. 偏差値だけで決めず、学びたい内容で選ぶのがおすすめです。理科・数学を深く学びたいなら、SSH指定校の致遠館(理数科)が候補になります。普通科で幅広く学びたいなら、7校で偏差値の目安が最も高い佐賀西が候補です。通学時間も大切な条件です。
学校ごとの特徴
結論として、理数を深めたいなら致遠館(理数科)、7校で偏差値の目安が最も高い学校なら佐賀西、佐賀市以外なら唐津東・武雄・鳥栖・小城という選び方ができます。
普通科だけの学校です。1876年の佐賀変則中学校を創立の年としています。別名は「栄城」です。2024年4月からは、式典などを除いて私服で登校できる「標準服」の制度を始めました。併設中学校はなく、定員のほぼ全部を一般選抜で選ぶので、高校から入る人がいちばん多い上位校です。
普通科と理数科があります。1988年に開校し、2003年に致遠館中学校を併設しました。文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されていて、令和4年度からⅣ期目です。佐賀県の指定校は致遠館だけです。理数科をめざす人は、理科・数学を得点源にしておくと安心です。
1899年創立の伝統校で、2006年に唐津東中学校を開校しました。科学部が「缶サット甲子園」で2011年と2013年に全国優勝した実績があります。偏差値の目安は致遠館(理数科)と同じくらいです。
1996年度から単位制の学校です。普通科のほかに芸術科もあります。2007年には野球部が夏の甲子園で全国優勝しました。令和8年度は7校の中で倍率が一番高い1.61倍で、前の年の1.44倍から上がりました。
2007年に武雄青陵高校と統合し、併設型の中高一貫校になりました。令和8年度の倍率は1.03倍で、前の年の1.30倍から下がりました。倍率は年によって大きく動く例です。
1927年に開校した鳥栖高等女学校が前身です。2007年に香楠中学校を併設しました。高校から入れる人数は一般選抜で117人です。私立の併願校の選び方も、家庭でよく話し合っておきましょう。
旧制小城中学校(1899年創立)の流れをくむ学校です。併設中学校がないので、一般選抜の募集人員が181人と多めです。令和8年度の倍率は1.25倍でした。
※学校の沿革・特色の出典:各校のWikipedia記事、科学技術振興機構(JST)「SSH指定校一覧」。
入試問題への対策:取りこぼしをなくす
結論として、佐賀県の一般選抜は5教科すべてが同じ時間・同じ満点で行われるので、苦手教科を1つでも残すと差がつきます。上位校ほど、ライバルは「全教科でそこそこ取れる」子たちです。
過去の分析では、英語は長文読解の大問が多く、数学は記述式の図形の証明が出るとされています。この2つは、上位校で差がつきやすい部分です。
※出題の傾向は、進研ゼミ高校入試情報サイトの分析(2023年度入試)によります。最新年度の出題は過去問でご確認ください。
教科別:上位校で差がつくところ
- 英語:長文を時間内に読み切る力。過去問の長文を音読し、2回目は1回目より速く読めるようにします。リスニングは音声つきの過去問集で週2回。
- 数学:図形の証明を「書ききる」力。答えを見たあと、何も見ずにもう一度書く練習をします。1問で手が止まったら次へ進むルールも決めておきましょう。
- 国語:記述で聞かれたことに答える力。最初の1文で答えを書き、理由を1〜2文そえる型を決めます。
- 理科:実験の問題で、表やグラフから考える力。計算問題は、解き方を声に出して説明できるか確かめます。
- 社会:資料の読み取り。表の題名・単位・年を先に見るくせをつけます。公民は後回しにしがちなので、10月までに1周しておきます。
英・数の「追加問題」と面接
学校によっては、英語と数学に「追加問題」を使うことがあります。志望校が使うかどうかを早めに確かめ、使う場合は通常の問題を解き終えたあとに難しめの問題へ進む時間感覚を練習しておきましょう。追加問題の時間や配点は、入試の仕組みの記事で説明しています。
また、一般選抜は全員面接です。上位校でも面接の準備は必要です。志望理由は「その学校でしかできないこと」を1つ入れると、話に中身が出ます。致遠館ならSSHの課題研究、佐賀北なら単位制の授業の選び方、というように、学校の特徴と結びつけて考えてみてください。
使える過去問集・問題集(実在を確認したもの)
結論は、佐賀県の過去問集を1冊、しっかり2周です。ここでは、出版社のページで2027年受験用の発売を確認できたものだけを紹介します。
| 書名 | 出版社 | 使いどころ | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| 佐賀県公立高校(リスニング音声データダウンロード付)2027年度版 | 東京学参 | 2022〜2026年度の特別選抜(数・英・国)と一般選抜(5教科) | 1,760円 |
| 佐賀県公立高等学校 入学試験問題集 2027年春受験用 | 教英出版 | 過去3年分を本番に近い形式で演習 | 1,155円 |
| 2027年受験用 全国高校入試問題正解 英語 | 旺文社 | 他県の公立入試で演習量をふやす(ここでは英語版。ほかの教科は出版社のページで確認) | 3,795円 |
※出典:各出版社の商品ページ(東京学参は2026年8月26日に商品ページ公開、教英出版は2026年8月刊行、旺文社は2026年6月25日発売)。価格は2026年9月時点の掲載価格です。在庫・価格は変わることがあります。
年数を多く解きたいなら東京学参、本番に近い形式で解きたいなら教英出版が向いています。どちらか1冊で十分です。特別選抜を受ける人は、特別選抜の問題も収録している東京学参の版が便利です。過去問を解き終えて時間が余る上位層は、旺文社の全国版で他県の問題にも挑戦しましょう。
9月から3月まで、月別の勉強法
結論は、11月までに5教科の穴をなくし、12月からは過去問中心です。出願や本番の日程は、入試の日程と仕組みの記事で確認してください。
| 時期 | 5教科 | 面接・特別選抜 |
|---|---|---|
| 9月 | 模試の答案で苦手単元を洗い出す。数学・英語は毎日1時間ずつ。定期テスト対策も手をぬかない | 志望校の評価基準の概要を読み、配点を確認 |
| 10月 | 過去問を1年分、時間を計って解く。理科・社会は中1・中2の範囲を1周 | 学校説明会などで、志望理由の材料を集める |
| 11月 | 過去問を週1年分。まちがい直しノートを作る。2学期の定期テストに全力 | 志望理由を200字で書いてみる |
| 12月 | 過去問を週2年分。冬休みは5教科を毎日。英語の長文と数学の証明を重点に | 特別選抜を受けるか決める。面接の3つの質問を声に出して練習 |
| 1月 | 過去問2周目。本番と同じ時間割で通しで解く日を週1回 | 特別選抜を受ける人は、国・数・英の過去問と面接練習を増やす |
| 2月 | まちがい直しノートを回す。苦手単元の基本問題だけをくり返す | 一般選抜の面接練習を週2回 |
| 3月 | 新しい問題は増やさない。本番の2日間の時間割で朝から解く練習を1回 | 面接は答えを暗記しすぎず、自分の言葉で |
※学習量は目安です。お子さまの到達度に合わせて調整してください。
県内の模試の使い方
佐賀県では、英進館の「中3佐賀県統一模試」や、Q模試事務局(株式会社ブロッサム九州)の「佐賀県一斉模試」などが行われています。同じ模試を続けて受けると、成績の変化を比べやすくなります。
模試が返ってきたら、偏差値より先に「まちがえた問題が、基本・標準・発展のどれか」を分けてください。上位校をめざす人は、基本と標準の失点をゼロにすることが第一の目標です。見方のコツは模試の結果の見方の記事にまとめています。
冬休みの1日の時間割(例)
| 時間帯 | 内容 |
|---|---|
| 午前(3時間) | 過去問を本番と同じ時間で2〜3教科 |
| 午後(3時間) | 午前のやり直し→残りの教科の苦手単元 |
| 夕方(1時間) | 英語の長文1題、または数学の証明1題を書き直す |
| 夜(1時間) | 英単語・理社の暗記。まちがい直しノートを見返す |
※時間割は一例です。本番の時間帯に頭が働くよう、朝型の生活に整えていきましょう。
偏差値帯別の作戦
結論として、今の偏差値によって、力を入れる場所はちがいます。ここでいう偏差値は、模試での目安です。
まず教科書レベルの問題で失点しないことが先です。過去問では、前半の小問で落とした問題を全部やり直しましょう。平日は数学・英語を各1時間、理科・社会を30分ずつ。面接の準備は12月からで間に合います。
基礎はできている層です。後半の思考問題で、あと1〜2問とれるかが勝負です。得意教科を「ほぼ満点が取れる教科」に仕上げ、苦手教科は平均点まで上げます。致遠館の理数科をめざすなら、数学と理科の記述を週2回、大人に見てもらいましょう。
ライバルも5教科で高得点をとります。差がつくのは本番のケアレスミスと、数学・英語の最後の問題です。過去問のミスを「読みまちがい」「計算ミス」などに分けて記録し、同じミスを2度しない仕組みを作りましょう。旺文社の全国版で他県の難しめの問題にふれるのも有効です。
致遠館・唐津東・武雄・鳥栖は、高校から入れる人数が募集定員の半分ほどです。偏差値だけでなく、何人の中で何番に入ればよいかを一緒に確認すると、お子さまも目標を具体的に持てます。
保護者がやってはいけないNG
- 偏差値の数字1つで「無理」「大丈夫」と決める。偏差値はサイトによって2〜3違う目安です。模試の結果は、教科ごと・問題ごとの中身で見ましょう。
- 前の年の倍率だけで志望校を変える。武雄は1.30倍から1.03倍に、佐賀北は1.44倍から1.61倍に動きました。数字は毎年変わります。
- 過去問集を何冊も買う。同じ問題を収録した本をふやしても、演習量はふえません。1冊を2周するほうが力になります。
- 「面接は上位校なら関係ない」と言う。一般選抜は全員面接です。準備をしていないと、当日の緊張で力を出せません。
上位校の合否は、答案の「中身」を見ると変えられます
上位校を目指す子の多くは、どの教科もそれなりにできます。だからこそ、どこで何点落としているかを答案から見つけられるかどうかで、秋からの伸びが変わります。
エスペランサアカデミーは、完全オンラインのプロ家庭教師による1対1指導です。模試や過去問の答案を1問ずつ分析し、志望校の配点から逆算した学習計画と、国語の記述・数学の証明・面接の練習まで行います。
直近の模試や過去問の答案をお持ちください。志望校の合格までに何をすればよいか、具体的にお伝えします。無理な勧誘は一切ありません。
まとめ
- 佐賀県の上位校は佐賀西・致遠館・唐津東・佐賀北・武雄・鳥栖・小城の7校(偏差値の目安は58〜71)
- 偏差値の目安は佐賀西が69〜71で最も高く、致遠館(理数科)と唐津東が64〜66
- 令和8年度の志願倍率は佐賀北(普通)の1.61倍が最高。武雄は1.03倍に下がった
- 致遠館・唐津東・武雄・鳥栖は併設型中高一貫校。高校から入れる人数は定員の半分ほど
- 過去問集は1冊を2周。英語の長文と数学の証明で差をつける
- 一般選抜は全員面接。上位校でも12月までに準備を始める


