最終更新:2026年9月/令和9年度(2027年春)入試に向けた情報です。偏差値は民間の目安、倍率は令和8年度の実績です。出願前には、福井県教育委員会の最新資料と各校の公式情報を必ずご確認ください。
福井県で偏差値の目安が60をこえる県立高校は多くありません。この記事では、藤島・高志・武生・若狭・羽水・金津・敦賀の7校を「県内上位校」として取り上げます。
令和8年度の一般選抜では、高志(探究創造)1.97倍、羽水(探究特進)3.70倍など、探究系の学科に志願者が集まりました。同じ学校でも学科で倍率が大きくちがうので、学科単位で作戦を立てることが大切です。
- 福井県の上位県立高校7校の偏差値の目安と、令和8年度の倍率
- 数字から見える3つのポイント(探究系学科・推薦等の枠・合格者の平均点)
- 学校ごとの特徴(SSH指定など)
- 選択問題Bと記述問題への教科別の対策
- 実在を確認した過去問集と、9月からの月別・偏差値帯別の勉強法
福井県の上位県立高校7校:偏差値の目安と倍率
偏差値の目安が一番高いのは藤島で、70〜72です。その次に高志、武生が続きます。下の表は、民間の3つのサイトの値を幅で示し、倍率は県が公表した令和8年度の一般選抜の数字です。
| 学校(学科) | 所在地 | 偏差値の目安 | 令和8年度 倍率 |
|---|---|---|---|
| 藤島(普通) | 福井市 | 70〜72 | 1.34倍 |
| 高志(探究創造) | 福井市 | 66〜68 | 1.97倍 |
| 武生(探究進学) | 越前市 | 65〜67 | 1.61倍 |
| 武生(普通) | 越前市 | 65〜67 | 0.87倍 |
| 若狭(文理探究) | 小浜市 | 63〜65 | 1.87倍 |
| 羽水(探究特進) | 福井市 | 63〜64 | 3.70倍 |
| 金津(普通) | あわら市 | 60〜63 | 0.95倍 |
| 敦賀(文理進学) | 敦賀市 | 59〜61 | 1.05倍 |
※偏差値:民間の模試・情報サイトによる目安です。サイトによって2〜3違います(みんなの高校情報、受験ラボ〔令和8年度〕、家庭教師のあすなろ〔2026年度〕の値の幅)。※倍率:福井県教育委員会「令和8年度 福井県立高等学校 一般入学者選抜 志願変更状況(2月16日 変更最終日)」(公式)の「変更後倍率」=志願変更後の出願者数÷一般選抜の募集人員。令和9年度の募集定員は、実施要項(10月公表予定)で確認してください。
令和8年度の県立全日制全体の変更後倍率は1.03倍でした。上位校の多くは、それより高い倍率です。一方で、武生(普通)や金津のように1倍を下回った学科もあります。倍率が低くても、合格者の学力が低いとは限りません。偏差値の目安と合わせて見てください。
入試の日程と、5教科500点・選択問題A/Bのしくみは、福井県立高校入試2027の日程と仕組みの記事でくわしく説明しています。
令和8年度の数字から見える3つのポイント
県の公式データから、上位校をめざす人が知っておきたいことが3つ見えてきます。
ポイント1:探究系の学科に志願者が集まる
令和8年度の一般選抜の志願倍率は、県全体(全日制)で1.03倍でした。学科別では、普通科0.96倍に対して、探究系学科は1.72倍です。高志(探究創造)、武生(探究進学)、若狭(文理探究)、羽水(探究特進)は、どれも探究系の学科です。
同じ武生高校でも、探究進学科は1.61倍、普通科は0.87倍でした。武生(普通)は出願者196人に対して合格者225人です。ここからは推測ですが、探究進学科などを第1志望にした人のうち、第2志望で普通科に合格した人がいたためと考えられます。
ポイント2:推薦・特色等で定員の多くが埋まる学校がある
| 学校(学科) | 募集定員 | 推薦・特色等の合格者 | 一般選抜の募集人員 |
|---|---|---|---|
| 藤島(普通) | 296 | なし | 296 |
| 高志(探究創造) | 145 | 2 | 143 |
| 武生(探究進学) | 76 | 4 | 72 |
| 若狭(文理探究) | 60 | 30 | 30 |
| 羽水(探究特進) | 38 | 5 | 33 |
| 金津(普通) | 220 | 56 | 164 |
| 敦賀(文理進学) | 60 | 18 | 42 |
※出典:福井県教育委員会「令和8年度 福井県立高等学校 一般入学者選抜 志願変更状況」「一般入学者選抜 合格者数」(公式)。人数は令和8年度の実績です。
若狭(文理探究)は、定員60人のうち30人が推薦・特色等で決まり、一般選抜の枠は30人でした。一般選抜の枠が小さい学科ほど、倍率が上がりやすいことを覚えておきましょう。金津の推薦・特色等の56人には、連携型中高一貫教育校の選抜で決まった人も含まれると考えられます(推定)。
ポイント3:選択問題Bの合格者は「英数で6割強」
県の公表では、令和8年度の一般選抜で選択問題Bを選んだ合格者(2,190人)の平均点は、英語62.9点、数学63.4点、5教科の総点308.0点(500点満点)でした。
これは「Bを使う学校の合格者全体」の平均です。藤島や高志のような学校の合格者は、これより高い点を取っていると考えるのが自然です(推測)。英語・数学で70点台、5教科で350点以上を、上位校をめざすときの練習の目標にするとよいでしょう(目安)。
※出典:福井県教育委員会「令和8年度福井県立高等学校入学者選抜について(総括・結果)」(公式)。学校ごとの合格者平均点は公表されていません。目標点は筆者の目安です。
学校ごとの特徴
7校のうち4校は、国の「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の指定校一覧にのっています。探究学習に力を入れる学校が多いのが、福井の上位校の特徴です。
藤島高校(福井市・普通科)
福井藩の藩校「明道館」(1855年)に起源をもつ伝統校です。JST(科学技術振興機構)のSSH指定校一覧に、令和6年度指定(先導的改革Ⅰ期)としてのっています。令和8年度は推薦・特色等の合格者がなく、定員296人の全員を一般選抜で選びました。一般選抜の学力勝負になる学校です。
高志高校(福井市・探究創造科)
中学校を併設している学校です(2015年開校)。JSTのSSH指定校一覧に、令和8年度指定(先導的改革Ⅱ期)としてのっています。令和8年度の探究創造科は、一般選抜の募集143人に282人が出願しました。
武生高校(越前市・普通科/探究進学科)
1948年に旧制武生中学校などが統合してできた、越前市の学校です。JSTのSSH指定校一覧に、令和5年度指定(Ⅳ期)としてのっています。探究進学科と普通科で倍率が大きくちがうので、どちらを第1志望にするかは模試の結果を見て慎重に決めましょう。
若狭高校(小浜市・文理探究科)
小浜藩の藩校「順造館」の流れをくむ学校です。JSTのSSH指定校一覧に、令和6年度指定(Ⅲ期)としてのっています。小浜市の上位校で、文理探究科は定員の半分が推薦・特色等で決まりました(令和8年度)。
羽水高校(福井市・探究特進科)
探究特進科は2022年にできた学科です。令和8年度は一般選抜の募集33人に122人が出願し、7校の中で一番高い3.70倍でした。枠が小さく、倍率が年によって大きく動きやすい学科なので、併願の作戦も考えておきます。
金津高校(あわら市・普通科)・敦賀高校(敦賀市・文理進学科)
金津高校は、あわら市の芦原中学校・金津中学校と連携型の中高一貫教育をしています。敦賀高校の文理進学科は、令和8年度に一般選抜の募集42人に44人が出願しました。どちらも地域の上位校で、通学のしやすさも大切な判断材料です。
※出典:各校の所在地・沿革はWikipediaの各校記事、SSH指定はJST「SSH指定校一覧」、人数は福井県教育委員会の令和8年度資料(公式)。
学校説明会・オープンスクールで確かめたい3つのこと
- 英語・数学の選択問題はAかBか。練習する問題が変わるので、最初に確かめます。
- 探究の授業で、何をどのくらいやるのか。探究系の学科は、課題研究や発表の時間が多い学校があります。自分がやりたい学び方かを見てください。
- 毎日の通学時間。上位校は課題も多くなります。朝の電車やバスの時間を、実際に調べておきましょう。
説明会では、在校生の話を聞ける機会もあります。「1日に家で何時間勉強しているか」「部活動と両立できているか」を聞いてみると、入学後の生活が具体的にイメージできます。
選択問題Bと記述問題への教科別の対策
上位校をめざすなら、英語・数学は「記述・論述の割合が多い」選択問題Bを前提に練習します。志望校がAかBかは、必ず中学校の先生や県の資料で確認してください。
数学:途中の考え方を「書いて伝える」
Bの問題は、答えだけでなく考え方を書かせる問題が多くなります。証明、式の説明、理由の説明を、週に3問は「人に見せる答案」として書く練習をしましょう。書いたら、先生や家の人に読んでもらい、伝わるかを確かめます。
英語:長い英文と、自分の考えを書く問題
長文は、毎日1題を時間を計って読みます。英作文は、主語と動詞がある正しい文を2〜3文、確実に書けることが先です。むずかしい表現は必要ありません。
国語・社会・理科:資料と文章から理由を書く
この3教科は共通問題です。社会・理科は、グラフや実験の結果から「なぜそうなるか」を書く問題で差がつきます。用語を覚えるときに、「それはなぜ?」を1行で書き添えるだけで、記述に強くなります。国語は、本文の言葉を使って答えを組み立てる練習をします。
記述の答案を自分で採点するときの3つのチェック
デジタル採点に向けた答案の書き方
令和9年度から、国語・英語・理科・社会でデジタル採点が始まります。濃い字で、枠の中に、はっきり書くことを、模試や過去問のたびに意識してください。記述が多い上位校ほど、字の読みやすさが点数に関わります。
実在を確認した過去問・教材
まずは福井県の公立高校の過去問集を1冊用意します。下の表は、出版社のページで実在を確認できたものだけです。
| 書名 | 出版社 | 内容 |
|---|---|---|
| 福井県公立高校 2027年度版(リスニング音声データダウンロード付) | 東京学参 | 2024〜2026年度の5教科+2022〜2023年度の数英理社。1,870円(税込) |
| 2027年受験用 全国高校入試問題正解(教科別・全5冊) | 旺文社 | 47都道府県の公立高校入試問題を教科別に収録。2026年6月25日発売 |
※出典:東京学参「福井県公立高校 2027年度版」商品ページ(ISBN 4814140568)、旺文社「全国高校入試問題正解」シリーズページ。価格・内容は出版社の表示によります。
全国版の問題集は、記述が多い他県の問題で練習量を増やしたいときに使います。福井の過去問を2周してから、苦手な形式だけを選んで解くのが効率的です。
過去問の使い方の手順
9月から入試までの月別の勉強法
9月から2月の学力検査までは、約5か月です。入試の日付は日程と仕組みの記事で確認し、下の流れで進めます。
| 時期 | 上位校をめざす人のやること |
|---|---|
| 9月 | 5教科の総復習。数学・英語は記述問題を週3問ずつ |
| 10月 | 過去問1年分で現在地を確認。志望校の選択問題(AかB)を先生に確認 |
| 11月 | 2学期の定期テストで中3の評定を固める。模試で学科を最終確認 |
| 12月 | 過去問を5教科通しで。推薦・特色を受ける人は面接練習 |
| 1月 | 間違い直し中心。新しい問題集は増やさない |
| 2月 | 本番と同じ時間に起きる。字の濃さ・枠を毎回確認 |
冬休みの1日の時間割(例)
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 8:00〜10:00 | 数学(Bの記述問題・過去問の大問) |
| 10:15〜12:00 | 英語(長文1題+英作文) |
| 13:00〜15:00 | 理科・社会(資料・記述問題) |
| 15:15〜16:30 | 国語(記述・作文) |
| 19:30〜21:00 | その日の間違い直し+暗記 |
※時間は目安です。学校の課題や体調に合わせて調整してください。
上位校の受験生が秋にやりがちな失敗
上位校をめざす人ほど、むずかしい問題集に手を広げがちです。しかし、福井の学力検査は5教科すべてで点を取る試験です。難問が1問解けるようになるより、基本問題の取りこぼしを3問なくす方が、合計点は上がります。
秋のうちは、過去問や模試で落とした問題を「知識がなかった」「時間が足りなかった」「うっかりミス」の3つに分けて記録してください。いちばん多い原因から手をつけるのが、合格への近道です。とくに「うっかりミス」は、見直しの手順を決めるだけで減らせます。
偏差値帯別:いまの位置からやること
模試の偏差値によって、やるべきことの順番は変わります。偏差値は模試によってちがうので、同じ模試の結果で比べてください。
| いまの偏差値(目安) | めざせる学校の例 | 優先してやること |
|---|---|---|
| 68以上 | 藤島・高志 | Bの記述で満点に近づける。5教科の取りこぼしをなくす |
| 63〜67 | 武生・若狭・羽水 | 苦手教科を1つにしぼって底上げ。学科の倍率を見て志望を決める |
| 58〜62 | 金津・敦賀 | 基礎問題の正答率を上げる。中3の評定を確実に固める |
| 57以下 | (上位校をめざす場合) | 中1・中2の単元の穴を先に埋める。1日の勉強時間を増やす |
※偏差値は民間の模試・情報サイトによる目安で、サイトによって2〜3違います。学校名は表の偏差値の目安をもとにした例です。
模試の結果をどう読むか
福井では、福井新聞社の「福井新聞模擬テスト」など、中3向けに県内で行われている模試があります。上位校をめざす人は、同じ模試を続けて受けて、偏差値の動きを見ることが大切です。1回の結果で一喜一憂する必要はありません。
見るべきなのは、総合の偏差値よりも教科ごと・大問ごとの得点です。たとえば数学の記述の大問で毎回半分しか取れていないなら、そこが次の1か月でやることになります。答案が返ってきたら、その日のうちに「落とした理由」を1問ずつ書き出しましょう。
併願の考え方
県立の上位校を第1志望にする場合も、私立高校の併願を考えておくと安心です。とくに、羽水(探究特進)のように枠が小さく倍率が動きやすい学科を受ける場合は、併願先の過去問も12月までに1年分は解いておきます。併願校の数の決め方は、下の関連記事も参考にしてください。
保護者がやってはいけないNG
- 学校名だけで志望を決める。同じ学校でも学科で倍率が大きくちがいます。学科ごとの数字を見ましょう。
- 「倍率が低いから安心」と言う。1倍を下回っても、合格者の学力が高い学科があります。油断させないことが大切です。
- 模試の総合点だけを見る。英語・数学の記述でどれだけ取れたかを見てください。上位校はそこで差がつきます。
- 直前に新しい問題集を買い足す。1月以降は、持っている過去問の間違い直しが効果的です。
上位校の合否は、答案の「中身」を見ると変えられます
同じ偏差値でも、記述で落としている子と計算ミスで落としている子では、やるべきことがまったく違います。エスペランサアカデミーは、完全オンラインのプロ家庭教師による1対1の指導です。模試や過去問の答案を1問ずつ分析し、志望校の選択問題に合わせた計画をつくります。
直近の模試や過去問の答案を見せていただければ、どこで点を落としているかをその場でお伝えします。無理な勧誘は一切ありません。
まとめ
- 福井の上位県立高校は、藤島・高志・武生・若狭・羽水・金津・敦賀の7校(偏差値は民間の目安)
- 令和8年度は探究系学科の志願倍率が1.72倍と高く、羽水(探究特進)は3.70倍
- 若狭(文理探究)のように、推薦・特色等で定員の半分が決まる学科もある
- 選択問題Bの合格者の平均は英語62.9点・数学63.4点。上位校はそれ以上をめざす
- 過去問は東京学参の福井県版を中心に、10月から計画的に
- 日程と入試のしくみは、ペアの記事で確認する


