埼玉の私立高校が個別相談で見るのは、多くの場合北辰テストの偏差値です。しかもここに、保護者が取り違えやすい点があります。多くの学校が求めているのは「2回分の平均」ではなく「2回とも基準を超えていること」です。
平均で考えていると、良い回と悪い回が1回ずつあるお子さんは、相談の席で初めて届いていないと知ることになります。残りの回数を数えて動くのが、9月からの正しい進め方です。
- 埼玉の「確約」が実際には何を指しているのか
- 平均か、2回ともか──基準の読み違いが起きる理由
- 中3の北辰テストの回数と、判定に使われる回
- 個別相談に持っていくものと、行く時期
- 基準に届いていないときの3つの手
埼玉の「確約」とは何を指すのか
埼玉では、多くの私立高校が入試に先立って個別相談会を開きます。受験生本人と保護者が高校へ出向き、成績の資料を見てもらって、基準を満たしているかを確認する場です。ここで良い返事をもらうことを、通称として「確約」と呼んでいます。
ただし「確約」は公式な制度名ではありません。高校が書面で合格を保証するわけではなく、あくまで「この成績なら基準を満たしています」という説明です。実務上は、基準を満たして正規の入試を受けた受験生がそこで落ちることは、まず起きないと考えられています。
東京や千葉と決定的に違うのは、中学校の先生ではなく、受験生と保護者が自分で高校に出向く点です。つまり資料をそろえるのも、日程を押さえるのも家庭の仕事になります。準備不足がそのまま結果に出ます。
「平均」ではなく「2回とも」の学校が多い
ここがこの記事でいちばんお伝えしたい点です。多くの学校は、北辰テスト2回分の偏差値を見ます。このとき2回の平均値ではなく、2回それぞれが基準を超えていることを求める運用をしている学校が少なくありません。
- 9月に62、10月に58 → 平均60でも、2回ともという条件では届きません
- 9月に61、10月に60 → 2回とも超えているので条件を満たします
つまり1回だけ跳ねた回があっても意味が薄く、安定して超えることが求められます。運用は学校によって異なるため、平均で見る学校もあります。必ず志望校に直接確認してください。
この違いを知らないまま「平均すれば足りている」と考えていると、秋の相談で初めて不足を知ることになります。9月の時点で、あと何回受けられるかを数えておくことが、そのまま打てる手の数になります。
中3の北辰テストは年8回。使われるのは7月以降
中学3年生の北辰テストは、4月・6月・7月・9月から12月・1月のおおむね年8回実施されます。このうち私立高校の相談で使われるのは、7月以降の回とされています。4月や6月の結果は、基本的に判定の材料になりません。
※表は横にスクロールできます
| 時期 | 位置づけ |
|---|---|
| 4月・6月 | 練習と現在地の確認。判定には基本的に使われない |
| 7月・9月・10月 | 相談で使う中心の回。ここで基準を超えておきたい |
| 11月・12月 | 相談時期と重なるため、間に合うかは学校の締切次第 |
| 1月 | 私立の相談には間に合わないことが多い |
※実施日・回数・どの回を対象とするかは年度や学校によって異なります。必ず主催者の案内と各校の募集要項でご確認ください。
逆算すると、9月と10月の回が事実上の勝負どころになります。ここで2回とも超えられれば、11月以降は第一志望の対策に集中できます。反対に9月・10月を落とすと、11月・12月の回で取り返す形になり、相談の締切と競争することになります。
個別相談に持っていくもの
- 北辰テストの個人成績票。直近のものだけでなく、7月以降の回をまとめて持参します
- 通知表のコピー。学校によっては内申も基準に含みます。何校も回るなら校数分そろえます
- 英検・漢検などの合格証のコピー。加点の対象になる学校があります
- 筆記用具とメモ。言われた基準はその場で書き留めます
相談会は予約制のことが多く、人気校は早い段階で枠が埋まります。9月に入ったら、志望校の予約開始日を調べて日程表に書き込んでください。準備が整っていても、席が取れなければ相談できません。
届いていないときの3つの手
1 残りの回で基準を超える
9月時点で1つか2つ足りないなら、まだ動かせます。北辰は範囲が広いので、直前の詰め込みより失点している単元を特定して埋めるほうが確実です。どの回までに間に合わせる必要があるかを、志望校の相談締切から逆算してください。
2 内申で見てくれる学校を探す
北辰の偏差値と内申のどちらかを満たせばよいとする学校があります。模試が苦手でも通知表が良い子は、この形の基準を出している学校を探すほうが早い場合があります。
3 基準に届く1校を確実に押さえる
第一志望の受験は、確約の有無と関係なく行えます。確実に合格できる1校を別に確保しておけば、第一志望へは思い切って挑戦できます。受験校数の考え方は併願校は何校受けるべき?で整理しています。
保護者がやってはいけないこと
- 良かった回の成績票だけ持っていく。2回とも見る学校では、かえって不足が明確になります
- 平均で足りていると思い込む。運用は学校ごとに違います。必ず直接確認してください
- 相談会の予約を後回しにする。枠が埋まれば、成績が足りていても相談できません
- 1校の結果で全体を決める。基準の立て方は学校ごとに違うため、2〜3校は回って比べます
残りの回数から逆算して動く
北辰の偏差値は、当日の運では動きません。出題範囲が広いぶん、失点している単元を特定して潰すという作業がそのまま数字に出ます。難しいのは、限られた回数のなかで、どの単元から手を付けるかを決めることです。
エスペランサアカデミーは、完全オンラインのプロ家庭教師センターです。学生アルバイトではなくプロ講師が1対1で担当し、成績票の失点から、次の回までに埋められる単元を絞って指導します。埼玉の入試日程を前提に、確約の締切から逆算した計画を一緒に作ります。
まとめ
- 「確約」は公式な制度名ではなく、書面で保証されるものでもない
- 埼玉は受験生と保護者が自分で高校へ出向く。準備が結果に直結する
- 多くの学校は2回の平均ではなく「2回とも」基準を超えることを求める
- 中3の北辰は年8回。判定に使われるのは7月以降で、9月・10月が勝負
- 持ち物は成績票(7月以降の複数回)・通知表のコピー・資格の証明
- 相談会は予約制。9月に入ったら予約開始日を先に押さえる


