不登校の子のオンライン家庭教師|始める前に確認したいことと進め方

不登校の子のオンライン家庭教師保護者向けコラム

学校に行けていない期間があると、「勉強がどれだけ遅れているのか」「このあとどうなるのか」が見えず、ご家庭だけで抱え込みやすくなります。

この記事では、不登校のお子さまにオンライン家庭教師が向いている理由と、始めるときに気をつけることを整理します。学習の話だけでなく、無理をさせないための線引きも書きます。

結論

① オンラインは「外に出る」というハードルがないぶん、最初の一歩を踏み出しやすい形です。

② ただし学習より先に、生活リズムと本人の意思が整っているかを確認してください。順番を間違えると続きません。

③ 出席扱いになる制度がありますが、条件があり学校の判断が必要です。

オンラインが向いている理由

家から出なくてよい

塾に通う、人に会うという段階を飛ばせます。制服に着替える必要も、同級生に会う心配もありません。

顔を出さない選択もできる

会社によっては、カメラをオフにして音声と画面共有だけで進められます。人と話すこと自体に抵抗がある段階では、この配慮が大きな差になります。

学年に縛られず戻れる

1対1なので、学年に関係なく理解できているところまで戻れます。集団では成立しない進め方です。

時間帯を選べる

昼夜が逆転している場合でも、起きられる時間に合わせられます。まず生活を戻してから、と待つ必要がありません。

始める前に確認したい3つのこと

焦って始めると、かえって本人を追い詰めます。次の順番で確認してください。

① 本人が「やってみてもいい」と言っているか

保護者の方が先に決めて、本人が受け身のまま始まると、ほぼ続きません。体験だけ受けてみて、合わなければやめていいという前提で話すと、本人も動きやすくなります。

② 起きられる時間帯があるか

週1回、決まった時間に起きられるかどうか。これが難しい段階なら、まず生活リズムの回復が先です。学習は後からでも取り戻せます。

③ 体調・心の状態が安定しているか

医療機関やスクールカウンセラーにかかっている場合は、学習を始めるタイミングを相談してください。回復期に無理をさせると、戻るのに時間がかかります。

週1回30分から始めてよい

いきなり通常の授業時間である必要はありません。短時間から始めて、本人が「これならできる」と感じられることのほうが、はるかに重要です。

保護者がやりがちな3つのこと

① 遅れを一気に取り戻そうとする

休んだ期間の分をまとめて埋めようとすると、量に圧倒されて本人が動けなくなります。1日1問でも、続いていることのほうが価値があります。

② 学校復帰を目標にしてしまう

学習支援の目的は、復帰そのものではなく「戻りたくなったときに戻れる状態を保つこと」です。目標を復帰に置くと、進まないことがすべて失敗に見えてしまいます。

③ 授業を休んだことを責める

体調や気分で受けられない日は必ずあります。休んだときに責められると、次の回に向かうのがさらに重くなります。振替ができる契約かを最初に確認しておくと、双方が楽になります。

この記事の内容、お子さんの場合はどうなりますか

学年と、いま困っていることを一言だけ教えてください。この記事の内容をお子さんの状況に当てはめて、プロ講師がお返事します。

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出席扱いになる制度について

不登校の状態でも、自宅での学習が一定の条件を満たせば、校長の判断で指導要録上の出席扱いとする制度があります。ただし条件があり、最終的な判断は在籍校が行います。

一般的に求められること

・保護者と学校の間に十分な連携・協力関係があること
・訪問や対面での指導が適切に行われること
・学習の計画や内容が学校の教育課程に照らして適切であること
・学習の状況が学校に定期的に報告されること

先に学校へ相談してください

教材やサービスを契約してから相談すると、認められない場合に費用だけが残ります。必ず担任・学年主任に、どういう形なら出席扱いを検討できるかを先に確認してください。運用は学校ごとに異なります。

詳しくは不登校でも出席日数は大丈夫?出席扱い制度の条件で解説しています。

高校進学はどうなるか

いちばん不安に感じられる部分だと思います。結論として、選択肢はあります。

内申点が不利になりにくい入試を選ぶ

私立の一般入試は当日の学力検査を重視する学校が多く、公立でも学力検査の比重が高い枠を設けている自治体があります。不登校でも内申点はどうなる?で詳しく説明しています。

通信制・単位制という選択

毎日通わなくてよい高校が増えています。大学進学実績のある通信制高校もあり、進路が狭まるとは限りません。

学力さえあれば道は残る

だからこそ、学習だけは細く長く続けておく価値があります。不登校でも勉強の遅れは取り戻せるもあわせてご覧ください。

最初の3回で何をするか

不登校の状態から学習を再開するとき、いきなり教科の勉強から入ると続きません。最初の3回は、学習そのものより「続けられる形をつくる」ことが目的です。

1
1回目:話すだけで終わってよい
画面をつなぎ、時間どおりに始まり、時間どおりに終わる。この体験自体が最初の目標です。勉強の話にならなくても構いません。
2
2回目:いまできることの確認
どこまでなら解けるかを、責めない形で確認します。「できない範囲」を探す作業ではなく、「ここからなら進める」という地点を見つける作業です。
3
3回目:次回までにやることを1つだけ決める
量は問いません。1ページでも、1問でも構いません。やると決めたことが実行できた、という経験が次につながります。
POINT
最初から週2回や90分フルで組まないでください。負荷が高いと1か月で止まります。短く始めて、続いてから増やすほうが、結果的に早く進みます。

出席扱いを申請するときに用意しておく記録

前の章で触れたとおり、出席扱いにするかどうかを決めるのは在籍校です。文部科学省は一律の基準を示しておらず、学校や教育委員会が独自に基準をつくって判断しています。

※文部科学省「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」より(2026年9月11日時点で確認)。対象は小学校・中学校です。

学校が判断するには材料が要ります。あとから思い出して書くことはできないので、始めた日から記録を残してください。

残すもの具体的に
日付と時間いつ、何分やったか。授業だけでなく自習の時間も
学習した内容教科と単元。「数学 一次方程式」のように具体的に
理解の程度解けた問題数、確認テストの結果など数字で分かるもの
対面指導の記録家庭訪問やスクールカウンセラーとの面談の日付
✕ 認められなかった実例もあります
文部科学省が把握している例として、家庭の協力が得られず学習状況を確認できなかったケースや、使っていた無料の学習プログラムのねらいや内容が明確でなかったケースが挙げられています。記録がないと、同じことが起きます。
◎ 学校に「どの形式で出せばよいか」を先に聞く
学校側で書式が決まっていることがあります。こちらの好きな形で記録をつけてから提出すると、作り直しになります。最初に確認してください。

うまくいかないときの立て直し方

順調に進んでいたのに、急に授業を受けたがらなくなることがあります。これは失敗ではなく、調整が必要になった合図です。

量が合っていない場合
宿題や授業時間を減らします。「減らすと遅れる」と考えがちですが、止まるより進みます。
時間帯が合っていない場合
朝が動けないなら夕方に、夕方に疲れるなら午前に。オンラインは時間帯を変えやすいのが利点です。
人が合っていない場合
相性は努力では埋まりません。講師の交代を申し出るのは、わがままではありません。

いずれの場合も、いったん休むという選択を含めて検討してください。再開できる状態を保っておくことが、いちばん大事です。

よくあるご質問

Q. カメラをオフのままでも受けられますか?

会社によります。事前に「カメラオフでも指導できますか」と確認してください。画面共有で手元だけ見せる形なら成立します。

Q. 講師は事情を理解してくれますか?

申し込みの段階で状況を伝えてください。経験のある講師を配慮してもらえるかどうかは、会社の体制によります。

Q. 途中で受けられなくなったら?

振替や休会の制度があるかを事前に確認してください。長期の休会が可能な会社なら、無理なく続けられます。

Q. 何年生の内容から始めればよいですか?

学年ではなく、自力で解ける最後の地点から始めます。戻ることに抵抗を感じる方が多いのですが、戻ったほうが結果的に速く進みます。

まとめ

この記事の要点

・外に出る必要がなく、最初の一歩を踏み出しやすい
・学習より先に、本人の意思と生活リズムを確認する
・週1回30分からで構わない
・出席扱い制度は、契約前に学校へ相談する
・高校進学の選択肢は残っている

いま学習が止まっていても、それが将来を決めるわけではありません。できる形で、細く続けられる方法を一緒に探させてください。

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