「指定校推薦をもらえそうなのですが、公募推薦とどう違うのでしょうか」。高2・高3のご家庭からよくいただく質問です。この2つは同じ「学校推薦型選抜」でありながら、出願の条件も、合格率も、併願できるかどうかもまったく違います。この記事では違いを整理したうえで、いつ何をすべきかを時系列で示します。
・公募制と指定校制の、決定的な5つの違い
・校内選考はいつ、何で決まるのか
・評定平均の出し方(自分で計算できます)
・高1・高2・高3、それぞれの時期にやるべきこと
・推薦を狙いながら、一般選抜の準備も残す方法
入試制度と日程は変更されることがあります。必ず志望大学の募集要項と、高校の進路指導部の指示で最終確認してください。
まず整理:大学入試には3つの入り方があります
2021年度入試から名称が変わり、現在は次の3つに整理されています。
| 方式 | 旧名称 | 主な評価 | 時期の目安 |
|---|---|---|---|
| 総合型選抜 | AO入試 | 志望理由書・面接・課題など | 出願9月以降 |
| 学校推薦型選抜 | 推薦入試 | 調査書(評定平均)+高校長の推薦 | 出願11月1日以降 合格発表12月1日以降 |
| 一般選抜 | 一般入試 | 学力試験 | 1月〜3月 |
このうち学校推薦型選抜が、公募制と指定校制に分かれます。ここからが本題です。
公募制と指定校制の、5つの決定的な違い
| 比較項目 | 公募制推薦 | 指定校制推薦 |
|---|---|---|
| 出願できる人 | 条件を満たせば全国どの高校からでも | 大学が指定した高校の生徒のみ |
| 校内選考 | 原則なし(学校長の推薦は必要) | あり。まずここを通る必要がある |
| 合格率 | 大学・学部による。不合格もある | 校内選考を通れば非常に高い |
| 併願 | 可能な場合がある(大学による) | 原則、専願(合格したら必ず入学) |
| 国公立大 | あり(国公立はほぼ公募制) | ほとんどない(私立中心) |
最大の違いは「校内選考があるかどうか」です。指定校推薦は、大学に出願する前に、高校の中で枠を争う段階があります。ここを通ってしまえば合格の可能性は非常に高い一方、合格したら必ずその大学に入学する義務を負います。
第一志望が明確で、その大学に指定校枠があるなら指定校推薦。複数の大学を比べたい、国公立も視野に入れたいなら公募推薦。専願かどうかが、判断の分かれ目です。
指定校推薦は辞退が原則できません。辞退すると翌年以降、高校がその大学から枠を減らされることがあります。「とりあえず出しておく」ができない入試です。出願前に本当に行きたいかを確認してください。
評定平均の出し方(自分で計算してみましょう)
どちらの推薦でも、出発点は評定平均です。まずこれを正確に出してください。
評定平均値 = 高1〜高3の1学期までの、全科目の評定の合計 ÷ 科目数
小数第2位を四捨五入して、小数第1位まで出します。
ポイントは3つあります。
国数英だけではありません。体育も、家庭科も、芸術も、情報もすべて含みます。1科目でも低い評定があると、平均は確実に下がります。
ここが最も重要です。高1の1学期の評定が、そのまま最後まで効きます。高3から挽回しようとしても、分母が大きいため平均はほとんど動きません。
高3の2学期以降の成績は、原則として含まれません。つまり高3の1学期が最後のチャンスです。
多くの大学が出願条件として「評定平均3.5以上」「4.0以上」といった基準を設けています。難関大学の指定校枠では4.3以上が求められることも珍しくありません。
高1・高2で評定3.2だった生徒が、高3の1学期に全科目5を取っても、平均は3.5前後にしか届きません。推薦を視野に入れるなら、遅くとも高1の終わりには意識を始めてください。
校内選考は、何で決まるのか
指定校推薦で最初の関門になるのが校内選考です。高校によって基準は異なりますが、一般に次の順で見られます。
ほぼすべての高校で第一基準。同じ枠を複数人が希望した場合、評定平均の高い順で決まることが最も多いです。
欠席・遅刻・早退の日数。年間の欠席が多いと、評定が足りていても外れることがあります。
部活動の実績、生徒会、委員会、資格(英検など)。評定が同点のときの決め手になります。
面談で「なぜその大学か」を問われます。ここで初めて考え始めると、答えられません。
多くの高校で、指定校の一覧が公開されるのが高3の夏休み前後、校内選考が9月です。つまり夏休みの時点で評定は確定しています。夏に「指定校を狙おう」と思っても、その時点で結果は決まっているのです。
推薦を狙えるかどうか、判断がつきますか?
いまの評定平均と志望校をうかがえば、推薦を軸にすべきか、一般選抜に切り替えるべきかを具体的にお伝えします。
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学年別:いつ何をすべきか
高1
この学年が最も重要です。評定平均は高1の1学期から積み上がるためです。やることは1つ、全科目で定期テストと提出物を落とさないこと。得意科目を伸ばすより、苦手科目で2を取らないことのほうが効きます。
また、英検などの資格は高1・高2のうちに取っておくと、出願条件を満たしやすくなります。英検2級以上を出願条件や加点対象にしている大学は多いため、優先度は高いです。
高2
評定を維持しながら、志望する大学・学部の方向性を絞り始める時期です。指定校枠は毎年変わりますが、前年度の一覧は進路指導部で見せてもらえることが多いので、高2のうちに一度確認しておいてください。
あわせて、欠席日数に注意します。体調不良は仕方がありませんが、「なんとなく休む」が積み重なると校内選考で不利になります。
高3の1学期
評定を上げられる最後の学期です。ここで1つでも評定を上げると、平均が0.05〜0.1動くことがあります。ボーダー上ではこの差が枠を分けます。
同時に、志望理由書の準備を始めてください。「なぜこの大学のこの学部か」を、自分の経験と結びつけて説明できるか。これは一朝一夕には書けません。
高3の夏〜秋
高校に届いた枠を確認します。大学名だけでなく、学部・人数・評定条件まで見てください。
志望理由書と面談があります。ここで「なんとなく」と答えると通りません。
通った場合は大学への出願準備へ。外れた場合、すぐに公募推薦か一般選抜に切り替えます。
出願は11月1日以降です。小論文・面接・プレゼンなどの対策を並行します。
合格発表は12月1日以降です。不合格だった場合、一般選抜まで約1か月半しかありません。
推薦一本に絞って、一般選抜の勉強を止めてしまうこと。校内選考で外れる、あるいは大学で不合格になる可能性はゼロではありません。12月に不合格が分かってから共通テストまでは1か月ほどです。推薦を狙う場合も、一般選抜の基礎学習は必ず並行してください。
推薦と一般選抜、どう両立させるか
「推薦の準備と受験勉強、両方はできない」という相談をよく受けます。実際には、両立できる部分とできない部分があります。
| 時期 | 推薦の準備 | 一般選抜の勉強 |
|---|---|---|
| 高1〜高2 | 評定を落とさない(=日々の授業) | 基礎固め |
| 高3 1学期 | 評定+志望理由の下書き | 基礎固めの完成 |
| 高3 夏 | 校内選考の準備 | ここは一般選抜に集中 |
| 高3 9〜10月 | 校内選考・面接練習 | 演習を継続 |
| 高3 11〜12月 | 小論文・面接対策 | 比重を落として維持 |
| 高3 12月以降 | — | 不合格なら全力で切り替え |
評定を維持することは、そのまま一般選抜の基礎固めになります。定期テストの勉強を真面目にやることと、受験勉強は対立しません。対立するのは、11月以降の小論文・面接対策の時期だけです。ここをどう配分するかだけ決めておけば大丈夫です。
よくある質問
まとめ
推薦入試は「楽な入り方」ではありません。高1から3年間、日々の授業を積み上げてきた人が使える方法です。逆に言えば、いま高1・高2であれば、これから十分に間に合います。
エスペランサアカデミー編集部(中学・高校・大学受験専門のオンライン家庭教師)。採用率10%以下・指導経験5年以上のプロ講師のみが在籍し、渋幕・海城・早慶をはじめとする難関校への合格指導を行っています。本記事は、実際にご家庭からいただくご相談内容をもとに作成しています。
いまの評定で、推薦は狙えますか?
評定平均を一緒に計算し、指定校を狙うべきか、公募推薦か、一般選抜に切り替えるべきかを、志望校から逆算してお伝えします。
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