結論:再開は「いまの学年」ではなく「ひとりで解ける場所」から始める
- 戻る先は休んだ期間では決まらない。数学と英語は、ひとりで解ける単元の手前から1段ずつ戻って確認する。
- 中学の学習内容は文部科学省の学習指導要領で、授業時数は学校教育法施行規則 別表第二で決まっている。年間1,015コマ(1コマ50分)のうち、5教科は約62〜66%を占める。
- 1日の学習時間は、10〜15分から始めて少しずつ伸ばすのが一つの考え方。時間や期間は目安で、ご家庭の状況で変わる。
- 進級・卒業の最終判断は校長(学校)。気持ちや体調の心配は、スクールカウンセラーや医療機関などの専門機関に相談する。
必ず各教育委員会・学校・公的機関の最新の公式情報で確認してください。
📌 最初に決めること:「今の学年」ではなく「止まった場所」から始める
学校を休んでいた中学生が勉強を再開するときは、いまの学年の授業に追いつこうとするより、勉強が止まった場所を見つけてそこから戻るほうが、無理が少なくなります。
これは、中学校の学習内容が「前の学年の内容を使って次の学年へ進む」形で並んでいるためです。
たとえば数学では、中学1年の方程式の上に中学2年の連立方程式があり、その上に中学3年の二次方程式があります(文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」数学)。
下の段が抜けたまま上の段を学ぶと、同じところでつまずき続けてしまいます。
「止まった場所」は、休んだ期間の長さとは必ずしも一致しません。
学校に行けなかった日が3か月でも、その前から授業がわかりにくくなっていたなら、戻る先は半年前や1年前かもしれません。
逆に、休んだ期間は長くても、家で教科書を読んでいたなら、戻る先は浅くて済むこともあります。
ご家庭の状況で変わりますので、期間ではなく「どの問題までならひとりで解けるか」で決めるのが、一つの考え方です。
「止まった場所」の見つけ方
- 学校から預かっている教科書とワークを、お子さんと一緒に机に出す。
- 各教科で、いまの学年の最初の単元の問題を、まず3問だけ解いてもらう。
- 解けなければ、1つ前の単元、さらに前の学年の最後の単元へと、1段ずつ戻る。
- 「ひとりで解けた」「解説を読めば解けた」「読んでもわからなかった」の3つに印を付ける。
- 「ひとりで解けた」の次の単元が、再開の入口になる。
この作業は、テストではなく「探しもの」です。
点数をつけたり、できなかった数を数えて伝えたりする必要はありません。
お子さんが「ここまでなら大丈夫」と感じられる場所を、一緒に見つけることが目的です。
なお、学校の成績や出欠の扱い、進級・卒業についての最終的な判断は、校長(学校)が行います。
学習のことで不安が大きいときは、担任の先生や学年の先生に、どの単元が授業で進んだのかを聞いてみてください。
文部科学省の通知(2019年10月25日「不登校児童生徒への支援の在り方について」)は、学習の遅れへの不安に対して、補充のための指導などを柔軟に検討するよう学校に求めています。
🗺️ 勉強再開の4段階ロードマップ
勉強の再開は、「生活のリズム → 短い学習 → 戻り学習 → 学年の内容」の順に4段階で進める、というのが一つの考え方です。
段階ごとの期間は、ご家庭やお子さんの状態で大きく変わります。
次の表の期間は目安であり、決まりではありません。
| 段階 | ねらい | やること | 期間の目安(一つの考え方) |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | 机に向かうことに慣れる | 好きな教科の本や動画、漢字や計算の短い練習を1日10〜15分だけ行う | 2〜4週間ほど |
| 第2段階 | 「できた」を取り戻す | 止まった場所の1つ手前から、1日1単元ずつ進める。ひとりで解ける問題中心 | 1〜2か月ほど |
| 第3段階 | 抜けた単元を埋める | 数学・英語を中心に、前の学年の抜けた単元へ戻る。理科・社会は単元ごとに | 2〜3か月ほど |
| 第4段階 | いまの学年へ合流する | 学校の授業の進み具合に合わせ、テスト範囲や提出物を確認しながら進める | お子さんのペースで |
大切なのは、第1段階をとばさないことです。
いきなり第3段階の戻り学習から始めると、量の多さに圧倒されて、机に向かうこと自体がつらくなることがあります。
最初の2〜4週間は、量より「毎日少しでも続けた」という事実を作る時期と考えてください。
段階を進める・戻る目安
- 次の段階へ進む目安:同じ量を5日続けても、お子さんが嫌がらずに取り組めている。
- 戻る目安:取りかかるまでに時間がかかる日が続く、または机の前で止まる日が増えた。
- 戻るのは失敗ではなく、量を調整するだけのことです。
- 体調や気持ちの面で心配があるときは、学習の計画より先に、学校のスクールカウンセラーや医療機関などの専門機関に相談してください。
この記事では、医療や心理についての助言はしていません。
あくまで、学習内容と時間の組み立て方についての一つの考え方です。

📚 中学の学習内容は「学習指導要領」と「授業時数」で決まっている
中学校で何をどれだけ学ぶかは、文部科学省の学習指導要領と、学校教育法施行規則の別表第二(標準授業時数)で決まっています。
標準授業時数は、1年・2年・3年のどの学年も年間1,015単位時間で、1単位時間は50分です。
1,015コマ×50分は50,750分で、時間に直すと約846時間になります。
つまり、中学生が学校で過ごす授業時間は、1年間でおよそ846時間です。
次の表は、学校教育法施行規則 別表第二にある、中学校の教科ごとの年間標準授業時数(単位時間)です。
「どの教科にどれだけの時間が使われているか」を知ると、家庭学習の配分を考えやすくなります。
| 教科など | 中1 | 中2 | 中3 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 140 | 140 | 105 |
| 社会 | 105 | 105 | 140 |
| 数学 | 140 | 105 | 140 |
| 理科 | 105 | 140 | 140 |
| 外国語(英語) | 140 | 140 | 140 |
| 音楽 | 45 | 35 | 35 |
| 美術 | 45 | 35 | 35 |
| 保健体育 | 105 | 105 | 105 |
| 技術・家庭 | 70 | 70 | 35 |
| 道徳 | 35 | 35 | 35 |
| 総合的な学習の時間 | 50 | 70 | 70 |
| 特別活動 | 35 | 35 | 35 |
| 合計 | 1,015 | 1,015 | 1,015 |
この表から、いくつかのことが読み取れます。
国語・社会・数学・理科・英語の5教科の合計は、中1と中2が630コマ、中3が665コマです。
合計1,015コマに対する割合は、中1と中2で約62%、中3で約66%になります。
そのうち、国語・数学・英語の3教科だけで見ると、中1は420コマ(約41%)、中2と中3は385コマ(約38%)です。
一方、音楽・美術・保健体育・技術・家庭の4教科は、中1が265コマ、中2が245コマ、中3が210コマと、学年が上がるほど少なくなります。
道徳・総合的な学習の時間・特別活動は、中1が120コマ、中2と中3が140コマです。
再開直後の家庭学習では、まず5教科、その中でも積み上げが大きい数学と英語を軸にする、という考え方がしやすくなります。
🔢 数学:いちばんさかのぼる価値が大きい教科
数学は、前の学年の内容が次の学年で必ず使われるため、さかのぼる先を決めることがロードマップの中心になります。
学習指導要領では、中学数学の内容は「数と式」「図形」「関数」「データの活用」の4つの領域で、学年ごとに積み重なる形で示されています。
下の表は、文部科学省の学習指導要領にある主な項目を、学年と領域ごとに整理したものです。
| 学年 | 数と式 | 関数 | 図形・データ |
|---|---|---|---|
| 中1 | 正の数と負の数/文字式/一元一次方程式 | 比例と反比例/座標/グラフ | 基本の作図/平行移動・対称移動・回転移動/空間図形/ヒストグラムと代表値 |
| 中2 | 整式の計算/連立二元一次方程式 | 一次関数(表・式・グラフ) | 平行線と角/三角形の合同と証明/確率/四分位範囲と箱ひげ図 |
| 中3 | 平方根/式の展開と因数分解/二次方程式 | 関数 y=ax² | 相似な図形/円周角と中心角/三平方の定理/標本調査 |
四分位範囲と箱ひげ図は、平成29年告示の学習指導要領で中学2年に新しく加わった内容です(文部科学省「平成29年改訂の小・中学校学習指導要領に関するQ&A(算数,数学に関すること)」)。
ご家庭の教科書が古い場合や、学校の指導計画によって扱う順が少し違う場合もあるため、実際の進み具合は学校にご確認ください。
学年別・数学のさかのぼり先(一つの考え方)
- 中1で休んでいた場合:小学校の分数・小数の計算に不安がないかを先に見る。そのうえで、正の数と負の数から始める。
- 中2で休んでいた場合:中1の「文字式」と「一元一次方程式」をひとりで解けるかを確認する。解けなければ、中1の方程式に戻る。
- 中3で休んでいた場合:中2の「連立方程式」と「一次関数」を確認する。平方根や二次方程式は、これらの計算力の上に成り立つ。
「中1の方程式」は、ほぼすべての単元の土台です。
連立方程式も一次関数も二次方程式も、方程式の考え方を使います。
そのため、どの学年に戻るにしても、一元一次方程式を1つ解く練習を、毎日の最初の5分に入れておくと、全体が安定しやすくなります。
これもご家庭の状況で変わる、一つの考え方です。

🔤 国語と英語:毎日の短い練習が土台になる
国語と英語は、数学のような「単元の段差」より、毎日少しずつ触れる量が力になりやすい教科です。
そのため、再開の第1段階(生活のリズムづくり)から取り入れやすく、1日10分でも始められます。
国語
学習指導要領は、国語の漢字について学年ごとの目安を示しています。
中1では、学年別漢字配当表にない常用漢字のうち300〜400字程度を読み、配当表の漢字のうち900字程度を書いて、文や文章の中で使えるようにします。
中2では、その他の常用漢字のうち350〜450字程度を読めるようにします。
中3では、その他の常用漢字の大体を読めるようにします。
(出典:文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年3月31日公示)比較対照表」国語)
国語の年間標準授業時数は、中1と中2が140コマ、中3が105コマです。
漢字は、1日5字ずつ読んで書く、といった小さな単位で続けやすい学習です。
文章を読む力は、教科書の本文を声に出して読む、短い文章の要旨を1行で言う、といった練習から取り戻せます。
英語(外国語)
英語の年間標準授業時数は、中1・中2・中3のどの学年も140コマです。
時数が一定であることは、英語が3年間を通して、毎週一定の量を積み重ねる教科であることを表しています。
学習指導要領でも、言語材料は学習段階に応じて、平易なものから難しいものへと段階的に指導するものとされています。
- 中1で休んでいた場合:アルファベットの読み書き、be動詞と一般動詞の文から。
- 中2で休んでいた場合:中1の文の形(肯定文・否定文・疑問文)を言えるかを確認してから、中2の内容へ。
- 中3で休んでいた場合:中2までの文の形に不安がないかを見て、不安があれば、その単元の例文を音読して戻る。
英語は、教科書の本文と単語を、声に出して読む時間をとるだけでも、取りかかりやすい教科です。
1日の中で数学と英語を同じ時間にそろえると、習慣になりやすいという考え方もあります。
🧪 理科と社会:単元ごとに入口を決めやすい教科
理科と社会は、数学ほど前の学年の内容に依存しにくく、「いま必要な単元」から入りやすい教科です。
そのため、再開の第3段階以降で、学校のテスト範囲に合わせて取り組む教科として扱うのが、一つの考え方です。
| 教科 | 中1 | 中2 | 中3 |
|---|---|---|---|
| 理科の年間標準授業時数 | 105 | 140 | 140 |
| 社会の年間標準授業時数 | 105 | 105 | 140 |
理科は中2と中3が140コマ、社会は中3が140コマと、学年が上がるにつれて時数が増えます。
つまり、3年生になるほど、授業で学ぶ量が多い教科になります。
中3の再開では、受験で使う教科の勉強量が増えるため、早めに「テスト範囲」を学校に確認しておくと見通しが立ちます。
理科・社会を再開するときのコツ(一つの考え方)
- 学校の授業で使っている教科書の目次を開き、いまの時期にテスト範囲となりそうな単元を選ぶ。
- 1単元を、「教科書を読む → 太字の用語を書き出す → ワークの基本問題を解く」の3つに分けて、3日で1単元を目安にする。
- 実験や図が多い単元は、教科書の図や写真を見ながら、お子さんが自分の言葉で説明するところから始める。
- 社会は、地理・歴史・公民のどれから入ってもよいが、学校の進み具合に合わせるほうが、定期テストにつなげやすい。
理科・社会で大切なのは、一度にたくさん覚えようとしないことです。
再開直後は、1単元を終えて「わかった」と思える体験を増やすことが、次の単元への意欲につながります。
⏱️ 1日の学習時間の目安(一つの考え方)
再開後の1日の学習時間は、15分から始めて、段階ごとに少しずつ伸ばすのが、一つの考え方です。
ここで示す時間は、文部科学省などの基準ではなく、ご家庭で計画を立てるときの参考です。
学校の1コマは50分(学校教育法施行規則 別表第二の備考)ですので、50分を一つの区切りとして見ると、全体の見通しが立てやすくなります。
| 段階 | 1日の学習時間の目安 | 内容の例 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 10〜15分 | 漢字5字、計算5問、英語の音読など。教科は日替わりでもよい |
| 第2段階 | 20〜30分 | 止まった場所の1つ手前から。数学を中心に1単元 |
| 第3段階 | 30〜50分 | 数学と英語を中心に、前の学年の単元へ。休憩をはさむ |
| 第4段階 | 50分〜1時間半 | 学校のテスト範囲に合わせて、5教科を回す |
時間を伸ばすときは、一度に倍にしないことをおすすめします。
10分を15分、15分を20分というように、少しずつ増やすほうが、続けやすくなります。
また、1日の中で勉強する時間帯を決めておくと、「いつやるか」で迷う時間が減ります。
時間を伸ばしてよいかの確認ポイント
- 同じ時間を1週間続けても、本人が嫌がらなかった。
- 終わったあとに、「今日はここまでできた」と自分で言える。
- 睡眠や食事のリズムが崩れていない。
学習時間が短くても、毎日続いていることには意味があります。
「何時間やったか」ではなく、「毎日机に向かえたか」を最初の目標にしてください。
また、休んだ日があっても、翌日から同じ量でもう一度始めれば大丈夫です。
ご家庭の状況で変わりますので、この表を目安に、お子さんの様子を見ながら調整してください。
🎓 学年別ロードマップ:中1・中2・中3でそれぞれ何を優先するか
学年別に見ると、中1は「小学校との橋渡し」、中2は「中学の土台づくり」、中3は「進路に向けた整理」が、それぞれの優先テーマになります。
次の表は、学年ごとのさかのぼり先と優先順位を一つの考え方としてまとめたものです。
| 学年 | さかのぼる先 | 優先する教科(一つの考え方) | 注意したいこと |
|---|---|---|---|
| 中1 | 小学校の算数(分数・小数)、漢字、英語の基本 | 数学→英語→国語→理科・社会 | 小学校の学習内容とのつなぎ目を大切にする |
| 中2 | 中1の方程式・文の形・用語 | 数学→英語→理科→社会→国語 | 学校の授業が加速する時期。早めに学校へ状況を相談する |
| 中3 | 中2の連立方程式・一次関数・文法 | 数学→英語→受験で使う教科→その他 | 進路の情報を学校から取り、受験で必要な教科から逆算する |
中3の場合の進路への配慮
中学3年生が休んでいる場合は、高校入試に向けて、学習面と手続き面の両方を同時に見ることになります。
高校の入学者選抜の方法は、都道府県の教育委員会や各高校によって異なります。
文部科学省の2019年10月25日の通知でも、高校入学者選抜の多様化や、中学校卒業程度認定試験の情報提供などが、中学校卒業後の支援として挙げられています。
志望校の選抜方法や必要な書類は、学校の先生と、志望校や教育委員会の公式情報で確認してください。
欠席が多い場合の調査書の扱いなどは、別の記事で詳しく説明しています。
進級・卒業に関する最終判断は、校長(学校)が行います。
学習の遅れが心配な場合は、補充の指導や進級に関する対応について、学校に相談してみてください。
2019年10月25日の通知は、学習の遅れへの不安に対し、補充指導や、進級・卒業の留保などを柔軟に検討することを学校に求めています。

🏫 学校や支援先と学習をつなぐ
家庭での学習を続けながら、学校や地域の支援先ともつながっておくと、勉強の再開が進みやすくなります。
文部科学省は、学校の中にも外にも、学ぶ場所を増やす取り組みを進めています。
| 支援の場 | 内容 | 確認する先 |
|---|---|---|
| 校内教育支援センター | 学校内に設けられた、落ち着いて学べる部屋(スペシャルサポートルームなど) | 在籍している学校 |
| 教育支援センター | 市町村の教育委員会が設ける、学校外の学びの場 | 市町村の教育委員会 |
| 不登校特例校(学びの多様化学校) | 不登校の生徒に合わせた教育課程を持つ学校 | 都道府県・市町村の教育委員会 |
| オンラインでの学習 | 学校や支援センターとつないだオンライン指導や課題 | 在籍している学校 |
文部科学省の「COCOLOプランの進捗状況(概要)」(2025年11月6日掲載のページ)によれば、校内教育支援センターを設置している学校は15,874校で、前年の12,712校から増えています。
COCOLOプランは、2023年3月31日に文部科学省が取りまとめた不登校対策で、学びの場の確保や、早期の支援などを柱としています。
また、2024年8月29日の文部科学省の通知により、学校教育法施行規則が改正され、不登校の児童生徒が欠席中に行った学習の成果を、成績評価に反映できる仕組みが明確になりました。
条件には、学習計画や内容が学校の教育課程に照らして適切であること、学校が保護者を通じて、学習の進み具合を定期的に確認することなどがあります。
家庭で取り組んだ学習が成績にどう反映されるかは、学校ごとに確認が必要です。
出席の扱いや成績の評価について詳しく知りたい方は、別の記事もご覧ください。
❌ よくある勘違い
勉強の再開で多い勘違いを、表にまとめます。
どれも、「やる気の問題」ではなく、「進め方の問題」であることがほとんどです。
| よくある勘違い | 考え方 |
|---|---|
| 休んだ期間と同じだけ戻らないといけない | 戻る先は、期間ではなく「ひとりで解ける場所」で決める |
| いまの学年の内容を先に追いつくべき | 前の学年の抜けが残ると、同じところでつまずき続けやすい |
| 1日に何時間もやらないと意味がない | 15分でも毎日続けることに意味がある |
| 全教科を同時に再開しなければならない | 数学と英語から始めて、他の教科は順に足してもよい |
| 家庭学習は成績に関係ない | 2024年8月29日の通知に基づき、条件を満たせば学習成果が評価に反映される仕組みがある |
| 勉強を再開すれば、すぐ登校しなければならない | 文部科学省は、支援の目標を「登校」だけに置かない考え方を示している(2019年10月25日の通知) |
特に最後の点は、保護者の方も本人も、肩の力を抜いてよいところです。
文部科学省の通知は、不登校支援の目標を、登校するという結果だけに置かず、児童生徒が自らの進路を主体的に考え、社会的に自立することを目指すものとしています。
勉強の再開は、登校の前提ではなく、本人の選択肢を増やすための準備と考えるとよいでしょう。
✅ 今週やること:3日で始める再開のステップ
今週やることは、「学校に聞く」「止まった場所を探す」「15分の時間を決める」の3つです。
全部を一度にやる必要はなく、1日1つで十分です。
1日目:学校に聞く
- 担任の先生に、授業で進んでいる単元と、今学期のテスト範囲を聞く。
- 提出物の状況と、預かってもらっている教材を確認する。
- 校内教育支援センターや、オンラインでの学習の仕組みがあるかを聞く。
2日目:止まった場所を探す
- 数学と英語で、1つ前の単元に戻りながら、ひとりで解ける場所を見つける。
- 結果を点数にせず、「ここから始めよう」と本人と決める。
3日目:15分の時間を決める
- 1日15分の時間帯を決める(例:夕食の前)。
- カレンダーに丸を付け、できた日に印を付ける。
- 1週間続いたら、時間を5分だけ伸ばすかどうかを、本人と相談する。
学習のことで手が止まったときは、家庭だけで抱え込まなくて大丈夫です。
学校の先生、教育支援センター、個別指導など、学習面の相談先を使う方法もあります。
また、気持ちや体調の心配があるときは、学校のスクールカウンセラーや、医療機関などの専門機関に相談してください。
24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)では、学校に行くことや友だちとの関係についての不安を、いつでも電話で相談できます(文部科学省)。
❓ よくあるご質問
何か月休んでいたら、前の学年までさかのぼる必要がありますか?
期間で一律に決まるものではありません。ひとりで解ける場所まで戻る、というのが一つの考え方です。数学や英語は積み上げの教科なので、止まった単元の手前から確認してください。
中学の学習内容は、どこで確認できますか?
文部科学省の「中学校学習指導要領(平成29年告示)」で確認できます。授業時数は、学校教育法施行規則の別表第二に、教科ごとの年間標準授業時数として示されています。
1日どのくらい勉強すれば再開できたといえますか?
決まった基準はありません。10〜15分から始めて、1週間続いたら少し伸ばす、というのが一つの考え方です。ご家庭の状況で変わりますので、本人の様子を見て調整してください。
最初に取り組む教科は何がよいですか?
数学と英語を軸にする考え方があります。前の学年の内容を使って進む教科で、授業時数も多いためです。ただし、本人が取り組みやすい教科から始めても構いません。
中3で長く休んでいます。高校受験はどうなりますか?
選抜方法は都道府県の教育委員会や高校ごとに異なります。まず担任の先生と、志望校や教育委員会の公式情報で確認してください。進級・卒業の最終判断は校長(学校)が行います。
家庭で勉強したことは、成績に反映されますか?
2024年8月29日の文部科学省の通知により、学校教育法施行規則が改正され、条件を満たせば、欠席中の学習成果を成績評価に反映できる仕組みがあります。実際の扱いは学校が判断しますので、学校にご確認ください。
勉強を再開したら、すぐに登校させるべきですか?
そうとは限りません。文部科学省の2019年10月25日の通知は、支援の目標を登校という結果だけに置かず、社会的自立を目指すものとしています。登校の時期は、学校や専門機関とも相談してください。
気持ちや体調が心配なときは、どうすればよいですか?
学習の計画より先に、学校のスクールカウンセラーや、医療機関などの専門機関に相談してください。この記事は、医療や心理についての助言をするものではありません。
📚 参考にした公的資料
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」第2章 各教科(数学・国語・外国語)
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年3月31日公示)比較対照表」
- 文部科学省「平成29年改訂の小・中学校学習指導要領に関するQ&A(算数,数学に関すること)」
- 学校教育法施行規則 別表第二(中学校の各教科等の年間標準授業時数)
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(2019年10月25日)
- 文部科学省「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」(2023年3月31日)
- 文部科学省「COCOLOプランの進捗状況(概要)」(2025年11月6日掲載)
- 文部科学省「学校教育法施行規則の一部を改正する省令等について」(通知)(2024年8月29日)
- 文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」


