結論
冬期講習は「取るか取らないか」ではなく、今つまずいている単元を、冬の10日間で埋められる形式かどうかで決めます。
集団の冬期講習は、志望校レベルの演習量を確保したい生徒には効果があります。一方で、前の学年の単元が抜けている生徒が同じ講習に入ると、10日間ずっと「解けない問題の解説」を聞くだけで終わります。取るべきかどうかは、学年でも偏差値でもなく、抜けている単元が特定できているかで分かれます。
この記事でわかること
- 冬期講習を「とりあえず全部取る」のが危険な3つの理由
- 冬期講習で伸びる子と、消化不良で終わる子の違い
- 取るかどうかを決める3つの判断基準と、判断の期限
- 講習費を「総額」と「1コマあたり」で見る方法
- 保護者がこの時期にやってはいけない3つのこと
冬期講習を「とりあえず全部取る」べきでない3つの理由
冬期講習の案内は、11月から12月上旬に一斉に届きます。受験学年であれば「ここで取らないと不安」という気持ちになるのが自然です。ただし、申し込む前に一度立ち止まる価値があります。
理由1:冬期講習は「授業日数」が短く、個別の弱点に合わせる時間がない
冬休みは学校の休みそのものが2週間前後しかなく、年末年始をはさみます。多くの講習は実質10日前後です。その中で1教科あたりに使える時間は限られます。集団形式である以上、カリキュラムは「全員に共通して必要な内容」で組まれます。つまり、お子さんが個人的に抜けている単元は、原則として扱われません。
理由2:コマを入れるほど「復習する時間」が消える
成績が上がるのは授業を受けた瞬間ではなく、授業で扱った問題を自力で解き直したときです。冬期講習を朝から夕方まで入れると、その日のうちに解き直す時間が残りません。授業を受けた量は増えても、定着する量は増えないという逆転が起きます。特に演習量が必要な数学・理科では、この傾向がはっきり出ます。
理由3:直前期の「不安」で判断すると、講習費が膨らみやすい
冬期講習はオプション講座や正月特訓、直前演習などが別枠で用意されていることが多く、案内の順に申し込むと総額が想定を超えがちです。金額の大小そのものが問題なのではなく、同じ金額を「何に使うと一番点数が動くか」を比べないまま決めてしまうことが問題です。
冬期講習で伸びる子・消化不良で終わる子
同じ講習を受けても、結果は二極化します。分かれ目は学力の高さではなく、講習に入る前の状態です。
伸びる子の条件
- 秋の模試やテストの結果を見て、落とした原因を単元名まで言える
- 授業のない日に、自分で解き直す時間が1日2時間以上確保できる
- 志望校の過去問に一度は触れていて、必要な演習量の見当がついている
- 取る講座を、教科ごとに「必要/不要」で選べている
消化不良で終わる子の条件
- 前の学年の単元が抜けているのに、受験学年向けの演習講座に入る
- 朝から夕方までコマを埋め、家での解き直しがゼロになっている
- 「みんなが取っているから」で科目を決めている
- 冬期講習のテキストを、講習が終わっても一度も開き直さない
取るかどうかを決める3つの判断基準
基準1 直近の模試で落とした問題が「同じ単元」に固まっているか
答案を見て、失点が特定の単元に集中しているなら、その単元を埋める時間が必要です。集団の冬期講習はそこを扱わないため、個別に埋める手段を別に用意するのが先になります。逆に失点が広く薄く散っているなら、演習量が足りていない状態なので、講習の演習講座が効きます。
基準2 講習のない日に、解き直す時間が1日2時間残るか
冬休みの1日を紙に書き出し、講習の時間を入れてみてください。残った自習時間が1日2時間を切るなら、コマを取りすぎです。授業は「解けるようにするきっかけ」であって、点数になるのは解き直した後です。
基準3 その講座を受けたあと、何ができるようになるかを説明できるか
「英語長文2コマ」ではなく「初見の長文を時間内に読み切れるようにする」と言えるかどうかです。説明できない講座は、申し込みを見送っても構いません。判断に迷ったら、塾の担当者に「この講座を終えた生徒は何ができるようになりますか」と直接聞いてください。答えが具体的なら、その講座は組み立てられています。
判断の期限:11月中旬まで
多くの塾は11月下旬から12月上旬に冬期講習の申込を締め切り、人気講座は先に埋まります。12月に入ってから考え始めると、選ぶのではなく「空いている講座に合わせる」ことになります。11月中旬までに、秋の模試の答案を見ながら取る/取らないを決めておくのが現実的な期限です。
講習費は「総額」と「1コマあたり」で見る
冬期講習の費用は、集団か個別か、学年、コマ数によって大きく変わります。案内に書かれた金額だけで比べると、後から追加費用が乗ることがあります。金額の高い・安いを判断する前に、次の項目を必ず確認してください。
| 確認する項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 総額 | 授業料だけでなく、教材費・模試代・施設維持費・冬期の管理費を合算した金額 |
| 1コマあたりの単価 | 総額÷コマ数。集団と個別を同じ土俵で比べるにはこの数字が必要 |
| 1コマの長さと人数 | 60分か90分か、1クラス何人か。人数が多いほど個別の質問時間は減る |
| 正月特訓などの別枠 | 通常の冬期講習に含まれるのか、追加料金なのか |
| 欠席時の扱い | 体調不良で休んだ場合に振替があるか、返金されるか |
※費用の基準や含まれる範囲は、塾・予備校ごとに大きく異なります。上記は確認すべき項目の例であり、金額の目安ではありません。必ず各社の募集要項でご確認ください。
そのうえで考えたいのは、同じ予算を「集団の冬期講習フルセット」に使うのか、「弱点単元だけを個別に埋める指導」に使うのかという比較です。失点が特定の単元に固まっている生徒ほど、後者のほうが点数の動きは大きくなります。
今日からできる4つの行動
ステップ1 秋の模試の答案を、単元名で分類する
点数ではなく、落とした問題の単元名を書き出します。3問以上固まっている単元が、冬に埋めるべき場所です。
ステップ2 冬休みの1日の予定を、紙に時間割で書く
講習・移動・食事・睡眠を入れたうえで、自習に使える時間が何時間残るかを見ます。2時間を切るなら、取る講座を減らします。
ステップ3 講座ごとに「受けた後にできるようになること」を1行で書く
書けない講座には、いったん印を付けて保留します。担当者に質問して、答えが具体的なら申し込みます。
ステップ4 総額と1コマ単価を、紙に並べて比べる
集団講習、個別指導、家庭教師を同じ表に並べます。判断材料がそろって初めて、金額の話ができます。
保護者がやってはいけない3つのNG
NG1 「不安だからとりあえず全部」で申し込む
コマ数は安心材料にはなりますが、点数には直結しません。増やすほど自習時間が消えます。
NG2 周りの家庭の取得コマ数を基準にする
抜けている単元も志望校も家庭ごとに違います。比較すべきは他人ではなく、お子さん自身の答案です。
NG3 講習を取ったことで「対策済み」と考える
講習は手段であって結果ではありません。終わった後にテキストを解き直したかどうかを、必ず確認してください。
冬に「個別に埋める」なら、プロのオンライン家庭教師という選択肢
失点が特定の単元に固まっている場合、必要なのは授業の量ではなく、その単元だけを狙って埋める時間です。集団の講習では構造上そこを扱えません。
エスペランサアカデミーは、完全オンライン・全国対応のプロ家庭教師センターです。指導は1対1で、答案を見ながらつまずきの原因を特定し、志望校から逆算したカリキュラムをお子さん専用に組みます。中学受験・高校受験・大学受験のいずれにも対応し、難関校志望の生徒も指導しています。冬休みの限られた10日間をどこに使うかを、答案をもとにご提案します。
志望校の判定が思うように出ていない場合は、模試でE判定・D判定が出たときの判断基準、受験校の組み方に迷っている場合は併願校は何校受けるべきかもあわせてご覧ください。
冬期講習を取る前に、一度ご相談ください
初回の体験授業は無料です。答案を見ながら、冬に埋めるべき単元と、必要な回数をお伝えします。しつこい勧誘はありません。
まとめ
- 冬期講習は、抜けている単元が特定できているかどうかで取り方が変わる
- 失点が広く散っているなら演習講座が効く。特定単元に固まっているなら、個別に埋める手段を先に用意する
- 講習のない時間に、1日2時間の解き直しが残るコマ数に抑える
- 費用は総額と1コマ単価で比べる。含まれる範囲は塾ごとに異なるため必ず要項で確認する
- 判断の期限は11月中旬。12月に入ると、選ぶのではなく空きに合わせることになる
冬期講習そのものに良い悪いはありません。決め手は、お子さんの答案に合っているかどうかです。答案を前に迷われたときは、判断のご相談だけでもお受けしています。
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