小論文の書き方|4段構成のテンプレートと評価される答案の作り方

小論文の書き方4段構成のテンプレート|評価される答案の作り方受験情報

小論文は、才能や文章のセンスで書くものではありません。型があり、その型に沿って書けば必ず形になります。この記事では、原稿用紙を前にして手が止まってしまう人のために、書き出しから結論まで、そのまま真似できる手順を示します。推薦入試・総合型選抜・都立高校の推薦入試のいずれにも使えます。

この記事でわかること
・小論文と作文の決定的な違い
・4段構成のテンプレート(そのまま使えます)
・設問を読んでから書き始めるまでの5ステップ
・評価される答案と、落ちる答案の具体例
・時間配分と、字数の埋め方

まず前提:小論文と作文は別物です

ここを取り違えたまま書いている人が非常に多いです。

作文小論文
書くもの自分の体験と感想意見と、その根拠
求められること素直さ・表現力論理の一貫性
「思いました」使ってよい使わない
結論の位置最後最初に書く
評価される答案心が動いた体験反対意見にも触れている
NG 最も多い失敗

「私は〜と思いました。なぜなら感動したからです」という書き方。小論文で問われているのは感想ではなく、主張と根拠です。「思います」を「考える」に変えるだけでも印象が変わります。

POINT 小論文の定義

「問いに対して、自分の立場を示し、根拠を挙げて説明する文章」。これだけです。うまく書く必要はありません。ずれずに書くことが求められています。

4段構成のテンプレート

迷ったら、この型で書いてください。800字なら、次の配分になります。

1
第1段落:結論(100〜150字)

「私は〜と考える。」で始めます。設問に対する自分の立場を、最初にはっきり書きます。ここで曖昧にすると、最後まで曖昧なままになります。

2
第2段落:理由(250〜300字)

「なぜなら〜だからである。」。根拠を1つか2つ挙げます。数字や具体例があれば強くなります。理由を3つ以上並べると、1つずつが薄くなるので避けてください。

3
第3段落:反論への配慮(200〜250字)

「確かに〜という見方もある。しかし〜」。ここが最も差がつく部分です。反対意見に一度触れてから、それでも自分の立場が成り立つ理由を書きます。これがあるだけで評価が変わります。

4
第4段落:結論の再確認(100〜150字)

「以上より、私は〜と考える。」。第1段落と同じ主張を、少し表現を変えて繰り返します。新しい話題をここで出さないでください。

POINT なぜ第3段落が効くのか

反論に触れられる人は、「その問題を多面的に見ている」と評価されます。逆に自分の主張だけを繰り返す答案は、視野が狭いと判断されます。字数が足りないときも、ここを厚くするのが最も自然です。

書き始めるまでの5ステップ

いきなり書き出すと、途中で必ず行き詰まります。60分の試験なら、最初の15分は書かずに考えてください

1
設問を2回読み、問われていることに線を引く(2分)

「〜について、あなたの考えを述べよ」なのか「〜の問題点を指摘し、解決策を述べよ」なのか。後者なら、問題点と解決策の両方を書かないと0点に近づきます

2
条件を確認する(1分)

字数、段落数の指定、課題文の引用の要否。字数は8割を下回ると大幅に減点されます。800字なら最低640字、できれば720字以上。

3
自分の立場を1文で決める(3分)

賛成か反対か、あるいはどちらの解決策を選ぶか。ここで迷い続けるのが最大の時間の無駄です。書きやすいほうを選んで構いません。正解はありません。

4
理由を2つ、余白にメモする(5分)

キーワードだけで十分です。「経済的な負担」「本人の選択肢が減る」のように、単語で書き出します。ここで具体例も一緒にメモします。

5
各段落の字数を余白に書く(2分)

「①150 ②300 ③250 ④100」のように。これを書いてから始めると、字数不足で慌てることがなくなります

NG やってはいけない

考えがまとまらないまま書き始めること。途中で立場が変わった答案は、最も評価が低くなります。15分考えて45分で書くほうが、60分書き続けるより良い答案になります。

評価される答案と、落ちる答案

同じテーマで、実際にどう違うのかを示します。設問は「高校生のアルバイトについて、あなたの考えを述べよ」とします。

NG 落ちる答案の書き出し

「私は高校生のアルバイトについて、良いと思います。なぜなら、お金を稼ぐのは大変だと分かるからです。私も将来アルバイトをしてみたいと思いました。」

問題点:①「思います」で終わっている ②根拠が主観だけ ③最後が感想になっている

POINT 評価される答案の書き出し

「私は、高校生のアルバイトは条件つきで認められるべきだと考える。ここでの条件とは、学業に支障が出ない時間数に限ることである。」

良い点:①立場が明確 ②条件を自分で定義している ③この後の展開が予測できる

違いは文章力ではありません。「何を書くか」を決めてから書き始めたかどうかです。

第3段落(反論への配慮)の書き方の例

ここが最も書きにくい部分なので、型を示します。

POINT そのまま使える言い回し

「確かに、〜という指摘がある。実際に〜という側面は否定できない。しかし、〜を考えれば、〜のほうが重要である。」

この3文を骨組みにして、間に具体例を入れれば200字は埋まります。

字数が足りないときの埋め方

「あと100字が書けない」という相談は非常に多いです。次の順で足してください。

1
具体例を1つ足す

最も自然です。「例えば〜の場合」と書き出して、40〜60字の例を加えます。

2
反論への配慮を厚くする

第3段落に、もう1つ別の視点を足します。「また、〜という懸念もある」と続けます。

3
条件を定義する

「アルバイトを認めるべきだ」の「アルバイト」とは何か。週何時間までか、どんな職種かを定義すると、それだけで50字ほど増え、内容も精密になります。

NG やってはいけない埋め方

同じ内容を言い換えて繰り返すこと。採点者にはすぐ分かります。「つまり」「言い換えれば」が3回以上出てきたら、水増ししている合図です。

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原稿用紙の使い方と、減点されないための注意

必ず守ること
□ 書き出しと段落の最初は1マス空ける
□ 句読点・かっこは1マス使う。行頭には来ないよう、前の行の最後のマスに入れる
□ 数字は縦書きなら漢数字、横書きなら算用数字
□ 話し言葉は使わない(「〜だし」「なので」「やっぱり」はNG)
□ 「〜だ・である」で統一する。「です・ます」と混ぜない
□ 略語を使わない(「スマホ」→「スマートフォン」)
□ 消しゴムで消した跡は、しっかり消す
POINT 文末表現の言い換え

「思います」→「考える」/「〜だと思う」→「〜だといえる」/「すごく」→「非常に」/「なので」→「したがって」/「でも」→「しかし」

時間配分(60分・800字の場合)

時間やることポイント
0〜2分設問を2回読む問われていることに線を引く
2〜3分条件を確認字数・段落指定・引用の要否
3〜6分立場を1文で決める迷わない。書きやすいほうでよい
6〜13分理由と具体例をメモ余白にキーワードだけ
13〜15分段落ごとの字数を書くここを飛ばさない
15〜50分書く途中で立場を変えない
50〜60分読み返す誤字・文末・字数を確認

最後の10分は必ず残してください。誤字と文末の統一だけで、印象がはっきり変わります

練習の進め方

小論文は、書いた数ではなく直した数で上達します。

1
まず1本、時間を計って書く

できなくて構いません。現状を知ることが目的です。

2
誰かに読んでもらう

自分では、論理が飛んでいることに気づけません。先生でも保護者でも構わないので、他人に読んでもらってください

3
指摘された箇所だけを直して、書き直す

ここが最も効きます。新しいテーマを書くより、同じテーマを直すほうが上達します

4
頻出テーマの知識を集める

志望学部に関連するテーマ(教育学部なら教育格差、医療系なら地域医療など)は、あらかじめ新聞やニュースで背景を知っておきます。知識がないテーマは、型があっても書けません

5
週1本のペースで、5〜10本

これで十分に形になります。毎日書く必要はありません。直す時間のほうが大切です。

よくある質問

Q. 字数はどのくらい書けばいいですか?
A. 指定字数の9割以上が目安です。800字なら720字以上。8割を下回ると減点対象になることが多く、6割程度だと大幅に評価が下がります。逆に超過は認められないので、必ず指定内に収めてください。
Q. 課題文がある場合は、どう書けばいいですか?
A. まず課題文の要旨を自分の言葉で1〜2文にまとめ、それに対する自分の立場を示します。課題文をそのまま長く引用するのは避けてください。要約は全体の2割程度までが目安です。
Q. 知らないテーマが出たらどうすればいいですか?
A. 知識がなくても、設問に対して立場を決めて、身近な例で根拠を示せば形にはなります。白紙が最も避けるべき状態です。ただし志望学部に関連するテーマは事前に準備しておいてください。
Q. 「私」は使ってもいいですか?
A. 使って構いません。「私は〜と考える」は小論文の標準的な書き出しです。ただし「私の家では」のような個人的すぎるエピソードの多用は避けてください。
Q. 都立高校の推薦入試の作文とは違いますか?
A. 高校入試では「作文」として出題されることが多く、体験を交えた記述が求められる場合があります。ただし「自分の考えを根拠とともに書く」という骨格は同じです。この記事の4段構成はそのまま使えます。
Q. 独学でも対策できますか?
A. 型を覚えるところまでは独学で可能です。ただし「論理が飛んでいないか」「設問に答えているか」は自分では判断できません。最低でも3〜5本は、第三者に読んでもらってください。

まとめ

小論文の書き方 要点
□ 小論文は感想ではなく、主張と根拠を書くもの
□ 4段構成(結論→理由→反論への配慮→結論)に当てはめる
□ 最初の15分は書かずに考える
□ 第3段落の「確かに〜しかし〜」が最も差をつける
□ 「思います」を使わず「考える」で統一する
□ 字数は指定の9割以上。最後の10分は見直しに残す
□ 上達するのは、書いた数ではなく直した数

小論文は、型を知っているかどうかだけで大きく差がつく分野です。まずはこの記事の4段構成で1本、時間を計って書いてみてください。

この記事を書いた人

エスペランサアカデミー編集部(中学・高校・大学受験専門のオンライン家庭教師)。採用率10%以下・指導経験5年以上のプロ講師のみが在籍し、渋幕・海城・早慶をはじめとする難関校への合格指導を行っています。本記事は、実際にご家庭からいただくご相談内容をもとに作成しています。

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