都立工芸高校に受かるには|5学科の倍率・推薦の作文・内申を公式データで解説【2027年入試】

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都立工芸高校に受かるには|5学科の倍率・推薦の作文・内申を公式データで解説【2027年入試】
最終更新:2026年10月22日|令和9年度(2027年度)入試対応

この記事の結論

都立工芸高校は、文京区本郷にある、工芸とデザインの専門高校です。アートクラフト科・マシンクラフト科・インテリア科・グラフィックアーツ科・デザイン科の5学科があり、令和9年度(2027年度)の募集人員は各35人(うち推薦10人)、合計175人(うち推薦50人)です(東京都の令和9年度募集人員の発表)。

令和8年度の学力検査(第一次募集)の最終応募倍率は、5学科の合計で1.70倍でした。学科別では、インテリア科が1.96倍、デザイン科が1.88倍、グラフィックアーツ科が1.84倍と高く、アートクラフト科が1.36倍でした。同じ学校でも、学科で倍率が大きく違います。

令和8年度の推薦では、検査として作文(50分・400〜600字)が公表されています。テーマは「自分にもこのようなものが作れるようになりたいと思った作品を挙げ、その魅力と、工芸高校で身に付けたい技術や能力を述べる」というものでした。作品を自分の目で見て、言葉にする練習が、推薦の準備の中心になります。

試験日は、推薦が令和9年1月26日(火)・27日(水)、学力検査が2月21日(日)です。

「絵や、ものづくりが好き。工芸高校に行きたいけれど、内申や勉強はどのくらい必要なのか」「5学科のどれを選べばよいのか」。そんな中学3年生と保護者の方に向けて、都立工芸高校の入試を、東京都教育委員会と学校が公表している資料をもとに整理しました。

数字は、出どころと年度を書いています。令和9年度の細かな配点や検査の方法は、学校の募集案内と説明会の配布資料で、必ず最終確認をしてください。

🏫 都立工芸高等学校とはどんな学校か

都立工芸高校は、東京都文京区本郷にある全日制の専門高校です。明治39年(1906年)に東京府立工芸学校の設置が認可され、明治40年(1907年)に開校しました。昭和25年(1950年)に現在の校名となり、昭和2年(1927年)に落成した校舎が、現在の場所にあります。学校案内では、開校以来の卒業生は2万人を超え、工芸作家、デザイナー、アートディレクター、技術者などとして社会で活躍している、と紹介されています。

項目内容
所在地〒113-0033 東京都文京区本郷1-3-9
最寄り駅学校のアクセスページでは、水道橋駅(JR・都営三田線)が「すぐ」、後楽園駅(東京メトロ丸ノ内線・南北線)が徒歩7分とされています
学科アートクラフト科、マシンクラフト科、インテリア科、グラフィックアーツ科、デザイン科(全日制)
キャッチコピー「つくること、描くこと、It’s my life.」(学校の公式サイト)
校舎・設備地上9階・地下2階、エレベーター4基、全館冷暖房。実習室、パソコン教室、CALL教室、室内温水プール、トレーニング室など(学校の特色ページ)
主な行事工芸祭(10月)、卒業制作発表会(2月)、卒業展(3月)。学校案内の年間行事より
電話03-3814-8755(全日制総務部)

※所在地・アクセス・設備・沿革は、学校の公式サイトの各ページ(アクセス、特色、沿革)をもとにしています。

🎨 5学科のちがいと、選び方の考え方

学校の特色ページと、学校が公表している「本校の期待する生徒の姿」から、5学科の学びを整理します。どの学科も、専門科目は班別の少人数の実習が中心で、1年次から系統立てた作品づくりの課題が出されます。

学科学びの内容(学校の説明)
アートクラフト科銅や銀などの素材を使ったジュエリー、花瓶、レリーフなどのものづくりと、デッサン、製図、デザインを学びます。自分でデザインし、制作したものを身につけたり使ったりできます
マシンクラフト科デッサン、コンピュータによるデザイン、機械や鋳造による立体造形、プロダクト製品の製作を行います。工芸品や工業製品のデザインと模型づくりから、プロダクトデザインの基礎を学びます
インテリア科建物、室内、家具などの生活環境のデザインと製作、インテリアのコーディネートを学びます。リビング、キッチン、照明、レストラン、家具や椅子などを、自分の手で提案する学びです
グラフィックアーツ科ポスター、写真、出版・編集、アニメーション、Webコンテンツ制作までを総合的に扱います。高度情報化社会やメディアミックスの時代を見据えた人材の育成を目指します
デザイン科広告やイラストなどの視覚的に伝えるデザインと、文具や家電などの立体製品のデザインを学びます。ビジュアルコミュニケーションとプロダクトを柱に、基礎的な造形訓練、発想技術、表現力を身につけます

※出典:都立工芸高校 公式サイト「特色」ページ、「本校の期待する生徒の姿」(学校公表のPDF)。

学校が期待する生徒の姿は、3つにまとめられています。(1)将来の進路をよく考え、本校での学習をそれに生かそうとする生徒。(2)教科学習、総合的な学習の時間、委員会・部活動、ボランティア、各種コンクールなどに、目的意識をもって積極的に取り組む生徒。(3)創作意欲が高く、各科の教育内容に関心をもち、熱心に取り組もうとする生徒。

学科選びでは、「何をつくりたいか」を、具体的な作品で考えると決めやすくなります。立体(金属・機械)、空間(インテリア)、紙・画面(グラフィック)、両方にまたがる(デザイン)の4つの方向から、自分がいちばん時間を忘れる作業を選びましょう。学科を決めたら、その学科の作品を、工芸祭や学校のSNS、卒業展などで見ておくことが大切です。

📈 倍率のうごき(令和6〜8年度・学科別)

都教委が公表している「最終応募状況」から、学力検査に基づく選抜(第一次募集)の工芸高校の3年分を並べます。「募集人員」は、推薦で合格した人数を除いた、学力検査の募集人数で、各学科25人です。

学科令和6年度令和7年度令和8年度
マシンクラフト科30人/1.20倍38人/1.52倍36人/1.44倍
アートクラフト科36人/1.44倍38人/1.52倍34人/1.36倍
インテリア科34人/1.36倍36人/1.44倍49人/1.96倍
デザイン科52人/2.08倍53人/2.12倍47人/1.88倍
グラフィックアーツ科54人/2.16倍38人/1.52倍46人/1.84倍
5学科の合計206人/1.65倍203人/1.62倍212人/1.70倍

※出典:東京都教育委員会「令和8年度/令和7年度/令和6年度 東京都立高等学校入学者選抜応募状況(最終応募状況)」の専門学科の表。表は「最終応募人員/最終応募倍率」です。

1.70
令和8年度の工芸高校5学科の合計の最終応募倍率です(応募212人 ÷ 学力検査の募集125人)。令和7年度は1.62倍、令和6年度は1.65倍でした。

🔍 倍率を読むときの注意点

倍率は「最終応募人員 ÷ 募集人員」で、合格のしやすさの目安にはなりますが、合格点そのものではありません。工芸高校の数字を読むときは、次の3点に注意してください。

  • 学科によって、倍率が最大で約0.6ポイント違います。令和8年度は、アートクラフト科1.36倍とインテリア科1.96倍の差がありました。
  • 年度によって、人気の学科が入れ替わります。グラフィックアーツ科は、令和6年度が2.16倍、令和7年度が1.52倍、令和8年度が1.84倍でした。前の年の倍率だけで志望を決めるのは、おすすめできません。
  • 都立の第一次募集では、受験できる学校は1校(学科まで1つ)で、その学校の中での第2志望は、募集要項の定めに従います。出願の方法は、必ず令和9年度の募集要項で確認してください。

また、倍率が低い学科でも、実技や作文など、その学科を選んだ理由を問う場面があります。「倍率が低いから選ぶ」ではなく、「つくりたいものがあるから選ぶ」という順番で考えるほうが、入学後の学びにもつながります。

📝 推薦入試の中身(作文・面接)と準備

工芸高校の募集人員は、各学科35人のうち推薦が10人です。令和9年度の推薦入試の検査日は、令和9年1月26日(火)・27日(水)、合格発表は2月2日(火)です。推薦の出願は、令和9年1月18日(月)の17時までと、東京都の日程で公表されています。

令和8年度の工芸高校の推薦で、公表されている検査は、作文です。時間は50分、字数は400〜600字でした。テーマは、「自分にもこのようなものが作れるようになりたいと思った作品を挙げ、その魅力と、工芸高校で身に付けたい技術や能力を述べる」という内容です。

項目令和8年度に公表されている内容
作文の時間・字数50分・400〜600字
作文のテーマ作ってみたい作品と、その魅力。工芸高校で身に付けたい技術や能力
面接・実技・調査書などの配点令和9年度の配点・比率は、募集要項で確認してください

※出典:東京都教育委員会の令和8年度入学者選抜の推薦に基づく選抜の検査内容(作文のテーマ一覧)。令和9年度の内容は、公表され次第、募集要項で確認してください。

作文の準備は、次の順番で進めるとやりやすくなります。

  • ① 作品を3つ選ぶ:学校のサイト、工芸祭、卒業展、学校案内の写真から、「作れるようになりたい」と思った作品を3つ書き出す。
  • ② 魅力を言葉にする:形、素材、使う人の姿、工夫など、どこに心を動かされたかを、2〜3文で書く。
  • ③ 身に付けたい技術を決める:「デッサンの力」「金属を加工する技術」「パソコンでデザインする力」など、学科の学びと結びつける。
  • ④ 400字で一度まとめる:まず400字で書き、それから600字に近づけるなら、具体例を足す。

字数の目安は、400字以上600字以内です。時間の使い方は、構成を考える10分、書く30分、見直し10分の配分が、ひとつの目安です。最初に結論(志望する学科と理由)を書き、そのあとに作品の魅力、最後に入学後の決意を書くと、まとまりやすくなります。

面接の準備

面接の形式(個人面接か集団面接か、時間、観点)は、年度の募集要項で確認してください。どの形式でも、次の4つは、聞かれる可能性が高い内容です。志望動機(なぜ工芸高校か、なぜその学科か)、中学校で力を入れたこと、好きな作品や作家、卒業後にやりたいこと、の4つです。「好きなものを、具体的に、短く説明する」練習を、家族や先生の前で繰り返しておくと、当日の緊張がやわらぎます。

作品を見て、自分の言葉にする習慣

推薦では、作文や面接で、「どんな作品に惹かれるのか」を言葉にする力が問われます。美術館や展覧会に行ったとき、「好き」「かっこいい」で終わらせず、「どの部分が、なぜ好きか」を一言ずつメモする習慣をつけましょう。1か月続けると、作文でも使える具体的な言葉がたまっていきます。

🧮 一般入試(学力検査)の点数の仕組みと内申

学力検査に基づく選抜(第一次募集)の日は、令和9年2月21日(日)、合格発表は3月1日(月)です。出願は、令和9年2月4日(木)の17時までと公表されています。工芸高校は専門学科ですので、学力検査の教科の比重や、実技検査・特色検査の有無は、令和9年度の募集要項で必ず確認してください。ここでは、都立高校の一般入試に共通する考え方を整理します。

区分共通する考え方(都教委の公表資料)
学力検査国語・数学・英語・理科・社会の5教科。各100点を、一定の換算で700点満点にする方式が、普通科などの標準です
調査書点中学校の成績(内申)です。5教科は1倍、実技4教科は2倍して合計し、300点満点に換算します
ESAT-J中学校英語スピーキングテスト。A20点、B16点、C12点、D8点、E4点、F0点で、合計に加わります
工芸高校の配点教科の比重・検査の方法は、令和9年度の募集要項で確認してください

※出典:東京都教育委員会「令和9年度 東京都立高等学校入学者選抜 実施要綱」ほか。工芸高校固有の配点は、募集要項で確認してください。

内申(調査書点)の計算の仕方は、「東京の内申点の計算方法」の記事で、表つきで解説しています。工芸高校のように実技教科が強みになる学校では、5教科より実技4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)が2倍で計算される点が、有利にはたらくことがあります。美術だけでなく、4つすべての実技教科で、提出物と授業態度を大切にしましょう。

内申の目安は、中学校の成績の付け方や、学科によって変わります。「内申がいくつあれば大丈夫」とは、一概には言えません。学校説明会や個別相談会で、学校の先生に、目安の聞き方を相談するのがよい方法です。

📊 偏差値の目安と、受験の位置づけ

民間の模擬試験や受験情報サイトの偏差値は、調べた会社・年度によって変わります。インターエデュの偏差値では、工芸高校は、学科によって55〜61、最も高いデザイン科で61とされています(参考値。学校や東京都が公表した値ではありません)。

項目内容
偏差値の目安55〜61(学科別。デザイン科が61)/出典:インターエデュ(民間の目安)
この数字の使い方志望校選びの目安として使い、合否の判断は、模試の判定と中学校の先生との面談を合わせて行います
志望順位の考え方偏差値だけでなく、学科の学びと、自分の作りたいものが合っているかを優先します

※偏差値は年度・模試によって変動します。受験する年度の最新の資料で確認してください。

📅 令和9年度入試までの1年間の動き方

令和9年度入試に向けて、中学3年生が、いつ何をするかを、時期ごとに整理します。学校行事の日程は、学校のサイトで最新の情報を確認してください。

時期やること
10月(今)工芸祭(10月24日・25日の予定)で作品を見る。学科を絞り込む。2学期の中間・期末テストで、実技教科を含めて取りこぼさない
11〜12月学校説明会・個別相談会に参加(12月12日に個別相談会の予定)。作品づくりと、作文の下書きを始める。12月18日から、東京都のWeb出願の準備
1月推薦の出願(1月18日17時まで)。推薦の検査(1月26日・27日)に向けて、作文と面接の練習を仕上げる
2月推薦の発表(2月2日)。一般の出願(2月4日17時まで)。学力検査(2月21日)に向けて、過去問演習を仕上げる
3月合格発表(3月1日)。第二次募集・分割後期は、受付3月4日、検査3月9日、発表3月12日の日程

※出典:東京都教育委員会の令和9年度入学者選抜の日程。学校行事の日程は、学校の公表資料(令和8年度分)にもとづきます。最新の日程は、各公式サイトで確認してください。

🎓 説明会・見学のしかたと、見ておきたいところ

学校の公表資料では、令和8年度の学校説明会が10月1日にあり、工芸祭の説明会が10月24日・25日、全日制・定時制の個別相談会が12月12日に予定されています。参加の方法や申込みの要否は、学校のサイトで確認してください。

  • 作品の展示:学科ごとに、3年間の成長がわかる作品を見る。自分が作りたいものに近いかを確かめる。
  • 実習室・設備:金属、木工、印刷、パソコンなど、どんな機械・道具で作っているかを見る。
  • 先生・先輩の話:学科の1日の流れ、課題の量、放課後の使い方を聞く。
  • 個別相談:内申の目安、実技・作文の準備、併願のしかたを質問する。

個別相談では、「うちの子の内申で、この学科は現実的か」を、成績表を持って、直接聞くのがおすすめです。保護者の方は、通学時間と、材料費・道具代など、入学後にかかる費用の目安も、学校に確認しておくと安心です。

📚 中3の秋からの勉強法(学力検査に向けて)

工芸高校をめざす人は、作品づくりに時間を使う分、5教科の勉強が後回しになりがちです。だからこそ、勉強の「型」を決めておくことが大切です。

教科秋〜冬の進め方
国語漢字・語句の知識を毎日10分。説明文・小説・古文の読解は、都立の過去問で時間を測って解き、記述の書き方を型にする
数学計算の正確さを最優先に。関数・図形・確率の基本問題を落とさない。間違えた問題は、翌日・1週間後にもう一度解く
英語単語と文法の基本を固めてから、長文とリスニングへ。ESAT-Jの練習も、並行して進める
理科・社会暗記を一度で終わらせず、一問一答で週に3回くり返す。資料の読み取り問題は、過去問で慣れる

都立入試の過去問は、東京都教育委員会のサイトで公表されています。まず1年分を、本番と同じ時間で解き、「どの教科のどの単元で点を落としたか」を、一覧にしてみてください。次の1か月は、その一覧の上から順に、直していく方法が効率的です。

推薦で受験する人は、推薦の結果が出る2月2日までは、学力検査の準備が止まりがちです。不合格だったときに、すぐ学力検査に切り替えられるよう、毎日30分でもよいので、5教科の勉強を続けましょう。

🏫 推薦と一般、どちらで受けるか

学科ごとの募集人員のうち、推薦は10人で、一般(学力検査)は25人です。推薦のほうが定員は少なく、推薦で合格するには、作品や活動の実績、調査書、作文・面接の準備が必要です。

比べるポイント推薦一般(学力検査)
定員(各学科)10人25人(推薦で合格した人数を除く)
主な検査作文(50分・400〜600字)ほか。詳細は募集要項で確認5教科の学力検査と調査書、ESAT-J
向いている人つくりたいものがはっきりしていて、作品の魅力や志望理由を言葉にできる人5教科の学力にも自信があり、当日の点数で勝負したい人
日程検査 1月26日・27日、発表 2月2日検査 2月21日、発表 3月1日

推薦を受けるかどうかは、中学校の先生との面談で決めていきます。推薦で受けて不合格でも、一般で再度受験できます。ただし、推薦の準備に時間を取られすぎて、学力検査の勉強が遅れることのないよう、計画を立てましょう。

🔗 併願・滑り止めの考え方と、関連記事

都立高校の第一次募集は、1校しか受験できません。そのため、都立の合否が出る前に、私立高校の併願優遇や一般入試を、確保しておくのが一般的です。東京都の私立高校の併願優遇は、内申の基準が、学校ごとに決まっています。

併願校は、「通学時間」「入学後の学び」「受験日程」の3つで選びます。私立の受験日は、都立の推薦検査や学力検査と重ならないよう、各校の募集要項で確認してください。

🖌️ 学科ごとの「向いている人」チェック

学科選びで迷ったときは、次の質問に「はい」がいくつつくかを見てみてください。数が多い学科が、今のあなたの興味に近い目安です。これは合否や適性を判定するものではなく、考えを整理するための道具です。

学科自分に聞いてみる質問
アートクラフト科金属や素材を、自分の手で削ったり、曲げたりして、身につけるものを作ってみたいか。細かい作業を、長く続けるのが好きか
マシンクラフト科機械の仕組みや、製品の形に興味があるか。パソコンで設計し、立体にする作業にわくわくするか
インテリア科部屋、家具、照明など、暮らしの空間を考えるのが好きか。図面や模型をつくる作業に興味があるか
グラフィックアーツ科ポスター、写真、編集、アニメ、Webなど、画面や紙で伝える表現に興味があるか。パソコンでの制作が好きか
デザイン科広告やイラスト、文具や家電のデザインのように、「伝わる形」を考えるのが好きか。発想を絵にして示すのが好きか

どの学科でも、入学後に、デッサンや製図などの基礎的な造形訓練があります。「絵が得意でないと入れない」と思いすぎず、「基礎から学べる学校」という前提で、学科を選んでください。

🎒 入学までにできる、作品づくりと基礎の練習

推薦でも、一般でも、入学後の学びでも、役に立つのは、「毎日少しずつ、手を動かす習慣」です。次のような練習が、無理なく続けやすい方法です。

  • 身のまわりのものを、鉛筆で、1日10分スケッチする。形・影・質感の3つに気をつける。
  • 気に入った作品の「好きな理由」を、1枚のメモにまとめる。作文や面接の材料になる。
  • 工芸祭・卒業展・美術館などに行き、作品を実物で見る。写真と実物の違いを、メモする。
  • 中学校の美術・技術家庭の授業と作品提出を、丁寧に仕上げる。調査書にも、直接つながる。

作品の「上手さ」より、「どう考えて作ったか」を、説明できることのほうが、面接や作文では役に立ちます。作る前のアイデアのメモや、試作の写真を残しておくと、あとから話しやすくなります。

🚀 卒業後の進路と、学校生活のイメージ

学校案内では、開校以来2万人を超える卒業生が、工芸作家、デザイナー、アートディレクター、技術者などとして活躍していると紹介されています。進路は、美術・デザイン系の大学や専門学校への進学のほか、企業への就職があります。直近の卒業生の進路別の人数は、学校の進路ページと募集案内で、最新の数字を確認してください。

学校生活内容(学校の公表資料より)
工芸祭10月に開かれる学校行事。各学科の作品の展示や、発表があります
卒業制作発表会・卒業展2月に発表会、3月に卒業展が行われます。東京都美術館の卒業展を巡るミニツアーが紹介されています
校舎・設備地上9階・地下2階、全館冷暖房。室内温水プール、トレーニング室などもあります

工芸高校は、専門科目の実習が多く、課題に向かう時間も長くなります。部活動と両立するか、放課後の時間をどう使うかは、説明会で、先輩の様子を見て、イメージしておくとよいでしょう。

👪 保護者の方に知っておいてほしいこと

お子さんが、「工芸高校に行きたい」と言い出したとき、保護者の方が気になるのは、「進学・就職はどうなるのか」「勉強は大丈夫か」「費用はどのくらいか」の3つでしょう。次のように、確認の順番を決めておくと、話し合いが進めやすくなります。

  • まず、一緒に、学校の説明会や工芸祭に行く。作品を見ながら、本人の気持ちを聞く。
  • 次に、進路の実績と、入学後にかかる費用(材料費・道具代など)を、学校に確認する。
  • 最後に、内申の見込みと、併願校を、中学校の先生と相談する。

「好きなことで、将来どうなるのか」という不安は、自然なものです。学校が公表する進路の情報と、卒業生の活躍の紹介を、一緒に読みながら、将来のイメージを共有してみてください。本人が、自分の言葉で理由を話せるようになることが、推薦の面接でも、一般入試の勉強の支えにもなります。

📋 志望校を決める前のチェックリスト

「工芸高校を受ける」と決める前に、次の項目を、一つずつ確認してみてください。すべてに答えが出ていなくても大丈夫です。出ていない項目が、これから調べることのリストになります。

確認すること確認の方法
つくりたいものが言えるか好きな作品を3つ選び、理由を一言ずつ書く
志望の学科が決まっているか5学科の学びの内容と、卒業生の進路を読み比べる
内申の見込みはどうか2学期の成績の見込みを、中学校の先生に聞く。実技4教科も確認する
推薦と一般のどちらで受けるか定員、検査の内容、日程を比べ、先生と相談する
併願校はどうするか私立の併願優遇の条件と、受験日程を確認する
通学と生活はどうか通学時間、放課後の課題の量、部活動との両立を、説明会で確認する
出願の準備はできているかWeb出願の期間と、必要な書類を、中学校と一緒に確認する

このチェックリストを、冷蔵庫など、家族の目につく場所に貼っておくと、話し合いがしやすくなります。受験は、お子さん本人が、自分で決めて進めることが、最後の力になります。

🗂 この記事で使った出典

  • 東京都教育委員会「令和8年度/令和7年度/令和6年度 東京都立高等学校入学者選抜応募状況(最終応募状況)」
  • 東京都教育委員会「令和9年度 東京都立高等学校入学者選抜」の実施要綱・日程・募集人員の公表資料
  • 東京都教育委員会 令和8年度 推薦に基づく選抜の検査内容(作文のテーマ)
  • 東京都立工芸高等学校 公式サイト(アクセス、特色、沿革、学校案内、期待する生徒の姿、年間行事、説明会の案内)
  • インターエデュ 東京都立工芸高校の偏差値ページ(民間の参考値)

※最終確認日は2026年10月22日です。募集要項の公表後は、必ず最新の内容に差し替えて確認してください。

📌 よくある質問(FAQ)

Q. 工芸高校は、デザインの経験がなくても入れますか。
入学前にデザインの経験が必須とは、公表されていません。入学後に、デッサン、製図、デザインなどの基礎から学ぶ学校です。ただし、作品づくりへの意欲は、推薦の作文や面接で問われます。
Q. 令和8年度の倍率はどのくらいでしたか。
学力検査の第一次募集で、5学科の合計が1.70倍でした。学科別では、インテリア科1.96倍、デザイン科1.88倍、グラフィックアーツ科1.84倍、マシンクラフト科1.44倍、アートクラフト科1.36倍です(東京都教育委員会の最終応募状況)。
Q. 推薦入試では、何が行われますか。
令和8年度は、作文(50分・400〜600字)が公表されています。令和9年度の検査内容と配点は、募集要項で確認してください。
Q. 内申は、どのくらい必要ですか。
学科・年度・競争の状況で変わるため、一概には言えません。中学校の先生との面談と、学校の個別相談で、目安を確認してください。
Q. 学科は、あとから変えられますか。
入学後の学科の変更については、学校に直接確認してください。受験前に、学びの内容をよく調べて、学科を決めることが大切です。
Q. 私立高校との併願はできますか。
都立の第一次募集は1校のみですが、私立高校の併願優遇や一般入試を受けることは、一般的に行われています。私立の条件は、各校の募集要項で確認してください。
Q. 学校説明会はいつありますか。
学校の公表資料では、令和8年度に、10月1日の学校説明会、10月24日・25日の工芸祭の説明会、12月12日の個別相談会が予定されています。最新の日程と申込みの方法は、学校のサイトで確認してください。
Q. 出願はいつからですか。
令和9年度は、東京都のWeb出願が12月18日から始まり、推薦は令和9年1月18日の17時まで、学力検査は2月4日の17時までと公表されています。

✅ まとめ:工芸高校をめざす人への一言

工芸高校の入試で、いちばん大切なのは、「何をつくりたいか」を、自分の言葉で話せるようになることです。学科によって、倍率は1.36倍から1.96倍まで違いますが、倍率の数字だけで、志望を決める必要はありません。作品に触れ、学科の学びを調べ、作文と面接で、自分の考えを伝える準備を進めてください。

そのうえで、学力検査に向けた5教科の勉強と、内申の積み上げを、並行して進めましょう。令和9年度の募集要項と、学校の説明会の情報を、確認しながら、一歩ずつ進めていけば大丈夫です。

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