結論から言うと、ノーベル賞は入試に出ます。ただし、出た例をはっきり確認できたのは、おもに中学入試です。高校入試で受賞者を直接たずねた例は、今回の調査では確認できませんでした。
2026年10月は、ノーベル賞の発表の週でした。日本からは、化学賞に硤合憲三(そあい・けんそう)さんが選ばれています。「これは入試に出るのかな」と気になった保護者の方のために、出た例と、出やすい形、家庭での備え方をまとめます。
🏅 2026年のノーベル賞、決まった5つの賞
日本時間の発表日で並べます。経済学賞は10月12日の18時45分以降に発表される予定で、この記事を書いた10月11日の時点では、まだ決まっていません。
| 賞 | 発表日(日本時間) | 受賞者 | 受賞の理由(要旨) |
|---|---|---|---|
| 生理学・医学賞 | 10月5日 | カール・ダイセロス氏、ペーター・ヘーゲマン氏、ゲオルク・ナーゲル氏 | 光で開閉するイオンチャネルと、光遺伝学の発見 |
| 物理学賞 | 10月6日 | フランシス・ハルツェン氏 | 南極のニュートリノ観測所への貢献と、宇宙から来る高エネルギーのニュートリノの発見 |
| 化学賞 | 10月7日 | 硤合憲三氏(日本)、アンリ・B・カガン氏(フランス) | 不斉有機合成における非線形効果と、自己触媒作用の発見 |
| 文学賞 | 10月8日 | アン・カーソン氏(カナダ) | 古典との対話を通じて、現代文学に新しい形式を生み出した作品 |
| 平和賞 | 10月9日 | ナビ・ピレイ氏(南アフリカ) | 平和と国際法の推進への尽力 |
| 経済学賞 | 10月12日の予定 | 未発表 | ― |
※日本人の受賞者は、化学賞の硤合憲三氏(東京理科大学)です。「不斉自己触媒反応」は、分子の鏡に映したような左右の形の偏りが、反応によって大きくなる現象とされています。

🎯 ノーベル賞は、中学入試で実際に出ています
中学入試の社会の問題を調べた解説では、2026年入試で100校を調べています。その中で、ノーベル賞関連として出ていたのは、2024年10月に平和賞を受けた日本被団協と、核兵器の話です。出題した学校は、専修大学松戸、大宮開成、洗足学園、フェリス女学院、桜蔭、開成の6校でした。2025年入試でも、鷗友学園女子、須磨学園、女子学院、浅野、芝浦工業大学柏が、同じ出来事を出しています。
同じ調査では、時事の問題の約72%が「入試の前の年の出来事」で、約20%が「2年前の出来事や統計」でした。2年以上前の大きな出来事も、「その後どうなったか」という形で、くり返し出るとされています。ノーベル賞もその例の1つだと説明されています。
📋 出た例を、学校と年で見る
中学入試の解説サイトにまとまっている例です。年は、入試を行った年です。
| 入試の年 | 学校 | 問われた受賞者・内容 |
|---|---|---|
| 2013年 | 桜蔭中 | 山中伸弥氏(2012年に受賞) |
| 2017年 | 青山学院中 | 大村智氏(2015年に受賞) |
| 2017年 | 浅野中 | 赤崎勇氏・天野浩氏・中村修二氏(2014年に受賞) |
| 2017年 | 浦和明の星中 | 佐藤栄作氏(1974年に受賞。日本初のノーベル平和賞) |
| 2017年 | 本郷中 | マーチン・ルーサー・キング(1964年に受賞) |
| 2018年 | 桜蔭中 | 大村智氏 |
| 2018年 | サレジオ学院中 | 赤崎勇氏・天野浩氏・中村修二氏 |
| 2018年 | 江戸川学園取手中 | 湯川秀樹氏(1949年に受賞。日本初のノーベル賞) |
| 2020年 | 浅野中 | 核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN。2017年に受賞) |
※出題例は、中学入試の解説サイト(yuzupa)の記載にもとづきます。学校の問題そのものではなく、サイトのまとめです。出題の細かい形は、各校の過去問でご確認ください。
💡 出やすい3つの形
出た例をまとめたサイトでは、次の3つの傾向が書かれています。
| 形 | 内容 |
|---|---|
| ①直近の受賞者 | 最近の受賞者が中心です。直近5年を優先し、10年ほどを見ておけば安心とされています |
| ②「初」「唯一」の人 | 日本で初めて受賞した人など、特別な意味のある人は、昔の受賞者も出ます |
| ③平和賞 | 国外の受賞者や団体も出ます |
理科でも出ます。2026年1月の入試で出た理科の時事問題をまとめた記事には、2025年にノーベル生理学・医学賞を受けた坂口志文氏の受賞部門を問う問題が載っています(学校名は書かれていません)。同じ記事は、これからの入試でも「受賞者名と部門、研究の分野」が問われる可能性がある、と予測しています。これは予測で、確認された傾向ではありません。
🔭 2027年度入試に向けて、何を見ておくか
ここからは推測です。時事の約72%が「前の年の出来事」なので、2027年に入試を受ける人は、2026年の受賞者が出る可能性があります。ただ、実際に出るかどうかは、学校によって変わります。受賞者を全員覚える必要はありません。
| 見ておきたいもの | ひとこと |
|---|---|
| 2026年の化学賞(日本人が受賞) | 硤合憲三氏。不斉自己触媒反応。名前・賞・何をした人か、の3つを言えるように |
| 2025年の受賞者 | 化学賞の北川進氏、生理学・医学賞の坂口志文氏。2026年入試の理科で、坂口氏の部門を問う問題の例がある |
| 平和賞 | 日本被団協(2024年)は、2025年・2026年の入試で出ている。2026年のナビ・ピレイ氏も、あわせて確認 |
🏫 高校入試・大学入試ではどうか
高校入試では、受賞者の名前を直接たずねた例を、今回は確認できませんでした。ここからは推測です。高校入試は教科書の内容が中心なので、受賞のニュースをそのまま問うより、理科や社会の考え方を使って読む問題のほうが、ふつうの形だと考えられます。志望校の過去問で、時事の問題が出ているかをたしかめるのが確実です。
大学入試では、受賞した研究が問題になった例が紹介されています。2019年に吉野彰氏らがリチウムイオン電池でノーベル化学賞を受けた年に、岡山大学(2019年・医学部)の化学で、電池の充電容量を求める計算問題が出たと、解説サイトが紹介しています。受賞の話題が、教科書の計算問題につながった例です。
🗓️ 家庭でできる準備
| やること | 内容 |
|---|---|
| ①1人1枚のカード | 受賞者の名前、賞、何をした人かを1文で書く。2026年の5賞が決まったら、まず5枚 |
| ②教科書とつなぐ | 化学賞なら理科の化学変化、平和賞なら社会の歴史や公民、というように、教科書の単元を1つ結ぶ |
| ③ニュースを1分話す | 食事のときに「今年の化学賞は何をした人?」と聞き、子どもに説明してもらう |
| ④志望校の過去問 | 時事の問題が出る学校かどうかを、過去問でたしかめる |
覚えることを増やしすぎないのが、コツです。入試の中心は、教科書の内容です。ニュースは、教科書の知識を使って考えるきっかけになります。時間は短くてかまいません。続けることのほうが大切です。
よくいただくご質問
Q. 受賞者は全員覚えないといけませんか?
A. いいえ。出た例を見ると、中心は直近の受賞者と、「日本初」など特別な意味のある人です。名前・賞・何をした人かを、直近の分から押さえれば十分です。
Q. 経済学賞は、いつ決まりますか?
A. 10月12日の18時45分以降に発表される予定です(日本時間)。決まったら、各賞の公式発表で確認しましょう。
Q. 公立高校の入試にも出ますか?
A. 受賞者名を直接たずねた例は、今回は確認できませんでした。志望校の過去問で、時事の問題が出ているかを見るのが確実です。
※出典:2026年ノーベル賞の受賞者と発表日は、報道各社と解説サイトの記載(2026年10月5日〜10日付)にもとづきます。中学入試の出題実績は、スクールコンパスの「中学入試の時事問題はどう出る?2026年入試100校の出題実績」、yuzupa「中学受験:ノーベル賞対策」、中学受験プロ講師ブログ、理科の時事問題を分析した解説(2026年度入試)、大学入試の例は化学の解説サイト(tomo-chem)による。いずれも、各サイトの記載にもとづくまとめです。
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